フタナリ女教師は、女生徒達に逆らうことができない。 体験版

第1話

「ふぅっ……」
コツッ、コツッ、コツッ……

 名門の女学園の教師として勤めている常磐ときわ 露夏つゆかは、物静かな校舎内を行く宛もなく歩き回る。
 放課後になったので、普段の日課にしている校舎内の見回りをしていたのだ。
 どんなに歩いても生徒達の姿どころか人の気配が見当たらないので、靴の音だけが延々と周囲に響き渡ってくる。

(それにしても本当に広い校舎ね、前の学校と全然比べものにならないくらい……もしかしたら迷子になっちゃうかもしれないけど、今のうちに場所を覚えておかなくっちゃ?)

 誰もいない校舎内を窺っている間も、露夏はなかなか緊張を解せそうになかった。
 この女学園に赴任したばかりなせいか、学園の雰囲気になかなか馴染めずにいたのだ……抱えている緊張を取り繕いたいばかりに、生徒達と触れ合う間も何かと口うるさくなってしまうのをつい反省せずにいられない。
 普段の業務をこなす間も、たとえ新米でも生徒達に甘く見られないよう毅然と努めるだけで内心は精一杯だったのだ……

「ねぇ。そろそろ良いでしょ? 今なら私達だけだし、いつもみたいに見せてみてよ?」
「もう、そんなに急かさないでよ。すぐ見せてあげるから、ちょっと待ってってば……」
「練習の終わりにずっと楽しみにしてたんだから、すぐ着替えちゃいなよ……?」

 延々と見回りを続けていた矢先、露夏はある教室の前で脚を止める。
 どうやら教室の中に生徒達が居残っているようで、何かを話し合っているようだった。
 彼女達の口振りに耳を傾けていると、どうやら部活帰りに教室でお喋りを楽しんでいるらしい。

(あれ、もう放課後なのに……もしかして、誰か残ってるのかな?)

 生徒達の会話に聞き入ったまま、露夏は思わず頭を捻ってしまう。
 あと少しで下校時間が迫っているはずなのに、どうして彼女達が教室に居残っているのかと気にせずにいられない。
 どんな用事で教室にいるのかを確かめようと、こっそりと彼女達の方へと視線を向ける。

プルンッ。
「そんなに待ち切れないなら、たっぷりサービスしてあげなくっちゃ……ほら、これでどう?」
「うわぁ……本当に大きなおっぱいしてるよね。見てるだけでうらやましくなっちゃう」
「いいなぁ。私なんて毎日マッサージだってしてるはずなのに、少しも大きくならなくって悩んでるんだよ……?」

 教室の中を覗き込んだ途端、露夏は思い掛けない代物を目の当たりにさせられる。
 部活帰りの生徒達が体操着を次々と肌蹴て、教室の中で平然と乳房をさらけ出していたのだ。
 上半身を丸出しにしたままタオルで汗を拭ったり、さらには互いに胸の大きさを自慢し合っているうちに全然お喋りが止められない。
 豊満な乳房が揺れ動く様子など、同性から見てもうらやましくてたまらなかった。

ガラガラガラッ。
「あ、あなた達っ! どうして教室なんかで、そんなはしたない格好なんかに……うぅっ!?」

 生徒達を注意しようと、露夏はすぐに教室へと脚を踏み入れる。
 寄りにも寄って教室の中で裸体をさらけ出してしまう、だらしない振る舞いを何としても注意するつもりでいたのだ。 
 彼女達のへと注意をぶつけていたはずなのに、つい言葉を詰まらせずにいられない。
 次の台詞をなかなか口にできないほど、おかしな現象を引き起こしてしまったのだ……

ムクムクムクッ、ギシギシギシギッ……
(どうしよう、この子達にちゃんと注意しないといけないのに……どうして勝手にお股が大きくなっちゃうのよ!?)

