■1日目
(1)上陸
私とママがこの島、南洋に浮かぶリゾートアイランド『パイヘテローマ』に着いたのは昨日のことだった。
「わぁ、島だぁ」
「へえ、奇麗ねえ」
大海原の上、デッキから鮮やかな緑の島影を眺めて私とママは歓声を上げた。まだ数百mの距離はあるようだけれど、空気が澄んでいるせいか、島を覆う樹々や海岸の岩肌がくっきり見える。建物らしきものは灯台くらいしか見えない。でも、ビーチはどこだろう?
「ビーチは多分島の向こう側のリーフの中ね。こっち側は港しかないみたいよ」
薄い色のサングラスを掛けたママがで、手元のパンフを覗き込んで言った。
「見えないのかぁ。ちょっとがっかり」
船のデッキには、他にも何人か私たちと同じような感じの乗客がいて、椅子に座ってくつろいだり、島や水平線を眺めたりしている。船と言ってもあんまり大きくはない。デッキも学校の教室を少し引き延ばしたようなサイズだけれど、なんだか全体的に作りがリッチな感じだ。この船は普通のフェリーとかじゃなくて、本来はお金持ち仕様のクルーザーらしい。
ともあれ、緑の陸地を回り込んでいく船の上で、私とママは肩をくっつけながら行く先を飽きもせずに眺め続けた。

しばらくすると、船は速度を落として小さな港の中に入り、浮き桟橋に舷を並べた。それからアナウンスがあって、私たちは旅行かばんを抱いて狭いタラップを降りる。
目が痛いほどの明るい日差しの下、東京じゃ考えられないような澄んだ海水で港の海底まで見えた。あたりはいくつかの小さい建物と、何隻かの小船が停められているだけで人影がほとんどなく、鳥の声が結構うるさい。なんだか空気の味が違う気がする。
船なんて初めて乗ったけど、お金持ち仕様クルーザーだったせいなのか、旅先への期待でわくわくしていたせいか、退屈も船酔いも無縁だった。
「お疲れさまでした。ようこそパイヘテローマへ」
私とママと、その他数名の乗客を出迎えたのはよく日に焼けたかっこいいお姉さん二人組。脱色しかかった髪にサングラス。うす水色のチューブトップとホットパンツを着て、褐色のおなかを出している。どうやらここのスタッフみたいだ。露出度の高い服装だけど、腕章を付けている。
「C会員の双島陽子様、夕子様ですね。こちらへどうぞ。入島手続きをさせて頂きます」
パイヘテローマは南洋に浮かぶ企業所有のリゾート島だ。基本的には会員のみらしいのだけれど、何のきまぐれなのか一般からも少数のビジターも受け入れていて、うまくいけば結構な格安で南の海を楽しむことができる。ただしビジターになるには年齢や性別(ようするに私やママみたいなふたなりだ)、トラブルを起こさない性格か、他人のプライバシーに絡む秘密を守れるか、など条件が結構厳しくて、まずは事前審査を受けなくてはいけない。ともあれ、ママが駄目もとで応募してみたら幸運にも受かったので、こうして私達は二人でバカンスを楽しみに来た訳なのだった。それも、格安のC会員という奴だ。
私たちは船からふらふらと上陸した後、港の白いイミグレーションの建物に入った。身分証とチケットを確認してから、持ち物検査のための部屋に誘導された。
「……盗撮などを防止するため、カメラや電子機器類は一切お持ち込み頂けません。また、隠しカメラ類の持ち込みをふせぐために服装も制限させていただいております。これらはこちらでお預かりさせて頂きますので何卒ご了解ください。どうしても電話やPCをお使いになりたい場合はこのオフィスにおいで下さい」
にこやかに説明するスタッフのお姉さん。まあ予め分かっていたことなので、私とママは携帯電話やノートPCをトレイに載せて引き渡して預かり証を貰う。ちなみに記念の写真が欲しければスタッフに頼んで撮ってもらう仕組みだそうだ。その他の持ち物も、一通り検査するということで一旦お別れ。
それから次の部屋に入ると、プラスチックのカゴを渡される。
「身体検査をさせて頂きます。申し訳ありませんが服を全部脱いでください」
にこやかながら、有無を言わせないオーラ。ママがちらっと私のほうを見たので、軽く頷いた。このくらい別に平気。すこしどぎまぎしながら服を脱いでカゴに入れて渡す。部屋の壁には大きな鏡があって、私とママの裸を映している。
ママの裸はやっぱり奇麗だ。黒い髪に白い肌。優しい目元にぽてっとした唇。よく伸びた背筋。大きめのメロンほどもあるたわわなおっぱい。やや色の濃い、大きめの乳首。ひきしまったお腹によく脂の乗った腰回り。ギリシャ神殿の柱のような太腿。手入れはされているけれど密度の濃い茂みの奥には、私と同じ両方の性器が隠されている筈。
堂々としたママの姿に並ぶと、Cカップに普通の腰回りの、よくも悪くも標準体型の私の身体はちょっと気恥ずかしい。
「失礼しますね」
「はい……んっ……」
外気に晒された素肌に、暖かい掌が触れていく。首筋、肩、腕、背中、胸、お腹、お臍、お尻、そして……
「ペニスとヴァギナ、確認しました。申告どおりの両性ですね」
「こちらも両性器を確認。ご協力ありがとうございました。ではこれをお付けください」
と私達に手渡されたのは、首輪? 幅が2cmくらいで、手に持つとちょっと重たい感じがする。
「このチョーカーが入島許可書になります。パイヘテローマに滞在される期間中は外さずに、常時首に着けておいてください」
「これを……ですか?」
「はい。それとチョーカーのこのボタンですが……」
付いている銀色の鋲のようなのを指差す。
「強く押すと、無線でSOSを発振するようになっています。安全には万全の注意を払っていますが、万が一の場合はこの機能をお使いください。位置を特定できるようになっていますので、すぐにスタッフが救助に向かいます」
なるほど。首輪っぽいデザインが気に食わないけど、とりあえず私とママはチョーカーを身につけた。というかまだ裸なんですが。
「申し訳ありませんが、プライバシーの保護上、服はこちらでお預かりさせて頂きます。とりあえずのお召し物として、こちらをどうぞ」
何やら水着みたいなのの入った透明な袋を渡される。太めの紐とやけに面積が小さい布が組み合わさったそれは……これ、どうやって着るの?
