調教希望な桃萌子のお部屋 体験版

第1話

フルッ、フルッ、フルッ……
「このまま歩き続ければ、きっと途中でオシッコもしたくなるよね……?」

 もう一度お漏らしを始めたいため、私はひたすらジョギングコースを歩き回っていた。
 温もりを失ったオシッコのせいで、下半身が肌寒くてたまらないけど、私はわざとコースの真ん中を歩き回って、吹きつける夜風に身を晒し続ける。
 このまま肌寒さを感じ続ければ、私の身に再び尿意が訪れてくれると考えていたのだ。
 すっかり冷え切ったオシッコのせいで、太股に鳥肌が立っている状態だった……少しでも気を抜くと身震いを起こしそうなほど肌寒いので、私は新しいオシッコの温もりが恋しくてたまらない。

ガサガサッ……
「も、もう大丈夫だよね? まだ誰かがジョギングしてるんだ。こんなに寒くてたまらないって言うのに……」

 冷たいオシッコが太股に張りつくのも構わず、延々とジョギングコースを歩き続けていた私だけど、不意に誰かの気配を感じたので、すぐ草陰に身を潜めててしまう。
 不意に誰かの足音が聞こえた時は、私もさすがに背筋を震わせていた……お漏らししてからだいぶ時間も経っているのに、穿いているブルマには今でもはしたない染みが浮かんでいたのだ。
 乾いている上の方とすぐ見比べられるほど、お尻や股間の方は暗い染みが出来上がっていた。
 すぐにでも二度目のお漏らしを繰り広げたい反面、みっともない下半身を誰かに見つかるのだけは怖くてたまらない……

フルフルフルッ……
「どうしよう、こんなに歩き続けてるのに、すっごく寒くてたまらないのに……どうしてオシッコが溜まってくれないんだろう?」

 ジョギング中の誰かが立ち去った後、私は再びマラソンコースを歩くことにした。
 なるべく早く尿意が訪れるよう、わざとコースの真ん中を歩き回るうちに、私は段々じれったい気持ちに駆られてしまう。
 肌寒いのも我慢しながら、濡れた下半身ごと夜風を浴び続けているのに、なかなか思ったように尿意が訪れてくれないのだ。
 気づいたら体温も奪われたのか、太股もひとりでに震え出して止まらない。

ベトベトッ……
(どうしよう、オシッコがこんなに張りついてる。お尻の染みも薄くなってきちゃってるし……)

 なかなか訪れない尿意を待ち侘びるあまりに、私は下半身の様子を確かめていた。
 ずっと夜風に身を晒し続けていたせいか、太股に浮かんでいたオシッコが乾いてしまい、今でははしたない滴すら垂れ落ちてこない。
 さらにはお尻の様子も眺めると、あれほど滲んでいたブルマの染みも、あまり目立たなくなっていたことを思い知らされる……どんなに照明にお尻を向けても、オシッコの境目が段々と分かりづらくなっていたのだ。
 まだショーツの中はじっとりと濡れていたけど、このままだとブルマの表面と同じように、夜風のせいで乾いてしまうかもしれない……

「それでも私、またお漏らしをしないといけないんだから。お願いだから溜まってよぉ……」

 冷え切ったオシッコの感触を受けるのも構わず、私は無理にジョギングコースを歩き回っていた。
 オシッコの温もりも失われた後、じっとりと肌に張りつくだけで不快だった……それでも私は、下半身の欲求にほのかな期待を込める。
 もう一度尿意を催せば、新しいオシッコで身体を暖められるはずだと私は思い込んでいたのだ。
 延々と続くコースを目の当たりにするだけで、私はどうしても焦らずにいられない……

フルフルフルッ……
「どうしよう……やっぱりオシッコが溜まってくれない。このままじゃ私、ご主人様に見捨てられちゃうよぉ」

 なかなか訪れない尿意のせいで、気づいたら私の足取りは重くなっていた。
 ジョギングコースをとぼとぼ歩きながら、再び訪れるかもしれない尿意に期待を込めていた私だけど、思い込んでいたとおりには、待ち望んでいた欲求が湧き上がりそうにない。
 目の前にある道を歩くたびに、すっかり冷たくなった下半身と同じように、私の気持ちまで冷めていく気がする……

「……私、一体何をやっちゃってたんだろう」

 ついに脚を止めてしまった私は、言い表しようのない空しさに駆られていた。
 どんなに歩き続けても、二度目のお漏らしを少しも出来そうにないのだ……全身がすっかり肌寒くてたまらないのに、少しも尿意を催せそうにないのだ。
 すっかり乾いた下半身を見下ろすと、不意におかしなニオイが鼻に飛び込んでくる……ブルマやショーツに染み付いたオシッコのニオイだった。
 ご主人様の言いつけをやり遂げられなかっただけでなく、今まで繰り広げていた失禁行為のみっともなさを思い知らされる。
 さっきまでは温かくて心地良かったはずのオシッコが、今ではおかしなニオイを周りに撒き散らしながら、肌をべたつかせる、不快な液体と化していた。
 自らしでかした行為を今さらながら私は悔やんでいたのだ……お漏らしへの熱も冷め切った今、ご主人様にどんな言い訳をすれば良いかも分からない。
 オシッコのニオイも、べたつく両脚も、すっかり気持ちが沈んだ私では、これ以上好きになれそうにないのだ……

BAD END