悪堕ち女幹部・ブルマダム 体験版

第2話

「……ねぇ、菜乃葉なのはちゃんのお母さんはまだ来てないの?」
「少し遅れるらしいけど、きっと顔を出してくれるはずよ?」

 触手に出くわした出来事から数日後、紅美はしっかりと身なりを整えたまま学校へと向かい出す。
 日曜日に授業参観が執り行われていたので、茜鐘のいる教室へとお邪魔していたのだ。
 すでに教室の後ろへと佇んでいた保護者に交ざりながら、茜鐘の様子をそっと探ると、隣にいるクラスメートの一人とお喋りを続けていた。

モジモジモジッ……
(やっぱり、あの子なのよね……茜鐘と一緒にラヴィッシュ・ガールズに変身していた子って)

 楽しそうに言葉を交わす茜鐘の姿を見つめながら、紅美はとんでもない事実に気づかされる。
 菜乃葉と呼んでいた少女の顔に、確かに見覚えがあったのだ……数日前に茜鐘とともに触手へと立ち向かっていた、ラヴィッシュ・プティングとあまりにも似ていたのだ。
 思わぬ拍子に出くわしたラヴィッシュ・ガールズの正体に、つい驚かずにいられない。
 まだ思春期を迎えたばかりの少女二人が、大人ですら手に負えない触手達を相手にしているなど、あまりに意外な事実だったのだ。

(どうして、あの子と……麗菜とここまで顔が似ているの!? それに、娘の茜鐘とも仲良くしちゃってるなんて!)

 茜鐘の思わぬ一面だけでなく、仲良さそうに言葉を交わす菜乃葉の様子にも、紅美はすっかり頭を悩ませてしまう。
 制服姿に身を包んでいる菜乃葉なのはの表情を見れば見るほど、恨めしい存在である麗菜に瓜二つなのが気になってたまらない。
 学生時代に麗菜から仕向けられるまま、どれだけ酷い目に遭わされたかを振り返らずにいられない。
 当時のように、茜鐘まで凄惨な目に遭わされやしないかと心配なあまり、仲睦まじい雰囲気を見せる菜乃葉の姿を見ているだけでも気持ちが耐えられそうにないのだ……

ガラガラッ。
「こほんっ……」

 紅美がおかしな苛立ちに苛まれているうちに、不意に誰かが姿を見せる。
 あと少しで授業参観も終わろうとする中、遅れてきた保護者が教室の後ろへと入ってきたのだ。
 すでに後ろへと集まっていた人達を掻き分けて、何気なく紅美のいる傍へと身を寄せる。

ヒクヒクヒクッ……
(やだっ……もしかして、麗菜なの!? いくら何でも、こんな所で合ってしまうなんて……!)

 何の遠慮も見せず近づいてくる誰かの横顔に、紅美はあっけなく驚かされてしまう。
 人の気配に気づいて振り向いた矢先、思いも寄らない相手と出くわしていたのだ。
 たとえ年月が経っても変わらない、鋭い目つきや細い顔立ちなど、どう考えても麗菜以外には考えられなかった……まさか茜鐘の通う学校で、憎き相手と十数年振りに顔を合わせるなど思いもしなかった。
 相手に気づかれるのを恐れて、とっさに顔を背けた後も、耐え難い居心地の悪さをありありと思い知らされるあまり、目の前で繰り広げられている授業参観に少しも集中できそうにないのだ……

「……茜鐘ちゃん、あそこにいるのが私のママ。ちゃんと約束を守ってくれたみたい」
「そうなんだ。間に合って良かったね……菜乃葉ちゃんに似てて綺麗だね?」

 戸惑いの気持ちに苛まれている紅美の様子も知らず、菜乃葉は茜鐘とともに会話を繰り広げていた。
 やっと教室に姿を見せた麗菜が、自分の母親だと菜乃葉が紹介すると、茜鐘も気兼ねなく言葉を交わす。
 無事に授業参観に間に合って良かったと口にしながら、嬉しそうに笑みまで浮かべてくるのだ。

(どうりで似ていると思ってたけど……やっぱりあの子、麗菜の娘だったのね?)

