オムツ新任教師・初香 体験版
第1話
「これから君達の担任になる、葉山 初香(はやま ういか)って言います。まだ担任になるのも初めてなんだけど……みんな、よろしくね?」
脚を踏み入れたばかりの教室で、葉山 初香(はやま ういか)はただならぬ緊張を身に受けていた。
新任教師だった初香は教壇に立ち尽くしたまま、出会ったばかりの生徒達へ向けて、ひたむきに挨拶を交わしていく。
可愛らしい印象を与える内巻きのセミロングや、幼さを残した顔立ちのせいで、まだ学生でも通りそうなほど若く見える外見を、初香は今ほど引け目を感じたことはなかった。
教員免許を取って間もない身にも関わらず、初香は早速一つのクラスを受け持つことになってしまった……さらには四月ではなく九月半ばと言う、季節外れの編入も初香には気掛かりでたまらない。
「はーい。私達もよろしくね、葉山先生?」
「葉山先生って、前の先生よりとっても若いんだね?」
自己紹介を無事に済ませた初香へと、生徒達は次々に挨拶を交わし始める。
予想していた以上に若い担任の初香へと、生徒達は気兼ねなく接していく……前任だった担任教師と違って年も近いことが、自然と生徒達の気持ちを和らげていたのだ。
生徒達は身を乗り出しながら、初香へと向けて次々に質問をぶつけてくる。
大人と言うよりは『お姉さん』と言った印象のある初香に、生徒達は興味を惹かれていたのだ。
「え、えぇ。実は大学を出たばかりなんだ……」
モジモジモジッ。
不意に投げかけられた生徒達の質問を、初香は言葉を選びながら答えていく。
つい半年前に大学を卒業したばかりだと、生徒達の前で返事を返していく……これから担任になる自分が、どう生徒達と触れ合えば良いかの距離感を探り続けていたのだ。
年も近い生徒達と気軽に触れ合いたい反面、担任としての立場も守らなければいけないと、初香は胸の中で何度も噛み締める。
まだ大学を卒業したばかりだと言うこともあり、初日から生徒達に気持ち負けしないようにするだけでも、今の初香には精一杯だった。
ぎこちなさを感じる言葉遣いのまま、出会ったばかりの生徒達に対して、初香は探り探りで言葉を交わしすしかない……
(ホントに私、この子達の担任なんてやっていけるのかな? まだ教師になったばかりなのに。)
目の前にいる生徒達へ少しずつ触れ合う間も、初香は内心不安でたまらなかった。
思春期を迎えて間もない生徒達が、教師としてのキャリアも持ち合わせてない自分をどう感じているのか、初香はどうしても意識せずにいられない。
まだ新任の身にも関わらず、訪れたばかりの学校で一つのクラスを任される状況など、教師の経験も薄い初香が緊張を抱いて当然だった。
さらに初香は、生徒達の様子に複雑な気持ちを抱いていた……新任教師の身にも関わらず、早速一つのクラスを受け持つことになった理由も、初香が不安を抱くのに十分過ぎる理由だった。
(……それにこのクラス。前に一度『学級崩壊』を起こしたって、教頭先生から聞かされたばかりだし。それでも私がしっかりしなくっちゃ……)
そもそも新任教師である初香に、どうして担任の役目が与えられたのか……目の前にいる生徒達に理由が存在していた。
初香が受け持つことになったクラスは、何かしらの理由で『学級崩壊』を起こしたと、初香は学年主任から言い聞かされていたのだ。
クラス内で引き起こされた問題のせいで、前任の担任が退職に追い込まれた……そんな事実が、新任教師としての不安がさらに煽られる。
まだ詳しい原因は分からないとしても、クラス内で引き起こされた学級崩壊の事態を踏まえた上で、初香はこれから生徒達と接していかなければいけなかった。
今でも興味本位に質問をぶつける生徒達の表情を眺めながら、初香は戸惑いを抱かずにいられない。
