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「ああ、懐かしいな。俺が初めて紬と会った修学旅行の」
「写真じゃないか。」
俺は彼女の書斎にあつらえてある、人間も悠々入れそうな
巨大な書棚の奥に、一冊のアルバムを発見した。その中は
カラフルなペンで色々と周囲に楽しそうな落書きを施されて
おり、彼女の学生時代がどんなものだったかを彷彿とさせる。
そしてそこには、まるでタイムスリップしたかのような
シックなフルカラープリントの写真が、透明のフィルムの中で
悠久の時を刻んでいる。
「あらいやですわ。そんなもの、どこで見つけになられたの?」
彼女はいつものように、高級食器をカチャカチャと鳴らしながら
お茶を淹れ、俺にその変わらぬ美貌で微笑む。
「ほら、見てごらん。昔の君が写ってる。」
俺はテーブルに置かれたお茶を横目に、彼女の肩を抱き寄せる。
「やっぱり若いなぁ。それにこんなに短いスカートを履いて。」
「もし今の俺が見たら、絶対放って置かないね。」
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