体験版 第4話
コツッ、コツッ、コツッ……
(この辺りは大丈夫みたいね……もし学園の中にも触手が侵入していたら、あの子達が真っ先に襲われちゃうんだから?)
勤務が終わった後、琴香はこっそりと職員室を後にする。
生徒達が触手に襲われないよう、校舎内の見回りを続けていたのだ。
延々と廊下を歩き回る間も、まるで迷路を思わせるほど広大な内部を本当に回り切れるのかと気にせずにいられない。
ギュルギュルギュルッ、ミシィッ!
「……きゃぁっ! お願いだから助けてぇっ!?」
「そ、そんなこと言われても、これじゃ全然、近づけそうにないってばぁ……!」
中庭へと差し掛かった矢先、琴香はいきなり脚を止める。
地面から触手が生え伸びたかと思えば、部活帰りの生徒達へと襲い掛かっていたのだ。
触手に腰を掴まれた後、必死に助けを求める彼女をどう救い出せば良いのか、周りにいる少女達も困り果てているようだった。
(まさか、こんな所にも触手が生えてきてるなんて! 寄りにも寄って、私の生徒達を狙ってくるなんて。何て卑劣な真似を……!?)
いきなり出現した触手の存在に、琴香は思わず言葉を失ってしまう。
学園の敷地内に群生する様子など、つい目を疑わずにいられなかった……たとえ事前に藍夢から報告を受けていても、目の前でうねり続けている触手の姿にすっかり驚かされていたのだ。
まだ状況を整理できそうにない中、自分が授業を受け持っている女生徒が触手の標的にさせられていたので、一刻も早く救い出さなければいけなかった。
「ニンフ・ローゼライト。着身完了!」
触手に立ち向かうため、琴香は変身を始めていた。
腕に巻いたバングルを操作すると、着込んでいたカーディガンやタイトスカートなどの類を脱ぎ去る代わりに、戦闘のために用意されたレオタードやトップスへと瞬時に切り替わる。
コスチュームを装着すると同時に出現したソーサーをしっかりと握り締めた後、暴れ狂っている触手へと立ち向かうつもりでいたのだ。
(本当は藍夢と一緒なら手際良く片づけられるんだけど……この子達をすぐに避難させてあげないといけないし、私一人で退治しなくっちゃ!)
しっかりと身構える間も、琴香は藍夢の身を案じずにいられない。
様々な任務を円滑にこなすため、戦闘の時も藍夢と行動をともにしていたのだ……まさか藍夢が数日前に一人で立ち向かって、逆に打ち負かされてしまうなど考えられない事態だった。
藍夢ですら返り討ちに遭ってしまうほどの相手だと気づかされて、つい肩をこわばらせずにいられない。
未だに体調を崩している藍夢に迷惑を掛けられそうにないので、これから一人だけで触手と対峙しなければいけないのだ……
「あなた達、すぐに逃がしてあげるから暴れないでね……えぃっ!」
ヒュルルンッ……ズビュッ!
おかしな緊張に苛まれる中、琴香はすぐに触手退治へと向かっていた。
しっかりと狙いを定めて、握り締めたソーサーを放つと、胴体の部分を次々と切り刻む。
ちぎれるが触手が段々と傾いてくるのに合わせて、捉えられていた女生徒の元へと駆けつける。
「大丈夫、一人で歩けそう? 今のうちに、ここから離れなさい!」
触手から距離を離した後、琴香は助け出した女生徒へと言葉を投げ掛ける。
どうやら大した被害も受けていないようなので、一刻も早く彼女達を避難させるつもりでいたのだ。
「きゃんっ!? あ、ありがとうございます……」
「ここはあの人に任せて、どこかに逃げなくっちゃ……!」
琴香に注意を受けるまま、女生徒はそそくさと中庭から遠ざかる。
寮に帰ろうとしていた矢先に、正体不明の代物に襲われるだけでも考えられないのに、派手な衣装に身を包んだ女性に救い出されるなど思いもしなかった。
そっとお礼を返した後、触手が生え伸びる中庭から逃げ出すだけで精一杯だったのだ。
(あの子達もちゃんと逃げたみたいだし……誰も来ないうちに、すぐ触手を片づけなくっちゃ!)
