(´・ω・`) 2037年  晩春  某駅前広場 (´・ω・`)


  その週末の土曜、午後2時の10分前、僕は手紙に指定されていた沿線の駅まで来ていた。

   俊章
   「来ちゃった・・・・・・・」

  あれから今日までの数日間は悩みに悩み、ろくに仕事も手に付かないほどだった。
  こんな手紙に誘い出されるなんて、自分でもどうかしてると思うのだが、
  一度頭の中で妄想した〝志保〟さんの痴態は止まるところを知らず、僕は欲望に逆らう事が出来ない。
  彼女の写真をネタに1日平均3回もオナってしまった上、こんな所へのこのこ出掛けて来た自分が情けなくなる。
 
   俊章
   「やっぱり、イタズラなのか確認する必要があるよな
・・・・・・・、遠めに様子見て罠っぽかったら逃げれば良いんだ・・・・・・・

  自らのエロ妄想の魅力に負けた自分をそう正当化しながら、僕は中途半端な規模の駅ビルから駅前広場へと出た。
  やはり広くも狭くもない中途半端な広場をさっと見渡すと、すぐに一つのベンチが目に付いた。
  そこには写真に写っていたままの〝志保〟さんが座っていて、携帯電話で誰かと談笑している。

   俊章
   「いた
・・・・・・・本当にいたよ・・・・・・・!」

  〝志保〟さんの姿を認めた僕は、おそらく26年の人生で最も機敏な動きで、近くの街路樹の陰に滑り込んだ。
  何かの罠だった場合を心配して、そこから〝志保〟さんや広場の様子を伺ってみるが、
  彼女に声をかけた途端に強面のお兄さんに後ろから肩を掴まれたり、知人だったり知人じゃなかったりする誰かが駆け寄って来て冷やかされる、
  という様な事は、どうやらなさそうな気配だった。
  いつまでもこうしていても仕方ないので、覚悟を決めて彼女に声をかける事にした。
  これでもし彼女が勝手に写真を使われただけの人だったりしたら僕は大恥だな、と思いつつ彼女に近づき、

   俊章
   「あの、突然すみません、〝志保〟さん、でしょうか?」

  と恐る恐る話しかける。すると、彼女は人差し指を立てて見せるジェスチャーで僕に少し待つように伝えると、

   志保?
   「ええ、来たわ、うん、程々に、あまり遅くならないようにね、それじゃ」

  と言って、すぐに通話を終わらせた。

   俊章
   「あ
・・・・・・・、すみません、お邪魔でしたか・・・・・・・?」

  なんだか電話の邪魔してしまったような気がして謝ると、

   志保
   「ふふ、いいのよ、貴方を待ってる間、ちょっと時間潰しに娘を付き合わせてただけだから。
    それより、良かったわ、来てくれたのね」 

  〝志保〟さんはそう言って嬉しそうに微笑んだ。

   俊章
   「ええ、来ようかどうか、かなり迷ったんですけど
・・・・・・・

   志保
   「まぁ、普通はそうよね。色々聞きたい事があるでしょうから、ちゃんと説明するわ」

  と言って〝志保〟さんはベンチから立ち上がると、僕の右腕に自分の腕を絡ませてきた。
  当然、僕の腕は彼女の豊かな胸に触れ、柔らかな感触が伝わってくる。


  chapter103


   俊章
   「えぇっ、あっあのっ……!?」

  突然の事にどぎまぎする僕を尻目に、彼女は更に身体を密着させてきて、絡め取った僕の腕をその豊かな胸にぎゅっと押し付ける。
  僕より少し背が低い彼女は、目線だけ上げて僕の目を見て、囁いた。

   志保
   「外じゃなんだから移動しましょ、二人きりでゆっくりお話出来る所へ、ね





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