 菜乃葉の口から明かされた事実に、紅美も密かに耳を傾ける。
 単なる思い過ごしなどではなく、麗菜と菜乃葉が親子だった事実を改めて思い知らされていたのだ。
 未だに忘れられない、憎き相手である麗菜と出くわした事態など、あまりに焦らずにいられない。
 思いも寄らない事実を確かめながら、おぞましい事態を否応なく気づかされる……恋敵である麗菜の子供などが、大切な娘である茜鐘と馴れ馴れしくしている様子など、決して見過ごせそうにないのだ。

キーンコーンカーンコーン……
「ママ、今日は部活もお休みだから、一緒に帰ろうよ?」

 紅美がおかしな物思いに耽っているうちに、気づいたら授業参観の時間が過ぎていた。
 気づいたら二人の様子を窺っていた紅美へと、茜鐘が何気なく話しかけてくる。
 無事に授業参観をやり遂げたにも関わらず、浮かない顔をしている紅美の様子が心配でたまらないのだ。

「あら、紅美。久しぶりじゃない。こんな場所で合うなんて奇遇ねぇ?」

 茜鐘へと返事を返そうとした矢先、不意に麗菜が割り込んでくる。
 久々に顔を合わせた紅美を相手に、遠慮なしに挨拶を交わす。
 まさか菜乃葉の授業参観へと出向いた途中に、級友である紅美と出くわすなど思いもしなかったのだ。

「れ、麗菜……ちゃん。お久しぶり」
フルフルフルッ……

 気軽に話しかけてくる麗菜へと、紅美はとっさに返事を返していた。
 麗菜の方を振り向きながら恐る恐る言葉を交わす間も、気づいたらぎこちない口振りに変わり果ててしまう。
 ずっと恐れていた事態に出くわした状況に驚くあまり、どう言葉を切り出せば良いかを考えられずにいたのだ。
 たどたどしい口調のまま挨拶を返した後、なかなか言葉が続かなかった。

(いくら久々に顔を合わせたって言っても……麗菜ったら、どうして馴れ馴れしく話しかけてくるのよ!)

 久しぶりに顔を合わせた麗菜の態度に、紅美は思わず困惑させられていた。
 過去に引き起こされた出来事を少しも悪びれようとしない、麗菜の素振りを思い知らされるたびに、激しい感情が次々と湧き上がってくる。
 当時のことを少しも省みないばかりか、馴れ馴れしく話しかける麗菜の様子など、あまりに苛立たずにいられない。
 茜鐘のいる前でおかしな行動など起こせそうにないので、沸々と煮えたぎる感情を抑え込むだけで精一杯なのだ。

「ねぇ、紅美。もし時間が空いてるなら、久しぶりにお喋りでもしましょうよ?」

 紅美の抱える気持ちも知らず、麗菜は遠慮なく言葉を続ける。
 久々に顔を合わせた記念にお茶でもしようと誘い出す。
 ずっと教室に居残るわけにもいかないので、場所を移した後、紅美とともに数年振りの思い出へと花を咲かせるつもりでいたのだ……

      *      *      *      *      *      *

「そ、それじゃあ麗菜ちゃん……あの人と結婚しちゃったの?」

 麗菜に誘われるまま、茜鐘とともに喫茶店へと向かった後、紅美はつい言葉を詰まらせてしまう。
 未だに気乗りがしない中、とんでもない事実を麗菜から聞かされていたのだ。
 何と学生時代に思いを寄せていた相手と、気づかぬ間に結婚していたらしい。
 隣にいる菜乃葉とも顔を見比べながら、つい耳を疑ってしまう。

「えぇ、学生の頃から付き合ってた流れでね。そのまま結婚しちゃった?」

 すっかり落ち着きを失った紅美へと、麗菜はさらに言葉を交わす。
 学校を卒業した後も関係を保つうちに、今では初恋相手とともに家庭まで築いているとまで平然と口にする。
 未だに事情が飲み込めないのか、目を見開いたままの紅美へと、生娘である菜乃葉の姿までありありと見せつけるのだ。

