マゾの系譜 体験版

第2話

「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……こんなに沢山出しちゃうなんて思わなかった。聡留くん、とりあえずシャワーでも浴びましょう?」
モジモジモジッ、ヌクヌクヌクッ。

 尿意が静まった満理子はそっと言葉を交わす。
 粗相をしでかした聡留に倣って排尿を続けるうちにベッドの上が台無しになってしまったので、一緒に後始末をしようと持ち掛けていたのだ。
 聡留の様子を窺う間も、つい顔を火照らせずにいられない。
 夢中になって下半身の欲求を解き放つうちに、ここまで大量にオシッコを垂れ流してしまうなどさすがに思いもしなかったのだ。

「う、うんっ……あうぅっ!?」
グシュグシュグシュッ、ジトジトジトッ。

 満理子に誘われるまま身を起こす間も、聡留はつい震え上がらずにいられない。
 一緒にベッドへ横たわったまま、満理子の身体から溢れ出るオシッコを浴びせられるうちに、気づいたら下半身のほとんどがオシッコまみれになってしまったのだ。
 姿勢を変えるたびに濡れ尽くしたパジャマが肌に張りついて、はしたない液体まで裾の部分から続々と垂れ落ちてくる。
 おかしな感触に戸惑いながら恐る恐るベッドの上を見下ろした矢先、思わず言葉を失ってしまう。

ホクホクホクッ……
(どうしよう、こんなにベッドの上が台無しになっちゃった。いくらお仕置きだって言われても、まさか叔母さんまで一緒にオシッコを漏らしちゃうなんて思わなかったよ……?)

 シーツの上に出来上がった状態に、聡留はすっかり茫然とさせられる。
 薄黄色い染みが滲むどころか、まるで水溜まりのような代物がベッドの上に出来上がってしまったのだ。
 はしたない水面の表面から漂ってくる、鼻をくすぐるようなニオイがあまりにも照れくさくてたまらない。
 二人分のオシッコに圧倒されるまま、思いも寄らない満理子の行動をどう受け止めればいいのか、未だに考えられそうになかったのだ……

      *      *      *      *      *      *

「やだ、こんなにオシッコで濡れちゃって……んんっ!」
シュルシュルシュルッ、ポタポタポタッ。

 ベッドの後始末をやり遂げた後、満理子は聡留とともに浴室へと脚を向ける。
 台無しになったシーツや掛け布団を洗濯している間に、今度は自分達の身体を洗い流すつもりでいたのだ。
 ほとんどが濡れ尽くしている衣服を脱ぎ去る間も、ついうろたえずにいられない。
 たっぷりとオシッコを垂れ流したせいか、拭っても拭ってもはしたない滴が続々と垂れ落ちてくるのだ。

「お、お母さんってば! ボクだっているのに。どうして裸になっちゃうの……!?」
モジモジモジッ……

 不意に満理子が見せつけてきた姿に、聡留はあまりに慌てずにいられなかった。
 まさか自分がいる目の前で、満理子が平然と着替えてしまうなど思いもしなかった……濡れ尽くした衣服を次々と肌蹴るだけでなく、ベージュ色の下着まで取り外して、惜しげもなく裸体をさらけ出す様子など、見ているだけで照れくさくてたまらない。
 とっさに顔を逸らした後も、恐る恐る横目で満理子の様子を見つめるうちに、あっけなく視線を奪われてしまう。
 豊満な乳房や腰のくびれ、陰毛の生え揃っている部分が次々と視界に飛び込んできて、少しも視線を逸らせそうにないのだ。

ギュッ……
「もう、そんなに恥ずかしがらないで。私達、家族同士なんだから当然じゃない……ほら、聡留くん。こっちにいらっしゃい?」

 落ち着きを失っている聡留に、満理子はそっと言葉を投げ掛ける。
 俯きっ放しの顔を持ち上げない様子から、どうやら一緒にお風呂へ入るのをためらっているようなので、強引に手を引く形で浴室まで連れ込むつもりでいたのだ。
 聡留に寄り添っている間も、股間の辺りで起き上がっている部分の様子につい注目せずにいられない。
 自分へと向けられている欲情に気づいて、ひとりでに全身を火照らせてしまうのだ……

