脅された女教師の末路 体験版
第1話
(とりあえず……トイレまで向かわないと)
尿意を催していた曜子は、震える脚のままトイレへと向かう。
いくら命令を下された後でも、まさか公共の場所で排尿など始められそうになかった。
たとえ場所が渡り廊下でなくても、用意されたペットボトルにオシッコを溜め込むことさえ出来れば、学校の中にいる相手の目を誤魔化せるはずだと考えていたのだ。
今でも不安な気持ちを抱えながら、曜子は恐る恐るトイレへと入り込む。
激しい胸の鼓動を今でも抱えていた曜子には、渡り廊下で下半身を晒すような真似など、どうしても冒せそうになかった……
ガチャンッ。
「ふぅっ……ここなら平気なはずよね?」
傍にあるトイレへ籠もった後、曜子はそっと肩を撫で下ろしていた。
渡り廊下で無防備な下半身を晒し続けた上に、脱いだばかりの下着を奪われるような事態から、狭い個室が守ってくれる気がしたのだ。
誰からも視線を向けられずに済む場所で、やっと気持ちを落ち着かせられる。
スルスルスルッ……
(すぐに言いつけを済ませなくっちゃ、私が階段にいないのを気づかれちゃうかも……)
少しずつスカートの裾を持ち上げた後、曜子はすぐ便座へと腰掛ける。
先ほどまで歩いていた渡り廊下と違って、周りを取り囲まれた空間なら、遠慮なく大事な部分を露わに出来るのだ。
タイトスカートの生地を腰まで引き上げた後、露わにした下半身へ容器の口を差し向けて、尿意が高まるのを秘かに待ち受けていた。
下半身が疼く様子から、あと少しでオシッコが溢れ出しそうなのだ……
……チョボチョボチョボッ、プシャアアアァァァッ。
「あ、あうぅんっ……」
緩んだ股間からひとりでに噴き出すオシッコに、曜子は思わず慌ててしまう。
大事な部分へとペットボトルの先端を押し込んで間もないのに、ずっと堪えていた尿意のまま、はしたない液体が続々と溢れてくるのだ。
股間へしっかりと押しつけているペットボトルに、薄黄色い液体が次々と溜まる様子など、眺めるだけでも気恥ずかしくてたまらない。
それでもメールで言いつけられたとおりに、曜子は透明の容器にオシッコを溜め続けないといけないのだ……
ピチャピチャピチャッ、ヌクヌクヌクッ……
(まだ、出てきちゃうの? このままだとペットボトルから溢れてきちゃうかも……)
延々と排尿行為を続ける間、曜子は自然と肌を火照らせてしまう。
股間へ挟み込んだペットボトルの中身が、出したてのオシッコによって満たされる様子など、間近で眺めるだけでも恥ずかしいのだ。
内側で何度も跳ね回りながら、薄黄色い液体がどんどん溜まって、さらには表面から生温かさまで思い知らされて、曜子はどうしても焦らずにいられない。
便器に放り込むのと違って、出したてのオシッコによる色合いや温かみ、おかしな水音まで容器から響くことにも気づかされる……普段と違う形での排尿行為を、曜子は否応なく思い知らされる。
すぐに尿意を静めたいのに、曜子の股間は未だ、膀胱に溜まっていたオシッコを押し出していたのだ……
(……それでもトイレで済ませて正解かもしれない。もしメールのとおりに階段なんかで始めてしまったら、もっと大変な目に遭っていたかも)
なかなか途切れないオシッコに焦りながら、曜子は別の思いに駆られていた。
もしメールの文面どおりに、階段の踊り場などで排尿行為を始めてしまえば、今よりももっと大変な窮地に見舞われていたはずだ。
いつ誰がやってくるかも分からない場所で、排尿行為を終えるまで、丸出しにした下半身を取り繕うことすら出来ない……ほんの少し想像するだけでも、あまりに考えられない事態に違いない。
もし渡り廊下などで始めてしまえば、少しも排尿を止められずに大変だったと思うだけで、曜子はますます気持ちを落ち着かせられる。
誰の目にも触れずに済むトイレの個室なら、好きなだけ尿意を解き放つことが出来るのだ……
ポチャポチャッ、ピチャッ……
(やっと終わったんだ……さすがに出し過ぎちゃったかな?)
