ヴィーナスは屈辱的な宣言をさせられた後も残りの二人が加わった将軍クラス八人に犯され続けた。
ようやく全てを終えて解放されたことによって、一日が終わったことを知る。
ヴィーナスにとってはヴァルカン一人に蹂躙された時と同様に、すでに時間の感覚はなく、永遠に続く陵辱でしかなかったために、解放されたことにひたすら安堵の涙を浮かべた。
このヴィーナスに対する蹂躙の地獄は、アムールナイツの合同訓練中ずっと続くのである。ヴィーナスの知る限り後十日以上もある。その間、ヴィーナスは男達の慰み者として、辛く苦しい残酷な目に合わされてしまうと思うと、絶望の淵に落ちていくような気持ちになった。
それでも、解放された今は、ベッドに横になり、少しでも体を休めようとした。
助けに来てくれると信じていたはずのアムールナイツが、まさか自分をヴァルカンと同じように蹂躙してくるとは思っていなかった。
男達に膣を貫かれ、口の中にペニスを咥えさせられ、不浄の門に差されて、男達の欲望の種を植え付けられたヴィーナスへのアムールナイツの責めは、今まで休むことなく繰り返されていた。
常に誰かによってヴィーナスの膣の中へ豪直したペニスを差し入れられ、まだ幼い未成熟の体内に欲望の白濁液を注ぎこまれた。溢れ出た愛液も混じり合い、膣の中に納まりきれずに内腿を汚し、シーツを染め上げていた。何度もペニスを刺しいれられた女唇はぱっくりと開ききり、自然と閉じることができなくなってしまっていた。
クリトリスや二つの乳首も指の腹で摘まれ弄ばれ、舌で転がされ、吸い付かれて、何度も強烈な刺激を受け、常に小さいながらも硬く勃起し、弄ばれるたびに痛みを感じ、と同時にやはり性的刺激を芽生えさせられ、狂おしいほどの電撃が脳髄を襲っていた。
肛門にさえ怒張したペニスを差し入れられて、直腸をかき回され続け、女唇同様にその窄まりはピクピクと今でも痙攣したように蠢き僅かに開いたままの穴からも白濁液が垂れていた。
ヴァルカンが宣告したように、身体中を性処理道具にされたヴィーナスは、両手両脚の先から頭に至るまで男たちの欲望の権化をぶつけられ、白く滑らかな瑞々しかった肌は、邪悪な白い粘液であちこち汚されてしまっていた。
ヴィーナスの口の中まで差し入れられたペニスの剛直は、喉奥に叩きつけられ、唇が捲れてきてしまうほど擦られ、舌で舐めとる様に強要され続けた。口の中に放たれた凶悪な粘液は吐き出すことが許されず、昨日の到着からまったく食事を採っていないヴィーナスに、食事の代わりだといわんばかりに、飲み込むことを強制され続けた。
心とは裏腹に何度も貫かれて膣壁を刺激され、疼くような、痺れるような感覚が体内で荒れ狂う。
男たちの欲望をぶつけられながらも、自ら感じてしまった性の刺激に、何度も絶頂を迎えさせられ、時には気を失ってもすぐに痛みや苦しみで目を覚まさせられた。
戦士とはいえまだ幼い体を一日中休むことなく嬲られ続けていては、男たちによって生み出された痛みや苦しみ熱さと、体に襲う疼きや痺れや気だるさに、体が脱力したまま一生回復することがないのではないかとさえ思えるほど、疲れきっていしまっていた。
美しかった長い黄金の髪はベッドの上で乱れ、男たちのザーメンがこびりつき、投げ出された四肢もぐったりと動かずに、体は火照り続け大量の汗を溢れさせて、半開きの口から荒い息遣いをしたまま、朱に染まった頬を涙で濡らし、虚ろな瞳は光を失い、ボーっと壁に目をやり続けていた。
言葉では性処理道具になると言ってしまっても、アルスの言っていた意味を理解できずにいたヴィーナスは、アルスの言葉が事実だとはどうしても信じられなかった。
それでも今は、この地獄の責めからやっと解放され、ひと時の安らぎの時間をヴィーナスは過ごしていた。
「――――ヴィーナス、ヴィーナス」
どれくらい時が過ぎたのか、耳元で声が聞こえた。
その声にヴィーナスはビクッと肩を震わせる。せっかく体が自由になりやっと安穏の安らぎを得たと思っていたのに、再び誰かがこの部屋に入ってきて、また自分を嬲り者にしようとしているのだと考えてしまった。
それでも顔は横向けたままだったが、ベッドの上の体はまだ疲れが取れずに、無様な体勢をさらしたまま動かせないでいた。それほどまでに疲れきっていたのである。
抵抗の仕草も言葉も今のヴィーナスにはできなかった。
「ヴィーナス、まだ起き上がることもできそうにないみたいですな」
その声は今度こそはっきりとヴィーナスの耳に届いた。それは最悪の声であった。
(お願いです………もう許して下さい………)
荒い息遣いの中で、そう言葉を発したつもりだったが、あの男に届いたかどうかは分からなかった。
男がベッドの上に上がってくる気配がひしひしと感じられた。だが、ヴィーナスは抵抗さえできない。
(許してぇ………もう、嫌なのぉぉ!)