落ち着かない気持ちを取り繕うため、初香は生徒達へと言葉を交わし続ける……
キーンコーンカーンコーン……
「もうチャイムも鳴っちゃったし。早く授業を始めようよぉ」
「葉山先生、もしかして緊張してるの〜?」
生徒達の応対を続けながら、背筋を張りつめていた初香の耳元へチャイムの音が飛び込んでくる。
初香の自己紹介を繰り広げるうちに、ついに朝のホームルームが終わったのだ。
今でもぎこちない表情を向ける初香に、生徒達は気兼ねなく話しかけてくる……すでに一時間目が始まったから、すぐにでも授業の準備をして欲しいと訴えていく。
まだ顔を合わせたばかりで、頼りない印象のある初香を生徒達も気遣っていたのだ。
「ご、ゴメンね。ホントは私がしっかりしなくちゃいけないのに……それじゃあみんな、算数の教科書を用意してもらえるかな?」
生徒達から投げかけられた言葉に、初香はすぐに意識を働かせていく。
担任としての距離を測ろうと、生徒達との他愛もない会話を繰り広げるうちに、まさかホームルームの時間が終わるなど初香も思っていなかった。
抱えている緊張を思い知らされながら、初香は最初の授業をすぐ執り行う。
手元に構えていた教科書を取り出しながら、初香は生徒達へ向けて指示を仰ぐ。
いくら新任の身でも、一度教室を訪れた以上は担任として振る舞うしかないのだ……
* * * * * *
「ふぅっ……」
ついに給食の時間を迎えたので、初香も教員用の椅子に腰掛けたまま、思わず身を預けてしまう。
時間割どおりに科目をこなすうちに、初香はやっと午前中の授業をやり遂げたのだ。
用意された給食へのお礼を生徒達へと告げた後、初香はやっとの思いで食事を摂ることが出来る。
各々の席に着いている生徒達の様子を眺めながら、初香も溜め息を洩らさずにいられない……
(……何とか午前中は無事にやり過ごせたみたい。実習の時と違って一人だし、やっぱり気が張っちゃって大変だよぉ)
激しい緊張に苛まれていた初香は、それでも必死の思いで授業を繰り広げながら、何の問題もなく午前中を過ごせるだけで嬉しかった。
教育実習の際に教壇に立った経験があるとしても、担任として一つのクラスを受け持つ状況など、教師になったばかりの初香にはあまりに過酷な状況だった。
出会ったばかりの生徒達を相手にして、授業を進行する間も担任らしい振る舞いを続けられているか、初香は今でも思い悩まずにいられない。
自分一人だけで授業を執り行う心細さを、初香はありありと思い知らされる……
「先生ってば、随分疲れちゃってるみたいね。確か私達が最初のクラスなんでしょ?」
「男子とか授業中にうるさくなかった? まだ新人だから気遣ってあげてって注意しといたんだけど……」
椅子の上に身を預けたまま、未だ肩をこわばらせている初香へと向けて、席が近い生徒達はさりげなく話しかけていく。
出会って間もない初香が、教師になりたてと言う事実も踏まえて、気遣う容姿まで女子達は見せつける。
上級生になったにも関わらず、子供っぽさが拭えない男子達を初香が疎ましく感じないか、女子達は午前中の間もずっと気掛かりだったのだ。
「あ、ありがとう……やっぱり私が緊張してるの、みんなも気づいちゃってる?」
女子達からの思いがけない気遣いに、初香は恐る恐る返事を返していく。
男子達と同い年にも関わらず、落ち着いた雰囲気のある女子達の様子に、初香は気持ちが和らぐ感覚を身に受けていた。
思春期を迎えたばかりで、大人の仲間入りを果たそうとする彼女達の様子に、初香はこそばゆい気持ちを抱きながら、落ち着いた調子で女子達へと会話を交わしていく。
自分が思っていた以上にしっかりしている女子達の雰囲気に、初香は意外さを感じていたのだ。
(……最初はどんなクラスかなって気になってたけど。そんなに深く考えなくてもやっていけそうかな?)
