前編



その機械は、一つの究極として知られていた。

頭に付ける専用のヘッドギアを介して、バーチャル世界の全てを体験できるゲーム。

それこそ触った感触は勿論、匂いや味、果ては青年向け限定ではあるが性的な快感まで完璧に再現されている。

脳に直接電気信号を送る事に対して、好い加減な事しか言わないテレビのコメンテーターが批判を繰り広げても、確証された安全を持って惨めに黙らせられた。

ゲームの幅は大きく広がりを見せ、RPGを中心として格闘や恋愛シミュレーション、果ては犯罪者への刑罰としても利用される程の普及を果す。

殆どの人が持つようになった頃、少し遅れて一人の女性<鈴野樹 美沙緒>が癒しを求めて新しく始める決心を付けた。

都会のど真ん中で一人暮らしをしている所為で、仕事の忙しさも合わさって心を安らげる機会が殆ど無かったのだ。

年相応の女性らしい落ち着いた室内の中、届けられたダンボールを開けて繁々とヘッドギアと付属品を取り出していく。



「え~っと、これをネットワークに繋げれば良いのかな?」



女性としては少し高い身長で、黒く艶の美しい髪は肩甲骨ほどまでの長さ。

四肢は細くも健康的な印象を受け、身体を動かす度に揺れる胸は平均より大幅に大きかった。

括れを維持している腰は細く引き締まっており、尻に至っては安産型で履いているジーンズの布をピッチリと貼り付けている。



「最新の電化製品は接続が楽で良いわね~」



最先端の機械なので、接続するコードはネットワークに繋ぐ為の物が付属品として一本。

どんなに機械に疎くても、ネット回線その物が無いと言う場合以外は何の問題も無く準備を終えられるだろう。



「後は……っと、頭に付けてから楽な姿勢になれば良いだけね」



説明書通りにベッドに寝転がって楽な姿勢を維持してから、ヘッドギアのスイッチを入れる。



「あっ――」



頭に微かな刺激を受けたと思った途端に視界は白く染まり、次の瞬間には空中に浮いた設定画面が現れた。

白く広い空間の中で、ゲームのウインドウが浮いている光景は現実味を感じさせない。



「ふむふむ、これでゲーム世界の自分を作るって訳ね……」



ウインドウに出ている名前を書く欄を始め、事細かな部分まで設定出来るようになっていた。

顔や体型に髪の色は当然として、初期に覚えられる色々な技能から得意な武器まで、膨大な数の設定項目がある。



「……何か、面倒くさそうだから全部現実と同じで良いかな?」



使用者の外見情報はヘッドギアを付けた時に収集されており、最初に設定されるのは本人の姿形。

何も設定を変えなければ、そのままの自分でゲームの世界に降り立てる。

余りにも操作出来る項目が多過ぎる事と、大してステータスに拘りが無かった美沙緒は、殆ど設定を弄らないままで次々に『OK』の選択をして進めていく。

そして最後には青年認証と性的な事柄に対しての設定が残った。



「ん~、まぁ、エッチな事をしてもしょうがないしね~。『NO』っと……」



元々、ゲームを始める切欠が癒しを求めた結果なので、あっさりと性的な事をガードする選択を取る。



「さて、行きましょうか」



全ての設定を終えた先には光が舞い散る光景が映し出され、見ている景色が森を背にしたあぜ道の真ん中に変わった。

更には一瞬にして変化した視界に驚き、後に感じられた風の感触と匂いにも驚く。



「凄い! 本当に森の近くに居るみたい!」



髪は風によって流れ、森特有の香りもする。

靴越しに感じる土の感触も、まるで本当に自分がそこに立って居るかのような感触だった。

身体には服を着ている刺激もちゃんとあり、安い麻のチクチクとした感覚までシッカリと伝わってくる。

普段は合成繊維で肌触りの良い服を着ている分、逆に新鮮な感じがした。

ふと下を見てみると自身の慣れ親しんだ大きな胸は完璧に再現されており、下半身は見えていない。

硬い布を押し上げて乳首が浮いているが、性的なフィルターを被せられた状態になっているので認識すら出来ていなかった。

現実ならばブラをしていない羞恥に慌てている状況であっても、平然とした態度で身体を捻り、今の服装を興味深げに見回す美沙緒。



「何かチクチクするけど……。これが初期装備なのかしら?」



大きな胸が布を持ち上げている所為で、少し動けば裾からへそがチラチラと姿を現す。

下半身を覆っている麻のズボンも、膝までのハーフパンツで毛の生えていない綺麗な脚が露出している。

靴も底が殆ど無く、平坦その物。

服装だけを見れば全体的に茶色で地味極まりないが、それを補う程に魅力的なのが黒く艶やかな長い髪と平均以上の整った優しげな顔。

それに大きな胸に負けない均整の取れた身体が、どこかお洒落な雰囲気を醸し出していた。



「ん~、まぁ、戦って世界を救うゲームでもないし、これで良いのかしらね」



