☆ シーン1「アルラウネさんとの遭遇」 ☆




丁度自分ひとりが通れる位の草木の隙間を進んでいく男の子――

惹きつける甘い香りが、だんだん強くハッキリとしたものになっていきます。



そして、暫く進むと唐突に開いた空間に出てしまいました。

「わわ――この森の奥にこんな所があったなんて・・・?」



ほわほわとした暖かい光が漂う、心が安らぐ空間。しかし、そこに男の子が思いもしないような相手が待ち受けていました。

『ふふ・・・待っていたわよ、ボウヤ?』



「えっ――?」

そこに居たのはふくよかな姿の植物型の人外娘、アルラウネさんでした。

本来ならもっと魔界に近い領域に住むといわれているはずの上級の魔物です。

どうやら甘く引き寄せられる匂いはどうやら彼女が発していたようでした。



『ふふ・・・可愛いボウヤ。匂いだけでここまでちゃんと着てくれて嬉しいわよ♪』

そういって男の子ににっこりと微笑みかけるアルラウネさん。



「あ・・・」

(ど、どうしよう?!どうしてこんなところに上級の魔物が・・・!?)

予想もしていなかった事態に混乱して固まる男の子。



『ふふふ・・』

その姿を見ながらフフフと笑うアルラウネさん。



『怖がらなくても大丈夫よ・・・さあ、もっと近くまでいらっしゃい・・・?』



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