女子達とのお喋りを続けるうちに、初香は少しずつ気持ちを落ち着かせていく。
教師としての経験も浅いながら、午前中の授業をこなすことが出来たことが、初香の中で着実に自信を生み出していた。
さらには教室に入る前から感じていた懸念も、女子達と触れ合うことで自然と薄らいでくる……前任の教師が退職するほどの事態を招いたはずなのに、取り立てて問題を感じられないことが初香には嬉しかった。
朝に抱いていた不安が和らぐことで、初香もやっと肩を撫で下ろせるのだ。
触れ合って間もないとしても、新任の自分を気遣ってくれる生徒達のために、しっかりと担任の役目を果たそうと初香は思い込んでいく……
* * * * * *
ガラガラガラッ……
「みんな、ちゃんと着替えは済ませられた? あと少しでお昼休みが終わっちゃうわよ?」
給食の時間に気持ちを落ち着かせていた初香だけど、午後の時間にとんでもない場面に出くわしてしまう。
お昼休みの時間が過ぎようとしていたので、初香が教室を覗き込もうとした矢先、教室内のただならぬ違和感を受ける。
五時間目は体育の時間だったので、体操着へと着替えているはずの女子達が、何故か教室の片隅に集まり出していたのだ。
午前中は感じることもなかった彼女達の雰囲気を受けて、初香は恐る恐る教室へと脚を踏み入れる。
「きゃんっ……! 葉山先生、助けてぇっ!」
フルフルフルッ……
教室内に脚を踏み入れた初香へと、一人の生徒がすぐ悲鳴を洩らす。
女子達の輪に取り囲まれたまま、夕霧 華奈代(ゆうぎり はなよ)は必死の思いで助けを追い求める。
華奈代はお人形を思わせるような顔立ちの、清楚な雰囲気を漂わせる少女で、いわゆる優等生タイプの大人しめの女生徒だった。
可愛らしく左右に結えている、艶のある髪を揺らしながら、初香へ向けて言葉を投げかけようとした華奈代だけど、周囲を取り囲む女子達がすぐに阻んでしまう。
複数の女子達に肩を掴まれたまま、初香は少しも自分から歩み寄れそうにない。
グイッ。
「もう、華奈代ちゃんってば。体操着に着替えるのが遅れるから、葉山先生も心配して来ちゃったじゃない?」
「私達が着替えを手伝ってあげるから、いい加減大人しくしなさいよ?」
華奈代を無理に引き留めたまま、女子達は口々に言葉を投げかける。
肩をずっと震わせながら、なかなか体操着へ着替えようとしない華奈代を、自分達の手ですぐに体着替えさせてしまおうと女子達はけしかけていた。
自分達から必死に逃げようとする初香を、女子達は数人掛かりで取り押さえながら、それでも衣服を脱ごうとしない様子に、わざとらしい苛立ちをぶつける。
さらに女子達は華奈代の両手を押さえたまま、穿いていたスカートを無理矢理持ち上げていく。
「ちょ、ちょっとみんな。夕霧さんが困ってるじゃないの。すぐに夕霧さんから離れてあげて……?」
目の前にいる女子達へ向けて、初香はすぐに注意をぶつける。
午前中には一度も見せなかった女子達の雰囲気に驚かされながら、それでも担任としての役目を果たそうと、初香は自分の手で華奈代を庇おうと考えていたのだ。
まさか自分が見ていない隙に、彼女達が華奈代を苛めていたなど思わなかった……そう思い知らされながら、初香は自分の手で華奈代を危機から救おうと目論んでいく。
女子達の輪を払い除けながら、初香はすぐ華奈代の元へと駆けつける。
「葉山先生……だって華奈代ちゃん、なかなか私達の前で着替えてくれないんだもの?」
「そんなに華奈代ちゃんってば、今穿いてる下着が恥ずかしくてたまらないのかしらね?」
自分達を制止しに掛かろうとした初香へと向けて、女子達はさらに言葉を投げかける。
初香から注意をぶつけられる中、自分達の執り行う行為の正当性を、女子達は口々に主張し始めたのだ。
あと少しで体育の時間が始まるにも関わらず、ぐずぐずして少しも着替えようとしないから手伝おうとしただけだと言い張りながら、初香の背中を押し込む形で、初香の前へ無理に向かわせる。
