「モンスターの襲撃は単なるきっかけづくりだ。混沌が新たな混沌を生み出し、混沌によって混沌がより一層深まる。あとは秩序を失った者達が勝手に争いを始めるだろうよ。人間は元来、獰猛な生き物だからな」
「あなたが望む混沌とやらでいったいどれだけの人達が ああっ!」
私は左側の乳房を鷲づかみにされた。
「見事だな、流石は女戦士だ……腰の肉付きも乳の張りも申し分なしだ。調教を施して売りに出せば高値は間違い無い」
まるで家畜か何かの品定めをするかのような真面目くさった口調で乳房を揉みしだいてくる。
ここで旅を終わらせる訳には行かない。なにより誰かに売り飛ばされるなんて絶対にイヤ!
「まずは売り飛ばす前に調教を施してやる。その勝ち気な表情が失われるのはちと惜しい気もするが、自分からペニスをおねだりする顔も楽しみだ」「私はあなたが想像しているよりもずっと頑固者よ。簡単に手懐けられやしないわ!」
そう強がる間も乳房はブロアの手にもてあそばれていた。『この、卑怯者っ!!』
私の卑怯者という言葉にブロアが初めて感情の変化を見せた。彼の冷たい眼差しの中に怒りの色が微かに混じるのがわかる。ギュゥゥ 今度は乳首をつねり上げられた。「いっ、痛い!」
「これから性処理道具に堕ちる牝豚に卑怯者と呼ばれて光栄だよ」「嫌と言えるのも今の内だけだ、お前はオレの奴隷なのだからな。選択肢などハナから無いのだよ」
今度は態度が一変して不機嫌な子供に言い聞かせるような口調。
私が浮かべる嫌悪感いっぱいの表情を楽しむブロアの眼差しから怒りの色は既に消え失せていた。いったい何をされるの? 剣さえあれば、こんな男……
「それほどまでに嫌ならばライディ、オレと『賭け』をしないか?」「自由になれるチャンスを一度だけやろう。オレとの賭け勝負にお前が勝利すれば奴隷から解放してやる」
ブロアから出された思わぬ提案の意図が分からない。この男は、いったい何を企んでいるの……?
――――序章 終わり
CHAPTER 1へ続く――――