「戦いも中盤ということか?」 「いいえ、バーサーカーさえ消えてしまえば、私達に恐れるものはありません」 神殿には今二人の男女がいた。 一人は痩せ形で眼鏡をかけ背広を着た男。 もう一人はすっぽりとフードを被り、表情は読みとれないが女性らしい。 「残る敵はランサーとセイバーだけ。 魔力の貯蔵も時期、臨界に達します。 あとは受け皿となる魔術師が一人となれば、力ずくで聖杯を呼ぶことも出来ましょう」 「魔術師か。 私では役に立たないが」 男の方はその話題に対して興味が無いのか、素っ気なく答える。 「ご安心を。 生贄の魔術師など他のマスターを使えば済むことです。 もっとも聖杯の器となる素材ですから、潜在能力の優れた魔術師でなければ務まりませんが。 能力的にはこのお嬢さんが最適ですけど、少しおてんばすぎるかしらね」 女性の手の中にある水晶球に赤い服を着た少女の姿が映し出される。 「必要なのは魔術師としての血統だけ。 素体として優れているのなら、魔術を使えるかどうかは関係ない。 貴女は役に立ちそうね、お嬢さん」 そのとき水晶球は青い髪の少女のものに移り変わった。 |