段々と小さくなる女生徒の背中を、琴香はそっと見届ける。
何とか一人だけで救出をやり遂げた後、残っていた触手の駆除に当たらなければいけなかった。
もし誰かが中庭を通りがかって、先ほどのように襲われても大変なので、すべての触手を退治し尽くす必要があるのだ。
「……きゃんっ!?」
シュルシュルシュルッ、ギチィッ!
再び触手へと立ち向かっていた矢先、琴香は思いも寄らない事態へと陥ってしまう。
切断した後もうねり続ける触手の根本に狙いを定めていた矢先、いきなり手首を掴まれていたのだ。
別々の方向に引っ張られる両手の様子に、つい戸惑わずにいられない。
(やだ、こんな近くに触手が潜んでたなんて! このままじゃ私まで、さっきの子みたいな目に遭わされちゃう……!?)
とっさに後ろを振り返った途端、琴香は思わず目を疑ってしまう。
別の触手が巻きついてきたかと思えば、あっけなく手首を取り押さえられていたのだ。
助け出した女生徒の引き替えに、まさか自分が掴まる羽目になるなど思いもしなかった。
「い、いい加減離れなさい……くうぅっ!」
モゾモゾモゾッ。
すぐに触手を振り解こうと、琴香は必死にもがき続けていた。
手首に絡みついた触手のせいでソーサーも振り回せない中、強引に片腕を引き抜こうと試みる。
力を込めて引っ張っているはずなのに、腕に纏わりつく触手が少しも離れないどころか、ますます肌に食い込んでくるのだ。
(両手が動かせなきゃ反撃もできそうにないし……何とかして、ここから逃げ出さなくっちゃ!)
思いも寄らない触手の反撃に、琴香はすっかり焦っていた。
まるで自分の行動を見越しているかのように、着々と身動きを封じ込めてくるのだ。
ソーサーを決して振り回せないよう着々と先端を繰り出してくる触手の思惑など、あまりに不気味でたまらない。
「う、うぐぅっ!?」
ギシギシギシィッ……
何とかして触手から抜け出そうとした矢先、琴香はさらなる窮地へと立たされてしまう。
両手だけでなく両脚にも絡みついてきたかと思えば、手首や足首をじりじりと締めつけてきたのだ。
関節を圧迫させられるたびに痛みが走って、ついうろたえずにいられない。
どんなに身を捩らせても、決して触手を振り解けそうにないのだ……
(こんなに強く締めつけてくるなんて……どうして私の手を離そうとしないの? 藍夢と一緒に戦った時は、こんなに苦戦するような相手じゃなかったはずなのに!)
しつこく全身に纏わりついてくる触手の存在に、琴香は思わず言葉を失ってしまう。
つい数日前まではたやすく駆除できた相手に、ここまで苦戦させられるなど思いもしなかった。
気づいたら手足を触手に絡め取られるまま、ものの見事に身動きを封じられてしまったのだ。
たとえ体調が万全でなくても、藍夢を呼べば良かったと今になって思い知らされる……
「くうぅっ……きゃんっ!?」
グリュグリュグリュッ、プルンッ!
まともな身動きすら取れない琴香を相手に、触手はとんでもない行為をけしかける。
無防備になった胸元へ先端を伸ばして、いきなり衣類を引き嵌がしてきたのだ。
上着を脱がされるだけでなく、レオタードの隙間にも忍び寄ってくる様子など戸惑わずにいられない。
気づいたらレオタードの裾を引っ張られるまま、乳房を露わにさせられてしまったのだ。
(やだ、どうしていきなり……私の胸なんて探って来ちゃうの? こんな格好なんて、もし誰かに見られても困るのに!?)