ゲームを始めたばかりでは当然の服装だと納得する。

改めて辺りを見回すと、然程遠くない所にファンタジーらしい特徴的な教会の屋根が見えた。



「最初はあそこに行けばいいのね」



踏み出した足取りは期待に満ち、これからのイベントに心を躍らせているようだ。

ゲームではなく、本当の異世界に来た事など知らない美紗緒は、隣の森林から感じる爽やかな匂いと風に癒されながら、目測通りにたいした距離を歩かずに敷地内が見えてきた。

少し広まった場所には一人の少年が棒を振り回して遊んでおり、のどかだが寂れたとも思える雰囲気を感じる。



「人が少ない田舎の設定なのかしら」



特に警戒心も抱かずに近寄っていけば、見えていた少年がこちらを向いた。

現実世界でも少年は別段嫌いでもなく、安心させるように笑顔を浮かべて手を振る。

すると、少年は胡散臭げな表情を浮かべていたが、驚きの顔に変わって持っていた棒を落としてしまった。

それを見ていた美沙緒は人が来た事に驚いたのだろうかと思うが、少年の見開かれた目は明らかに巨乳へと向かっている。

ブラをしていない所為で歩くだけでも大きくゆさゆさと揺れ、刺激を受けた乳首は先程よりもハッキリと形を浮かび上がらせていたのだ。

いくら少年と言える年頃でも間違いなく男であるので、唖然として送る視線に性欲を滲ませていた。

しかし、性的なフィルターを介している所為で、見られている美沙緒は欲情している視線に晒されても一切気が付いていない。



「やっ、こんにちは」

「こ、こんにちは」



挨拶を交わした後、説明書通りに最初の拠点を作る必要があるので、教会を使わせて貰えるかを確認する。



「私、最近ここに来たんだけど、この教会って拠点に出来るかな?」

「う、うん! 出来ると思うよ」



美人で巨乳の女性に話し掛けられるのが初めてだった少年は、顔を赤くして緊張を浮かばせていた。

視線は相変わらず胸に行っているものの、美沙緒は気にしていない。

それどころか視線を合わせる為、膝へ手を付いて前かがみになった事で巨乳は二の腕に押されてしまい、麻の服に大きな谷間を作った。

性的な事に興味が沸き始めた少年にとってその光景は堪らなく、抑えられない若い欲求は溢れ出してしまう。



「ようそこ! お姉ちゃん!」

「きゃっ!?」



精一杯、違和感無く胸を触る理由を考えた末に、少年は歓迎の声を上げるドサクサで抱き付く事を思いつき、迷う事無く実行した。

美沙緒は飛び付かれた事に驚いて悲鳴を漏らすが、抵抗しないで優しく受け止める。

少年の顔が胸の谷間へ埋められ、小さな手が厭らしく麻の服の上から巨乳を揉んでも全く気にしておらず、性的なフィルターはシッカリと効果を発揮していた。

胸に食い込む細い指は好き勝手に動き、掌に収まり切らない感触を楽しむ。

下から持ち上げては揉み、徐々に上へ手を移動させていくと乳首へと到達した。

麻の刺激で硬くなった所為で小さな指でも摘み易くなっており、自然とコリコリと捏ね回すように動かす。

人生で初めて触った胸の感触に少年の顔は、快感で顔がだらしない物へと変わる。



「気持ち良い……」

「随分と甘えん坊なのね」

「僕、家族が居なかったから、寂しかったんだ」

「そうなの……」



硬くなった乳首を摘まれながら少年の言葉を聴くが、美沙緒はゲーム世界の設定として認識しているので、たいして同情を浮かばせない。

その間にも性欲に塗れた思考は、本能的に女の身体を触る快楽を求めて大胆な動きを見せる。

服の上からでは我慢出来なくなった少年は鼻息を荒くさせ、へそを見せる裾から手を差し込んだ。



「んっ」



一見すると親が居ない寂しさを慰めるように抱きついている光景であっても、実情は色欲に染まっている。

一応は悪い事をしていると思っている少年は美沙緒の反応を伺いながら、適度に引き締まった腹に指を這わせていく。

触れられた刺激で思わず声を漏らしてしまっても、それすら性的な物として判断したフィルターは情報を遮断して、美紗緒自身には何も言っていないと思わせた。



「お姉ちゃん良い匂いがするね」

「あら、有難う」



腹を直接触っても特に拒否をされないと確認した少年が、今度は一気に手を進ませて胸へと到達させる。

下乳に突き当たった指は、麻の布越しに触った時以上の柔らかな感触を返してきた。

布一枚向こうにあった余りにも気持ち良過ぎる刺激に、思わず声を詰まらせる少年。



「っ!!」

「そんなに寂しかったのなら、少しの間だけだけど、このままでも良いわよ」

「有難う! お姉ちゃん!」



美紗緒は僅かながらに母性を刺激されてしまい、胸に密着する少年の頭を優しく撫でた。

胸を下から揉み始めた小さな手は動きを激しくさせて、好き勝手に揉み込んでいく。

下乳に食い込む指は弾力を確かめるように動き、指は胸の肉に埋もれ、顔でも受けるタプタプとした感触は少年を夢中にさせた。

