「なっ!? お前……俺の上で何をしてんだ!?」
リューヴは驚愕した。目覚めると、リューヴ自身の上に知らない女性が馬乗りになっていたからだ。
しかも、馬乗りになっているだけならまだしも、リューヴと結合しているとあっては、
リューヴは正気ではいられない。
「や、やめっ……ひぅっ、ぐ、ぁああっ!!」
せっかく、成績上位を維持する為に、オナ禁中だったのに、これでは水の泡である。
「ターニャ様、リューヴが目覚めたようです」
馬乗りになって、身体を揺すり上げている女性が言う。
「ターニャ? ターニャってまさか、この魔法学校で……ぁぁうっ……2番目の成績のターニャか!?」
「その通りよ。察しがいいじゃない、リューヴ」
冷ややかな笑いが、リューヴの鼓膜を揺らす。
視線を上げる。
この部屋は、この魔法学校の内部にある図書室じゃないか。リューヴは思った。
そうだ。確か、今日は下駄箱に手紙が入っていて、図書室に来るように、って書いてあったんだ。差出人不明だったのが、気がかりだったが……。
リューヴが上半身を起こそうとすると、リューヴの上に乗って腰を振っている女性に、肩を抑えつけられた。
「ターニャ様と顔を合わせようとするなんて、リューヴのようなお子ちゃまには、恐れ多いね」
がつがつと、リューヴの性器に腰を打ち据えて、恍惚に顔を緩ませている女性。
その女性に二本の黒い角が生えていることに、リューヴは気付いた。
「お前……人間じゃない、のか?」
「私は、セサ。ターニャ様に召喚魔法で呼び出されたサキュバスさ」
「……サキュ、バス」
その魔物の名前は、聞いたことがある。
寝ている男性に淫らな夢を見せ、関係を持つという淫魔の名前だ。
ある程度、魔法を唱える能力が持った者が、上級の召喚魔法を唱えなければ、出現しないだろう。
「何故、その淫魔を呼び出して、こんな真似をするんだ!?」
リューヴは、この部屋に居るであろうターニャに向かって叫んだ。
しかし、その問いに答えたのはセサの方だった。
「そんなこともわからないのかい? ターニャ様はね、あんたが妬ましかったんだよ!」
「妬ましい?」
「リューヴが童貞というだけで、この魔法学校1、魔力が強いっていう事実がターニャ様を悩ませたんだ」
リューヴの住む世界では、純潔であればあるほど、自身の魔力が強いとされている。
それとは逆に、積極的に性行為をして、射精をしてしまう回数が多いほど魔力は衰え、弱くなってしまう。
そんな世界で、リューヴは童貞を貫いていたのだ。
どんなに性欲が強くなった日があっても、オナニーをするのを我慢し、学業に重きを置いた。
その甲斐あってか、リューヴの通う魔法学校では、リューヴが主席となっていた。
しかし、そんな名誉ある時間も終わりに近付いている。
何故なら、リューヴは童貞を失ってしまったのだから。
それに、このままセサの逆レイプが続いたら、リューヴは否応無しに射精してしまうだろう。
「リューヴの童貞を奪ってやれば、ターニャ様がこの魔法学校で1位の座に就くことができるのさ。大人しくこのまま童貞を奪われるんだな」
セサの腰の動きが更に速くなる。
「んはぁっ、や、やめ、それ以上したら、イってしまうぅ!!」
「ふふふっ、射精感を抑える必要なんて無いんだよ?」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が、結合部から奏でられる。
何故だ?