思いも寄らない辱めを強いられて、琴香はあっけなく気持ちを揺さぶられてしまう。
少しも抜け出せないのを良いことに、まさか触手などに身体を探られるなど思いもしなかった……肌にじっとりと絡みつく、いやらしい感触を否応なく思い知らされる。
肌の表面を舐め回すように先端を絡ませながら、徐々に胸元へと近づく素振りを意識させられるたびに、つい身震いせずにいられない。
まるで意思でも持っているような素振りに戸惑う間も決して触手の束から抜け出せず、レオタードから飛び出した乳房にも着々と先端が押し迫ってくる……
「お、お願いだから。私の胸から離れなさいってば……あうぅっ!?」
フルフルフルッ。
激しい焦りを掻き立てられるまま、琴香は悲鳴を洩らしていた。
触手の思わぬ反撃を食らうだけでなく、まさか胸元まで弄られてしまうなどあり得ない事態だった。
いやらしく蠢く先端の様子など、見ているだけでも嫌悪せずにいられない。
どんなに触手を拒みたくても、未だに四肢をしっかりと取り押さえられたまま、まともな身動きすら取れそうにないのだ。
「も、もうそれ以上は絡んでこないで……嫌ぁっ!?」
ヌチュヌチュヌチュッ、チュプンッ!
ついに乳房へと押し当てられた触手の感触に、琴香はますます震え上がってしまう。
肌の表面を這い回るだけでも気持ちが堪えられそうにないのに、女性として大切な部分まで執拗に弄られるなど考えられなかった。
全身をこわばらせていた矢先、ついには弱々しい悲鳴まで張り上げてしまう。
乳首のすぐ傍まで迫ってきたかと思えば、何と先端を押し込んできたのだ。
(やだ、どうして触手の先っぽが……おっぱいの中に入ってきちゃってるの!?)
さらなる触手の責めに、琴香はすっかり視線を奪われてしまう。
乳首をこじ開けられるまま、次々と体内に入り込む触手の様子など、つい目を疑わずにいられない。
ただでさえ胸元を探られて不愉快でたまらないのに、まさか乳房の奥底まで弄られてしまうなど、どんなに考えても理解できそうになかった。
気づいたら乳首を強引に押し広げられるまま、続々と触手が侵入してくるのだ……
「あ、あうぅっ……うぐぅっ!?」
ビクビクビクンッ!
身体の内側まで責め立てようとする触手の様子に、琴香はあっけなく意識を奪われてしまう。
先端を突き立てられるまま乳首から体内へ侵入する様子など、間近で見せられても決して気持ちが飲み込めそうになかった……考えられない太さにまで乳首をこじ開けられるまま、触手が乳房の内側を這いずり回ってくるのだ。
触手の形状に盛り上がる胸元が視界に飛び込むだけで、つい全身をこわばらせずにいられない。
体内に着々と入り込む触手によって、もしかしたら身体を台無しにさせられるかも分からないのだ。
ドプッ、ドプッ、ドプッ……
(おっぱいの中に、何かがどんどん入ってきてる……このまま触手なんかに弄られちゃったら、身体がおかしくなっちゃうかも!?)
胸元へと走るおかしな感覚を、琴香は否応なく思い知らされる。
乳房に先端を埋め込んだ触手がひとりでに脈打つまま、何かを体内へと注ぎ込んでくるのだ。
体内から着々と押し寄せる圧迫感を、つい意識せずにいられない。
大切な部分を無闇に弄られたくない反面、すでに奥底まで入り込んでいる触手のせいで、いたずらに胸元を動かせそうにないのだ……
「も、もういい加減にしなさいっ! 一体、私の身体に何をするつもりなの……お、おぐぅっ!?」
ガクガクガクッ……
感情のままに触手へと文句をぶつけていた琴香だけど、あっけなく悲鳴へと変わり果ててしまう。
体内に何かを注入させられるうちに、おかしな感覚が胸の奥底から押し寄せてくる。
身体の内側を続々と駆け抜ける、耐え難い圧迫感に呻かずにいられない。
今まで見に受けたこともなかった苦痛を思い知らされて、おかしなほど全身を捩らせてしまうのだ。
(どうして、こんなに息苦しくてたまらないの? もしかして触手の先っぽから、何か毒でも入れられてるの……!?)