 ひとりでに盛り上がってくる下半身に、露夏はすっかり困り果ててしまう。
 生徒達の裸体が視界に飛び込んできた途端、気づいたら勃起を引き起こしてしまったのだ……突然引き起こされたはしたない現象に、ついうろたえずにいられない。
 穿いている下着から先端が飛び出しそうなほど、はしたない部分が堅さを増しながら段々と膨張してくる。
 はしたない部分を取り繕おうととっさに身を捩らせた後も、目の前にいる彼女達にどう言葉を切り出せば良いのか、なかなか思いつきそうにないのだ……

「きゃんっ! 先生じゃないですか。いきなり驚かさないでくださいよぉ……」
「まさか寄りにも寄って、常盤先生に見つかっちゃうなんて……もしかしたら起こられちゃうかな?」
「あの、常盤先生……一体どうしちゃったんですか……?」

 唐突に教室へ入ってきた露夏へと、生徒達は次々と悲鳴をぶつけてしまう。
 狭い更衣室の代わりに教室で着替えていた矢先、まさか誰かに見つかってしまうなど思いもしなかったのだ。
 とっさに胸元を隠した後も、どんな注意を露夏から浴びせられるのかと気にせずにいられない。
 恐る恐る様子を窺う間も、何故か露夏が押し黙っている様子に気づいて、思わず頭を捻ってしまう。

「べ、別に何でもないわ……それよりも教室の中なのに、そんなはしたない格好なんて誰かに見られたらどうするつもりなの? すぐに制服へ着替えなさい……んんっ!」
モジモジモジッ……

 生徒達の反応を気にしながら、露夏はそそくさと注意をぶつける。
 はしたない格好をもし誰かに見られても大変なので、すぐ制服を着るよう言い放つ。
 彼女達の様子を窺う間も、つい身を縮めずにいられない……おかしな状態へと陥っている下半身の格好など、もし何かの拍子に気づかれてしまえばどんな顔を向けられるかも分からなかったのだ。

ミシミシミシッ、プルンッ。
(どうしよう、お股が全然収まってくれないみたい。このままじゃはしたない身体の秘密、この子達に知られちゃうかもしれないのに……!)

 やっとの思いで生徒達への注意を言い切った後も、露夏はなかなか緊張を解せそうになかった。
 彼女達が着替えている様子を傍で見届ける間も、なかなか勃起が収まりそうになかったのだ……色とりどりのブラを乳房へと被せて、制服へと着替える仕草につい注目せずにいられない。
 スカートの内側でひとりでに起き上がってくる逸物を必死の思いで取り繕っている間も、あまりに気まずくてたまらなかった。
 ほんの少し裸体を見せつけられただけで、教師としてあるまじき感情が沸々と湧き上がってしまうのだ……

「はーい、分かりましたー」
「もっとおっぱいの形とか観察したかったのに……まさか先生に邪魔されちゃうなんて思わなかったね?」
「それじゃ明日は場所を変えてみようよ。更衣室なら先生にだって叱られなくて済むはずだし……」
スルスルスルッ……

 そそくさと露夏に返事を返しながら、生徒達は仕方なく制服へと着替える。
 まだ全身の汗も拭い切れてないのに、とんだ邪魔が入るなど思いもしなかった。
 普段も何かと学園の規律を乱さないよう注意してくる、口うるさい露夏のお咎めなど受けたくなかったので、すぐにこの場から立ち去るつもりでいたのだ。

「だらしない格好なんて、あまり人前で見せびらかしちゃ駄目よ。身たしなみを整えるのも学園の生徒として大事な心得なんだから……」

 廊下へと飛び出す生徒達の背中へと、露夏はさりげなく注意を浴びせる。
 どうやら身支度を済ませたみたいなので、下校する彼女達の様子を見届けるつもりでいたのだ。
 毅然とした態度を取っている間も、つい背筋を張り詰めずにいられない。

「ふぅっ……あうぅっ!?」
ヒクヒクヒクッ……

 生徒達が立ち去った後も、露夏はその場へと立ち尽くしてしまう。
 最後の一人が廊下へ向かっているも、下半身の状態が気になるあまり、なかなか教室から出られそうになかったのだ。
 一人っきりになった教室の中で、恐る恐る下半身の様子を探っていた矢先、つい悲鳴を洩らさずにいられない。
 決して彼女達には見せられないような、とんでもない格好がスカート越しに出来上がってしまったのだ。

ムクッ……
(どうしよう……まだお股が収まらないなんて。もしこんな格好なんて誰かに見られちゃったら、絶対に大騒ぎになっちゃうはずなのに!)