プシャアアアァァァ……
「んふぅっ……」

 一緒に浴室へ入った後、満理子は互いに身体を洗い流していた。
 シャワーの水流を下半身に浴びる間も、思わず吐息を洩らしてしまう……肌に張りついたオシッコをしっかりと落とそうと、下半身を丹念に撫で回すたびに、言い表しようのない感情に胸の奥底を揺さぶられずにいられない。
 はしたない液体に浸されていた下半身が清潔さを取り戻した後も、なかなかシャワーの傍から離れられそうになかったのだ。

(叔母さんのおっぱい、こんな形してたんだ。それにお尻だって大きくって……叔母さんの裸、こんな近くで見せてもらえるなんて!)
トクンッ、トクンッ、トクンッ……

 満理子とともにシャワーを浴びている間も、聡留はますます顔が火照ってしまう。
 大胆にもさらけ出している満理子の裸体に気を取られるまま、当分は視線が離せそうになかった……指先で表面を撫で回すたびに迫力満点の乳房が柔らかそうに揺れ動いたり、丸みを帯びているお尻の形状、さらにはシャワーで濡れた縮れ毛の向こう側にも注目せずにいられない。
 たとえ家族同士だと分かっていても、満理子の悩ましげな肉体美に思わず見惚れてしまったのだ。
 いやらしい感情が続々と湧き上がる中、決して本人に気づかれないよう、ひとりでに堅くなっている部分を両手で押さえるだけで精一杯だった……

「……ほら、聡留くんも。オシッコをたっぷり被っちゃった後なんだから。ちゃんと身体をきれいにしなくっちゃ?」

 なかなかシャワーを浴びようとしない聡留の様子に気づいて、満理子がさりげなく言葉を交わす。
 小さな身体を縮めたまま、どうやら恥ずかしがっているようだと気づいて、一緒に下半身を洗い流そうと口にする。
 そっと手を差し伸べて、オシッコを被ってしまった部分の表面を指先で丹念に撫で回す。

「ご、ごめんなさい。一人で大丈夫だから……あうぅんっ!?」
ギュッ。

 不意に満理子から迫られた行為に、聡留はすっかり慌ててしまう。
 裸体をさらけ出している満理子と目が合うだけでも恥ずかしいのに、気づいたら腰を引き寄せられるまま下半身に手を回してきたのだ。
 とっさに身をこわばらせた後も、つい身を捩らせずにいられない。
 気づいたら腰を引き寄せられるまま、勃起しているオチンチンを満理子に触れられた後だったのだ。

グニュグニュグニュッ。
「お、お願いだから、オチンチンから手を離してってば……はうぅっ」

 恐る恐る満理子に言葉をぶつける間も、聡留はあっけなく言葉を詰まらせてしまう。
 一緒にシャワーを浴びているだけでも恥ずかしくてたまらないのに、気づいたらはしたない部分を握られていたのだ。
 敏感な部分を滑らかな手つきで弄られるたびに、つい声を震わせずにいられない。
 はしたない本心を知られないよう気を配っていたのに、まさか満理子の方から身を寄せるまま興奮具合を探られるなど思いもしなかったのだ。

「ふふっ、聡留くんってば。オネショ癖は治らないのに、ここだけは本当に立派なんだから。まるであの人みたい……もしかしてお母さんと一緒にお風呂へ入ったから、こんなに堅くしちゃったのかしら?」
クリュクリュクリュッ。

 戸惑う聡留も構わず、満理子は夢中になってオチンチンを撫で回していた。
 ほんの少し指先を絡ませるだけで、表面がひとりでに脈打つ様子などつい感心せずいられない。
 ついには顔を赤らめている満理子へと、そっと言葉を囁いてしまう。
 未だにオネショすら治せないはずなのに、身体だけはしっかり成長している様子をじっくりと噛み締めるうちに、おかしな興奮が続々と湧き上がってくるのだ。

「そ、それは……んんっ! このままじゃおかしくなっちゃうから、そんなに弄らないでよぉっ!?」
クネクネクネッ……

 満理子から囁かれた言葉の内容に、聡留はますます焦ってしまう。
 一緒にお風呂へ入っているうちに満理子の裸体に見惚れてしまったなど、振り返ることすらためらわずにいられなかった。
 何としても落ち着きを取り戻さなければいけないのに、満理子が身を寄せるたびに身を捩らせずにいられない。
 背中に押し当てられる柔らかい感触を意識させられるだけでなく、さらには柔らかい手つきによる刺激まで身に受けて、今にも上せそうな感覚へと苛まれてしまうのだ。

