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こうして、俺とこの少女は救助が来るまでの間 この島で二人きりで暮らさなければならなくなった。 まず一番重要なのが飲み水の確保だが これは比較的簡単に解決した。 島の奥の方に、それほど大量にではないがわき水が出ていたからだ。 小川と言うほどではないがちょろちょろと水が流れ出している。 次に寝床だがこれも天然の洞窟を見つけることで解決した。 はっきり言ってついている。 いや、飛行機事故にあった時点でついているも何もないのだが それでも不幸中の幸いという奴だ。 火は、機内に一つだけ持ち込めるライターがポケットに残っていたおかげで 簡単にたき火を起こせた。 後はこれを絶やさないようにするだけだ。 食料も海に行けば貝や海草は簡単に採れるし、木の実のようなものもある。 塩も海水からとれるし、贅沢さえ言わなければ恵まれた方だろう。 これらの準備をしている間も 少女には薪を拾ったりなど協力してもらっていたのだが もともと人見知りをしている性格だったのか それとも事故のせいかあまり積極的に話し込むようなことはなかった。 そのせいもあってか 俺は未だにこの少女の名前すら知らない。 まあ、二人きりしかいない時点で他の誰かと区別するための名前なんて必要ないと言えばその通りなのだが。 そもそも 生き残るためにやらなければいけないことが山積みの状況で無駄話などしていられるはずもなかったのだ。 そうこうしているうちに2週間がたった。 救助隊が来る気配は未だにない。 だが、それでもまだその内、救助が来るだろうと俺は考えていた。 だが そのまま一ヶ月が過ぎた・・・。 ▼次へ |
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