【謙一】「この絵美って女にするか……」

 獲物を決めた俺は、彼女のプロフィールをモニターに表示しながら電話を手に取った。

【由紀】「ふふ、待っていたわ。そろそろだと思っていたもの。それで? 今度の獲物は、どんな相手なのかしら?」

 電話越しですら股間をゾクゾクさせる妖艶な声が聞こえてくる。コイツの名は、片桐由紀(かたぎりゆき)。裏社会でそれなりの組織力を持つ女だ。そして、俺に調教され、今も性奴隷として生きている女でもある。

【謙一】「今回の相手は、笹川絵美という名の女だ。いつも通り、今、そっちにデータを送った」

【由紀】「ええ、受け取ったわ」

【由紀】「……なるほどね。小娘だっていうのに、うちの縄張りを荒らすような真似をしてるわけね」

【謙一】「ああ、そうだ。援交で金を持ってる中年をホテルに誘い出し、ヤる前に男が登場して金を脅しとる。典型的な美人局だな」

【謙一】「もっとも、組んでる男も、この絵美って女も、お前がこの辺を仕切ってるなんてことは知らないんだろう」

【由紀】「でしょうね。うちの連中が知ってるなら、こんな派手な動きを放っておくわけないもの。モグリがどうなるかを知らない馬鹿のようね」

【由紀】「ふふ、この手の馬鹿が相手なら、本当に下を動かしやすいわ」

【謙一】「だろうな。女の身柄は、いつものように地下室に運び込んでおいてくれ」

【由紀】「ええ、任せてちょうだい」

【謙一】「ああ、頼む。報酬はいつものように口座へ入金しておく。後は、仕事が終わった頃にでも顔を出すといい」

【由紀】「ふふ、それは楽しみね。あなたのチンポを味わえない時間が長くなると、気が狂いそうになってくるんだもの。たっぷりと可愛がってね、ご主人様」

【謙一】「ああ、たっぷりと可愛がってやるよ。じゃあ、攫うのは任せたからな」

【由紀】「ええ、じゃあね」

【謙一】「後は、連絡を待つだけだな」

 組織の頭としての由紀にしてみれば、俺の渡す金は、小遣い程度のはした金に過ぎない。だが、性奴隷としての由紀にしてみれば、俺の依頼をこなすたびに可愛がられることが何よりの褒美になる。

 だからこそ、誘拐を実行する人間に、全額を渡すという真似もできるんだろう。

 おかげで俺の依頼は、下働きの連中からすると割の良い仕事になるらしく、最優先で処理してくれるまでになっている。

 そして俺は、絵美という名の獲物を迎え入れる準備を整えるために、洋の東西を問わず、あらゆる拷問器具が揃えられた地下室へと足を運んだのだった。

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