カップやボトムの布パーツがストラップで繋がっていて、何カ所かでぱちんと留め具で止めるようになっている。これ、かろうじて乳首と股間が隠れる程度で、布面積的にほとんど裸だよ。まあ、男の人がいないからいいけど。
ともかく、私とママはスタッフのお姉さんに手伝ってもらってそれを身につけた。
ちょっと気になってちらりとママのほうを見る。ママは割と引き締まった体つきで、人からは年齢より十歳若く見えるとかよく言われる。それにしてもおっぱいは大きいし、腰回りや太腿にはやっぱり結構脂が乗ってるから、こんなブラジル級の露出水着なんか着たらどうなることやらと思ったら案の定。肌にストラップが軽く食い込んで、その柔らかさが視覚的に表現されちゃってるし、大事なところを隠す筈の布からはおっぱいや臍下のお肉が溢れてむっちり振りをアピールするわでもう凄いことになってる。というか、母娘なのに私まで何だかどきどきしてきちゃった。さり気なく視線をそらす私。
「あの、パレオか何かないですか?」
と、ママ。確かに、腰回りを隠せれば大分ましだよね。というか、私も欲しい。アレが大きくなっちゃったらこれじゃごまかせないし。
「済みませんが今、ここには……他のものをお召しになりたい場合は、島内のサービスセンターでいろいろなウェアを無料提供しておりますので、そちらでご用命ください。」
それから島内設備について軽くレクチャーがあった。宿舎、食事、ビーチ、テニスコート、各種ウォータースポーツ……全部追加料金なしの無料サービスだと聞いて、特別な高級リゾートなんだという気分が盛り上がる。
そうこうしているうちに、どうやら装飾品の検査は終わったみたいで、ママのサングラスやネックレス、私の腕輪の乗ったトレイが戻ってきた。早速身につける。
「……双島陽子様。C会員のご協力の件ですが」
お姉さんが言うと、ママが軽く眉根を寄せた。ご協力? 何だろう? C会員は料金が格安の代わりに、ちょっとした作業や雑用を手伝うということになってるとは聞いているけれど。
「宜しくお願いしますね」
「……ええ。大丈夫です」
あまり触れて欲しくなさそうなママ。私の知らない何かがあるんだろうか。と、お姉さんがピンク色の錠剤と水の入ったコップを二つずつ、差し出して来て、私の注意はそっちのほうに向いた。
「それと、早速ですがこちらの治験のほうもお願いします」
「これも? 何の薬かしら」
「ホルモンバランス調整用の薬です。多少体調に変化が出るかもしれませんが、リゾートを楽しめなくなるようなものではありません。今飲んで頂いて、明日反応を検査させて頂きます」
そういえば申し込んだあとに何か紙が来てた。協力ってこれのことなのかな? まあ、格安のC会員の条件だし、別にそのくらいいいか。私とママはコップの水で薬を喉に流し込んだ。
「では、ご宿泊頂く宿舎まで案内させて頂きます。こちらへどうぞ。荷物のほうは後ほどお届けします」
ようやっとイミグレーションの建物から出ると、かあっと熱い日差しが肌を灼き、透明できれいな空気が鼻をくすぐる。南国感全開といったところだ。ちなみにオフィスを出る前にスタッフさんに勧められてサンオイルを塗っておいたので、今は日焼けの心配はない筈。
「はい、そこのお二人さん、チーズ!」
ぱしゃっ
若い女性の声とともにいきなりシャッター音が響いてびっくりする。振り返ると私たちと似たような過激な露出水着を着けた、二人連れの姉妹っぽい女性がカメラを構えていた。
「ようこそパイヘテローマへ。早速、記念に写真を取らせてもらいました。島を離れる時に焼き増しをお渡ししますね」
話によると、二人はリゾート側から写真撮影を委嘱されたC会員らしい。島でカメラの使用許可を持っているのはこの二人だけで、他のビジター達の記録写真や記念写真を撮って回っている、とのこと。姉妹は二人とも見事に日焼けしていて、目がくりっとした可愛い顔立ちだ。やや垂れ目でおっとりしてそうな姉、氷雨ユキさんは20代前半、ちょっと吊り目気味の妹のアキさんは私と同じ位のハイティーンっぽい。髪は二人ともやや色の抜けたショートヘア。
「ちなみに、私たちも島から出るときにはネガやデータを全部置いていくことになってるから、プライバシーの問題は心配ないわよ。このカメラもリゾートの支給品だし」
「宿舎まで、私たちが案内しようか?」
ということで、スタッフさん達にかわってカメラマンの氷雨姉妹が私たちを案内してくれることになった。なにやらタイヤがやたら大きい、バギーのような見たこともない車に乗ることになって早速わくわくする。スタッフが見送ってくれる中、後部座席にママと並んで座って出発進行。
「どうですか? ここ、いい所でしょ?」
「そうね、さすが南国っていう感じねぇ」
前の助手席からアキさんが話しかけてくる。遅いのに結構がたがた揺れるね、これ。
「でもなんで、その、ここって両性者専用なんですか?」
折角なので疑問をぶつけてみる私。まあ、別に男の人とかに居て欲しいわけじゃないけど。くつろげないし。
「ここのオーナー一族がふたなりなのよ」
とあっさり回答が帰ってくる。
「要するに、自分達だけだとつまらないから、一緒に過ごせる人達をビジターとして募集してる訳よ。まあ将来もっと採算性を高めて事業化するって話もあるみたいだけど」