 スカートの表面からしっかりと盛り上がっている、逸物の形状に露夏は思わず言葉を失ってしまう。
 何とか平静を保っていたつもりなのに、いやらしい感情が胸の奥底を駆け巡ってきて、少しも自分の意志で抑え切れそうになかったのだ。
 もしこのまま廊下になど出てしまえば、不自然な下半身の膨らみを誰かに気づかれてしまうかも分からなかった。
 耐え難い気まずさに苛まれるあまり、なかなか教室から出る踏ん切りがつけられそうにないのだ……

スンスンッ……モワッ。
(もしかして、あの子達の汗の匂いなのかな? そう言えば部活から戻ってきたばかりだったはずなのよね……)

 下半身の状態に思い悩んでいた矢先、露夏の鼻に何かが舞い込んできた。
 汗と制汗剤が入り混じった、甘酸っぱい独特の香りを嗅いでいるうちに、おかしな興奮がますます昂ぶってきてたまらない。
 いつまでも教室に居残っているわけにもいかないので、どうすればはしたない部分を収められるかを考えなければいけないはずなのに、生徒達のいた残り香にあっけなく気持ちを揺り動かされてしまうのだ。

「も、もう我慢できそうにないかも……えいっ!」
スルスルスルッ……プルンッ!

 夢中になって汗の匂いを嗅いでいるうちに、露夏はとんでもない行動を引き起こす。
 おかしな感情を掻き立てられるのに任せてスカートの裾を腰まで持ち上げて、さらには下着まで脱ぎ去っていたのだ。
 薄い生地を引きずり下ろした途端、堅く張り詰めた逸物がいきなり飛び出してくる。
 窮屈な下着の内側に収められていた部分が下半身の辺りで揺れ動く様子に、つい気を取られずにいられない。

ギシギシギシッ、ヒクヒクヒクンッ。
(やだ、こんなに大きくなっちゃってる。こんな状態じゃ下着なんて穿けるわけないし……はしたない部分、すぐ元に戻さなくっちゃ!)

 さらけ出した逸物の形状に、露夏はすっかり圧倒させられる。
 片手で根本を握り締められるほど胴体部分が堅く張り詰めている上、先端部分が今にもはち切れそうなほど膨らみ切っていたのだ。
 女性にも関わらず男性と同じような逸物をぶら下げている事実を通して、自分が特殊な性別――『両性具有』である事実をありありと思い知らされる……普通の女性なら決して持ち得ない器官の存在に、つい圧倒せずにいられない。
 未だに気が引けずにいられない中、太股まで下ろしている下着になど収まりそうにないほど膨張してしまった部分を、一刻も早く元の大きさに戻さなければいけなかったのだ……

「んんっ……!」
ギュムッ……シュコッ、シュコッ、シュコッ。

 誰もいない教室の中で、露夏は息を切らしながら少しずつ逸物をしごき出す。
 おかしな興奮を静めようと、これから自慰行為を続けるつもりでいたのだ……教師として決して許されない行為だと知りながら、胸の奥底を駆け巡る本能にどうしても逆らえそうになかったのだ。
 堅い逸物をしっかりと握り締めたまま、上下に手元を動かすたびにたまらない快感が叩き込まれる。
 心地良い刺激が下半身を走り抜けるたびに、はしたない部分が手の平の内側でひとりでに脈打ってくるのだ。

(そう言えば、一瞬だけあの子の胸を見ちゃったけど……あんなに大きかったなんて本当に思わなかったな。もし触ったら、どれだけ柔らかいんだろう……!)

 片手で逸物を弄り回しながら、露夏は段々と妄想の世界へのめり込む。
 先ほど目にしたばかりの、生徒達が見せつけていた乳房の形状を振り返るたびに、おかしな欲求が自然と掻き立てられる。
 もし教師と言う立場を忘れて、間近で彼女達の胸元を拝んだり、さらには双つの膨らみに手を触れてみたり、肌の表面から発せられる汗の匂いを嗅いでみたり……決して許されない行為の数々を思い浮かべるだけで、つい気持ちが昂ぶらずにいられない。
 普段から接している相手にここまで興奮を募らせてしまうなど、さすがに思いもしなかったのだ……

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あ、あふぅんっ!」
クリュクリュクリュッ、ギシギシギシッ!

 延々と自慰行為を繰り広げているうちに、露夏はついに喘いでしまう。
 敏感な部分をしごくたびに、さらに胴体部分が張り詰めてくるのだ。
 ついには腰を何度もくねらせながら、呼吸まで乱してしまう。
 おかしな妄想へと耽っているうちに、股間を慰める行為にますます没頭させられる。

ムワッ……
(元々はあの子達がいけないんだから。私がいる前なのに、あんなにはしたない格好まで見せちゃって……それに汗の匂いもすっごくたまらない!)