「ごめんなさい。さすがに聡留くんも恥ずかしくてたまらないのよね? 後で私の秘密も教えてあげるから、もうちょっとだけオチンチンをなでさせてもらいたいの。いいかしら?」

 恥じらう聡留へと、満理子はさらに言葉を続ける。
 ずっと隠していた秘密を明かすのと引き替えに、堅く張りつめた部分を少しだけ触らせて欲しいと頼み込む。
 はしたない粗相を引き起こした以上、すでに後戻りなど出来そうになかったので、ありのままの自分自身を聡留へお披露目してしまうつもりでいたのだ。
 返事を待っている間も、手の平の中で何度も脈打っている様子に興味をそそられずにいられない。

「お、お母……さん。今度は何をするつもりなの……きゃんっ!?」
ギチギチギチッ、ニュルンッ。

 思い掛けない満理子の訴えに、聡留は思わず意識を吸い寄せられてしまう。
 まだ正体こそ掴めないものの、何かを熱心に追い求めている満理子の気配をありありと思い知らされていたのだ。
 恐る恐る返事を返す間も、つい声を震わせずにいられない。
 満理子の指先が先端や胴体にしつこく絡みつくたびに、言い表しようのない感覚が続々と押し寄せてたまらないのだ……

      *      *      *      *      *      *

「いらっしゃい、聡留くん。これが私の恥ずかしい秘密なの。ちゃんと、見てもらえるかしら……?」
モジモジモジッ。

 一緒にお風呂から上がった後、満理子は聡留を寝室へと招き入れる。
 オシッコで濡れ尽くした衣類やシーツを洗濯し終えていたので、約束どおりに自らの秘密を明かすつもりでいたのだ。
 タンスから取り出した代物を差し出す間も、つい手元を震わせずにいられない。
 もしかしたら二度と母親らしく振る舞えなくなるかもしれないほど、とんでもない本性を抱え込んでいたのだ。

「それって、犬の首輪だよね……あれ、この首輪。どうして『MARIKO』って名前が入ってるんだろ?」

 不意に満理子から見せつけられた首輪を、聡留はすぐに覗き込む。
 首輪をじっくりと観察するうちに、おかしな事実に気づき出す……大型犬用の首輪に、何故かローマ字で満理子の名前が刻まれていたのだ。
 名前入りのどんな意味合いが込められているのか、つい満理子に尋ねずにいられない。
 すべての事情が掴めずにいる間も、身を縮めたまま頬を赤くしている満理子の表情からただならぬ気配が漂ってくるのだ。

「聡留くん、この首輪は私専用のとっても大切な首輪なの。あの人に……聡留くんのパパにペットとして飼われている証拠なのよ?」

 聡留の質問を受けて、満理子は恐る恐る返事を返す。
 物珍しそうに首輪を見つめている聡留へと向けて、とんでもない事実を告白するつもりでいたのだ……自分専用に用意された首輪を巻いたまま、父親からペットとしての調教を受けていたと、ついに聡留を相手に打ち明けてしまった。
 やっとの思いで伝え終わった後、つい俯かずにいられない。
 あまりに非常識な振る舞いをどう聡留に思われてしまうのか、あまりに不安でたまらないのだ。

「ぺ、ペットって……もしかしてお母さんのこと!? まさかお父さんが、そんなヒドいことをお母さんに押しつけちゃってたなんて……!」

 思い掛けない満理子の告白に、聡留は思わず耳を疑ってしまう。
 満理子が口々に語る行為など、あまりに常識とかけ離れていたのだ……お家では母親として務めているはずの満理子が、まさか父親のペットに成り下がってしまうなど、どんなに考えても結びつきそうになかった。
 恐る恐る質問を続ける間も、つい戸惑わずにいられない。
 他人をペットのように扱うような惨い行為を、本当に父親が満理子を相手に仕向けてしまったのか、たとえ本人の口から明かされた後もなかなか気持ちが受け入れられそうになかったのだ。