「旦那の出張で、ずっと海外に住んでたのよ。ここに引っ越したのも最近だったんだけど……それにしても、うちの菜乃葉と紅美ちゃんの娘がお友達なんてね。本当に世間って狭いものよね?」

 ずっと言葉を詰まらせたままの紅美を相手に、麗菜はますます調子づいていた。
 まさか娘の菜乃葉が、紅美の子供である茜鐘とクラスメート同士だった上、さらには普段から仲良くしているなど奇遇だとまで口にする。
 自分達も学生の頃にはクラスメート同士で仲良くしていたと、自分達の娘を相手に気兼ねなく語り出す。

(私だって、さすがに思わなかったわ。学生の頃に、あんな酷い目に遭わせたくせに……少しも悪く思ってないなんて!)

 麗菜の言葉に相槌を打つ間も、紅美は堪え難い苛立ちを募らせていた。
 学生時代に散々虐げられた相手が、過去の出来事を少しも謝ろうとしない態度など、あまりに気持ちが許せそうになかった。
 少しも物怖じしない図々しい態度など、あまりに不愉快でたまらない。
 おかしな感情が沸々と湧き上がる中、まるで当時のように麗菜の勢いに押されっ放しな自分自身に気づいて、ますますじれったい気持ちに苛まれてしまうのだ……

「私もビックリしちゃった。まさかママと、菜乃葉ちゃんのお母さんがお友達だったなんて……」
「それじゃあ私達もママ達を見習って、今まで以上に仲良くしましょうね?」

 紅美が密かに気持ち昂ぶらせているのも知らず、茜鐘は気兼ねなく菜乃葉へと寄り添っていた。
 まさか自分達の母親が学生時代に仲良くしていたなど、あまりに意外な事実だったのだ。
 おかしな偶然に驚きながら、さらに麗菜の言葉へと耳を傾ける。

(それに茜鐘も、麗菜の娘なんかと友達になってしまうなんて。もしかしたら茜鐘まで、酷い目に遭わされてしまうかもしれないのに……!)

 菜乃葉と仲良さそうに触れ合う茜鐘の様子を見つめながら、紅美はますます思い悩んでしまう。
 思いも寄らない事実を次々と突きつけられた後、複雑な思いへと苛まれていたのだ。
 かつて酷い仕打ちを強いてきた麗菜に初恋相手を奪われたことや、さらには子供である菜乃葉にも、大切な娘の茜鐘まで奪われようとしていた事態など、決して見過ごせそうになかった。
 ずっと胸の奥底に募らせていた思いを未だに整理できず、四人で過ごす間もおかしな焦りに苛まれるあまり、普段どおりの振る舞いを続けることすら大変だったのだ……

      *      *      *      *      *      *

「ふぅっ……」
ドサッ。

 夜に寝室へと寝そべった後も、紅美はなかなか寝つけそうになかった。
 授業参観に出向いた矢先に繰り広げられた出来事のせいで、未だに昂ぶった気持ちが抑えられそうにないのだ。
 少しでも気持ちを落ち着かせようと、ベッドに身を預けた後も、昼間の出来事が次々と頭から湧き上がってくる。
 気づいたら陥っていた状況など、あまりに気持ちが受け入れられそうにないのだ。

(どうして、こんなに嫌なことばかり出くわしてしまうの? 茜鐘があんな子と仲良くしてたり、寄りにも寄って麗菜とも顔を合わせてしまうなんて……!)

