深い森を何日も歩き回りやっとの事で抜け出ると目の前には田園風景が拡がった。
広大な景色の端に一軒だけ建物を見つけた僕はすがるようにその建物の前までやってくる。
すすけた看板には…少し変わった字体だが宿とお食事と読める。ずっと野宿と保存食だった身にとっては地獄に仏、柔らかな寝床とあたたかな食事が頭の中を駆けめぐった。