リューヴは、込み上げてくる射精感を堪えて思った。
いくら上に乗っかられているとしても、相手は女性だ。
退けることぐらい簡単なはずである。
しかし、リューヴの考えに反して、リューヴの身体は動かなかった。
「ふふっ……気付いたかい??」
不意にセサが笑う。
「……俺に、何をした?」
「金縛りの魔法をかけたのさ」
金縛りの魔法……。道理で身動き一つ出来ないわけだ、とリューヴは悔しく思う。
「金縛りを解いてくれ」
「だーめ! 金縛りを解いたりしたら、召喚魔法を使うつもりでしょ?」
リューヴからは姿が見えないが、ターニャの声が聞こえる。
「う」
リューヴの浅はかな考えは、お見通しだったようである。
「さぁ、リューヴ。私の為にいっぱい射精してね。セサ、私は見物させてもらうわ」
「わかりました、ターニャ様」
言うのが早いか、行動に移すのが早いか、セサはラストスパートを掛けるかのようにリューヴの男根に腰を何度も沈めた。
くそっ、誰がイってやるか!
そうは思ってみても、リューヴの我慢はあっという間にやってくる。
「ぅあっ、あああぁぁ! イくイくイく!!」
リューヴの瞼の裏はチカチカと閃光が走って、脳天に響くような快感がリューヴの身体を支配する。
どぴゅどぴゅどぴゅっ。
最近、マスターベーションをしていなかったから、濃い精液が絞り出された。
「クスクス。リューヴ、童貞喪失おめでとう」
ターニャの笑い声が聞こえる。その声は、心底この状況を愉しんでいるかのようだ。
「ほらほらっ、休んでいる暇なんて、無いよ!」
リューヴがイったばかりの身体を休めようとしたら、セサの膣内がリューヴの未だ衰えない陰茎をきつく包んだ。
「んなっ!?」
「ふふっ、驚いたかい?」
「力が……抜ける……?」
「私はサキュバスだよ? 交わった箇所から相手のエネルギーを吸収することなんて、造作も無いことなのさ」
今まさにセサの膣がリューヴの精液を搾精しているのだと思うと、リューヴは底知れぬ恐怖を感じた。
「ターニャ! こんなこと、やめさせろっ!!」
「やめさせろ? ターニャ様に向かって、何て口の利き方なんだい!!」
「ぁうっ!」
セサの指先がリューヴの胸板にある突起を摘まむ。
「あら? リューヴ、乳首をつねったら私の中にあるおちんちんが跳ねたようだよ?」
「うぅっ」
リューヴは押し黙る。セサは満面の笑みを向けてくる。
マゾだということ。それは、リューヴが一生をかけて隠しておきたい秘密だった。
セサはそれをもう一度確かめるために、先程よりも強く乳首に爪を立てる。リューヴの秘密を、いとも簡単に暴こうとする。
「ぐっ、そんなことしても痛いだけだっ……!!」
リューヴは怒鳴った。
しかし、どんなに言葉で欺こうと思ってみても、身体は正直である。
セサの中のリューヴのペニスは、更に快感が欲しいようで、ズキンズキンと脈打っている。
リューヴが黙っていても、それはセサに伝わったらしい。セサがにんまりと口元に笑みを携えた。
「ターニャ様、リューヴは真性のマゾのようです」
「え~、そうなの?? い~こと聞いた!」
セサの報告に、ターニャは気を良くしたようである。鼻歌まで歌いはじめた。
「セサ、リューヴを休ませないで。立て続けにどんどん射精させちゃって!」
「わかりました、ターニャ様。……リューヴ、覚悟しな」
セサは、そこまで言うと、リューヴの両方の乳首に爪を立てながら、腰を上下させる。
「いひぃっ! ぐ、がっ……はぁ、んんん」
男が喘ぐなんて。こんな屈辱的なことは無い。
しかし、それとは同時に、もっとして欲しいと思っているリューヴがいた。
「リューヴ、本当にマゾなんだね。こんなに乳首を弄られて、私の中で勃起させるなんて」
セサの煽るような声が近くで響く。
それに便乗するかのように、ターニャが嗤いながら言った。
「ふーん。リューヴって本当にセサの言うようにマゾなんだ?」