今見せている華奈代の姿を見せつければ、きっと自分達の言い分に納得してくれるはずだと女子達は思い込んでいたのだ。
「ゆ、夕霧さん。その下着って……?!」
スカートを奪われた格好の華奈代に、初香はすぐさま視線を吸い寄せられる。
今でも上はカーディガンとブラウスを着込んだまま、間近で見せつけられる下半身の状況に、初香は思わず引け目を感じてしまう。
上級生には考えられない下着によって、華奈代の下半身全体は包まれていたのだ。
今まで知る由もなかった、華奈代のとんでもない事実を初香は思い知らされる……
ワナワナワナッ。
「あ、あうぅんっ……葉山先生、そんなに見ちゃダメぇっ……!」
傍にいる初香からの視線を思い知らされて、華奈代は思わず悲鳴を洩らしてしまう。
教室内で露わになった華奈代の下半身は、他の女子達が穿いているショーツより、明らかに大きい形状を見せつけていた……何と華奈代は紙オムツを着用していたのだ。
股間が分厚く作られている、真っ白い紙製の生地など、小さな子供が穿くような紙オムツに他ならなかった。
思春期を迎えた年頃には許されない紙オムツの着用を、華奈代はどうしても恥じらわずにいられない。
戸惑いの始める初香へと向けて、華奈代はすぐ顔を背けながら、顔だけでなく耳まで真っ赤に染めていく。
「もう、華奈代ちゃんったら。いい加減大人しくしなさいよ? いくら葉山先生を覗かれるのがイヤだからって、いつまでも着替えられないじゃないの」
「それとも華奈代ちゃん……ヤダぁっ! もうこんなに紙オムツを濡らしちゃってる!」
華奈代の恥じらう表情を確かめながら、女子達はさらに詰め寄ってくる。
上級生にもなって、未だに紙オムツが手離せない華奈代へ向けて、女子達は続々と非難を浴びせる……思春期を迎えた年頃にも関わらず、まともにトイレで用を足すことも出来ない華奈代を、彼女達はどうしても許すことが出来なかったのだ。
さらに女子達は初香の下半身を覗き込んで、紙オムツの表面に浮かんだ染みまで問い詰める……年齢も二桁になった身なのに、華奈代が失禁行為をしでかした事実まで、女子達はわざとらしく主張してみせる。
紙オムツを着用したまま学校内で過ごし続けて、さらには自分達のいる前でお漏らしを冒した華奈代を、女子達は鋭い視線を向けていく。
「ねぇ、華奈代ちゃん。いつオシッコを漏らしちゃったのか。葉山先生の前でもちゃんと言いなさい?」
「お漏らしした後でも、華奈代ちゃんはすぐ黙っちゃうんだから、どんなに恥ずかしがっても許してあげないんだから?」
紙オムツの濡れ具合を探りながら、女子達は続々と初香へ文句をぶつけていく。
自分達と一緒に教室内で過ごしながら、いつ華奈代がお漏らしを始めたのか、女子達はどうしても責め立てたかったのだ。
幼児のみ許される下着を穿き込んだまま、トイレ以外の場所でオシッコを垂れ流す行為が、いかに許されない行為かを女子達は突きつける。
薄黄色く染まった華奈代の股間を眺めながら、女の子として恥ずかしい事態を許すまいと、女子達は刺々しい言葉まで用いてくるのだ。
フルフルフルッ……
「あ、あうぅんっ……ごめんなさい。みんなと一緒に給食を食べてる時に、どうしても我慢出来なくって……」
周囲にいる女子達から浴びせられた文句に、華奈代はすぐさま震え上がってしまう。
ひとりでに震える唇のまま、給食を食べ終わった後で尿意を耐え切れず、席に座ったままオシッコを溢れさせてしまったと、明かすのもためらうような事実を華奈代は口にする。
ずっと取り繕いたかった事実を、暴かれた以上、華奈代は女子達の言葉に付き従うしかなかった。
思い返したくなかった事実を明かすうちに、さらに惨めな気持ちへと駆られてしまう……
「は、葉山先生……ごめんなさい。私、ずっと紙オムツを穿いたまま過ごさないといけないの……」