 無我夢中で逸物をしごきながら、露夏は周囲の空気を思いっ切り吸い込んでいた。
 教室じゅうに漂ってくる、生徒達から発せられた汗の匂いを嗅ぐたびに、さらに全身が火照ってくる。
 握り締めている部分がひとりでに脈打ってくるほどおかしな欲求が続々と湧き上がってきて、はしたない行為を少しも止められそうになかった。
 あと少しで限界を迎えてしまうのを分かっているのに、いやらしい感情に支配されるまま、さらに手元の動きを激しくさせてしまうのだ……

「も、もう我慢できそうにないかも……は、はぐうぅんっ!?」
ゾクゾクゾクッ、ビクビクビュクンッ!

 興奮の赴くまま自慰行為を続けた挙げ句、露夏は教室の中でとんでもない行為を引き起こしてしまう。
 激しい衝動に任せて喘ぎながら、一気に背筋を跳ね上がらせていたのだ。
 ずっと弄っていた逸物が手の平の中で暴れ回って、少しも押さえられそうになかった。
 全身をくねらせずにいられないほど、たまらない刺激が駆け抜けてくるのだ。

ブビュルビュルッ、ビチャビチャビチャッ!
(いつ誰かに見られちゃうかも分からないはずなのに……精液がどんどん出てきちゃって、全然止められなくなっちゃうなんて!?)

 はしたない欲求に任せて、露夏は射精を引き起こしてしまった。
 ずっとしごき続けていた逸物全体がひとりでに震え出すと同時に、先端から白く濁った液体が続々と飛び出してくる。
 夢中になって精液を噴き出すうちに、教室の床や机にも飛び散ってくる様子につい焦らずにいられない。
 おかしな代物で教室を汚してしまった事実に戸惑っている間も、普段では考えられない勢いで精液が溢れ出してきて、先端を差し向けた先へ次々と絡みついてくるのだ……

「ふぐっ、ふぐっ、ふぐぅっ……!」
シュコッ、シュコッ、シュコッ、ビチビチビチィッ!

 絶頂へ達した後も、露夏はなかなか逸物から手を離せそうになかった。
 ひとりでに揺れ動く部分をしごき続けるたびに、逸物へと響いてくる余韻に任せて先端から続々と精液が飛び出してくる。
 段々と興奮が静まってくる間も、過敏になった部分への刺激につい喘がずにいられない。
 いやらしい感情を募らせた分、体内に分泌された精液を逸物から溢れさせるのを当分は止められそうにないのだ。

ブチャッ、ネチャネチャビチャンッ!
(やだ、こんなに沢山精液を出しちゃってたの? こんないやらしいものなんかで、こんなに教室を汚れちゃうなんて……!)

 息を切らしながら、露夏は恐る恐る周囲へと視線を向けていた。
 自慰行為へと夢中になるあまりに、ここまで沢山の量を吐き出してしまうなど思いもしなかった……床や机にも纏わりついている、白く濁った液体が垂れ落ちる様子につい圧倒せずにいられない。
 はしたない感情に任せて、おかしな代物によって教室を汚してしまった事実を悔やむ間も、垂れ下がった部分の先端から残りの精液が滲み出してくるのだ……

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あうぅっ」
クシュクシュクシュッ。

 大量の精液を教室じゅうに撒き散らすうちに、露夏はついに射精をやり遂げていた。
 ずっと胸の奥底を支配していた興奮が静まった後も、つい息を切らさずにいられない。
 ポケットからティッシュを取り出して、小さく縮み上がった逸物や指先に張りついていた精液を拭う間もひとりでに身を捩らせてしまう。
 すぐにでも落ち着きを取り戻さなければいけないのに、敏感な部分に何かが触れるだけで続々と刺激が走ってきてたまらないのだ。

ピクピクピクンッ。
(もしかしたら、お家で弄ってる時より気持ち良かったかも。学園の中で、こんないやらしいことしちゃってるなんて誰にも知られちゃいけないはずなのに……!)