 昼間の出来事を振り返りながら、紅美は思わず頭を抱え込んでしまう。
 久しぶりに顔を合わせた麗菜の、過去の出来事を少しも悪びれない態度など、思い起こすだけで苛々させられる。
 気づいたら奪われた初恋相手との間に生まれた子供である菜乃葉によって、娘の茜鐘まで手を掛けられようとしていたのだ。
 学生時代の嫌な思い出も思い起こしながら、茜鐘が同じような目に遭わないかと身を案じたり、何よりも憎き相手である麗菜と菜乃葉の存在があまりに気掛かりでたまらない……

「……ふふっ。ずいぶんと悩んでるみたいね?」

 なかなか苛立ちを抑え切れずにいる紅美へと、不意に誰かが話しかけてくる。
 姿を見せた人影は、そっと枕元へと寄り添いながら、何気なく紅美へと言葉を交わす。
 悶々とした気分に苛まれたまま、上手く眠れずにいる紅美の気持ちをなだめるつもりでいたのだ。

「きゃんっ……! あ、茜鐘ってば。そんな格好で一体、どうしちゃったの!?」
フルフルフルッ……

 不意に耳へ飛び込んできた相手の声に、紅美はすっかり驚かされてしまう。
 とっさにベッドから起き上がったまま、気づいたら身を寄せていた人影の方を振り向いた矢先、おかしな事態に出くわしていた……何故か茜鐘が何も衣服を身に着けず、裸体を晒したまま佇んでいたのだ。
 乳房や大事な部分まで丸出しにしている、茜鐘のはしたない格好を目の当たりにさせられて戸惑わずにいられない。
 すぐパジャマを着るよう注意する間も、大人への階段を上り始めたばかりの体型を前に、気づいたら言葉を詰まらせてしまう。

(茜鐘ってば、いつの間に……私の寝室に来てたの? それに、どうして裸のままでいるのよ……!?)

 目の前にいる茜鐘の様子を窺う間も、紅美は目の前に引き起こされた状況をなかなか飲み込めそうになかった。
 自分の部屋に戻って寝ているはずの茜鐘が、どうして寝室へと忍び寄っていたのか、さらには一糸纏わぬ姿などを平然と晒しているのか、どんなに考えても分かりそうにないのだ。
 あまりに不可解な事実に出くわして、つい驚かずにいられない。
 茜鐘の返事を待ち受ける間も、おかしな緊張に苛まれてしまう……

「そんなに騒いじゃだめよ、ママ。本物の私は今頃、自分の部屋でぐっすり眠ってる所なんだから……」

 肩をこわばらせる紅美を相手に、茜鐘はとんでもない事実を言い放つ。
 本当の茜鐘は部屋で寝ていると明かした上で、身を仰け反らせようとする紅美へとさりげなく身を寄せる。
 大切な事実を教え込んだ後、まるで紅美の気持ちを煽るかのように、晒した裸体をありありと見せつけるのだ。

「あ、茜鐘じゃないなら……あなたは一体、何者なの!?」
フルフルフルッ……

 おかしな事実を打ち明けてきた相手へと、紅美はさらに質問をぶつける。
 茜鐘の姿をしている相手の正体が誰なのか、どうして自分の元を訪れたのかを次々と尋ね出す。
 相手の返事を待つ間も、気づいたら顔を火照らせてしまう。
 すぐ傍まで身を寄せながら、膨らみかけの乳房をためらいもなく押しつける姿など、見ているだけで照れずにいられないのだ。

「まずは自己紹介を済ませなくっちゃね……とりあえず『凛々夢りりむ』とでも名乗っておくわ。世間的には『夢魔』って呼ばれる存在なの。このままだと身体が冷えちゃうから、ちょっとお邪魔するわね?」
スッ。

 なかなか状況を飲み込めそうにない紅美のために、茜鐘に成りすましている相手はさらに言葉を交わす。
 自らの正体を『凛々夢りりむ』と言う夢魔だと明かした上で、紅美の抱える悩みごとを叶えるために現れたと口にする。
 延々と説明を繰り広げる間も、紅美が未だに茫然としているのを良いことに、ついにはベッドの中へと入り込んできたのだ。