ワナワナワナッ……
それでも女子達に背中を押されるまま、華奈代はさらなる言葉を初香へと投げかける。
自分達の担任になったばかりの初香へと向けて、明かすのも難しかった事実を、華奈代は自らの口で告げなければいけないのだ。
紙オムツを穿いたまま教室内で過ごして、ひとたび尿意を催せば、少しも我慢出来ずに所構わず失禁行為をしでかす体質を、華奈代は恐る恐る初香へと打ち明ける。
本来なら周囲にいる女子達と同じようにショーツを穿くべきところを、自分だけは未だに紙オムツを手離せずにいる事実に、華奈代は耐え難い気まずさを思い知らされる……目の前にいる初香の反応を恐れて、華奈代は気恥ずかしげに俯くことしか出来ない。
「ゆ、夕霧さん……もう十分に分かったから。みんなも夕霧さんをあまりからかわないであげて? きっと夕霧さんも恥ずかしくてたまらないと思うの……」
華奈代の抱えていた事実を思い知らされて、初香は恐る恐る返事を返していく。
受け持ったクラスの中に、紙オムツを着用しての生活を余儀なくされる生徒が存在していた……学年主任からも教えられなかった事実に、初香が激しく驚かされていたのは事実だった。
それでも目の前で肩を震わせる華奈代を、担任として庇うべきだと感じて、初香はさらに女子達の間に割って入ってみせる。
女子達から言葉で責め立てられながら、紙オムツに頼らざるを得ない事実をずっと恥じらう華奈代を、初香は何としても救ってあげたかった。
華奈代を自分の手で庇うため、初香は必死の思いで女子達へと言葉を投げかける。
「ダメですよ、葉山先生。華奈代ちゃんの紙オムツ、誰が世話してあげてると思うんですか?」
「私達が交代で紙オムツを取り替えてあげてるんですよ? それなのに華奈代ちゃんってば、今日も恥ずかしがっちゃって、お漏らししたことを教えてくれないなんて……」
頼りない雰囲気を見せてしまう初香の言葉を、女子達は平然と払い除けてしまう。
たとえ華奈代自身が嫌がっても、自分達の行為を拒む資格すらないはずだと女子達はで主張する。
紙オムツを穿いた状態での学校生活を強いられていた華奈代を、女子達はずっとお世話を見続けていた……華奈代が失禁行為をしでかした後、交代交代で紙オムツを取り替えていたのだ。
どれだけ自分達が迷惑を被っているのかを踏まえれば、足手纏いな初香をどう扱うのも自由なはずだと女子達は言い張ってみせる。
お世話を見なければいけないはずの初香が、自分達の手間を煩わせる状況など許されないはずだと、女子達は各々で噛み締めていく……
「華奈代ちゃんはお荷物なのよ。もし他のクラスに華奈代ちゃんのお漏らしが気づかれちゃったら、私達までバカにされちゃうんだから」
「お漏らししたら、すぐ私達に教えるようにって、いつも華奈代ちゃんに言ってたはずだよね?」
「本当よ。どれだけ私達が華奈代ちゃんのおかげで苦労させられてるか、この際だから葉山先生にも知ってもらいましょう?」
さらに女子達は、華奈代のせいで抱え込んだ気苦労を語ってみせる。
クラスの中で華奈代だけが紙オムツを着用する事実を、他のクラスにばれないよう気を配る必要にも彼女達は駆られていたのだ。
思春期を迎えたばかりの自分達にとって、初香が紙オムツを手離せない事実などを誰かに知られてしまえば、自分達もからかわれる危険性を女子達は恐れていた。
華奈代が紙オムツを着用する事実が、クラスにとっていかに恥ずべき事態なのか、それでも周囲に見つからないようお世話を見なければいけない事実の大変さを、女子達は初香の前で口にする。
わざとらしく溜め息まで洩らしながら、自分達の被っている苦労を、女子達は初香の前で主張し続けるのだ。
(まさか、夕霧さんが紙オムツを穿いたまま学校で過ごしてたなんて……それにクラスの女子達まで責め立ててきて。このままじゃ夕霧さんが可哀想じゃない……!)