心とは裏腹に体がいっこうに動かせなかった。
汚された裸身を隠すこともできずに、男の手がベッドと背中の間に差し込まれた。
そのまま、すっと上体をおこされた。
「あふううぅぅぅ」
首がガクッと前のめりに倒れて、思わず息が漏れてしまった。体の痛みや痺れは徐々に消えてはいたが、火照った体はまだまだヴィーナスの体力を奪ったままだった。
背中に回された手が腕の横を通って、ヴィーナスの顎を捉えた。その反対側に男の衣服越しの体が密着された。
「………い、やぁ………」
今度は言葉にできた。だが、それでもヴィーナスには逃げ出すことも突き放すこともできなかった。ただ、男の体に抱かれたおぞましさに戦慄を覚え、これ以上の責めを許してもらう言葉しか発することができなかった。
「おねがい………します………ゆるして………ください………」
軽く握られた顎を必死で動かし唇を開いて許しを乞う。
その開いた唇に冷たく細いものがあてがわれ、歯の間から口の中にそれが入っていった。最初はまた責めの道具を入れられのではないかと思っていた。しかし、それは口腔内を圧迫するような感触もなく、鼻を突く異臭を感じさせず、散々咥えさせられた男たちのペニスのような嫌悪感もまったくなかった。
そしてその細いものは管のようになっていて、その中から零れる液体がヴィーナスの穢れた口の中を洗うように流れこんできた。
「――――うぐん、ごくっん」
最初は少し咽るが、その液体のサラサラな舌触りと、無味無臭の爽快さにしだいに喉に流れてくる液体を飲み干していった。悪臭凶味の粘っこい男の欲望に比べればそれはまさに天からの贈り物に等しかった。
ごくごく、ごっくん………
ヴィーナスは少しずつ流れこんでくるさわやかな液体をゆっくりと飲み干していった。口腔ないだけでなく、喉奥の荒らされた器官さえも洗い流し清めてくれるように、それはゆっくりと確実にヴィーナスの体の中に入っていく。
不思議とその液体が体内に入っていくと体の火照りも急速に落ち着きだし、僅かに残る痛みや痺れも取れていった。
「はふぅぅう――――」
口の中に入った管から出ていた液体が途切れ、入って来たときと同様ゆっくりと引き抜かれると、ヴィーナスは安堵の吐息を吐き出した。
まるで生き返ったような心境がヴィーナスを目覚めさせた。
「――――ヴァ、ヴァルカン!」
顎を押さえていた手が離れると、ヴィーナスは横目でその男の姿を追った。そして頭の斜め上から見下ろす男の顔を見つけて、生気を取り戻した顔が驚愕に歪んだ。
「い、いやぁああ! 放してぇぇぇぇえええ!!」
いまだヴァルカンに体を支えるように抱きしめられていると知ったヴィーナスは、声を荒げ、必死に抵抗しようと身を捩った。それでもまだ背中に回された腕を払いのけることはできなかった。
「大分回復したようですね。ヴィーナス」
だが、ヴァルカンはあっけなくヴィーナスから放れ、ベッドから降りた。
すぐにヴィーナスは壁に背を預け、膝を立てた状態で脚を閉じ、上半身に密着させて腕を回し、できる限り裸身を隠すように体を丸めた。
「そこまで回復すれば十分です、ヴィーナス」
頭の上から聞こえる声に、ヴィーナスは朱を帯びた顔を向け、きっとベッドの上から見下ろすような邪悪な男を睨んだ。
「か、彼らを使うなんて………卑怯よ!」
ヴィーナスは声を荒げ抗議する。
やはりこの男がアムールナイツを操り自分を辱めようとしているとヴィーナスは考えていた。
月の王国の誇り高い戦士アムールナイツが、こんな残虐なことをするはずはないと信じていたかった。全てがこの悪魔のような男によって企てられた計略なのだと思いたかった。
最も信じていたアルスに足蹴にされ、屈辱的な言葉を言わされても、アムールナイツを信じていたかった。
体力気力が回復した今のヴィーナスは、戦士としての誇りを甦らせていたのである。それ故に、アムールナイツたちはヴァルカンに操られて、あのような自分を陥れる策を言わせたものと信じようとした。
