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- Chapter 1 - 円形闘技場

 鎖に繋がれた私の前にブロアが立っている。
 正面から見ても彼の不気味さは相変わらずだけれど、背後に立たれるよりかは幾らかマシね。

「オレは今、死ぬほど退屈なのだよ。お前がシャフローを三十体以上も葬ってくれたおかげで楽しい襲撃ゲームもしばらくはお預けだ。繰り返し言うが、実に退屈だ」

「賭っていったわよね……いったい私に何を賭けろというの?」
 私は、この奇怪な魔導師の真意を計りかねていた。

「お前が賭ける物は戦士としてのプライドだ」
「戦士のプライド……」

「お前はこちらが用意した三人の戦士と順に一対一の決闘を行い、その三人に勝てば賭けはライディの勝ちだ、奴隷から解放してやる。だが、ライディがその決闘に一度でも負ければ、その時点で戦士ではなく単なる性の牝奴隷となるのだ」

    そんなの賭けでもなんでもない、罠でしょ!! という言葉を私は必死で飲み込んだ。

「……分かったわ。その賭けに乗るわ」

「決まりだな。勇気ある決断を歓迎するよ」
 自分の思い通りにすんなりと事が運んで上機嫌のブロアは賭けに勝ったような顔を既にしている。

 『戦士としてのプライド』なんて格好良い言い回しをした所で、内心はそのプライドをグチャグチャに踏みにじりたくてウズウズしてるって、その灰色の顔に書いてある。

「勝負はどこでするの? 剣ぐらいは持たせてくれるんでしょ」
「決闘はこのアジト内にある闘技場で行う。ライディが使用する武具もあちらに用意してある」

 ブロアが指し示す方向の暗がりに目をこらすと部屋の右隅に長方形の木箱が置かれていた。
 いつの間に? さっき、見回したときはあんな箱は無かったはず。

「我が闘技場で戦うにふさわしい武具があの木箱の中に入っている。とりわけ、戦闘服はライディのためにあつらえた物だ。遠慮無く使ってくれ」

 余裕のある顔をしてられるのも今の内よ。剣さえ手に入れば……
「おお、そうだ。決闘の前にライディ、雷の力を封じさせてもらおうか」

「え?」

「オレは戦士と戦士が互いの肉体を駆使して戦う姿が見たいのだ。お前が雷の精霊達の加護を得ていることは承知している。その力がどれほどの威力であるかも含めてね」

(この男、雷の精霊達の事を知っている? それに力を封じるっていったい何を……)
 ブロアが差し出した手の平には親指ほどの大きさのピンク色した物体が張り付いていた。
「こいつは『スライム』という。オレが創り、オレの魔力で生きる魔法生物だ。今からこいつをお前の膣に挿入して寄生させる」

「えええっ!?」

 よく見るとピンク色にヌメヌメと光る物体が小さな身体を伸び縮みさせながら微かにうごめいている……
「スライムは暖かくて湿った穴が大好きでね、普段は大人しいのだが自分の住処を侵されたと感じるとアナの中で暴れたり、身体を膨張させたりして抵抗する」

 どうせつくるなら、見た目が愛らしくて他人の役に立つような物をつくればいいのに!!

「本来は女の調教を兼ねて楽しむものだが、この個体には雷を嫌う性質を特別に持たせてある。過剰な電流を感知すると怒って膣内で暴れ出すから、雷の精霊達には遠慮してもらった方がいいだろう」

 今の私にとっては雷の精霊の加護を得られない事態よりも、目の前に突きつけられた生物の気持ち悪さのほうがより深刻な問題だった。

「ちょっと待って、嫌っ! そんなの近づけないで!!」

 鎖に繋がれ逃げ場のない私をブロアは片手で抱き寄せると例の軟体生物が張り付いているもう一方の手を私の股間に割り込ませようとする。

「やだ、やめて! 離してっ」 必死に太ももを閉じて抵抗を試みる。
「クククッ、もうゲームは始まっている、後戻りは無しだ。せいぜい楽しませてくれよ!」
 抵抗もむなしく股間に手をねじ入まれ、陰部に奇怪な生物をこすりつけられた。   「ひゃあ!!
 ブロアの冷たい手の平からうって変わって温かい体温に反応した軟体生物が居心地の良い場所を求めてモゾモゾ動き始めた。

 爪のない親指がしきりに股間をつつくような感触に再び鳥肌が粟立つ。間もなく、緊張と恐怖で固く閉ざされた「入り口」を探り当てた軟体生物が素早く膣内に滑り込んできた。
「ああっ、あああ、あっあっ……」

「そいつは徐々に膣壁を押し広げて自分が棲みやすいスペースを確保しようとする」
 私から手を離したブロアは、奇怪な生物に侵入されて動揺した私が腰をくねらせる様子を眺めて楽しんでいる。

「痛みはないはずだ。痛みどころか大好物の愛液をすするためにいずれ性感を与えるようになる。楽しみにしてるがいいさ」

 私にとっては異物でしかないスライムが活発に蠕動運動を繰り返す度に異物感が増大していく。

「用意した武具を身に着けろ。この部屋を出て、通路を道なりに進めば闘技場だ。待っているぞ戦士殿!」

「イヤっ、待って! こいつを取って、取り除いて!!」
 そのまま部屋の扉を開けて出て行こうとしているブロアの背に懇願する。

「自分でスライムを取り除こうなんて考えるなよ。膣内で膨張して抵抗するからな。もっとも、オマンコをギチギチに詰まらせながら戦いたければ話しは別だがな! クククク」

    ガチャン!

 部屋を出たブロアが扉を閉めると同時に私の両腕に嵌められた手枷が外れた。そのまま床に両膝をついてうずくまった私は、拘束を解かれてもしばらくその場から動くことができなかった。

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