事故が起きてから一ヶ月もたつというのに全く救助が訪れない。
それどころか舟影の一つも見えない。
もしかすると、一生ここで暮らすはめになるのでは・・・。
そんな考えが頭をよぎる。
いやいや、ちょっと捜すのに手間取っているだけだ、そうに違いない、そんなことより鳥を捕まえるための罠でも作ろうか。
気を紛らわせるための材料探しに俺は山の方に入っていった。

そこでふと草むらの方から物音が聞こえた。
少女が薪でも拾っているのだろうか。
そういえば未だにろくにコミュニケーションもとれていない。
ちょっと驚かしてそれをきっかけにもう少し距離を詰めてみるか。
そんな企みを持って
俺はこっそり少女に近づいた。


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