「で、そのオーナーの娘が丁度私や貴方と同じ位の年だから、そういう年齢のふたなりとその保護者を優先して入島させてるわけ」
なるほど。それでさっきの船の同行者も私とママみたいな人達だったわけね。
照りつける太陽の下、ゆっくりの向かい風が肌に気持ちいい。何人かビジターらしき人達とすれ違うけれど、大体皆私くらいの年頃かママみたいな大人で、やっぱり裸同然の水着姿だ。パレオ付けてる人もいたから、後で入手しよう。
「同年齢くらいの人が多いなら、リラックスして楽しめそうですね」
「そうね。まあここは……ん、まあそのうち分かるわ」
途中まで言いかけて止めるアキさん。何だろう、と思った時にはもう目的地の宿舎に着いていた。
「へー、可愛い〜」
「あら、いい所じゃない」
十号館と看板の出ている、二階建てのさっぱりした感じの木造コテージだ。幾つもの広い窓が開け放たれていて、そこから白いカーテンがそよいでいる。周りの芝生と緑の木陰とあいまって、なんとも涼やかな感じ。
「クーラーないけど、風があるから窓開けとけばそんなに暑くないわ。こんにちわー」
とユキさんが声を掛けると、中からばたばたと人の気配。
「この宿舎は二人部屋が三つ、六人用なのよ。ここも先客が四人、ていうか二組いるけど、トラブルを起こすような性格の人は事前審査で撥ねられてるから、心配しなくていいわ」
がちゃりと玄関が出て来て出て来たのは、ちょっとぽっちゃりした感じの、私と同じ位の年齢の、少し日焼した髪の長い女の子。私よりも大きなおっぱいと、ふっくらした下腹部を、ハート型の小さな布で辛うじて隠している。というかこれ、紐ないんだけどどうやって留めてるんだろ。
「いらっしゃい。新しい人よね? さあ、上がってください」
コテージの中は、一階は吹き抜けの広いリビングになっていた。玄関脇には階段があり、その先の二階には三部屋の寝室があるようだ。リビングで上を見ると、丸太組みの天上と、吹き抜けの二階のテラスみたいな廊下や寝室の扉が見える。窓は全部開け放たれていて、風にひらひらそよぐカーテンが日光を抑えてほどほどの明るさをくれていて、確かにクーラーなしでも快適そうだ。風通しがいい。
そうこうしているうちにリビングに人が集まって来た。ユキさんが私たちを紹介してくれる。
「こちら、今日から宿泊される双島夕子さん、お母様の陽子さん」
「はじめまして」
「どうか宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくお願いします。私は火村理恵、こちらは母の美恵です」
「宜しくお願いしますね」
と、さきほどのぽっちゃりした垂れ目の可愛い女の子が自己紹介。となりのお母さんの美恵さんも、理恵ちゃんに似た雰囲気だけど、髪は短めで、身体の方も鍛えてるのか、結構お腹や太腿に筋肉が付いているのが見えて逞しい。にこやかな目元になんだか大人の艶っぽさが漂う。
「よろしくお願いします双島さん。私はありあ。鬼仁多ありあと申します」
同居人の三人目は、私よりも一回り背が低くて、胸も小さい女の子。色黒の顔にくりくりよく動く目が可愛らしくて、私よりも年下みたいな印象を受ける。長い艶やかなストレートの黒髪を姫カットにしていて、お嬢様っぽい感じ。
その隣には、やっぱりありあちゃんによく似た色黒の女の子。彼女より背も胸も少しだけ大きくて、目が落ち着いた感じだけれど、でもやっぱり子供っぽい印象を受ける。私より少し年上くらいのお姉さんかな?
「私は鬼仁多まりあと申します。この子の母です。親子共々、宜しくお願い致しますね」
うわ、びっくり。姉妹にしか見えないよ。若いっていうか、子供っぽいっていうか。
「ふふ、みんな最初は彼女を姉だと思うのよね」
と麦茶を出しながらアキさん。まあそうだよね。ともあれ、一緒に泊まる予定の人達がみんな笑顔なので、これなら楽しくやっていけそうだと私は確信した。
(2)ビーチにて 夕子と理恵
じゃりじゃりじゃり……
サンダルが小道に敷き詰められた砂利を鳴らす。
本州とはひと味も蓋味も違う太陽が強く照りつける中を早足で歩いていくと、ちょっとした広場に出る。周りにはお店屋さんやバーっぽい建物が並んでいて、マイクロビキニ的な露出水着でそんな場所を歩くのはちょっと恥ずかしかったけど、でもすぐに馴れてしまった。
で、その広場を通り、防風林の木々をくぐり抜けると。
……ぱあっっ……
目の前の一面にまぶしい白と青が広がっていたのだ。
「うわああああああっ」
思わず叫んじゃった。真っ白なまぶしいほどのビーチに、ちょっと緑がかった透明感溢れる青い海。とにかく明るくて、澄んでるパステルカラーの世界。これ、これが南の海なんだ。
「ふふっ、奇麗でしょ?私も何回見ても感動するよ」
と同行してくれた理恵ちゃん。私たちは早速仲良くなって、海に出てみたのだ。こんなに奇麗なのに、ママや他の人達が別行動なのがもったいない。
「わあああああああっ」
ざざざざざっっ
私はもうなんだか堪らなくなって、白いサンゴ砂を蹴散らしながらそのまま波打ち際までダッシュした。暖かい海水にじゃばじゃばと脚を突っ込んで走り回る。と、後ろからどすんと柔らかい衝撃。
「とーっ」
ざっばーんっ!
