【scene1-露出狂の歌姫!?-】

 

シェリル・ノーム…彼女は決して【銀河の妖精】などではない。

その歌と美貌で人心を惑わす悪魔と言った方がよいだろう…
事実、彼女はマクロス・ギャラクシーよりもたらされたスパイなのだから。

だが、その事実を知っているのはここフロンティアでは、彼女のマネージャー
グレイス・オコナーのみであった。

シェリル自身さえ、その事実を知らないままに、
只、純粋に歌うのだった。
得体の知れない不安のようなモノを感じない訳ではなかった。
しかし、観客の熱狂は彼女に全てを忘れさせた。

何か大きな波に飲まれて行くのを不安に思いながらも
彼女はソレをよしとして今日も歌い続けていた。

 

「今日は来てくれてありがとう!たっぷり楽しませてア・ゲ・ル・
私の歌を聴けぇ~♪」

「おおおおおおおおおおっ!」
観客の声援が一段と大きくなり会場が熱気に包まれた。