「ジャパニーズクイーン、アナタと対戦できること光栄に思います」

アイリーンが、サクヤに対して手を差し伸べる。

「私もよ。全力で行かせて貰うわ」

サクヤもそれに答え、手を握り返した。

アイリーンはセックスキングダム、フィリピンのナショナルクイーン。

浅黒い肌にキレイな黒髪のロングヘアー、それに何より大きなヒップが魅力だ。

「では、行きますわよ・・・サクヤ」

「ええ、行くわよアイリーン・・・デュエル!!」



セックスキングダム本部

3日前に遡る。

サクヤはエルザに地下に暗躍するデュエリストが伝説のカードを狙っている、

そして伝説のカードには、誰も知らない失われた歴史の空白を

知る鍵になるかもしれないということを聞き、

伝説のカードがある可能性があるアメリカへ渡ろうと

セックスキングダム本部の会長を訪ねていた。

「なるほど・・・。どうやら良からぬ組織が動き出しているようだな・・・」

会長は窓から外を見ながら、顎鬚を擦った。

「では、お許しいただけるので?」

会長は、うーむと少し考えた後、口を開いた。

「いやしかしだサクヤ、日本のセックスキングダムのトップを休めるわけにはいかんよ。

一応、生理休暇を与えつつ、うまく他のデュエリストとローテーションを組んでいるというのに。

それに今、新進気鋭のエルザ君にも休まれるとなると・・・代役が必要だ。

そうだな・・・だったらこうしよう。金を叩いてアジア地区のデュエリストを招き、大会を開こう。

大会はいつもの興行の合間に行う。1回勝てば、1週間くらい空きはでよう」

「ありがとうございます!」

サクヤは深々と頭を下げた。

「君が日本のトップだから、特別にするんだよ?

それにもし優勝できなかったら、こちらにはかなりの損害がでる。

分かっているね?」

鋭い眼光がサクヤに突き刺さる。

「それは、心得ております」

サクヤの返事を聞き、会長は満足そうに頷いた。

「なら良いんだ。一応、ウチのエージェントたちも動かそう。

せっかく安定している世界のセックスキングダムを、かき回すことは許せん。

他の国の会長たちにも連絡を入れないとな・・・」



そんなこんなで急遽アジア地区の大会が行われている、という訳である。

日本で名を売れば豊かになれる、そんな思いを持ったデュエリストが集まり

かなりの参加費が集まっていた。

「ドロー!!」

サクヤは勢い良くカードを引く。

(さーて、1回戦を軽く勝ってスグにアメリカよ!!)