女子達が続々と告げる訴えに、初香は思わず困惑させられてしまう。
紙オムツを身に着けたまま学校内で過ごさないといけない華奈代が、他の女子達からどんな扱いを受けているのか、初香はありありと思い知らされる。
さらには女子達が主張を続ける、華奈代を非難するのも当然だと言う意見にも、初香は戸惑いの気持ちを抱え込んでいた。
多感な年頃である彼女達の抱える気持ちに、どう応えてあげれば良いのか、初香は考えるだけで途方に暮れてしまう。
今でも頬を震わせる華奈代を庇いたい一方、女子達の言い分も初香は無視出来ずにいるのだ……
「お、お願い。もう少しだけ夕霧さんに優しくしてあげて? 紙オムツを穿いたまま過ごさないといけない体質なんて、きっと夕霧さんも恥ずかしくてたまらないはずなんだから……」
初香はそれでも周囲にいる女子達へ向けて、華奈代を気遣って欲しいと訴える。
今でも顔を俯かせたまま、少しも振り向けずにいる華奈代を、初香はどうしても庇ってあげたかった。
クラス内で抱えた重大な問題を思い知らされた初香は、担任として彼女達に向かい合わないといけない状況を強いられる。
まだ具体的な方法が見い出せない中、初香は周囲にいる女子達をなだめながら、華奈代を救い出そうと必死だったのだ。
「葉山先生ってば、いきなりそんなことを言われても……少しは私達の身にもなってくださいよぉ」
「どれだけ私達が葉山先生のせいで、大変な思いをさせられてるか、ちゃんと分かってるんですか?」
「今までずっと華奈代ちゃんの紙オムツを取り替えてあげたりしてるんだし。少しくらいからかっても当然だと思うんですけど」
またしても注意を差し込んでくる初香に対して、女子達は続々と鋭い視線を向ける。
紙オムツに頼ってばかりの、華奈代の世話に自分達がどれだけ手を焼いているのか、女子達は平然と初香へ詰め寄っていく。
体操着を着替えようとしない華奈代を注意する行為まで、どうして初香に咎められなければいけないのか、女子達はどうしても訴えたかったのだ。
「ねぇ、葉山先生にも華奈代ちゃんと同じ気持ちを知ってもらいましょうよ。とっておきの方法を思いついたんだけどさ……」
頼りない雰囲気のある初香へと向けて、女子達はとんでもない提案を持ち掛ける。
どうすれば新任の初香に、自分達の抱える気苦労や、何よりも華奈代の抱える立場を肌で思い知らせられるのか、彼女達はとんでもない目論見を思いついていた。
謎めいた笑みを浮かべながら、初香へと向けて睨みを利かせてみせる……
「そ、そんな。ホントに私、そんなことを始めないといけないの……?!」
女子達が口にした言葉の数々に、初香は戸惑いの気持ちを抱え込んでしまう。
華奈代の立場を辱める行為を控えるのと引き換えに、とんでもない条件を初香は突きつけられていたのだ。
紙オムツが手離せない華奈代の立場を理解する名目でも、あまりに納得出来ない行為を初香は押し付けられようとしていた。
あまりに考えられない女子達の言い分に、初香は返す返事にもためらってしまう……
「あれ、葉山先生。もしかして出来ないんですかぁ?」
「私達の担任なら、少しでも華奈代ちゃんの気持ちや私達の苦労を知ってもらいたかったんだけどなぁ……」
「もし私達の言うことを聞けなければ、もう華奈代ちゃんのことで口出しして欲しくないんですけど、ねぇ」
戸惑いの表情を浮かべる初香に対して、女子達は少しも退こうとしない。
紙オムツを着用したまま学校内で過ごす華奈代の気持ちを、一早く理解してもらえる最適な方法を、どうして初香が実践しようとしないのか、女子達はわざとらしく突きつける。
本気で華奈代を庇う気があるなら、自分達が思いついた行為など出来て当然だと詰め寄りながら、女子達は調子づいた笑みまで浮かべてしまう。
まだ担任として頼りない初香が自分達に逆らうなど、決して許されないはずだと女子達は思い込んでいた。
「……わ、分かったわ。明日に準備するから。これでみんなも納得してくれるでしょう……?」
フルフルフルッ。
女子達から押し付けられた意見を、初香は仕方なしに受け入れることにした。
あまりに考えられない行為を押し付けられても、女子達の意見ももっともだと気づかされて、初香も思わず頷くことしか出来なかった。
