ベッドの上で、ヴィーナスは言葉にならない哀しい悲鳴を上げていた。
「ふはひへぇぇぇ! ひはぁぁぁ!!」
ヴィーナスは口を大きく開かされて、その中に丸い球で出来た口枷、ボールギャグを咥えさせられていた。球には小さな空気孔があるくらいで、口を大きく開いた状態のヴィーナスには、ちゃんとした言葉による哀願が遮断されてしまっていたのである。
口枷から出る哀願の声は、息を吐き出す僅かな呼吸音の違いとしか聞き取れなかった。
その上ヴァルカンの忌まわしき宣告通りに、ヴィーナスの裸身は身動きできないほど束縛されてしまっていた。
背中の後に回された両手首を縛るロープは、更に乳房を上下に挟むようにして数度回され、形の良い滑らかな丘陵を描く双乳は、強調されるように突き出されてしまっていた。
二つの乳房の頂にある乳輪は薄く桃色に色好き、頂点の桃色の蕾はほんの少しだけ盛り上がっている。桃色の乳首と白い肌に赤みがかかった強調された乳房の色使いは巧みで淫靡な姿を曝け出していたのである。
滑らかな腹部のラインは苦しそうに、口枷のくぐもった悲愴な啼き声と同調するかのように出たり引っ込んだりしていた。
そしてベッドの上に臀部をつけて座る下半身は、正面に女陰を晒すように両脚を両脇の下に開かされて持ちあげられ、膝の下で二、三回ロープを回されて、後ろ手に縛られた腕の後側にくくりつけられていた。膝から下は更に拡がされる形で下に伸び、両の細い足首をベッドの長辺の柵にロープで括られて、乙女の秘所を隠す事を不可能にしていた。
全てを曝け出された股間は、淫毛は産毛程度で大事な部分を隠す役割を果たしておらず、その下の小さな女豆は申し訳なさそうにその存在を表している程度に女唇に隠れ、何度も陵辱を受けて壊された女窟を覆い隠すように、薄桃色の肉唇を曝け出し、不浄の門が顔を出して、いやらしい姿を現していた。
ヴィーナスは、首から上と左右の足首から下、そして後ろ手に縛られた手首から先しか動かす事が出来なくなってしまったのである。
長く豊かな黄金の髪はベッドの上に散乱し乙女の恥ずかしい部分を全て曝け出されて、身動きも悲鳴や懇願さえも出来ないように緊縛されたヴィーナスは、大粒の涙を頬に伝わせ、ボールギャグを咥えさせられた開いた口から唾液を零しながら、涙を溢れさせた瞳で、縋りつくような視線を向けて哀しい言葉にならない懇願を繰り返していた。
その視線の先にいるヴァルカンは、若いヴィーナスの哀れな表情と姿に、満足そうに笑みを浮かべていた。
「縛られていても、やはりあなたは十分絵になりますな。これならこの地に居る間は、立派な性処理道具としての勤めを果たせますな」
嬉しそうに言うヴァルカンが、着ている服を脱ぎながら、ベッドに上ってきた。
「ふふっ! ふうっっ!!」
ヴィーナスは陵辱の危機に恐怖し、ヴァルカンの猛り勃つペニスを見せ付けられて、激しく頭を振って、くぐもった悲鳴を上げた。
「さて、それでは今日の務め果たしてもらいましょうか」
服を全て脱ぎ終えて全裸になったヴァルカンはそう言うと、抵抗さえできないヴィーナスを前倒しにした。
「はうぅぅっ! ひふふぅっっ!!」
M字開脚のまま前倒しにされたヴィーナスの突き出した臀部の後に、ヴァルカンは回り込み、腰を両脇から抱え上げて、その下に己の剛直したペニスを潜り込ませた。
ペニスの先にヴィーナスの柔肉の感触を感じながら、女唇の位置を確かめて狙いを定めると、抱え上げるヴィーナスの腰をゆっくりと降ろしていった。
「ひはぁぁっっっっ! ひふううぅぅぅぅぅぅ!!」
まだ最初に挿入されて日の浅い女窟は、何度も繰り返し挿入されても、まだまだ狭くヴァルカンのペニスをすんなりと飲み込むことは出来なかった。
ヴァルカンのペニスにヴィーナスの潤滑油のない襞肉が侵入を押し留めるように張り付いてくる。
その感触を愉しみながら、ヴァルカンはヴィーナスの腰を手で押しながら、己の腰を上下させた。
「ぐふうぅぅ! ひぐんんんん!! ぐうんっっ!!」
ヴァルカンの男根が徐々にヴィーナスの膣の中に潜っていくに連れて、ヴィーナスはヴァルカンの腰の動きに連動したように哀しいくぐもった悲鳴を上げ続けた。
「さすがにまだきついですな。これはこれで良いのですがね」
ヴァルカンは尚も腰を上下に揺すり、ヴィーナスの膣が己の男根を飲み込んでいく感触に悦楽を感じていた。
まったく濡れていないヴィーナスの狭い膣内は、侵入しようとしている男根を襞肉が強い力で張り付き押し留めようとしていたが、剛直した男根と柔らかい女肉とでは力の差が歴然としていた。
上下に動かされる衝撃に耐え切れずに、ヴィーナスの柔らかい肉襞は引き剥がされるたびに、更に奥へと侵入を許していってしまうのである。
その男根に張り付き引き剥がされる柔肉の感触を、少々の痛みを感じながらも堪能し、ヴァルカンはヴィーナスの目の前に突き出した臀部の二つの丸い尻肉を撫でさする。
「ひぎゅうっっ!!」
ヴィーナスのくぐもった啼き声が部屋に響く。
――――中略――――
それ故に、ヴァルカンもセーラーヴィーナスも、その部屋に入ってきた人物の事に気付かなかった。
その人物は、その二人のあられもない情事にあっけに取られて見ていたが、しばらくして口元に笑みを浮かべて、絡まりあう二人の乗るベッドに近づいていった。
その人物に最初に気付いたのは、首筋と乳房と膣を責めて顔を首筋に押し付けたまま上げていないヴァルカンではなく、首筋と乳房と膣を責められ続けていたヴィーナスであった。
ヴィーナスの涙を溢れさせた瞳の中にその人物が飛び込んでいくと、最初理解できないようだっがた、次第に理解してきたように目を見開き、ありったけの声を出すように、ボールギャグから助けを求める息を吐き出した。
「はふふひはふぅぅ! はふへへぇぇぇぇl!!」
そのヴィーナスの懇願の息に、ヴァルカンがゆっくりと顔を上げた。
その目は細く吊りあがり、邪魔されたのが面白くないといっているように、その人物を睨んでいた。
ヴィーナスの必死で助けを求めているのを感じながら、
「アルタリオスか………」
ヴィーナスの柔肌から糸を引いた口元を歪め、ヴァルカンはその人物の名を呼んだ。
この地にヴィーナスと一緒にやってきたアムールナイツの将軍クラスの一人、炎のアルタリオスが、凌辱を与えて楽しむヴァルカンと、凌辱を受けて苦しむヴィーナスの目の前に立っていたのである。