何度も悶絶を繰り返すたびに、気づいたら陥った状態を琴香は否応なく思い知らされる。
敏感な部分を弄られるだけでも嫌でたまらないのに、どうして触手が身体の奥底におかしな代物を注ぎ込んでくるのか、考える余裕すら抱けそうにないのだ。
未だに触手が乳房から侵入したまま、表面が瘤のように膨らんだかと思えば、液体のような何かを続々と押し込んでくる……胸の奥底で何かが波打つ感覚を受けるたびに、おかしな焦りに苛まれてしまう。
肺の奥底を圧迫されるような感覚をいつまで身体が持ち堪えられるのか、あまりに不安でたまらないのだ……
「うぅっ……や、やだぁっ!?」
ワナワナワナッ……
胸元に走る感覚に慣れてきた矢先、琴香はすっかり落ち着きを失ってしまう。
未だに身体の奥底を探っている触手の様子を恐る恐る覗き込んだ途端、胸元がとんでもない状態へと陥ってしまったのだ。
視界に飛び込んできた乳房の形状など、つい目を疑わずにいられない。
とっさに視線を逸らした後も、身を捩らせるたびに揺れ動く胸元の重みとともに、先ほど目にした代物が現実だったことを否応なく痛感させられていたのだ。
プルプルプルッ、タユンッ。
(どうして、こんなに胸が大きくなっちゃってるの……いくら触手におかしな液体を入れられてるからって、いくら何でも考えられないわよ!?)
異様に膨らんだ乳房の形状に、琴香は思わず言葉を失ってしまう。
触手の先端からおかしな液体を注がれるまま、考えられないほど胸元が膨らみを増していたのだ……元々大きかったとは言え、自分の頭くらいに膨張した乳房へと作り替えられてしまうなど、あまりに考えられない事態だった。
なかなか気持ちが受け入れられない中、未だに乳首へと差し込まれている触手によって、着々と体型が変わり果てる様子を嫌と言うほど見せつけられているのだ……
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……も、もういい加減止めてってばぁ、あぐぅっ!?」
ビクビクビクッ……
激しく気持ちが揺さぶられるうちに、琴香はついに泣き言を洩らしてしまう。
おかしな液体を注入されるのに合わせて、徐々に膨張する乳房の様子など、これ以上まともに見ていられそうにないのだ。
すぐにでも乳首から離れて欲しいと訴える間も、つい声を震わせずにいられない。
これ以上おかしな身体に作り替えられたくないのに、未だに触手が胸元へと埋め込まれたまま、おかしな液体を体内に続々と押し込んでくるのだ。
ドプンッ、ドプンッ、ドプンッ……
(ただでさえ呼吸が苦しくてたまらないのに……こんなに胸が膨張しちゃうまでおかしな液体を注いできて、私をどうするつもりなの!?)