「さすがに聡留くんも驚いて当然よね。お母さんの役目を勤めなければいけないのに、ペットとしてご主人様に可愛がってもらう遊びが少しも止められないなんて。いやらしい女でごめんなさい……でも、あの人もなかなか戻ってきてくれないし、いつまでも隠しておけそうになかったから、ありのままの自分を聡留くんに見てもらいたかったの。もし良かったら、その首輪を首に巻いてもらえるかしら……?」
フルフルフルッ……

 驚いている聡留を相手に、満理子はさらに言葉を続ける。
 たとえ聡留が受け入れられなくても、父親にペットとして躾けられていたのは紛れもない事実だったのだ。
 どうやら実感が持てずにいるようだと気づいて、とんでもない行為を頼み込む。
 ペットに成り果てている姿を見せたいので、両手に乗せている首輪を嵌めて欲しいと訴えていたのだ。

「お、お母さん。本当にしちゃってもいいんだよね……これでいい?」
カチャカチャッ、グイッ。

 満理子に誘われるまま、聡留はおかしな行動を取ってしまう。
 差し出された首輪を掴んで、そのまま満理子の首に巻きつけていたのだ。
 革製の帯を押しつけて金具を嵌める間も、つい手元をこわばらせずにいられない。
 これから父親と同じように、満理子をペットとして扱ってしまおうとする事実を、首輪の頑丈さからありありと痛感させられていたのだ。

「ありがとう、聡留くん……いいえ、ご主人様。これからあの人と同じように、ご主人様にたっぷり可愛がってもらいたいの……あふうぅんっ」

 聡留の手が離れた後、満理子はそっとお礼を告げる。
 自分が頼んだとおりに首輪を巻いてもらえたので、これから聡留を『ご主人様』として慕うつもりでいたのだ。
 さりげなく返事を窺う間も、つい吐息を洩らさずにいられない。
 一ヶ月ぶりに感じた、窮屈に首筋へと食い込む代物の感触に胸を躍らせていたのだ。

「やだ、お母さんってば。もしかしてボクとも『ペットごっこ』をしたくなっちゃったの……?」

 思いも寄らない満理子の素振りに、聡留はすっかり戸惑ってしまう。
 首輪を巻いた途端、まるでペットが主人に甘えるように自分を慕ってくるのだ。
 潤んだ瞳を向けたまま、何かを追い縋ってくる満理子の姿など、あまりに意外でたまらなかった。
 未だに実感が湧かない中、普段では決して見せない満理子の表情を見つめるうちに、思わず息を飲んでしまう。

「え、えぇ。私も本当は寂しかったの。いくらお仕事だからって、ペットを一ヶ月も放っておいちゃうんだもの。もう我慢できそうになくって……だから、これから聡留くんにもご主人様になってもらいたいの。試しに私のことを『満理子』って呼んでもらえるかしら……?」

 うろたえている聡留に、満理子はとんでもない頼みごとを始める。
 せっかく首輪も嵌めてもらったので、久しぶりに散歩へ連れて行って欲しいと訴えていたのだ。
 少しでも聡留との主従関係を結びたいあまりに、おかしな発言まで口にしてしまう……首輪を巻いている間は自分を呼び捨てにして欲しいと、さりげなく聡留に教え込む。

「分かったよ、お母さん……うぅん、満理子。これからお散歩に連れて行ってあげるからね?」

 満理子の助言どおりに、聡留は主人らしく振る舞っていた。
 呼び捨てで真理子の名前を呼びつけたまま、一緒に散歩へ向かおうと誘い出す。
 手首をしっかりと掴んだまま玄関まで引き連れる間も、つい胸を弾ませずにいられない。
 母親にもかかわらずペットとして追い縋ってくる満理子を相手にどんな散歩が出来るのか、すっかり興味をそそられていたのだ……

      *      *      *      *      *      *

「あ、あうぅっ……」
フラフラフラッ……

 聡留とともに散歩を続けるうちに、満理子はたどたどしい足取りを取ってしまう。
 手を引っ張られるままお家を飛び出した後、はしたない格好のまま近所を歩き回っている事実を今になって思い知らされていたのだ。
 何度も周囲を振り返りながら、つい身を縮めずにいられない。
 家からだいぶ離れてしまった後、装着した首輪をいつ誰かに見られてしまうかも分からないのだ。

