「これが良いわよ。うん、これならカッコいいわ」
先生は選んだ水着の1つを僕に広げて見せた。
てっきり生地が小さくて股間モッコリでTバックな
競泳用男子水着を薦められると思ってた僕は、それを見て少しホッとする。

「そ、そう・・・ですね。これくらいなら」
腰から膝の上まで覆ったデザインの水着は、
薄手の競泳用ではあるけれど露出も少なくて見た目も速そうに感じる。
「値段も手ごろでしょう? 今の時期、セールなのよ」
確かに60%OFFで魅力的な値引き価格だった。
「じゃあ、これにします・・・。ありがとうございます」

あの日、市営プールを出たところで紀子先生に呼び止められた僕は、
次の休日に水着の買い物に誘われていたんだ。
学校指定の海パンしか持ってなかった僕に先生は「形から入る」ことを薦めてくれる。
夏休み期間にはもう値引きセールは始まっていて、
特に流行を追いかけないのならこの時期に買い換えるのがお得らしい。
時間を決めてショッピングモールで待ち合わせ。
水色のワンピースに白のサンダルを履いた先生が
僕を見つけて駆け寄ってくれたときには、周囲の男の視線は痛かったけれど物凄く幸せだった。
ちゃんとしたデートじゃないのは分かっているけれど、
激しく罵られてもおかしくない状況から一転して僕は地に足が付かない状態で
先生に水着売り場へと導かれていた。

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