「きゃっ……きゃははははっ」
理恵ちゃんに体当たりされて、私は爆笑しながら水中に転倒した。身体を暖かい水が受け止めてくれる。その上から柔らかく大きい理恵ちゃんのお肉が抱きつく。私は大笑いしながら倒れた勢いで彼女に反撃した。
「あーっ、もうっ、やったなーっ」
口に入った海水は思ったより塩辛くない気がする。顔を、頭の皮膚を体温と同じ温度の水がそっと撫でていく感触。
「ぶはっ……あははははははっっ」
抱きついて彼女をひっくり返し、水中に引きずり込む。笑いながら暴れもがく理恵ちゃん。そしてまた私が倒される。
そうやって、私たちは時間を忘れて暖かい海水の中ではしゃぎまわった。
ひとしきり転げ回り、走り回り、貝殻を拾ったりしてるうちに太陽が傾き始めていた。時計が無いせいか、それとも南国の明るさがそうさせるのか、この島では時間感覚が狂うみたいだ。空はまだ真っ青だけど、太陽の光が心持ち弱くなった気がする。
「あそこにシャワーあるから、浴びてく?」
と理恵ちゃん。彼女の指差す方向には、大雑把な作りの露天シャワーが並んでいた。シャワー室ではなく、大空の下、サンゴ砂の上に立てられた2メートルくらいの高さの鉄柱にシャワーがくっついたのが並んでいるのだ。一応、後ろには身体が隠れる程度の扉があり、隣のシャワーとの間には目隠し程度の緑の灌木が植えられている。本州の海水浴場の、安っぽいくせに妙に料金の高い個室シャワーなんかと全然違って、いかにもな野趣満載だ。
「あ、でも一個しか空いてないね」
「なら一緒に浴びようよ。いいでしょ」
もちろん異論は無かった。すっかり仲良くなった彼女と一緒なら狭いシャワーも楽しい。きゃっきゃっとふざけながら頭上から降り注ぐ生温い水を浴びて塩を落とす私たち。
「んん……夕ちゃん……ふふっ……」
不意に柔らかい身体がぴとっと抱きついてくる。僅かな水着に隠されただけで(ちなみにこのひも無し水着はヌーブラみたいにシリコンでくっついてるらしい)ほとんど剥き出しのおっぱいの柔らかさと背中に回された腕の暖かさに私はどきどきしながら、どうしたの、と聞いた。
「うん……その……あれ……」
彼女が頬を染め、気恥ずかしそうな伏し目の視線で示す先は隣のシャワーブース。そこには先客の二人連れがシャワーを浴びていた……と思っていたのだけれど。
……んんっ……んふっ……
……はっ……はあっ……
なまめかしい息遣いとともに、キスをしながら絡み合い、まさぐりあっているのが衝立て代わりの植え込みの間から見えるのだった。その二人が何をしてるのかなんて私にも分かる。
(うっわぁ……じゃ、邪魔しちゃ悪いし、出ようか? 理恵ちゃん)
いきなりのことにパニックを起こしかけながら囁く私。だけど理恵ちゃんは絡み付いて離れてくれない。私のどきどきはどんどん早くなり、水着の下のアレが熱くなり始めてるのが分かる。ヤバい……
(……駄目だよ。だって、私……)
潤んだ瞳で見つめてくる理恵ちゃん。と私はおへその下あたりに熱く固いものがぐいっと押し付けられるのを感じた。
どくん……
(あ……)
彼女のペニスだ。上から見ると、おっぱいの間、お腹のお肉の下からピンク色の頭がちらりと見える。それをぐいぐいと挑発するように押し付けられる。おっぱいがやわやわと震え、背中に回された手がそっと肌を撫でる。
(理恵ちゃん、興奮してるんだ……)
そう思ったら、今まで貯まっていた刺激を一気に解放するみたいに、私のもあっという間に勃起してしまった。小さな水着を爆発的にこじ開け、理恵ちゃんのを押しのけるようにしてそそり立ってしまう。
(あっ……すご……夕ちゃんの大きい)
(そ、そうかな……理恵ちゃんのも、大きいよ)
このシャワーブースの目隠しなんて気休め程度で、隣や外の人からは顔や足が見えてる筈。そんな、いつ他人に見られるか分からない状況なのに、二人とも水着からペニスを飛び出させて、抱き合って身体をくっつけ合っている。そのスリルに心臓は激しくばくばく脈打ち、頭がかっと熱くなる。おへその下のあたりに、どきどきちくちく切ない爆弾が膨れ上がる。
どくん、どくん、どくん……
(こういうの……知ってる?)
(あっ……)
理恵ちゃんは色っぽい低い声で囁きながら、腰を前後にゆっくり揺する。私のペニスの裏筋に彼女の熱くて滑らかなのが擦れて、ずきんと甘い疼痛のような快美感が走る。
(んっ……んんっ……夕ちゃんっ……)
思わず私も腰を押しつけ返してしまう。理恵ちゃんはびくんと身をすくめると、切なげな吐息を漏らし、おっぱいをゆさゆさと揺らしながら、ペニスをぐりぐりと押し返してくる。
(見られて……見られてないよね……)
(声出さなきゃ平気……だよ……多分)
うっとりと目を閉じ、声を押し殺しながら勃起を擦りつけあう私たち。彼女が震えているのがまるで自分のことみたいに伝わる。甘く熱い吐息を顔に感じて、私は無意識のうちに唇を差し出す。
(んんっ……んちゅっ……)
(ちゅっ……むちゅっ……)
柔らかく暖かい感触を唇に感じて、私はもう止まらなくなった。顎を開き、舌を伸ばし理恵ちゃんのぬるやかな唇を貪る。それは彼女も同じみたいで、腕にぐっと力をこめて私を抱き寄せて、頭をぐるぐる動かしながら応えてくる。

すっかり興奮した私は何だか邪魔な気がして、緩んでいた水着を外して落としてしまった。理恵ちゃんも続いて裸になってしまう。
青空の下だというのに、全裸になって、誰かに見られているかもしれないのに、激しいキスと抱擁。私たちの快感は加速度的に高まっていった。
(んんっ……熱い……熱いのがびくびくしてる……こんな、外なのに……)
(固くて、凄い熱いのが、どんどん膨らんでる……)
他人に見られかねないことも忘れて、私も彼女も夢中で腰を揺すり、キスを交わす。私の海綿体の先端から熱い粘液が吹きこぼれる。彼女のペニスの裏側が、射精のためにぷっくらと膨らむのが分かる。
どくっどくんっどくっどくっどくんっ……
もの凄い勢いで心臓が脈打つのが聞こえる。それが自分のなのか、彼女のなのかも良く分からないくらい私は興奮していた。
(ああっ、あっあっ……理恵ちゃんっ♥)
(夕ちゃんっ……あんっ、あっ……また大きくなったっ♥)
無意識のうちにシンクロした私達は、同時に強く押し付けあう。すると、熱い快楽がどんどん頭やお腹に吹きだまっていって、あっという間に絶頂してしまった。
(い、いくっ……あああぁぁぁっっっ……!)