「ま、満理子ってば。ホントにそんな格好のまま歩いちゃっても平気なの……?」

 恥じらう満理子の様子に気づいて、聡留はそっと質問を投げ掛ける。
 その場に脚を止めた後、本当にこのまま散歩を続けても大丈夫かと尋ね出す。
 まるでペットのように首輪などを嵌めたまま、屋外を歩き回っているのが不安でたまらないようなのだ。

「そ、そんなに気にしないで。私のわがままを、ご主人様に叶えてもらってるだけなんだから……きゃんっ!?」
チリンチリーン。

 聡留の質問を受けて、満理子は恐る恐る返事を返す。
 自分から言い出したことなのであまり心配しないで欲しいと訴えた矢先、あっけなく声を震わせてしまう。
 いきなり傍から物音が聞こえてきて、つい背筋を震わせずにいられなかった。
 不意に傍を通り過ぎてきた自転車の行方を見つめる間も、はしたない格好を見られなかったかが心配でたまらないのだ。

「大丈夫、お母さん……さっきの人、もう向こうに行っちゃったからもう平気みたいだよ?」

 背筋を張りつめている満理子を、聡留はそっと慰める。
 誰かが通り掛かっただけで悲鳴を上げずにいられないほど、どうやら満理子も恥ずかしがっていると今になって気づかされていたのだ。
 少しでも気持ちをなだめようと言葉を交わす間も、つい思い悩まずにいられない。
 もし無理に散歩を続けてしまえば、何かの拍子に満理子の立場が貶められてしまう可能性も考えられるのだ。

「ごめんなさい。聡留くんもいきなりご主人様なんて任されて大変かもしれないけど……これから色んなことを教えてあげるから、私をペットとして可愛がってもらいたいの……うぐぅっ!?」
ヒクヒクヒクッ。

 聡留に返事を返そうとした矢先、満理子はおかしな素振りを引き起こす。
 その場に立ち止まったまま、ひとりでに下半身を捩らせてしまったのだ。 
互いに取り交わしている主従関係をもっと聡留に教え込むつもりでいたのに、つい言葉を詰まられずにいられない。
 まだ散歩を続けなければいけないのに、とんでもない窮地に立たされてしまったのだ。

「お、お母……じゃなかった。満理子、今度は一体どうしたの?」

 満理子のおかしな様子に気づいて、聡留はすぐに言葉を投げ掛ける。
 全身を小刻みに震わせている様子から、どうやら体調を崩してしまったらしいのだ。
 恐る恐る満理子の様子を窺う間も、ついうろたえずにいられない。
 どんな状態に陥ってしまったのかも分からない中、満理子を気遣う術を少しも思いつきそうになかったのだ。

「ごめんなさい、ご主人様。まだ散歩の途中なのに、わがままばかり言っちゃって……でも、もうお腹がおかしくなっちゃって。もしかしたら、お家まで持たないかもしれないの……あうぅっ!?」
ブルブルブルッ……

 身悶えを繰り返しながら、満理子はとんでもない告白を始める。
 散歩の途中に便意を催してしまったと、恥ずかしくも聡留に訴えてしまったのだ……申し訳ない気持ちに苛まれる間も、つい下半身をくねらせずにいられない。
 腸内が揺さぶられるたびに、ますます落ち着きを失ってしまう。
 下腹部から続々と押し寄せる欲求をいつまで持ち堪えられるのか、考えるだけで不安でたまらないのだ。

「もしかして、お尻の方なの? もし散歩中に漏らしちゃったら大変だから……ねぇ、満理子。ここでウンチしちゃってみてよ?」

 思いも寄らない満理子の事情に気づいて、聡留はとんでもない言葉を口走る。
 どうやらお家にも引き返せそうにないので、この場で排便するよう言い寄っていたのだ。
 苦しげな満理子の表情を窺ううちに、気づいたら身を乗り出してしまう。
 満理子の体調が心配でたまらない一方、先ほど教えられた主人の心得どおりに、可愛いペットを自分なりに躾けるつもりでいたのだ。

(どうしよう……何でボク、叔母さんにおかしなことなんて頼んじゃってるんだろう? 首輪を見られるだけでも恥ずかしそうにしていたのに、こんな場所でウンチなんて、さすがに出来っこないよね……?)

