物語
とある国の美しい花園。
そこに、花園を管理する
ローザという悪魔がいました。
大好きな花を愛で、育て、
その日も同じ時間が流れるはずが……。
どうした事か、昨日まで元気だった花々が
一様にその花弁を垂れ、今にも枯れてしまいそうなのです。
「そんな、どうして……」
朽ちゆく大好きな花たち。
それは、ある人形の少女から貰った
大切な
"セシリア"も例外ではありませんでした。
原因不明の出来事に頭を捻るローザ。
そんな時、ふと友人の悪魔に聞いた話を思い出しました。
「どんな望みも叶えてくれる願いの星っていうのがさ、
最近、この大陸の果てに流れ落ちたって噂なんだよ。
信じてる奴の方が少ないけど、実際どうなんだろうな」
原因も解らず、為すすべもなし。
溜息をひとつ吐くと、
ゆっくり空を見上げローザは呟きました。
「……行くしかない、か……」
次のページへ