「っ━━━━━は━━━━━ぁ━━━━━」 聖堂の奥。 セイバーは、苦悶の表情を浮かべている。 それも、身体をくの字に曲げ、尻を高く掲げた姿でいた。 両足の筋が張りつめて震えている。 「ん━━━━━っ、ぁ━━━━━」 セイバーの格好は、キャスターによって変えられていた。 腕には長手袋、足につるつるとした光沢の極薄のストッキングを付けている。 そして、大胆に肩から胸元まで露出するドレスを纏い、腰には蒼いリボン、髪も同じ色のリボンで愛らしく結われていた。 「く……ぁ、は…………っ━━━━━」 静寂の中でかすかな音がする。 それは、一滴一滴滴る水音。 いくらかの間を置いて、その音は聴こえる。 それは、セイバーから聴こえてくる。 セイバーの股間の下には水たまりが広がっている。 ぴんと延ばしている足下にしたたり落ちるそれによってできたものに違いない。 少し粘性のあるその液体は、セイバーが快感に震えて分泌する液体だ。 「ふ━━━━━っ、は…………ぁ」 身体をくの字に曲げ、尻を突き上げた姿勢は苦痛以外の何でもない。 滴るほどの愛液を流すことなどある筈がない。 両足の筋と筋肉、そして腰が悲鳴を上げている筈なのに水音は確実に聴こえてくる。 令呪に逆らい続ける限り、彼女に自由意志など存在しない。 視覚化出来るほどの魔術がセイバーの全身を苛んでいる。 そして、キャスターはセイバーをそんな不自然な姿勢に固定したあげく、媚薬を秘裂にたっぷりと塗り込みそのまま放置したのだ。 あらわにされた秘裂の中に、キャスターの指が差し入れられて、媚薬が丁寧に塗り込まれていった。 媚薬を大量に塗り込まれた上で放置されて、自慰まで禁じられたセイバーは凄まじい疼きに絶えず襲われている。 「んっ━━━━━! ぁ、はあ、あ、っ………!」 そして、セイバーの身体に例えようもないほどの快感が走る。 その快感がどれほどのものであるか、それはセイバーの足下に広がる愛液の水たまりを見れば一目瞭然だ。 更に、セイバーのむき出しになった性器を見たなら、セイバーがどれほどの快感に身をさいなまれているかが解る。 それほど濃くはない恥毛ではあるが、それはべっとりと愛液を含んで滴を落としている。 真っ赤に充血した性器は絶えず収縮し、尖った陰核が包皮を押しのけて顔を出している。 驚くほど激しく開閉を繰り返す膣口は、ともすれば痙攣しているかのように見え、他人はもちろんのこと自分の指で触れることすらかなわぬもどかしさを訴えている。 「っ━━━━━ん、ぁ━━━━━」 内股を伝って流れる愛液が、セイバーの白い肌に光る筋を描いている。 時折、足下を伝って愛液が落ちていく。 セイバーの膣口が収縮する度にかなりの量の愛液が溢れ、小陰唇の襞にからみついて流れる。 磨き上げられた床に滴る愛液の音だけが妙に響く。 「っ━━━━━く、んっ…………!」 セイバーの性器は濡れ光りながらぎゅっと縮まっている。 全身の筋肉が痛いほど緊張し、セイバーの尻がぎゅっとすぼまった。 令呪によって全身の自由を奪われているにも関わらず、セイバーの身体ががくがくと痙攣する。 それは、もはや快感などではなかった。 過ぎた快感は苦痛となる。 すると、階段を下りる足音が響いてきた。 無論こんな場所に来る相手など一人しか居ない。 それは、近づいてくるキャスターの足音。 無理矢理マスターとなり、令呪を使ってセイバーを今の状況に陥れた相手である。 相手がどのような目的で、セイバーをこのような状態にしておくのかはわからない。 しかし、セイバーにとっては、敵対し危害を加える存在以外のなにものでもなかった。 セイバーは、キャスターからか逃れようと必死で身体を動かそうとするが無駄な足掻きだった。 「もう限界でしょう、セイバー? はやく楽になったらどうなの」 「っ━━━━━あ、ああ、んっ…………!」 そう言うとキャスターの長い指が延び、セイバーの背筋をそっと撫でた。 それだけでセイバーの全身からはどっと汗が吹き出す。 セイバーが白目を剥いている。 想像することすら難しいほどの快感が━━━━━いや、それはもはや快感にはほど遠い感覚なのかもしれない。 快感を遥かに超えたところにある感覚、苦痛、衝撃、ありとあらゆる不快なものが一度にこのセイバーを襲ったのかもしれない。 「ああ……ああああ!」 セイバーが絶叫した。 ぽろぽろと涙をこぼしてセイバーは長い絶叫を続ける。 セイバーの顔が見る間に上気していく。 それは苦痛とも快感ともとれる、怪しい感覚だ。 「ひ………ああんっ………ひい………」 全身の筋肉は痺れ、セイバーの意志を無視しているというのに、肌の感覚は呆れるほど敏感に快感を伝える。 見えなくても、膣口が痙攣しているのが解る。 これまでにも増して溢れる愛液が内股を伝って流れ落ちる。 「ああっ……………もう…………」 おぞましくも甘美な快感となってセイバーを追いつめていく。 セイバーの意志を無視して腰が震えた。 セイバーは額に玉の汗を浮かべて絶頂を迎えようとしている。 「ηθζδβτμιθψχφ」 つぶやくようにキャスターが呪文を唱えると、セイバーが歓喜の声をあげようとするその瞬間、感覚が消え失せた。 「ああんっ!」 もどかしさをあらわにセイバーが声を上げる。 全ての感覚が唐突に消え失せ、セイバーを我に返してしまう。 絶頂からいきなり引きずり降ろされたセイバーは潤んだ瞳を悲しげに曇らせて、キャスターを見上げた。 |