 満理子に命令を下した後も、聡留は思わず頭を捻ってしまう。
 首輪を巻いた姿すら恥ずかしがっていた満理子が、本当に外で排便など出来るのか気になってたまらなかった。
 いくら頼まれるまま『主人』になったとしても、本当に満理子が言うことを聞いてくれるのか分からないのだ。
 固唾を飲んで満理子の様子を見守る間も、期待と不安が次々と入り交じってくる……

「か、かしこまりました。ご主人様ぁ。すぐ、準備いたしますね……んんっ!」
シュルシュルシュルッ、グイッ。

 聡留へと返事を返しながら、満理子はとんでもない行為を繰り広げてしまう。
 これから聡留に命じられるまま、道端での排便をやり遂げるつもりでいたのだ。
 恐る恐る周囲を振り返った後、スカートを腰まで引き上げて、ショーツを引きずり下ろしてしまう。
 丸出しにした下半身を少しずつ下ろす間も、つい背筋をこわばらせずにいられない。

「やだ、満理子ってば。丸見えのお尻、もし誰か来たら大変だって言うのに……!?」

 あまりに大胆な満理子の姿に、聡留は度肝を抜かれていた。
 自分が言いつけたとおりに、まさか満理子が道端で用を足してしまうなど思いもしなかった……下半身をさらけ出した後、その場にしゃがみ込んだままお尻を突き出す様子など、あまりに目を疑わずにいられない。
 恐る恐る満理子を気遣う間も、周囲の様子が気になってたまらなかった。
 もし先ほどのように誰かが来てしまえば、露わになっている満理子の下半身を相手に見られてしまうはずなのだ。

「こ、こんなはしたない真似なんてしちゃってごめんなさい。でも私、ご主人様の言いつけならどんなことでも出来ちゃうの……ふぐっ、おうぅんっ!?」
ニチニチニチッ……ミリリッ、ムリュムリュグチュッ!

 聡留にそっと返事を返しながら、満理子はとんでもない行為へと及んでしまう。
 腸内を駆け巡っていた便意に任せて、ついに道端での排便を繰り広げてしまった……ひとりでに尻穴が押し広げられるまま、出口の近くまで押し寄せていた排泄物を続々とひり出していたのだ。
 生暖かい代物を肛門から押し出す間も粘膜が刺激されるたびに悲鳴を洩らしながら、ついには派手な炸裂音まで立ててしまう。
 後ろにいる聡留にみっともない醜態を晒すだけでなく、耳障りな物音まで立ててしまったのを悔やまずにいられない。

モリュモリュモリュッ、ボトボトボトッ。
「うわぁ……お尻からどんどんウンチが出てきちゃってる。その調子だよ、満理子。お腹に溜まってたウンチ、全部出しちゃおうね?」

 満理子がひたむきに排便する様子を、聡留はじっくりと覗き込んでいた。
 柘榴のような色合いの器官がまるで磯巾着のように蠢きながら、内側から茶褐色の固形便を押し出す様子など、つい視線を吸い寄せられずにいられない……顔全体を赤くしている満理子の表情に注目していると、鼻を曲げるような異臭まで鼻に入り込んでくる。
 お尻の真下に垂れ落ちた排泄物の臭いだと意識するうちに、段々とおかしな感情へと駆られてしまう。
 ついには道端で脱糞まで繰り広げてしまうほど異常な満理子の本性に、すっかり気持ちが惹かれていたのだ。

「は、はいぃっ……うぐぅっ! お腹からどんどん下りてきちゃって、お尻が勝手に開いちゃうぅ、はうぅんっ……!?」
ミチミチビチィッ! ムリュムリュブリュリュッ!