(私もっ……ペニスいくうぅぅぅっっっ……!)
その瞬間の快楽は感電したみたいに強烈で、ディープキスをしていなかったら、私も彼女もきっと凄い叫び声を上げていただろう。
びゅるっ、びゅるるるるっっっ……!!
ぶびゅるるるるるるっっっ……!!
彼女の身体がびくびくと震え、煮えたぎった衝撃がお腹に、胸に、顎に飛び散る。私の目の前にも快楽のピンク色の稲妻が走り、ペニスの付け根あたりに貯まっていた熱い塊が、突き抜けるような衝撃とともに解放されて吹き上がる。
(精液っ、精液止まらないっ……あああぁぁぁっっ……!)
(凄い、凄いのぉっ……見、見られてるのに、気持ち良すぎてっ……!)
二本のペニスはシャワーの水流と重力に逆らって、青空目がけて次々と白濁を噴き出し続ける。自分の、相手のペニスが震え、精液の弾丸を発射するたびに背骨を快感の電流が走り、桃色の脳を痛打する。私たちはお互いの悲鳴を貪るかのように痺れた舌を絡ませ合いながら、射精の快楽に震え続けた。
(3)フリーコテージ 陽子と美恵
まずは島内がどんな様子になっているのかを見せてもらおうと、私は美恵さんに引率されてぶらぶらと散策していた。二人とも麦わら帽子とサングラス、身体は例の過激水着だ。私としてはサービスセンターとやらでせめてパレオでも調達したかったのだが、美恵さんが私以上の露出にも関わらずあまりにも堂々としているため、言い出しそびれていた。まあ途中すれ違う人達も似たような感じなので、スーパー銭湯にでも来たと思って気にしないことにしよう。うん、ここは銭湯、南国風銭湯、だから裸でも恥ずかしくない。と自分に言い聞かせる。
と、ひと際過激で乳首が半分はみ出かけている水着の人とすれ違う。
「あ、そうだ陽子さん、この島、こんな水着ばっかりだけど、全裸はNGなのよ。一応」
「そうなんですか、なんか意外」
まあ、島側にも健全なリゾートという建前があるんだろうけれど、正直、こんなひも同然のものを着せられるくらいなら、いっそ全員全裸のほうが恥ずかしくない気がする。というか、この状況だとどこまでがOKでどこからが裸と見なされるんだろう。
そんなことを考えたり喋ったりしていると、防潮林が途切れて海が見える場所に来た。少しだけ高い崖の上から見渡す真っ白なサンゴ砂の浜とパステルブルーのラグーン、わずかに波立つ沖合のリーフ、そして真っ青な水平線。右手数百mくらいのビーチには色とりどりのパラソルやら人影やらがちらほらと見える。
「うわあ、さすがに奇麗ねえ」
「ふふ、でしょ? ここはビーチから外れてるから遊泳禁止だけど、見晴らしはいいのよ」
しばらく潮風に吹かれながら景色を堪能する。あれ、ラグーンの中に小屋みたいのが何軒か建ってる。
「ああ、ラグーンハウスね。休んだり、なんなら泊まったりもできるわよ。ボートに乗らないといけないけど」
「海の上で? それは面白そうね」
ラグーンハウスはそのうち試してみることにして、さらに歩く。といっても大した距離ではないけれど。
やがて、私たちの泊まっているようなコテージが一軒見えてきた。島のコテージは私たちのも含めて、一つの場所にまとまって建っているのだけれど、こんな外れの場所にもあるなんて意外だった。一体何故こんな離れた場所に? と疑問に思っていると、向こうから歩いてきた、やけに親密そうな若い二人連れとすれ違う。顔をてかてかさせて、腕を組んでいちゃいちゃしながら、まるでラブホで一戦交えてきたカップルみたいだ。その様子を見て、この島に上陸以来暖かく艶かしい空気を嗅いで来た私の身体の奥に、うずうずする何かが生まれていた。ちょっとまずいわね、と思っていたら。
ぴとり。
「えっ?」
脇に柔らかくも力強い密着感。美恵さんが腕を組んで来たのだ。
「あら、嫌だった?」
こういう大柄で筋肉質なタイプは初めてだけど、でも気さくで朗らかな彼女には好感があった。
「いえ、そんなこと無いわ」
「じゃ、いいわよね。C会員なんだし、まずは肩慣らししましょ」
ふふっと笑う彼女。一方私のほうはといえば、C会員という言葉を聞いて身体を駆け巡る血液がどくどくと熱くなっていく。
C会員のCはコンパニオンのC。それは、結構な金額を支払っているN会員やVIPのV会員達を楽しませるというコンパニオンを意味する。身もふたもない言い方をすれば、セックス要員になる代わりに格安料金ということだ。
だから原則として、上位の会員からセックスに誘われたら断ることはできない。それは事前に了解しているし、無論、私にはそれは苦にならない。というより、自分も楽しめると思ったし、そういう性格もC会員の条件でもあるらしい。
ちなみに一人がコンパニオンとなることを了承すれば、連れは無条件でC料金になる仕組みだ。だから娘の夕子には何の義務もないし、Cのことを知らせてもいない。
ともあれ、一軒家のコテージの玄関まで来た私たち。扉は開け放しで、厚めのカーテンだけが視界を遮っている。
「ここは?」
「ここは誰でも自由に使えるフリーハウスよ。まあ、入れば分かるわ」
中は私たちの宿舎と変わり無いように見えた。ただ、一階リビングではソファーに二組のカップルが座っていちゃいちゃしている。無論どちらも私たちと同じ両性具有者で、既に興奮しているのか水着からピンク色の勃起が飛び出しているのが見える。一瞬、いいところを邪魔をしてしまったのかと思ったけれど、しかし彼女達は私たちを気にも留めない。その様子を見て、このコテージが何なのか、なんとなく分かって来た。
「ここって要するに、そういう建物なの?」