やっとの思いで排尿を済ませた曜子は、下半身の滴を軽く拭った後、ペットボトルを携えたままトイレを立ち去ることにした。
オシッコを延々と注ぎ続けたペットボトルは想像した以上に重さを増して、薄黄色い水面が真ん中辺りで揺れていた……普段どおりオシッコを出し続けたせいか、遠慮なくペットボトルに溜め込み過ぎたようだ。
つい数分前まで透明だったペットボトルの中身が、今では生温かく薄黄色い液体が満たされていると思うだけで、曜子はどうしても気が引けずにいられない。
薄い表面から伝わる温もりを受けながら、それでもオシッコの溜まったペットボトルだけは持ち帰らないといけないのだ……
ガチャッ。
「あれ、酒崎先生。一体どうしたんですか?」
「今日は部活もないはずなのに、お仕事大変そうですね?」
トイレから出た矢先、曜子はとんでもない状況に出くわしてしまう。
学校に残っていた部員達と、偶然にもトイレの前で鉢合わせになっていたのだ。
自分達のトイレを使っていた曜子の様子を、部員達は物珍しそうな視線を向けてくる。
フルフルフルッ。
「え、えぇ……用事を済ませたついでに、おトイレに寄ってたのよ」
傍にいる部員達の存在に焦りながら、曜子は恐る恐る返事を返していた。
職員用のトイレでなく、生徒達の使うトイレで用を足していたのを不審がられないか、曜子はどうしても気にせずにいられない。
それでも目の前にいる彼女達に、自分の素振りを疑われないだけで精一杯だった……生徒用のトイレに立ち寄っただけでなく、オシッコを溜めたペットボトルの存在も、曜子は部員達の前で隠し通さないといけないのだ。
さりげなく挨拶を交わしながら、曜子はそそくさと部員達から距離を離す……
「あれ、酒崎先生。そのペットボトルはどうしたんですか?」
トイレから離れようとした矢先、傍にいる部員達が質問をぶつけてきた。
どうして用を足す間も、曜子がペットボトルを手にしていたのか、部員達はどうしても気にせずにいられないらしい。
透明な容器の中で波打っている、薄黄色い液体の正体を、彼女達はじっくりと覗き込んでくるのだ。
「こ、これは……別に何でもないんだから、きゃんっ!」
カランッ、ビシャビシャッ……
ペットボトルの中身をどう誤魔化せば迷ううちに、曜子はとんでもない状況を引き起こしてしまう。
容器に入っていた液体の正体を、少しも部員達の前で明かせないまま、ついにはペットボトルを床へ落としていたのだ。
彼女達の様子に気まずさを感じて、緊張を抱える間に手元を震わせたのが原因だった。
透明の容器から続々と零れて、床の上へ次々に広がる液体の様子に、曜子はどうしても気が引けずにいられない。
ムワッ……
「うぅっ……! 何なの、このニオイは……?」
「もしかして酒崎先生……オシッコなんて入れてたんですか?」
床の上を覆い尽くす液体の正体を、部員達はすぐ指摘を始める。
ペットボトルから零れて広がった瞬間、周りに続々と舞い上がるニオイから、オシッコ以外に考えられないと彼女達は気づき出す。
どうして曜子がペットボトルの中にオシッコを詰めていたのか、あまりに考えられない奇行のはずだと、彼女達は容赦なく問い詰める。
鼻を突くようなニオイや、続々と床に広がる液体の様子を見下ろしながら、すぐに顔を背けてくるのだ。
「こ、これは……くうぅっ!」
ワナワナワナッ……
部員達からぶつけられる言葉に、曜子はどうしても返事を返せそうになかった。
どんなに言い訳を重ねようとしても、ペットボトルの中にオシッコを溜め込んだまま、トイレの外まで持ち歩こうとしたことは事実なのだ。
おかしな異臭が溢れるたびに、鼻まで摘まんでくる彼女達の様子に気づいて、曜子はどうしても気が引けずにいられない。
ペットボトルにオシッコを注ぐ羽目になった事情を、どうすれば部員達に理解してもらえるのか……どんなに考えを巡らせても、教師としての立場が揺らぐのは間違いなかった。
床に広がる薄黄色い液体を同じように見つめながら、自らしでかした事態を悔やまずにいられない……