 はしたない告白を続けながら、満理子は夢中になって排便を繰り返してしまう。
 何度も息み続ける間も、聡留から向けられる熱い視線を意識せずにいられなかった。
 下腹部の欲求に苛まれるまま体内から押し出された排泄物を、後ろにいる聡留にどう見られているのか、考えるだけで気持ちを揺さぶられずにいられない。
 母親として考えられない醜態だと自覚させられる反面、ずっと隠し通していた自らの本性を、ついに聡留の前で明かせたのが嬉しくてたまらなかったのだ……

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あうぅんっ!?」
ヒクヒクヒクッ。

 幾度も排泄物をひり出すうちに、満理子はやっとの思いで便意を静めていた。
 思わず息を切らしている間も、つい両膝を震わせずにいられない。
 突き出したお尻の先にどんな代物が横たわっているのか、立ち昇る湯気からありありと思い知らされる。
 やっと腸内が落ち着いた後も、逸る気持ちを当分は抑えられそうにないのだ。

ムワッ……
(もし誰かに見つかったら大変なのに、こんなに沢山ウンチを出しちゃうなんて……叔母さんってば、案外大胆なのかもしれないな?)

 満理子の足下に転がっている排泄物の形状に、聡留は思わず視線を奪われる。
 お尻の穴が目一杯までこじ開けられるまま、太い形状の固形便が次々と垂れ落ちてきて、地面に辿り着くたびに折れ曲がるうちに、満理子が腰を下ろしている場所へものの見事に積み上がっていたのだ。
 汚らしい代物だと分かっているのに、つい身を乗り出さずにいられない……自分が命じるまま、満理子の体内から産み落とされた代物だと意識するうちに、一種の愛おしさすら感じさせられる。
 赤くなった顔を俯いたまま、こびりついた汚れごとお尻を突き出している満理子の姿にすっかり夢中にさせられていたのだ……

「満理子、こんな所に出しっ放しじゃ誰かに見られちゃうよ? 丁度良くビニール袋があったから、ちゃんとウンチを持って帰ろうね?」
ガサガサガサッ。

 おかしな感情に駆られるまま、聡留はとんでもない命令を口走る。
 道端へ置き去りにするのも迷惑なはずなので、すぐに糞の後始末をするよう満理子に言い放つ。
 ただでさえ恥ずかしがっている満理子を、自分なりの方法で辱めるつもりでいたのだ。

「かしこまりました、ご主人様……んんっ!」
グニュッ、ネチョネチョネチョッ。

 聡留に命じられるまま、満理子は糞の後始末へと取り掛かる。
 周囲を振り返ると、たまたま落ちていたビニールを見かけたので、出したての排泄物を恐る恐る掴んだまま放り込んでいたのだ。
 ビニール越しに固形便を握り締める間も、つい手元を震わせずにいられない……堅い表面から生暖かさが伝わってきて、顔を背けたくなる異臭が今にも手元に染み着いてしまいそうだった。
 何とか排泄物を片づけた後、そっと腰を持ち上げる間も汚れ切ったお尻の状態を意識せずにいられない。

「ごめんなさい。ご主人様。初めての散歩なのに、こんな見苦しい姿なんて見せてしまって……」
フリフリフリッ、ムワッ……

 聡留とともに家路へと戻る間も、満理子はますます落ち着きを失ってしまう。
 首に巻きつけた首輪とも比べものにならない代物を両手に携えたまま、残りの道のりを歩き続けなければいけなかったのだ。
 ひり出したばかりの排泄物が入ったビニール袋が揺れ動くたびに、顔を背けたくなる異臭が漂ってきてたまらない。
 思っていた以上に量が多かった汚物の重みによって、どれだけ自分がはしたない存在なのかを嫌と言うほど痛感させられていたのだ。

(今の叔母さん、とっても素敵だよ。ボクがちょっと言っただけなのに、こんなに沢山ウンチを出してくれるんだもん……お父さんが戻ってくるまで、満理子をたっぷりと可愛がってあげなくっちゃ?)

 たどたどしい足取りで歩き続ける満理子の様子を、聡留はじっくりと観察していた。
 自分が命令を下すまま、みっともない真似を繰り広げてしまう満理子の姿など、思い返すだけで興奮せずにいられない。
 何度も腰をくねらせながら、茶褐色の汚物を透明なビニール袋越しに見せつける様子など、まさにペットそのものだった。
 普段から母親として振る舞いながら、自分のことを主人とまで呼びながら追い縋ってくる満理子をどう弄んでしまおうかと考えるうちに、今まで感じたこともなかった優越感が沸々と湧き上がってくるのだ……

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