「そ。一種のラブホみたいなものよ。この島にいるのは性欲旺盛なふたなりばっかりなんだから、こういう場所がないと、困るでしょ」
だから、ね? と微笑み、豊満な肉体を擦り付ける美恵さん。まさかいきなり初日からこんな風に展開するとは思わなかったけど、まあ、いいか。軽く彼女に微笑み返す。
「とすると、私たちは二階に上がればいいのかしら? あ、それとも空き待ち?」
私と同じ、一児の母の脂の乗った肉体はきっと素晴らしい抱き心地だろう。先程からわだかまっていたうずきが、一気に形をなして膨れ上がる。
「ふふっ、私が見込んだとおり話が早い人ね。多分空きを待つ必要はないと思うけど……って、もうなの? ああ、凄いのね、陽子さんって……」
おおっと。
下半身のほうは脳よりももっと反応が早かったみたい。形ばかりの水着を押しのけ臍まで勃起した私の欲望器官を目の当たりにして、美恵さんは頬を好色に輝かせた。
私たちは腕を組みペニスを勃起させて、リビングを無視して二階に上がる。驚いたことに二階には個々の部屋はなく、カーテンで仕切っただけのダブルベッドが何台も並べられているだけだった。
セックスの興奮と露出感にどきどきしながら空いていたベッドを選び、サングラスを外してサイドテーブルに置く。そして二人、もみ合うようにして転がり込む。と、仕切りの筈のカーテンは下が短くなっていて、ベッドは隣から丸見えだった。激しい運動をする場所だから風通しがいいのはありがたいのだろうけれど、開放的にも程がある。
そんな状況なので、美恵さんの逞しくも豊満な肉体をベッドに押し倒し、唇を奪った。のはいいのだけれど、床の左右にも真っ最中のカップルが見えて、どうにも気になる。両方ともすでにしかるべき状態らしく夢中で抱き合い、ぶつかりあっている。というか、片側はうちの娘くらいの年齢のカップルじゃないの。そう思ったら、なんだか胸の内側にもやもやするものが渦巻き出した。
「こういう、見えてる場所でするのって、興奮するでしょ?」
「そうね……どきどきするわ。でもちょっと、落ち着かないかしら」
美恵さんは答える代わりに、にっと笑うと腰を突き上げて来た。勃起海綿体同士が擦れ、恥骨の裏側がずきんと疼く。私も剛直ごと腰を押し返し、再び彼女の唇を塞ぐ。んんっと声にならない息が私の口に流れ込んでくる。彼女の柔らかくたわわな乳房に私の硬く尖った乳首が埋もれ、彼女の勃起乳首を私の乳房が包む。
逞しくむっちりとした腕が私の背中を愛撫する。私も負けずに全身を使って、乳首を乳房で、ペニスをペニスで、おしあいへしあい摩擦愛撫する。そうこうしているうちに周囲のカップルの存在など頭から消え去っていた。
彼女を味わいたいと思い、側位シックスナインの体勢を促した。美恵さんの水着の下はすでに外れ落ちており、私の目の前には牝香の薫る熟濡襞が突きつけられる。
「ああ、こうして見ると本当に凄いのね、陽子さんのって……」
私の亀頭薄皮に熱い息を吐きかけながら、うっとりと彼女が囁く。
「あなたのだって素敵じゃない」
とは言うものの、この位置だとまずはヴァギナのほうからだ。彼女の花びらの中へ伸びる怒張の付け根にキスするのと同時に、私の亀頭を暖かく濡れた肉が包み込むのを感じる。
ぢゅるっ……ずぢゅるっ、ぢゅぐぢゅぐぢゅぐっっ、ぢゅるるるるるるるっっ………
山腹にぐんっと強い陰圧がかかり、厚く弾力に富んだ舌がうねうねと性感粘膜を擦り立てて、びりびりと快感の電流を流し込んでくる。その強烈さたるや、もし私が十代の小娘だったら、一分と保たずに射精しているところだろう。
「んんっ……んっんっ……」
「あっ……凄いわ、凄い気持ちいいわ、美恵さん……」
でもさすがにこの歳になると、こんな激しい責めでも暫くは保つ。彼女のフェラテクを愉しみつつ、負けじと舌を伸ばして目前の肉花をかき回してやることにした。前庭、入り口を軽くなぞった後、肉腔へと舌を差し込み、ぐるぐるとかき回す。
びちゅっ、れるれるれるっ、ぢゅぷっ、れちゅるるるるっっ……
前側の肉壁の良さそうなあたりを集中的にくすぐってあげると美恵さんの大きなお尻がわなわなと震え、どっと愛液が溢れ出してくる。さすが一児の母、V感覚はよく鍛えられている。
「んんんんっ……んんっ……んんんっ……」
次々にわき出してくる良く熟成されたチーズのような香り高い熱液を舐めとり、飲み下す。大きく発達した花弁の複雑な襞をなぞり、唇で食んでやることも忘れない。
ぢゅるるるるっっ、ぢゅっ、ぢゅぶるるるるっっ……
彼女は喉まで私の先端を吸い込んで、舌の奥のほうでざらざらと強く摩擦する。同時に幹に軽く歯が立てられる。陰圧を掛けられながらの強い刺激に、私の下腹部に潜んでいる凶暴な衝動がどんどん成長していった。
「んむっ……うんっ……んっ……」
しばらくそうやってお互いの体液を味わってから、いよいよ結合することにした。
「陽子さんのペニス、凄く大っきくて、美味しいんだもの……ねえ、ほら……私、犯されたくて、たまらなくなっちゃった……来て?」
四つん這いになって高々とお尻を持ち上げ、突き上げるようにして私を挑発する美恵さん。筋肉と脂が良くついた大きなヒップの間から、とろとろと蜜を溢れさせる充血した肉植物を見せつけられて、同性とはいえ興奮が高まる。ごくりと唾を呑んで、柔らかくも筋肉質な腰を両手で掴み、怒張しきった欲望器官をぬかるむ真芯に宛てがう。
「いいわ、犯してあげる。 でも、後で私にもあなたの、食べさせてね」
そう言うと、私は腰を突き出し、一気に押し込む。
ずぬぬぬっ……!
