☆ シーン1「アルラウネさんとの遭遇」 ☆

「い、嫌ですっ・・・僕帰りますっ!!」
慌てて引き返していく男の子を見送りながらくすくす笑うアルラウネさん。
『まあ、慌てちゃって・・・ますます可愛いわね、ふふ♪』
「はぁ、はぁ・・・」
(どうしてこんな所に魔界のモンスターが・・・!?とにかく、とにかく早く道まで出なくちゃ・・・!)
まだ冒険を始めて間もない男の子でも、このまま彼女の相手をしたら無事では済まないのは理解していました。
その魅力的な姿で獲物を誘き寄せ、餌食とする――それが彼女達、人外娘の在り方だと知っていたのです。
無我夢中で走り、やがて息を上げながら茂みを飛び出す男の子。
『・・・ふふ、坊や。どうしたの?やっぱり私とイイコトがしたいのかしら♪』
「――!!?」
男の子は茂みを引き返して元居た道に出るはずでした。
それなのにいつの間にかまたアルラウネさんの前に戻ってしまっていたのです。
『さあ可愛い坊や――こっちへいらっしゃい?』
(そ、そんな・・・引き換えしていたはずなのにどうして・・・!?)
そしているうちに、アルラウネさんの細長い蔦が男の子のもとへと何本も伸びていきました――
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