「ちょ、ちょっと待って。どうして私の所なんかに来ちゃったの……きゃんっ!?」
ギュッ。

 不意に隣へと寝そべってきた凛々夢の行動に、紅美はますます困り果ててしまう。
 自らを夢魔と名乗る誰かが、茜鐘の姿を借りながら自分の元へ姿を現すなど、どんなに考えても理解できそうになかった。
 未だに状況が飲み込めない中、あまりに考えられない凛々夢の素振りにも戸惑わずにいられない。
 愛しい娘と同じ姿をした相手が、裸体を露わにしたまま平然と身を寄せてくるのだ……

「ふふっ。だってママってば、ずっと何か悩んでるみたいなんだもん。ちょっとだけ聞かせて欲しかったの……んむっ」
ムチュッ。

 落ち着きを失った紅美を相手に、凛々夢は大胆な行動を取ってしまう。
 紅美が胸に秘めた思い聞かせて欲しいと迫りながら、さりげなく口元を寄せて、ついには唇を重ね合わせてきたのだ。
 頬を赤くしている紅美の様子を見つめたまま、ためらいもなく口づけを交わした後、少しも唇を遠ざけようとしない。

「あ、あうぅんっ。いきなり何を……うくぅっ」
ピチャピチャッ、クチュッ。

 思いも寄らない凛々夢の行為に、紅美はすっかり驚いてしまう。
 茜鐘と同じ姿をした相手と、まさか唇を交わしてしまうなど思いもしなかった。
 突然の口づけに戸惑う間も、自分からは凛々夢の行為を拒めそうになかった……瑞々しい唇の感触や、さらには柔らかい舌先を続々と忍ばせる素振りに、あっけなく意識を奪われていたのだ。
 姿こそ娘と同じものの、決して本人ではありえないほど大胆な行動を、幾度も絡ませる舌先や唾液からありありと思い知らされる。

「そんなに恥ずかしがらないで、ママ。私は本当の茜鐘じゃないから、遠慮なく触れ合って平気なだから……」
スルスルスルッ、ムニュッ。

 未だに視線を泳がせる紅美へと、凛々夢はそっと言葉を交わす。
 あくまでも本物の茜鐘ではないと踏まえた上で、なかなか本人には明かせない気持ちを代わりにぶつけて欲しいと迫りながら、ますます紅美へと抱きついてくるのだ。
 何度も舌先を滑らせる間も、遠慮がちに身を預ける紅美の様子に気づいて、ついにはパジャマにも手を掛ける。
 胸元を覆っていたブラまで取り外した後、さらに紅美の気持ちを解き放つため、露わになった乳房を丹念に揉み解してくるのだ。

「きゃんっ……あ、茜鐘ってば。あふぅんっ……」
コリュコリュコリュッ、モジモジモジッ。

 はしたない行為を次々と押し迫る凛々夢の様子に、紅美はますます戸惑ってしまう。
 まさか親子同士にも関わらず、いやらしい行為を繰り広げるなど思いもしなかった……自分より年下な茜鐘の方から、次々と迫られる状況など考えられない事態だった。
 未だにためらいの気持ちに苛まれる間も、気づいたら凛々夢へと身を捧げたまま、少しも身を遠ざけられそうにない。
 熱心に乳房を揉みしだきながら、段々と尖り出す乳首を咥えて、持て余し気味な肉体を弄り回す茜鐘の素振りにすっかり夢中にさせられていたのだ。

ヒクヒクヒクッ、ブルルッ。
(この感じ、とっても久しぶり。まるでこの子、本物の茜鐘みたい……)

 胸元を肌蹴たまま、紅美は自ら凛々夢へと身を預けてしまう。
 数年振りに誰かから与えてもらった、心地良い感触を何度も身に受けるたびに、ますます気持ちを揺り動かされていた……愛おしい娘である茜鐘を相手に、はしたない行為を繰り広げられる状況を胸の奥底から悦んでいたのだ。
 単に見た目だけでなく、息遣いや体温まで再現している様子から、まるで本物の茜鐘と肌を重ね合わせているような錯覚すら感じさせる。
 差し出した乳房の表面を揺らしながら、おかしな疼きを決して抑え切れそうになかった。
 たとえ相手が夢魔を名乗る偽物だと分かっていても、茜鐘へと扮した凛々夢の姿を見つめたまま、少しも視線を遠ざけられそうにないのだ……