「あっ……おおおおぉぉぉっっ……!」
彼女の熱く潤滑した肉襞を掻き分けるようにして、私のペニスが根元までヴァギナにみっちりと嵌り込む。しばしの間停止して、熟雌の柔らかく包み込むような密着感を楽しむ。そうしていると、彼女が刺激をねだるように腰を揺すり、肉を締め付けて来た。鍛えているだけあってなかなかの圧力だ。
「じゃあ、動いてあげる」
ぐぶぶぶっっ……
「おおぉっっ、はっ、あはあぁぁぁぁぁっっ……!」
腰を引くときに、わざと亀頭冠の出っ張りを上側の肉襞に引っ掛けるようにしてやる。胎内を引っ掻かれる刺激に、彼女は大きなお尻をぶるぶると揺らし、吐息を漏らして感じ入った。
「んおおおっっっ……!」
一旦完全に引き抜いてから、私の恥骨が彼女の尾てい骨にごつんとぶつかるまで、勢い良く再突入した。
ずぬぬぬっ……ずんっ……!
私の肉拳が子宮口を打突して、彼女は脂の乗った背中をびくんと逸らして反応する。
「んんんっっ、おおおぉぉぉっっっ……!」
「はあっ……素敵よ、美恵さんの……おまんこ……柔らかくて、ぎゅっと包んで……いやらしいくて、最高よ……」
私は彼女の後ろ耳に淫らな言葉を囁きながら、ぐりぐりと腰を使って蠢く膣肉をかき回した。半分ほど引き抜き、堅い先端を動かしてざらざらしたGスポットをまさぐる。
じゅぷっ、じゅぷぷっ……
中から溢れる愛液が淫らな水音を立てて溢れ、太腿を伝って落ちていく。
「あああっっ……ああっ、それっ……ああああっ……!!」
びくびくと背筋を震わせて反応する美恵さん。しばらく浅い部分を強く擦ったりゆっくりかき回したりと不規則に責め立てて反応を楽しむ。少々日焼けした背中にはびっしりと玉のような汗が浮き、大きなお尻は何かの衝動を堪えるかのようにわなないている。

「んあっ……あっ……ねえ、陽子さん……私、私そろそろ……はぁっ……」
どうやら絶頂が近いようだ。私もそろそろ限界が見えているので、テクニカルな責めは止めて、自分の快楽のために射精めがけて思いっきり動くことにする。
ずんっ……!
じゅぬんっ……!!
「おおっっ! おおおおおうぅっっっ……!!」
締め付ける濡れた熟肉の中に勢い良くペニスを撃ち込むと、お尻の肉がぱんっ、ぱあんっと派手な音を立てる。彼女のほうもすっかり他人の存在も忘れて、大声で雌の喜びを叫ぶ。
「いいっ、いいわっ美恵さんっ、おまんこ最高よっ……最高の雌よっ!」
ぐぶんんっ……ぐぱんっ……!
ずぶぶぶっ……っぱんんっっ……!!
勢い良く肉同士がぶつかる音が響く。反り返った亀頭冠が肉襞を勢い良くくぐり抜ける度に、筋筒に幹を締め付けられる度に、どくどくと熱い快感が尿道を逆流して走り、恥骨の裏で煮えたぎっている射精衝動という爆弾を加熱していく。快感を受けるごとに私の腰は力を増し、撃ち込みをテンポアップしていく。彼女もまた動きに合わせて熟腰を揺すり、ペニスを迎え入れる。
「ああっ、おおおっっ……精液っ……! 頂戴っ精液っ! 陽子さんの精液でっ……おおおっっ……おおっ種付けっ……私っおまんこ種付けしてぇぇぇっっっ!」
両性者の精液は精子の密度が薄いから普通は妊娠はあり得ないのだが、すっかり盛り上がった私たちはそんなことも忘れて卑猥な言葉を口走り続ける。
「いいわっ、精液あげるっ! ……ほっ、ほうっ、美恵っっっ孕ませてあげるっ! おおっ、雌にっ、雌犬にしてあげるっ……おおおおぉぉっっ!!」
ぐぱんっ!、ずぬっ!、っぱんっ!、ぬぶぶっ!
ぱんっ!!、ぬばっ!!、ずぱんっ!!、ずんっっ!!
興奮した私は、腰を目一杯弾ませながら攻撃的な言葉を口走る。すると美恵さんも表情をうっとりととろかせきって激しく腰を揺さぶってくる。全身から噴き出す汗をまき散らしながら、獣のように一心不乱に交尾する私と彼女。ふと視線を感じてそちらを見ると、先程の若いカップルが頬を染め、目を輝かせて私たちの痴態に見入っていた。
(ああっ、こんな姿を見られている……娘みたいな若い子達に……見られて……)
そう思った瞬間、その思いがひと際強烈な快感となって脳内で炸裂し、絶頂への引き金を引いた。激しい悦楽の脈動が全身を襲う。
びくっ、びくびくっ……びくんんっっっ!
「おおおおぉぉっっ……イくっ、精液イくわっ……! 見てっ、種付けっっ! 雌犬っ種付け見てぇぇっっ……んおおおおおぉぉぉっっっっっ……!!」
「んんっっ、んああああっっっ! ちんぽっ、おまんこっいいっっ! おおおっイくっ私もイくのぉっっおおっ見てっ皆見ててっっ……あああああぁぁぁぁっ……!!」
(見て……見せてあげる……私が、犯してる姿……もっと見なさい……)
射精への不可逆なシーケンスが始まる。ペニス全体がさらに大きく破裂寸前まで膨張し、尿道口が大きく開く。付け根のあたりに強烈な疼きが生じる。彼女の膣肉もエクスタシーを味わわんと強烈に収縮し、おびただしい愛液を吹きこぼす。見えないが、彼女のペニスもぎちぎちに勃起し上がっているのだろう。
っっぱあぁぁぁんんっ!!
そして最奥への、子宮を突き上げるような一撃を決め、私は獣じみた咆哮とともに射精した。
「おおおおっっ……出るっっ射精っ射精するわっ……子持ち雌犬のおまんこっ種付けっ……!! 美恵のっ……おおっ、出るわよっおお、おおおおおおおっっっっ……!」
ずびゅるるるるるるるるっ……!!
