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「なんですって!?」

「さっさと決めろ。殺(や)るのか、それとも犯(や)るのか」
「これ以上の戦いは無意味よ!」

「殺りたくないのなら、犯せ。男女の別はない。どうしても拒否するというのならオレとの賭けも無しだ。勝ちも負けもない。来た道を辿り、あのクソ狭い牢に戻るがいいさ」

 露骨なまでに人のあしもとを見た発言。完全にバカにしてる。 (暴力と性だけが価値基準だなんて、絶対に間違ってる、何より人として恥ずかしくないの!?)
 そう答える代わりに、横たわるピストンの傍に歩み寄った。

「ひいいいい!」
 身動きできないピストンは、かろうじて自由がきく首をおこし、歩み寄る私の顔とその手に持った剣を交互に見ながら迫り来る死の恐怖におののいている。

 この男はこれまでに何人の人を殺し、何人の女の子に乱暴したのかしら?

 ピストンの傍らに膝をついた私は、ピストンからは見えない位置に剣を置くと恐怖に怯えるピストンのベルトを外してズボンを膝まで引きずり降ろした。
「やめてくれ! 頼むから、ちょんぎらないでくれ――!!」
 上体を必死に揺すりながら足下の私に懇願してくる。

 不潔な下着を同じく膝まで引きずり降ろすと萎縮しきったペニスが露わになった。 「さっきまでのことは謝るからよ〜……ヤるんならひと思いに心臓を一突きにしてくれよぉぉ!」
 グネグネと身体全体をくねらせて懇願する男の両膝の上に跨った私は意を決して萎縮しきったペニスを手に取った。

 私はここにいる連中とは違う。必ずここを脱出する。剣は振るっても暴力にも性にも決して支配されたりしない……自分にそう言い聞かせながら卑劣なサディストのペニスを揉んでみる。

「アンタ、何してんだ?」 信じられないものを見るような目でペニスを揉む私を見つめるピストン。
「何って……犯しているのよ!」 一向に硬くならないペニスを睨みながらぶっきらぼうに答える。

「へへえ、お優しい戦士様だぜ……いや、クチでは嫌がっていてもスケベな本性を押さえ切れなくなったんだな!」
 うう、やっぱり剣を使えばよかったかも……
 いつものペースを取り戻したピストン。その彼のペニスもまた同様、にわかに硬度を帯び始める。

「ああん、もおぉ、早くイキなさいよ!」
「痛てててっ! まちなよ、もっと優しくしてくんなきゃプロとは呼べねえ」

「プロじゃない! 優しくしろっていわれたって……」
 優しさが皆無の男から優しさについて何か言われるなんて!

「アンタいいもん持ってるじゃねえか。それだよ、ソレ」
 ソレ? 仰向け状態もまま顔だけ起こした男が顎で指し示す先にあるもの、それは……

    これで、いいのかしら……」
「ああああ、やわらかくて、あったけえええ」
 オッパイの間に挟んだ途端、半勃ちだったペニスがむくむくと大きくなった。

 挟んだ状態で乳房を上下に揺すったり、左右の乳房を交互に動かしてペニスをこする。縛られた相手の性器を胸に挟んでこするなんて、ここだけみれば本当に変態じみている。

「うへへへ……アンタいいスジ、いやさ、いい胸してるぜ」
 首だけ起こしたピストンは私が胸で奉仕する様を眺めながら満足そうな顔をしている!
 恥ずかしい……! これじゃどっちが主導権を握っているのか分からない。勝利する為にこんな恥ずかしい行為をしなくちゃならないなんて……

「もぉ、早くイッてよ! まだ足りないの!?」
「あとちょっとだ……あとちょっと刺激が足んねえ。戦士様、先っちょ舐めてくんねえか?」
 谷間から顔を出すペニスの先端はうすく濡れてテカテカとグロテスクな光沢をたたえていた。

「い、嫌よ!!」

「ほんの少しでいいんだ! チョチョっとな、なぁ?」
 汗ばんだ胸の谷間でさらに汗ばんだペニスを挟む不快感から一刻も早く逃れたい私は、躊躇しながらも谷間から顔を出した亀頭の先端に舌を近づけた……

「!!」

 舌を付ける前にペニスの緊張を感じ取った私は瞬時に亀頭から顔を離した。これは私に顔を近づけさせておいて、顔面精液まみれにしようという性悪男の罠だった!
 亀頭の先端から間欠泉のように勢いよく精液が吹き出す。

ビュッ 「きゃっ!」
 最初に飛び出した精液が真上に飛んで私の鼻先をかすめて砂地に落ちた。

ビビュッ 「ぶわっ!!」
 続く射精で顔を汚されたのは、他ならぬピストンの方だった。

 私が咄嗟に顔を上げたとき乳房でペニスを押したためにペニスの向きが変わり、罠の成功を期待して首を伸ばして待っていたピストンの顔面に向けられた結果だった。

「くっそー! チクショウめ!! ぺっぺっ!」

 私は乳房が精液で汚れないよう慎重にペニスから離れた。
 手足の自由を奪われ、顔面が精液まみれのピストン。彼の場合は自業自得だけど、こちらが敗北していれば私がああいう姿になっていたかもしれない……

「……これで満足かしら!?」
 ブロアを見上げ、確認をとる。
「見事だ。敗者をそこまで無惨な姿におとしめる手腕には感服したよ」

「価値観が正反対の人に褒められても全然うれしくないわ」

「二人目との戦いも期待できそうだ……」
 一戦目でピストンに奇襲を許した事を思い出した私は身構え周囲を警戒した。……誰もいない。少し離れた場所にピストンが横たわっている以外は。

 次の瞬間、壁の上から一つの影が飛び出してきた。
 ブロアじゃない、もっと小さい……私の頭上を飛び越えた影が地面に横たわるピストンの上に飛来した。

「ぐはぁ!!」

 着地音は無く、代わりにピストンの乾いた断末魔が周囲の壁に反響した。その仰向けに横たわったピストンの左胸には槍が垂直に深々と突き立てられていた。

「あ、あなたは」
 ピストンに槍を突き立てた影の正体に私は目を疑った。
 そして、この状況下でその名前を呼ぶ事をためらいもした。

「キヤ……」
―体験版おわり―
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