立て続けに迫られる状況に、琴香はますます弱り果ててしまう。
まさか触手に身体を弄られるまま、異様な体型に作り替えられてしまうなど決してあり得ない事態だった。
表面が脈打つのに合わせて着々と押し寄せる圧迫感が、あまりに苦しくてたまらない。
どうやら異常に乳房が張り詰めるうちに、段々と肺が押し潰されているようだと気づいて、さらに落ち着きを失ってしまう。
下手をすれば身体の内側を弄られるうちに、命を落とす羽目になるかも分からない……
「あ、あうぅっ……も、もう許してってばぁ!」
ブルブルブルブルッ……
おかしな焦燥感に苛まれるまま、琴香はおかしな訴えを始める。
これ以上いたずらに身体を弄らないで欲しいと、全身にしつこく絡みついている触手に頼み込む。
あまりに情けない行為だと気づきながら、命乞いでもしないかぎり、触手から逃げ出す術が少しも思いつきそうになかったのだ。
「うぐっ……くうぅっ! はっ、はぁっ、はうぅっ……きゃんっ!?」
ゾクゾクゾクッ。
抱え込んでいた本心を打ち上げた矢先、琴香はあっけなく悲鳴を撒き散らしてしまう。
恐る恐る胸元の様子を見つめていた途端、触手が突然うねり始めたかと思えば、乳房の中で蠢き始めたのだ。
呼吸をするだけでも苦しい中、敏感な部分へと神経が走るたびに喘がずにいられない。
奥深くまで潜り込んだ触手のすべてが乳房から引き抜かれた瞬間、ひとりでに背筋が跳ね上がってしまうのだ。
ヌリュヌリュヌリュッ……チュポンッ。
(胸に差し込んでいた部分をいきなり抜いちゃうなんて、一体どう言うつもりなの? ただでさえ敏感な部分なのに、あまり乱暴に扱わないでよぉ!?)
胸元から引き抜かれた触手を見つめる間も、琴香は呆気に取られてしまう。
乳房の内側まで侵入するまま、乳房が異常なほど膨らむまで液体を注ぎ込んでいたはずなのに、どうして自分から遠ざかったのか、どんなに考えても理解できそうになかった。
まるで自分を嘲笑うかのような触手の思惑を思い悩む間も、つい震え上がらずにいられない。
未だに身動きを封じられたまま、どこに先端を向けられるのかも分からないのだ……
「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……くうぅっ!?」
ヒクヒクヒクッ。
段々と身体から遠ざかろうとする触手の動向に、琴香は視線を吸い寄せられてしまう。
ずっと手足に食い込んでいた触手がいきなり離れたかと思えば、段々と身体から離れていくのだ。
とっさに身をこわばらせながら触手の様子を窺う間も、つい戸惑わずにいられない。
再び触手に襲われるのを恐れて身構えようとしても、なかなか上手く体勢を整えられそうにないのだ。
ジュブジュブジュブッ……
(どんどん触手が地面に潜ってくみたいだけど……もしかして、このままいなくなるつもりなの?)
ついには続々と目の前から消え失せる触手の様子に、琴香は思わず目を疑ってしまう。
再び自分へ襲い掛かってくるどころか、気づいたら次々と地面に潜り込んで、中庭から姿を消していたのだ。
地面に空けられた穴を見下ろす間も、つい背筋を張り詰めずにいられない。
たとえ目の前からいなくなったとしても、もしかしたら別の場所から出てくるかも分からないのだ。
「んんっ……あうぅっ!?」
ギュッ……
完全に触手が消滅した後も、琴香はなかなか落ち着きを取り戻せそうになかった。
何とか危機から脱したので変身を解いた後も、触手に打ち負かされた事実をとんでもない形で痛感させられていたのだ。
とっさに胸元を押さえ込む間も、つい恥じらわずにいられない。
ムニュッ……
(どうしよう、おっぱいが邪魔になって……こんな恥ずかしい格好、すぐに隠さないといけないって言うのに、まともに服も着られないじゃない!?)
異常に膨らみを増した乳房に、琴香はあっけなく意識を吸い寄せられてしまう。
まるで頭を二つぶら下げているようなほど肥大化した胸元のせいで、今まで身に着けていた服が上手く着られそうにないのだ。
ボタンを締めるどころか、ブラウスを肌蹴てしまうほど豊満に膨らんだ乳房を両手で抱えたまま、少しも手を離せそうになかった。
はしたない格好を誰かに気づかれても困るのに、どんなに頑張っても上手く取り繕えそうにないのだ。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……ひうぅんっ!?」
フラフラフラッ……
恐る恐る中庭から立ち去る間も、琴香はあっけなく息を切らしてしまう。
ほんの少し歩くだけで、異様に膨らんだ乳房が左右に揺れ動いてたまらない。
服もまともに着られない中、すぐにでも胸元を覆い隠さなければいけないのに、足を踏み込むたびに乳房の重みに思わず気を取られてしまうのだ。
プルンッ、プルンッ、プルンッ……
(いくら触手に襲われたせいだって言っても……こんな格好なんて、教師として絶対に見せられないんだから!?)
