●プロローグ

高級ソープ「Little Club」
それは知る人ぞ知るマニア御用達の風俗店
繁華街の古くさい雑居ビルの地下にひっそりとあるが
料金は相場の二倍以上
その理由はこだわりのコンパニオン達
雇用条件は、
二十歳以下、身長140㎝以下、胸はAカップ以下
出勤時には必ず剃毛してパイパンにするという拘り様
そう、
ここはロリコン趣味の人間のための聖地の様な場所なのだ
高い値段にも納得がいく
だがしかし、それはあくまでも表向きの合法的な話
この店にはさらなる秘密があることを
俺は今まで知らなかった・・・

「また来てね、お兄ちゃん♡」
その日も俺は、いつも通りこの店に通っていた
通うといっても多くて週一
さすがに毎日は無理だ
ネットや二次元のロリだけでは辛抱たまらなくなった時にだけ来ている
一時間のプレイを楽しんだ後
お気に入りの嬢に見送られながら店を出る寸前
俺は一人の店員に声をかけられた
「お客様、いつもご利用ありがとうございます。
実は、お客様だけに特別なご内密のお話があるのですが
少々、お時間をよろしいですか?」
こんな風に声をかけられたのは初めてで
多少戸惑いもしたが、どうせ今日はもう帰って寝るだけだ
贔屓にしている店でもあるし
話を聞いてみるぐらい、いいだろう
「あ-・・・、いいですよ。
何ですか、話って?」

俺はそのまま応接室の様なところに連れて行かれた
一瞬なにかぼったくりのような目に遭わされるのではないかと思ったが
話の内容はもっと過激な物だった
「実は、このお店
ここの地下にもう一店舗あるんですよ。
実際はそっちが本店なんですがね。
本店の方には普段
一見さんのお客様はお通ししません
何しろ特別なコンパニオンをそろえていますので
完全会員制の秘密倶楽部となっております」
「その、特別なコンパニオンというのは・・・?」
「・・・・・・上のまがい物ではない、本物ということです」
「ほ、本物!?
その、本物というのはまさか・・・!?」
「・・・これ以上は言えません
ご想像にお任せします」
「・・・・・・何故、俺に声をかけたんです?
完全会員制なんでしょ?」
「確かに、普段であれば紹介などがなければいけません
しかし、時には足繁く通ってくださるお客様に
こうして声をかけさせていただく場合もあります
もちろん、そこから入会できるかどうかは別の話ですが・・・」
「入会には何か条件が?」
「当店は秘密倶楽部ですので、
こちらもお客様を厳選させていただきます
まずは入会金100万円」
「ひゃ、ひゃくまん!?」
「こちらの入会金は
お客様の身辺調査等の費用にも充てさせていただきます
結果によっては入会はお断りいたしますし、
入会金もお返しいたしません
遊び半分で入会をお考えになるのであれば
おやめになった方がいいかと」
「・・・少し、考えさせてもらってもいいですか?」
「もちろん。
考えが決まった際には、またご来店してください」

帰りの電車に揺られながら
俺はずっと悩んでいた
入会するべきかどうか
怪しい話を信じていいのか
百万円をどぶに捨てる覚悟で使えるか
いくら考えても答えなど出るはずがない
いや、逆にとうの昔に出ているのか・・・
これが本当だとすれば夢にまで見た話だ
おそらく断れば、
真偽のわからぬまま一生後悔するだろう
断る理由など俺にはない
次の休日に、俺は再び「Little Club」へ向かった・・・

そして一ヶ月後、
俺の元に会員証が届いた・・・
 ▼本編へ