「えぇ、リューヴのいちもつがカチコチに固くなっていきます」
「まさか学校の主席が、こんなにド変態だったなんて、思いもよらなかったわ」
「う、うるさい……! だったら、どうだっていうんだ!!」
感心しているターニャに向かって、リューヴは吠える。
「リューヴ! ターニャ様に何て口の利き方を……!」
「まぁまぁ、そんなことはどうでもいいわ。それよりも、リューヴ。ド変態だってことを否定しないのね」
「……くっ」
悔しいが、言い返せない。
ド変態だと言われたことで、リューヴの体はより一層疼いていた。
「ターニャ様、リューヴは言葉でいじめられるのも好きなようです」
セサはリューヴと体を繋いで、直接肌で感じ取ったのか、リューヴの変化に目ざとく気付いた。
「……へぇ、面白いじゃないの。リューヴったら、へ・ん・た・い、なのね」
ターニャが、わざとらしく、強調するように言う。
その度に、セサの膣内にあるリューヴの男根は、ぴくぴくと主張した。
先程イったばかりのリューヴの陰茎が更に刺激され、つらさと快感がない交ぜになる。
セサの躰から、汗が止め処もなく流れ、リューヴの汗と一緒になっていく。
「もぉ、だめだっ、あひぃっ、イくぅっ……!!」
リューヴの2発目が、セサの子宮口に直撃した。
「ふふっ、リューヴの元気な精液が、私のエネルギーとして浸み渡っていくわ」
セサが感嘆とした声を漏らす。
「はぁはぁっ……もう十分満足したろ? 解放してくれ!」
リューヴはあまりの快感に涙交じりに訴えるが、セサはリューヴの身体の上から退く気配など毛頭無いようだ。
「ターニャ様、リューヴの魔力も大分小さくなったようですが、まだまだ続けますよね?」
「えぇ! これからが本番なんだから♪」
二人は、顔を突き合わせると、にんまりと笑った。
イったばかりのリューヴの男根を、セサの膣内が尚も刺激する。
射精を促されて、あっという間に3発目も出してしまった。
「感じるわぁ~♪ 私の子宮口にどばどばと迸るリューヴの精液が」
これだけ射精すれば、精巣が空っぽになってしまうような気分になる。
だが、リューヴの男性器からの吐精は、際限が無い。
先っぽからは、次から次へと精液が出て行く。3発目は、断続的に長く放出された。
無限に続くかと思われる搾精行為に、リューヴは恐れおののく。
「リューヴったら、震えてるのかい? 可愛いね」
嬉々とした声を上げて、セサがリューヴの頬を撫でる。
「もうやめろ! こんなことをしても惨めになるだけだぞ!!」
「惨めになる? 一体誰がだい?? まさかターニャ様のことを言っているんじゃないだろうね?」
リューヴの訴えに、セサの表情がきつくなる。
「それに、口の利き方がなってないよ」
リューヴのくせに、と言いながらセサは、リューヴの陰茎を締め付ける女性器の力に強弱をつけた。
「くふぅっ……ぅあ、ぁ、あ、あっ、お願いだ、やめさせてくれぇ、ターニャッ……!!」
「ふふっ、それじゃあねぇ、このオムツを履いて赤ん坊の真似をするんなら、搾精を一時的にやめてあげてもいいよ?」
「なっ! 誰がそんな真似をするか!!」
リューヴは、頭に血が上ったように叫ぶ。
「ふ~ん、そんな口を利いていいと思ってるんだ?」
ターニャは、興醒めしたように呟いてから、セサに目配せした。
「ひぃぃぃぅぅっ……くっ、はぁぁぁ……!!」
セサが、奥まで入っていたリューヴの竿を、急に入り口付近まで抜いたかと思うと、また一気に最奥まで押し入れた。
あまりの快感にリューヴの口角からは、唾液が零れる。
その唾液をセサが舐めとりながら、腰をグラインドさせる。
「お、おっ、お願いだ! やめさせてくれっ、なんでも、するから!」
「お願いします、でしょ」
「お願い、します……」
「……で? 何をお願いするの?」
ターニャの冷淡な声が室内に響く。
「もう限界なんだ」
「じゃあ、どうすればいいか、分かるでしょ。さ、早くして」