焼け付くような射精の愉悦がペニスから全身へと波及し、全ての衝動が解放された。目の前が真っ白になるような快感に全身が硬直し、押し込んだペニスをぐりぐり、ぶるぶると震わせる。
「あおおぉぉっっ……イくっ、射精されていっちゃうっっっっ! 陽子さんっ、陽子さん極太ちんぽでっ、種付けされてっちんぽっっっ孕まされていっちゃぁああぁぁっ……!」
ほぼ同時に彼女も絶頂を迎えた。ペニスをへし折られそうなほどに括約筋が収縮して締め付ける。お尻を突き上げて、ごんっと音がしそうなほどの勢いで尾てい骨を私の恥骨にぶつけてくる。ぶるぶると背中が震えているのは彼女自身も射精しているからだろう。
どくっどくんっどくっどくっっ……!!
びゅぶんんっっ、びゅぶるるるっっ……!
「んおおぉっ……! おほおおおおぉぉっ、美恵っ……おおおぉぉぉっっ……!」
「あおうぅぅっ……陽子さんっ!! ぉおっ、んうおおおうううぅぅっっ……!」
私と彼女、成熟した二匹のケモノは周囲の目を憚りもせず、羞恥心を完全に忘れ去って、獣のように吠え狂いながら交尾絶頂を味わい続けた。
じゅぷっ、ずんっ!、じゅぱっ、じゅっ、ぱんっ!
「んおっ、おおおぉっっ……来てるわっ凄いっっ、子宮までっペニスぶつかって来てるっっ……!! はっ、はあっ、いいっいいわっ美恵さんっ素敵よっっっ……!!」
その後、私は美恵さんの筋肉質の身体に騎乗位でまたがり、がんがんと突き上げてくるペニスをロデオのように乗りこなして楽しんだ。
「はぁっ、はあっ、いいわよっ、いい腰振りだわっ陽子さんっ……! はっ、はっ、ほらっ見てるっ、皆私達の事見てるわよっ……もっと、もっとよがりなさいっっ……!!」
淫らに交わる姿を周りのカップル達に見られることも気にならなかった。いや、私も、多分彼女も、人前に痴態を晒すことに確かに快感を覚えていた。
「おおおっっ、おおっ、凄いのっっ見られてっ……っ子宮っずんずん来るわっっ…!!」
「んはっ、いいわっ……いい蕩けっぷりよっ陽子さんっほおおっんんんっっ……!!」
そうやって獣のようにひとしきり交わった後、一階のシャワー室で汗や体液を洗い流した後(シャワー室も何人も入れる仕様になっていて、これまたいちゃついてるカップルがいたが)、私たちは腕を組んで帰路についた。
(4)歓迎パーティ
「ようこそパイヘテローマへ。……乾杯」
「乾杯〜!」
十号コテージの一階リビングににぎやかな声が響く。これから一週間滞在する私とママのために、美恵さんやまりあさんがちょっとした宴を開いてくれたのだ。テーブルの上にはオードブルやらお菓子やらが並び、大人達はビール、私たちはトロピカルドリンクを手にしている。人数は宿泊者のほかに氷雨さんたち二人の八人で、コの字に配置されたソファに腰を下ろしての飲食なので、パーティというよりはおしゃべり会という体だ。まあお互いを知り合うには、このほうが楽でいいかも。
で、私はいろいろなことを話し、聞いた。理恵ちゃんは私と同じ学年で、関東のちょっといい学校に通ってる。スポーツは得意らしく、水泳をやってるとか。ありあちゃんは2つ下で、結構なお嬢様学園だ。部活は吹奏楽。どっちもうちよりリッチな家みたいだけど、お互い裸同然なせいか、あまり気にならない。それを鼻にかけるような感じもないしね。
親子仲もいいらしく、話を向けると嬉しそうに美恵さんとまりあさんについて話してくれた。美恵さんはちょっとした会社の経営者で、本来は結構忙しいらしい。今回は共同経営者に任せてリゾートだとか、学生時代は水泳選手で結構いいところまで行ったということも教えてくれた。見た通り、さばさばした開けっぴろげな性格で、いろんな人に慕われてる。
一方、まりあさんは元ピアニストの専業主婦で料理が上手く、今日のオードブルもいくつかは彼女の手料理らしい。ふむ、プロ級だね。性格も優しく、素敵なママ。
二人が自分達のママをあんまり自慢するものだから、私も負けずに我が母上を自慢することにした。
双島陽子。女手一つで私を育ててくれた、ちょっと厳しい所もあるけれど、優しいママ。同性の、娘の私から見てもほれぼれするような、奇麗で色っぽい身体。この島では水着オンリーだけど、仕事のときはスーツでびしっと決めてかっこいい。家だとちょっとだらしないところもあったりするけど、それはそれで可愛い。抱きつくと大きなおっぱいがふわっと包むように受け止めてくれて、そして甘いキス。もしも法律が変わったりしたら、私はママのお嫁さんになりたい。
ちょっと惚気過ぎたかなと思ったけど、二人は引くどころか負けじとママ自慢で反撃してきた。へへ、みんなママが大好きなんだね。なんか、照れくさい。

その他にも島のことをいろいろと教えてもらった。
人気が高くて順番待ちだけど、ダイビングは絶対やっといたほうがいい。いろとりどりの熱帯魚にサンゴ、白い海底に青い空がきれいで、必ず感動するとか。ほかにもバナナボートや水上スクーターなど、マリンスポーツを一緒にやろうとか。陸の上にもテニスコートがあったりビーチバギーや自転車の貸し出しがあって、マリンスポーツが予約一杯でも遊べるとか。
島の電気は太陽光と風力でまかなっていてエコだとか。夕方になるとスコールで大雨が降ることが多くて、その水を濾過して使っているとか。中央広場では、定期的にバーベキュー大会やダンスパーティーが開催されるとか。陸地の奥の方はジャングルになってて、行くとちょっとした冒険になるとか。
そんなふうにいろんな話をしているうちに、私たちはまるで昔からの友達みたいにすっかり仲良くなっていたのだった。