 下半身へ響いてくる余韻に悶えながら、露夏はおかしな事実を痛感させられる。
 教室での自慰行為が、ここまで興奮を掻き立てられるなど今まで気づきもしなかったのだ……夜な夜な自宅で繰り返しているのとは比べものにならない快感に、つい胸を躍らせずにいられない。
 決して許されない行為だと分かっているはずなのに、全身を駆け巡っていた気持ちの昂ぶりにすっかり鷲掴みにされていたのだ……

シュルシュルッ。
「ふぅっ……」

 おかしな感情を振り切ろうと、露夏はそそくさと下半身を取り繕っていた。
 小さくなった部分をショーツの中に収めて、腰まで引き上げていたスカートを下ろした後、つい溜め息を洩らさずにいられない。
 何とか無事に興奮を静めた後、はしたない部分から飛び散らかしたものを片づけなければいけなかったのだ。

(やだ、こんなに床が汚れちゃってる。はしたないもの、さすがに出し過ぎちゃったかな……あの子達の裸をちょっと見ちゃっただけなのに、こんなにいやらしい気分にさせられちゃうなんて……!)

 はしたない部分をしっかり覆い隠した後も、露夏は周りの状況に思わずうろたえてしまう。
 教室の隅々に飛び散っている精液の様子など、目にするだけで気まずくてたまらない。
 床や机の脚などに絡みついている精液の量から、どれだけいやらしい感情に掻き立てられてしまったかをありありと意識させられる。
 自ら作り上げてしまった教室の状態に茫然とする中、ちゃんとすべてを片づけられるかと心配せずにいられない……

タッタッタッタッ……
(やだ、まだ床を拭かなきゃいけないはずなのに。もしかして、この教室に入ってくるつもりなの……!?)

 自慰行為の後始末を始めようとした矢先、露夏はあっけなく手元を止めてしまう。
 教室じゅうに撒き散らした精液をこれから片づけるつもりでいたのに、いきなり誰かの足音が耳の中に飛び込んできたのだ。
 段々と近づいてくる相手の気配に、ついうろたえずにいられない。

「んんっ……!」
フラフラフラッ……

 おかしな焦りに苛まれるまま、露夏はそそくさと教室から遠ざかる。
 もし誰かに自分の姿を見られてしまえば、教室でずっと繰り広げていた自慰行為を誰かに気づかれてしまうかもしれなかったのだ。
 教室から立ち去った後も耳を澄ませたまま、廊下を走り回っている足音の正体が気になってたまらない。

「もう、どうして携帯を忘れてきちゃうのよ。おかげでバスに乗り遅れちゃったじゃない?」
「ごめんごめん。後で何かおごってあげるから、お願いだからもうちょっとだけ付き合ってよぉ……」

 露夏が教室から抜け出して数秒も立たないうちに、生徒達が入れ替わりに教室へと入ってくる。
 彼女達が交わしている会話の内容から、どうやら教室に忘れ物を取りに来たらしい。

(もし、教室であんなことをしてたってあの子達に知られても大変だし、とりあえずここから逃げなくっちゃ!)
コツッ、コツッ、コツッ……

 生徒達の様子を物陰で窺いながら、露夏は恐る恐る廊下を歩き出す。
 まだ後始末を済ませてないのを気懸かりに思いながら、今さら教室になど引き返せそうになかったのだ。
 床や机にこびりついている精液を、教室に戻ってきた彼女達に見つからないか、とにかく不安でたまらない。

……ムワッ。
「うぅっ……!?」

 職員室へ引き返していた矢先、露夏はとんでもない事態に気づかされる。
 脚を持ち上げるたびに、鼻を突くような匂いが下半身から続々と溢れ出してくる……独特の異臭など、先ほど噴き出した精液以外に考えられそうになかった。
 とっさに顔を背けた後も、スカートの内側から漂ってくる精液の匂いについうろたえずにいられない。

(ちゃんと拭いたはずなのに、こんなに匂いが残っちゃってるなんて……もしかしたら教室に残した精液、もしあの子達に気づかれたらどう思われちゃうんだろう……!?)

 おぼつかない足取りのまま、露夏は無理にでも廊下を歩き続けるしかなかった。
 少しでも気分を切り替えるため、一刻も早く職員室に戻らなければいけないはずなのに、段々と足取りが重たくなってくる。
 いやらしい代物によって教室を汚してしまった事実や、胸元を肌蹴ていた生徒達を相手に募らせていた欲情、さらには床に撒き散らした精液も気懸かりでたまらなかった。
 たとえ『両性具有』だとしても、教師としてあるまじき行為を繰り広げてしまった事実など、どんなに忘れたくても当分は頭から拭えそうにないのだ……

フタナリ女教師は、
女生徒達に
逆らうことができない。
目次
フタナリ女教師は、
女生徒達に
逆らうことができない。
第2話