素っ気ない態度のターニャ。セサは、ただニタニタと笑っている。
悔しい。あんなに能力のあったリューヴは、今や反抗することの出来ないマリオネットと化している。
リューヴは唇を噛んで言った。
「……ォ、オムツを……」
「なに? 聞こえなーい。もっと大きな声で言って頂戴」
「オムツを履かせてください!!」
「お願いします、も忘れないでね。リューヴ」
「お願いしますぅぅっ……オムツを履かせてくだしゃいぃいい!!」
「ターニャ様、聞いてください。いま、リューヴのおちんちんがガチガチに勃起してます! あ、またせーえきが出ちゃったみたいです」
「ふふっ、リューヴったら、本当にド変態なんだから」
クスクスと笑った後、ターニャはリューヴにオムツを履かせていく。
リューヴの上からセサが退いた代わりに、ターニャが抑えつける。
この時も金縛りは解いてもらえなかったから、為されるがままである。
動けない状態で、女性にオムツを履かせてもらうだなんて、本当に赤ん坊になったような気持ちになる。
リューヴは恥ずかしさと、そんな複雑な思いを抱きながら、オムツを履かされた。
「はい、リューヴ。履かせたよ。嬉しい?」
「嬉しいわけねー……」
そこまで言って、リューヴはハッとした。
また反抗的な態度を取ったら、ターニャ達に何をされるか。
容易に想像できたので、改めて言い直す。
「……嬉しいです」
「リューヴったら、良い子ね。ちゃんと従順になれるんだから♪」
そうターニャに言われて、ホッと胸を撫で下ろすリューヴ。
だが、次に言われたターニャの言葉に、リューヴはギクリとした。
「でも、心から喜んでいるんじゃなさそうね、リューヴ」
「な、何で……俺は心から喜んで……」
「ターニャ様の前で、嘘なんか吐いてもバレてしまうのさっ」
セサの鋭い目に射ぬかれて、リューヴは何も言えなくなってしまう。
先を読んでの言葉だったのに。失敗してしまった。
「嘘吐いた罰よ、リューヴ。赤ちゃん言葉で、復唱なさい」
「ふ、復唱……?」
「『僕はオムツを履くのが大好きなんです』……はい!」
「ぼ、僕はオムツを……」
「ぼそぼそ言わない! 大きな声で!!」
「僕はオムツを履くのがだいしゅきなんですぅぅ!!」
「『オムツを履いているだけで、勃起してしまいます』……はい!」
「オムツを履いているだけで、勃起してしまいましゅぅ」
「その調子よ……『ド変態で、すみません。もっと言葉責めしてください』」
「ド変態で、すみましぇん。もっと言葉責めしてくだちゃいぃぃぃ」
言われるがまま、リューヴは叫んでいた。
もう、倫理観もへったくれもない。
ただひたすらに、ターニャに反抗しないように努めることに必死になっていた。
すると、急にセサが声を上げる。
「ターニャ様、本当にリューヴのおちんちんが勃っていますわ!」
その声に、自身のいちもつを見たリューヴは、あっと声を上げそうになった。
オムツの上からでも分かるほど、そこは猛々しく盛り上がっている。
「とんだド変態ね、リューヴ」
煽るようにターニャにそう言われる度に、ぴくんぴくんと自己を主張しているリューヴの性器。
それを見たリューヴは、羞恥と屈辱感に支配される。
今すぐにでも、攻撃的な召喚獣を召喚して、ターニャとセサを消してしまいたい。
もしくは、こんな辱めを受けた行為を倍返しにして返してやりたい。
一瞬、リューヴの脳裏に、そんな破壊めいたことが過ぎる。
しかし、射精を何度もして、能力の下がってしまったリューヴでは、高等な魔法はおろか標準の能力の者が扱える魔法でさえも、使えなくなっているに違いなかった。
だから、リューヴは自分に起きた出来事にショックを覚えて、黙り込んだ。
「リューヴ、そんな悲しい顔をしないで。これから、もっと素敵なことが起こるんだから――。そう、もっと素敵なことが、ね」
ターニャの笑みは、深く、この先の不安を煽るような笑みだった。