アルタリオスやトリスタンたちのヴィーナスへの個人的な恨みは理解できたとしても、アムールナイツの月の王国に対する忠誠が皆無のような事実は、ヴィーナスには理解不可能だったのである。
この悪魔のような男に操られたアムールナイツが悪行の片棒を担がされるのは、耐え難い屈辱でもあった。アムールナイツを守るのも自分の役目でもあったのである。
「自ら性処理道具になると宣言したあなたですよ?」
それでもヴァルカンは口元を歪め、見下すように顔を向けていた。
「そ、それは………」
ヴィーナスは頬を朱に染めて、俯いてしまった。だが、すぐにきっとまたヴァルカンを見据えて、
「彼らはあなたに操られているのよ、そうに違いないわ! だって、アルスやルーインたちはアムールナイツなのよ、こんな事彼らがするはずないもの………」
ヴィーナスの声は、ヴァルカンの自分を見下すその目に射抜かれたように、徐々に弱まってきてしまった。
アムールナイツを操る愚かさへの怒りよりも、やはり目の前の男への恐怖が勝ってきてしまったのである。丸めた体がガタガタを震え出す。
「ふふ、まあいいでしょう。そう思いたければ思えってもらって結構です。どの道この地に居る間、あなたは俺やあいつらの性処理道具として働いてもらいますから」
にやっと口元を歪めるヴァルカン。
性処理道具という言葉と、ヴァルカンのいやらしく笑む表情にヴィーナスは、さらに体を縮ませ、瞳に涙を潤ませた。
「な………なんで………どうして………こんな事、しなくちゃいけないの………」
ヴィーナスはムーンバックヘルにいる間中、ヴァルカンによって犯され続ける事を嘆き悲しんだ。理不尽な仕打ちを受け続けなければならないのか、ヴィーナスにはどうしても理解できなかったのである。
ヴィーナスは目を伏せて嗚咽を漏らさずにはいられなくなった。先ほど飲み干した液体の効果か、体の火照りも和らぎようやく落ち着きだすと、一層ヴァルカンの凶行に不安と恐怖が再燃してきてしまったのである。
「どうして、ですか。アルスの奴が言ったと思いますけどね、ヴィーナス」
ヴァルカンはそう言い放つとベッドに近寄り前屈みになると、膝を立てたヴィーナスの足首に手をかけて引き寄せた。
「いやぁああああ!!」
ヴィーナスはいきなり引っ張られ、裸身を仰向けに曝け出されてしまった。
「やめてぇぇぇぇえええ! もう、ゆるしてぇぇぇぇええええ!!」
ヴィーナスの悲鳴を無視するヴァルカンは、ヴィーナスがさらけ出された乳房を隠そうとした腕を握り締め、体の脇に押さえつけた。ベッドからはみ出された脚の間に体を入れて閉じられなくしてしまう。
「お願いぃぃ! もう許してぇぇえええ!!」
ヴィーナスは再び残酷な仕打ちを受けてしまう予感に恐怖し顔を左右に振って懇願の悲鳴を上げる。
隠すことのできない乳房にヴァルカンの視線がネットリと絡まる様に感じ、散々嬲られた股間の秘裂に剛直が今にも突き刺さってきそうな気配に、身を震わせてしまっていた。
せっかく安らげるひと時が来たはずなのに、また蹂躙されてしまう恐怖に怯えたのである。
「アルスも言っていましたが、これはセーラーヴィーナスの宿命なのです。この地にセーラーヴィーナスが来ると、決まってこの部屋で俺に犯され、アムールナイツたちに犯されるのですよ」
ヴァルカンがヴィーナスを取り押さえても、ヴァルカン自身まだ衣服を身につけていて、すぐにはペニスを突き刺してこないこと分かると、何とかヴィーナスはそのヴァルカンの言葉を聞くことができた。
「う、嘘よ! そ、そんなの………」
「嘘ではありません。 あなたはあいつらが俺に操られていると信じるならそれでも構わないですが、あなたがここで受ける仕打ちは紛れもなく事実なんですよ」
「………」
それでもヴィーナスは、いつヴァルカンがペニスを突き刺すのか予測がつかずに、体を震わせながら、ヴァルカンの言葉を聞き、あのアルスが言っていた言葉を思い出していた。