シュルシュルシュルッ、モゾモゾモゾッ。
「えへへ、ママ……今度はこっちも触ってみたいの。良いよね……?」

 紅美から向けられる熱い視線を意識しながら、凛々夢はさらなる行為を押し迫る。
 自分から胸元を預けたまま、乳房を頬張る行為を自然と受け入れる紅美の様子を確かめた上で、今度は下半身も弄るつもりでいたのだ。
 穿いていたショーツを少しずつ下ろしながら、露わになった下半身へと手を伸ばして、太股の内側を押しのけるようにして、ついには大切な部分にも手を触れてしまう。

「ちょ、ちょっと。いくら何でもそんなことまで……は、はうぅんっ!」
ゾクゾクゾクッ、ヒクヒクヒクンッ。

 あまりに積極的な凛々夢の行為に、紅美はますます慌ててしまう。
 いやらしい気持ちを互いに昂ぶらせるまま、ついには股間まで探られるなど思いもしなかった。
 思わず両脚を重ね合わせようとしても、気づいたら両手でこじ開けられるまま、大切な部分をあっけなく触れられてしまう。
 複雑な形状に作られた器官の表面を丹念に撫で回す、巧みな手つきを次々と思い知らされて、つい喘がずにいられない。

(いくら偽物だって分かってても……まさか茜鐘に、こんなことまでしてもらえるなんて。私達、親子だって言うのに……!)

 はしたない身悶えを引き起こす間も、紅美はすっかり気持ちを揺さぶられてしまう。
 愛しい娘の姿を借りた凛々夢を相手に、はしたない触れ合いを続けるような状況を、未だに心のどこかでためらっていたのだ。
 もしも茜鐘と抱き合いながら、いやらしい行為などをやり遂げてしまえば、決して踏み込んではいけない一線を越えてしまうかも分からない。
 熱心に身体を弄り回す凛々夢の姿を見つめたまま、気づいたら本物の茜鐘と姿を重ね合わせていたのだ……たとえ母親として許されないはずだと分かっていても、見た目も肌触りも愛しい相手と同じ相手とともに、身体の奥底から湧き上がった願望を叶えたいとすら思い込んでいたのだ。

スベスベスベッ、クニュクニュクニュッ。
「ふふっ、ママの身体、もうこんなに熱くなっちゃってる。途中で止めちゃうのも勿体ないし、このまま気持ち良くなっちゃおうよ?」

 おかしな思いへと苛まれる紅美を相手に、凛々夢はますます身を寄せていた。
 最初こそ遠慮がちがった紅美が、丹念に股間を撫で回すうちに、段々と気持ちが傾いてきている様子をありありと思い知らされる……少しずつ脚を広げながら、身体の奥底から次々と液体を滲ませて、続々と指先に絡めてくるのだ。
 着々と心変わりをする紅美の様子を見つめながら、つい笑みをこぼさずにいられない。
 まるで本物の茜鐘と同じように、母親である紅美を慕いながら、はしたない瞬間を拝ませて欲しいと口にする。

「そ、そんな。これ以上は……きゃふぅんっ!?」
ガクガクガクッ、ビクビクビュクンッ!

 凛々夢に誘われるまま、紅美はおかしな現象をしでかしてしまう。
 だらしなく下半身を委ねたまま激しい身悶えを引き起こして、背筋を思いっ切り跳ね上がらせていたのだ。
 おかしな衝動に苛まれるあまり、つい喘がずにいられない。
 丹念に身体を慰めてもらううちに、とんでもない姿を凛々夢へと見せつけていたのだ……

ピュルピュルピュルッ、グシュグシュッ!
(どうしよう……いくら何でも、茜鐘にお股を弄られて気持ち良くなっちゃうなんて……!)

