第2話

〜官能朗読〜

一限目の授業は国語。我が校の国語教諭は本を読むことを推奨していて、授業内 でもたびたび朗読の時間が設けられる。
教科書を席の順に読むこともあれば、それぞれが持参した本の朗読を求められる こともある。だからふざけて漫画を持ってくるなどはできないことになる。実に いい方法だと私は思っている。
私の持ってきている本は騎馬良太郎(きばりょうたろう)の歴史小説だ。躍動感 溢れる文章が好きでよく持ち歩いている。
「今日は・・・片桐、持ってきた本を朗読してくれるか」
「はい」
いつも通りの突然の指名。私は立ち上がって、本を掲げて読み上げた。
「その男はどこからともなくやってきた・・・」
本を読みながら、良くないことではあるが、私は一つの妄想に捕らわれていた。

「今日は片桐に読んでもらうか」
「はい」
先生からの指名に私は胸を高揚させる。今日の本は是非に朗読がしたいと思って も選んだ本なだけに気合いが入った。
旦鬼禄(たんおにろく)著の、SとM。男と女のせめぎ合いを描いた熱い本だ。 私はこの愛読書を読むに当たっては、いつも全力でもって取り組んでいる。自宅 で読むのと同じく気持ちを込めるため、私は制服を脱いだ。
「なっ、何やってんだ片桐!?」
動揺する先生。でもまあそれも無理はない。私の気合いの入りように気圧されて しまったのだと思う。
私は「気持ちを入れて読むためです」キッパリと言い放ち、なお戸惑いを見せる 先生を流し、朗読を始めた。
「声は薄暗い部屋から漏れ聞こえていた。情念のような喘ぎと、それを煽る熱の 籠もった声。前者の女は部屋の中央で仁王立ちの姿で荒縄を巻かれており・・・ 」
序盤からいきなり展開される男と女のドラマに、私の声にも熱が籠もる。同時に 下半身にも熱が伝わってきた。
展開が進むにつれて、私の声の熱が作品に遅れを取り始めたのを感じた。そんな ときには、自宅で本を読むときにしている秘策があった。ほんの展開に着いてい くために、自らの熱も高めるのだ。
それも今日は手伝ってもらえるクラスメイトがいることでいくらでもやりようが ある。
私は右隣の席の男子に私の横にしゃがむよう求めた。そして本の中の女性と同じ ことを求めた。
「ええっ」

戸惑いを隠せない男子に構わず、私は朗読を続ける。
「男は、女の股間に手を伸ばした」視線で男子に合図を送る。同じことを私にも してほしいという合図だ。私の気迫に押された男子はおずおずと私の股間に手を 伸ばしてきた。
「前の陰部だけに止まらず、男のもう片方の手は後方の窄まりへも伸びた」
いまだ戸惑う男子を促し、押しにも触ってもらう。股間を前後から触られ興奮し て、私の熱もやっと本の展開に追いついてきた。だけど、本の中ではさらに展開 が進んでいく。
「慣れ親しんだ二つの穴に、男は容赦をしなかった。ピタリと閉じた2穴を両の 指でもってこじ開けた」
やっぱり戸惑う男子に、私はもはや懇願する。私は純粋にこの本を情熱的に読み 上げたいだけだ。「お願い」

私の真剣さが伝わったのか、男子の顔色が変わった。興奮したように顔を赤くし て、「どうなってもしらないからな」と言って、手に力を込めた。
指が1本、2本と押し入ってきた。でも、まだ足りない。本に正確な指の本数は 記されていないが、私の想像の中では2本どころではなかった。
「もっと、もっと押し込んで」希望に近づけるため、男子に協力を要請する。「 もっと指、増やして」
破れかぶれのようになった男子の指は3本、4本と私の中に押し込まれた。
「いっ、いいぃぃ〜〜!」

私は絶頂した。本の内容からずれたと思うかもしれないけど、その心配はご無用 。本の女性もまた、強制をあげて絶頂しているのだ。
絶頂に体を震わせながらも私は、続きを読む。なにせこの先にはもっとすごい展 開が待っているのだから、こんなところで止まっては入られない。
「男は女の反応を見て、ほくそ笑み、女の体内をかき回さんばかりに手を動かし た。指を引き抜いては、押し込み、女の体を宙に持ち上げるのではというほどの 勢いがあった」
ここは自分一人の時はいつも苦労しているところだった。オナニーではいくら何 でも限界があって、自分の体を浮かせることなんてとてもできない芸当だった。 だけど今日は違う。クラスメイトの協力がある。男子の協力があれば、このシー ンの熱の籠もった朗読も可能だ。
また躊躇うであろう男子に合図を出そうとしたが、合図を送る前に、「ううぅい いぃぃ〜〜〜〜っ!!」

私はイケていた。男子の手を私の足を一瞬だけ床から浮かせていた。拳ごと押し 込まれる衝撃に私は、たまらずイッてしまった。き、気持ち良すぎるぅぅ。
念願叶った私は、熱のこっもった朗読を続ける。
「男に翻弄されていた女だったが、体が慣れてきたのか受け身だけではなくなっ た。男の手に自ら体重をかけだしたのだ」
私は膝を曲げ、男子の手に体重を乗せた。自然と下に押されまいと腕に力を込め る男子。そうすれば自然と、
「ああっへぇぇ〜〜っ!」
私の中に拳は深々と埋まる形になった。

「自ら刺激を求めだした女に、男も応えた、女の腰を沈めるのに合わせて、手を 押し込んだのだ。男の手は、より深々と女の体内に衝撃を与えた」
要領を飲み込んだ男子は、私の予想以上の対応をしてくれるようになっていた。 だから私は安心して腰を下ろせばよかった。
「んんぅぅ、ぃぃい〜〜っ!」

下に下ろそうとした腰は、深々と抉られた男子の力で上に跳ね返された。続きを 読まなければと思って本を見ようとしたがだめだった。私の体は自然と、欲求の ままに、再び腰を下ろしていた。
ググ、ズボォ!
反射的に拳を持ち上げる男子の力に、私は天井にぶつかるのではとさえ思った。 実際には、私は床に黄色い水たまりを作りながら、校舎中に聞こえるほど絶叫し て絶頂した。
「あ、ああ、んあぁぁ〜〜〜〜〜〜っっ!!」
ジャ〜〜〜〜〜〜〜〜

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