すぐにでも苛めを目論む女子達から、どうすれば華奈代を救ってあげられるのか……彼女達の言い分を聞き入れるしかないと感じて、初香も渋々ながら思い知らされる。
担任として間もない身で、生徒達とすぐ問題を起こすわけにもいかないと考えて、初香は身を張って華奈代を庇う方法を選ぶしかなかった。
女子達の言葉を耳にするだけで、不安な気持ちを掻き立てられてしまう初香だけど、今でも傍で震え上がる華奈代のためにも、身を挺する覚悟を少しずつ決め込んでいく……
* * * * * *
ガラガラガラッ。
「お、おはよう。みんな……」
翌日の朝に教室へと向かった初香は、すでに待ち構えていた女子達へ挨拶を交わす。
女子達の姿を目の当たりにするだけで、昨日以上の緊張に苛まれてしまう初香だけど、教室へと脚を踏み入れた以上、自分から身を退くわけにはいかなかった。
これから迎えようとする展開を思うだけで、初香は脚を竦ませずにいられない……それでも、女子達の中で心配を寄せる華奈代の姿に、初香はしっかりと意識を向けなければいけないのだ。
「おはようございます、葉山先生。昨日の約束、ちゃんと覚えてますよね?」
「今は私達だけですから、すぐ見せて欲しいなぁ……」
教室へ姿を現した初香の元へと、女子達はすぐさま身を寄せる。
初香の周囲へ続々と集まりながら、自分達と昨日に交わした約束を執り行っているのか、女子達はさりげなく告げていく。
自分達でもためらうような行為を、大人の女性である初香が引き受けてくれたのか、女子達はずっと気に掛けていたのだ。
今でも肩をこわばらせる初香へと向けて、男子達が教室へ姿を見せないうちに、すぐにでも始めて欲しいと女子達は口にする。
「ほ、ほんのちょっとだけなんだから……くうぅっ!」
スルスルスルッ……
周囲を取り囲む女子達の姿を思い知らされながら、初香は穿いていたスカートの端を掴んで、少しずつたくし上げる仕草を見せる。
女子達だけに見せつけるようにして、初香は今穿いている下着を明かそうと考えていた……初香の下半身は、真っ白い紙製の生地で包まれていた。
初香は何と華奈代と同じように、成人用の紙オムツを穿き込んだまま教室を訪れていたのだ。
思い切ってスカートを持ち上げた後、女子達から向けられる視線を思い知らされて、初香は目のやり場に困り果ててしまう。
今でもためらいの気持ちを抱えながら、紙オムツの着用がどれだけ心細いものか、初香はどうしても思い知らされずにいられない……
フリフリフリッ
「うわぁ、葉山先生ってば。ちゃんと紙オムツを穿いてきたんですね?」
「華奈代ちゃんのはいつも見てるけど、さすがに大人用だから紙オムツも大きいみたいだね?」
初香の恥じらう表情も構わず、女子達は遠慮なしに下半身を覗き込んでくる。
まさか華奈代だけでなく、担任の初香も紙オムツを穿き込んだまま、自分達の前に姿を見せつけるなど、さすがに女子達も思わなかった。
それでも目の前にいる初香は、真っ白い紙オムツで下半身を包んでいた……あまりに意外な光景に、女子達は興味をそそられずにいられない。
スカートの生地を持ち上げられた奥底では、紙オムツから伸ばした脚が僅かに震えている事実も、女子達はどうしても逃がせそうになかった。
「ありがとうございます、葉山先生。ちゃ〜んと私達の約束を守ってくれて」
「昨日はさすがに無理な約束かなって思ってたけど、葉山先生がそこまで華奈代ちゃんを思ってくれてたなんてね……」
初香の恥じらう表情を確かめながら、女子達はさらに言葉を投げかける。
先日に交わした約束を、まさか初香が受け入れてくれるなど女子達は思わなかった……華奈代の気持ちに寄り添うため、初香にも紙オムツを穿いた状態での生活を、女子達は無理強いさせていたのだ。
自分達の担任になって間もない初香が、自分達の提案を受け入れない可能性も十分に考えられた……それでも、大人の女性として耐え難い辱めを平然と受け入れる初香の姿が、今の女子達には面白くてたまらない。
モジモジモジッ……
(どうしよう……いくら夕霧さんを庇うためって言っても、私まで紙オムツまで穿いちゃうなんて。それでもクラスの担任として、私がしっかりしなくっちゃ……!)