あまりに考えられない事態に、琴香はますます翻弄させられる。
触手に襲われるまま胸元を触られるうちに、まさか異常に膨らんだ乳房を携える羽目になるなど思いもしなかった。
両手でしっかりと押さえ込んでいるはずなのに、廊下を歩く間も様々な方向に揺れ動いて、今にもはみ出しそうなほど揺れ動いてくる。
学園の教師として務めなければいけない身なのに、はしたない格好をいつ誰かに見られてしまうかも分からない中、ひとりでに全身が火照ってしまうのだ……
* * * * * *
「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……」
ヨロヨロヨロッ。
触手に襲われた翌日、琴香はそそくさと職員室を飛び出していた。
これから授業が控えていたので、すぐ教室に向かわなければいけないのだ。
廊下を歩く間も、気づいたらたどたどしい足取りを取ってしまう。
タユンッ、タユンッ、タユンッ……
(どうしてなの……一晩経ったはずなのに、胸の膨らみが少しも収まらないなんて。本当にこんな格好のまま、教室まで行かないといけないの?)
教室へ向かう間も、琴香は胸元の状態を思い悩まずにいられない。
いきなり膨らみを増した乳房のせいで、様々な苦労を強いられていたのだ……変わり果てた体型に合わせて、まるで胸元の膨らみを際立たせるような衣服のまま、これから教壇に立たなければいけなかった。
職員室で過ごす間も気まずい思いに苛まれた後、これから生徒達にどんな反応を向けられてしまうか、考えるだけで気が重たくてたまらないのだ……
ガラガラガラッ。
「みんな、ちゃんと席に着いた? それじゃ早速、授業を始めましょう?」
何とか教室に辿り着いた後、琴香は普段どおりに生徒達へと挨拶を交わす。
どんな悩みごとを抱えていても、一度教壇に立った以上は教師らしく振る舞うつもりでいたのだ。
「あれ、雨塚先生……その胸、一体どうしたんですか?」
「雨塚先生のおっぱい、昨日よりすっごく膨らんじゃってるよね……もしかして豊胸手術でもしたのかな?」
琴香へと挨拶をしようとした矢先、目の前にいる生徒達がおかしな噂を始める。
昨日と比べても明らかに膨らんでいる琴香の乳房に、つい注目せずにいられない。
まるで頭でもぶら下げているようなほど見事に突き出している、迫力満点な胸元の形状をじっくりと見つめながら、思い思いに騒ぎ立ててくるのだ。
「こ、これは別に。何でもないんだから……くうぅっ!?」
モジモジモジッ……
生徒達から次々とぶつけられる言葉に、琴香は思わず慌ててしまう。
これから授業を始めなければいけないのに、いきなり乳房の形状を指摘されるなど思いもしなかった。
とっさに返事を返そうとしても、どう事情を打ち明ければ良いかも分からず、あっけなく言葉を詰まらせてしまうのだ。
トプンッ……
(まだ授業も始まってないのに、どうしておかしなことを言っちゃうのよ……私だって、好きでこんなおっぱい抱えてるわけじゃないのに!?)
騒がしくなる教室内の雰囲気に、琴香はあっけなく気持ちを飲み込まれてしまう。
自分でも恥ずかしくてたまらないのに、平然と乳房の膨らみをからかってくる生徒達の言葉など、耳にするだけで戸惑わずにいられない。
どう彼女達をなだめれば良いのかを思い悩む間も、まるで自分を挑発するかのように、重たく膨らみ切った乳房がひとりでに揺れ動いてしまうのだ……
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