 はしたなく両脚を投げ出したまま、紅美はすっかり胸を躍らせてしまう。
 凛々夢の指先によって、大事な部分を丹念に慰められるまま、気づいたら絶頂を引き起こしていたのだ。
 大事な部分から次々と液体を溢れさせたまま、久々に溺れた快楽がどれだけ心地良かったか、凛々夢のいる前でありありと晒してしまう。
 全身を駆け巡る刺激に合わせて、何度も下半身を震わせながら、熱い液体が噴き上がるのをなかなか止められそうにないのだ。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あはぁんっ!」
ゾクゾクゾクッ、ピチャピチャピチャッ。

 激しい快感の波が収まる間も、紅美はあっけなく息を切らしていた。
 腰を突き出した格好のまま、おかしな余韻へと浸るたびに情けなく喘いでしまう。
 股間から続々と湧き上がる愛液が、 膝の辺りまで下ろされた下着やパジャマ、さらにはシーツの表面にも飛び散って、はしたない染みを次々と滲ませる様子を気にせずにいられない。
 久しぶりに快楽を貪った事実を、傍にいる凛々夢にもしっかりと確かめられているのだ。

「うふふ、ママってば。そんなに私の指が気持ち良かったの? 大事な部分、たっぷり可愛がってあげなくっちゃ……」

 すっかり顔を赤く染めた紅美へと、凛々夢はそっと言葉を交わす。
 股間を軽く擦り上げただけで、紅美があっけなく絶頂を迎えるなど思いもしなかった。
 表面を小刻みに震わせながら、延々と愛液を噴き出す股間を指先で押さえながら、さらに表面を撫で回す。
 はしたない液体によって濡れ尽くした股間を弄りながら、何度でも快感への余韻に浸らせるつもりでいたのだ。

「そ、そんなに弄らないで。このままじゃ私のお股、おかしくなっちゃう……くふうぅんっ」
モジモジモジッ、ヒクヒクヒクンッ……

 凛々夢から次々と与えられる刺激に、紅美はますます声を震わせてしまう。
 全身を駆け巡っていた興奮が段々と静まる間も、細い指先から次々と与えられる、心地良い刺激に段々と意識を奪われていたのだ。
 だらしなく股を開いた、はしたない格好を恥じらう間も息を切らさずにいられない。
 愛しい相手から与えられる感触が、つい恋しくてたまらないのだ。

「えへへ、だって私も……ママに甘えられるの、とっても楽しいんだもん。本物の茜鐘とも同じことができるよう、私もお手伝いしてあげたいの。これからもよろしくね?」
ヌチュヌチュヌチュッ、コリュコリュコリュッ。

 ベッドの上へと倒れ込んだ紅美を相手に、凛々夢はさらなる行為を繰り広げていた。
 愛液を次々と滴らせる股間へと丹念に振れたまま、おかしな申し出を口にする……本物の茜鐘を憎き相手から取り返す手助けをしたいと踏まえた上で、一緒に付き合って欲しいと誘い出す。
 ずっと寝つけずにいた紅美の身体をたっぷりと慰めながら、胸の奥底へと抱え込んでいた悩みを聞き出すつもりでいた。
 下半身を投げ出したまま、自分から気持ちを許し始めた紅美へと、妖しげな笑みまで浮かべるのだ。

「ふぅっ、ふうっ、ふぅっ……んむっ」
クチュプッ……ヌチャヌチャピチャッ。

 凛々夢の言葉に誘われるまま、紅美は思わず頷いてしまう。
 激しい快感への余韻に浸りながら、大切な部分を弄られるたびに喘がずにいられない。
 愛しい娘との、禁断の関係に身を投じた事実を思い知らされた後も、丹念に尽くしてくれる凛々夢から決して離れられそうになかった。
 目の前にいる凛々夢へと悩みを打ち明けながら、茜鐘へと募らせていた思いを気が済むまで追い求めるつもりでいたのだ……

悪堕ち女幹部・ブルマダム
第1話
悪堕ち女幹部・ブルマダム
目次
悪堕ち女幹部・ブルマダム
第3話