女子達から向けられる視線を思い知らされて、初香は身体中が茹で上がるような感覚に苛まれてしまう。
少しでも華奈代を庇うために執り行った行為のせいで、肌に突き刺さる視線を女子達から向けられるなど、初香も今まで思いもしなかった。
あまりに考えられない彼女達の言いつけを、仕方なしに身に受けることにした初香は、今でも立ち尽くしている華奈代の姿を見つめるだけで精一杯だった。
昨日まで明かされることのなかった学級崩壊の原因が、紙オムツの手離せない華奈代に理由があるはずだと初香は考えていたのだ
女子達に仕方なしに付き従ってでも、彼女達の辱めから華奈代を守ることだけが全てだと初香は思い込む。
「は、葉山先生……」
周囲で賑わう女子達の中で、華奈代は一人だけ不安げな表情を浮かべる。
まさか担任になったばかりの初香が、自分と同じ立場に陥るなど思わなかったのだ。
自分が穿いているのと同じ紙オムツに下半身を覆いながら、初香にとんでもない行為を押し付けてしまったと思うだけで、華奈代は申し訳ない気持ちを抱えずにいられない。
女子達の輪に交ざりながら、華奈代は初香の様子を恐る恐る確かめていく……
「良かったね、華奈代ちゃん。今日は葉山先生も紙オムツ仲間になってくれるみたいよ?」
「それじゃあ葉山先生。今日は華奈代ちゃんと一緒に、一日じゅう紙オムツを穿いたまま過ごし続けてくださいね?」
華奈代の向ける視線に気づいて、女子達はさらに調子づいて初香へと話しかける。
新任の初香を巻き込んでまで、はしたない下着を同じように穿き込んでしまった事実を、華奈代がどう考えているかを女子達は確かめておきたかった。
さらに女子達は初香にも視線を送りながら、不敵な笑みを続々と浮かべてみせる……初香に紙オムツの着用を押し付けたまま、約束どおりに放課後まで過ごさせてしまおうと彼女達は思い込んでいたのだ。
「え、えぇ。分かってるわ。ちゃんとみんなとの約束は守るから……」
ワナワナワナッ……
女子達から続々と浴びせられる視線のせいで、初香はすぐ恥じらいの気持ちに駆られてしまう。
いくら華奈代を守るためだとしても、成人を迎えた身にも関わらず、まさか紙オムツを身に着けるなど初香も思わなかった……さらには年下の少女達へと向けて、はしたない事実を掴まれる状況にも、初香は居心地の悪さを感じずにいられない。
それでも初香は華奈代へと向けて、必死に作り笑いを振る舞ってみせる。
どれだけ焦りの気持ちに苛まれても、華奈代の立場を辱めないために、初香は担任らしい振る舞いを努めるしかなかった。
自らを辱める感触を思い知らされながら、どれだけ教室内で平静を保てるのか、初香はすぐ不安な気持ちへと苛まれてしまう……
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