そのまま登った手は服の上からでも摘んだ乳首に到達し、くにくにと固めの感触を楽しんだ。

少年の小さな陰茎は粗末なズボンの中で硬さを増し、布に擦られて胸を揉む手以上に快感を送る。



「はぁはぁ……」

「よしよし」



性的な興奮で呼吸を荒くさせているにも拘らず、美沙緒は単に少年を慰めている程度の認識しか持っていない。

揉まれている本人が認識していなくとも身体は反応を返し、乳輪を這う指が時折乳首に当たり、その刺激で更に乳首が尖る。



「もう、良いかしら? そろそろ拠点を作りに行きたいんだけど……」

「ん~、分かった! 僕が連れてって上げるよ!」

「本当に?」

「うん!」

「有難う」



胸に押し付けていた顔を離した少年は、美沙緒を手放さない為に精一杯協力する旨を伝えた。

服の中では相変わらず小さな手が巨乳を揉んでおり、手を離すのは心惜しいと感じて一時も離そうとしない。

ギリギリ精通を果たしておらず、性欲に取り付かれた思考では指の動きを止める事はなかった。



「じゃ、神父様の所へ行こう!」

「その神父様にお願いすれば、教会を拠点として使えるのね?」

「そうだよ!」



身長が大きく違うので、美沙緒が身体を起こせば小さな手は服から抜けてしまう。

自然と巨乳からも手を離してしまうが、少年は用事を終わらせればまた揉めると思う一心で率先して教会へと引っ張っていく。



「早く行こう!」

「はいはい。お願いね」

「うん!」



元気な様子の少年を優しく微笑みながら見詰め、美沙緒は本格的にゲームが始まったと楽しみな様子を隠さない。

そして間近に来た教会は何処か牧歌的な雰囲気が漂い、ゲームのコンセプトである癒しと言う言葉にピッタリだった。

古臭い扉が若干耳障りな音を立てながら少年の手によって開かれると、一般的な礼拝堂が広がっており、壇上には古びた牧師服を着ている細身の老人が作業をしている。



「神父様!」

「おや、いつもながら元気だね。どうし――」



何処か気弱そうな神父は少年の言葉に反応して、開けられた扉の方向を見ると同時に言葉を止めた。

例によって視線は美沙緒へと注がれ、艶やかな黒髪から麻の服を大きく持ち上げている上に乳首すらハッキリと浮かび上がらせている上半身へと注がれる。

それからチラチラと見えていた健康的な腹を通り、程好い肉付きの足へ流れた。

まるで視姦するかのような視線を送るが、美沙緒はフィルターの所為で単に珍し気に見られていると受け取る。



「お、おやおや、随分と綺麗なお姉さんを連れてきましたね」

「神父様! お姉ちゃん、ここを拠点にしたいんだって!」

「そ、そうなのですか」



優しそうな視線で身近に魅力的な女が居る事になる喜びを隠しながら、落ち着いた声色を無理やり維持しながら許可を出す。

しかし緊張は隠せないらしく、言葉が所々詰まる。



「えぇ、よ、よろしいですよ。こんなへんぴな所にある教会で、よ、よければ、お、お好きなだけ御使い下さい」

「有難うございます、神父様」

「いえいえ、こ、困った方を助けるのが教会の勤め。な、何も遠慮は要りませんとも」

「では、暫くの間お世話になります」

「は、はい。分かりましたよ」



神父の声は明らかに上ずっていたものの、フィルターの効果は絶大だった。

ともあれ、許可を受けた事で美沙緒の視界には画面が浮び、迷わず拠点を教会にする選択肢を選んだ。

出てきていた『はい』を押した瞬間、機械的な音声で『変更を認識しました』と頭の中に響いた。



「拠点にするなら、へ、部屋も必要でしょう」

「あっ! 僕が案内するよ!」

「で、では、た、頼みます」

「分かった! 神父様!」

「何から何まで済みません」



申し訳無さそうに頭を下げた事で胸が大きく揺れ、神父は視線を釘付けにされながらも応える。

聖職者にあるまじき行いであっても、へんぴな所に教会を構えた事もあって女には免疫が無いので、自制しようとしても目が勝手に向かってしまう状態だった。



「い、いやいや、この程度ならいつでも言って下されば良いですよ」

「はい」

「お姉ちゃん、早く行こう!」

「えぇ、分かったわ」



少年に引っ張られていく後姿を名残惜しそうに見送り、枯れたと思っていた生活が急速に色を取り戻す感覚を確かに受ける神父。

拠点と言うからには何か頼って来るものだろうと考え、どう相手をしようかと自然と口元がにやけてしまう。







「この教会は部屋だけは一杯あるから好きな所を選んでも良いよ!」

「う~ん、私は別に何処でも良いんだけどね~」

「じゃぁさ、僕の部屋の隣にしなよ!」

「そうねぇ……」



言葉通りにたいして拘りが無いので少年の案内する部屋に決める。

ギィギィと少し音が鳴る扉を開けると、掃除だけはしているのか、辛うじて埃は被ってはいないだけの古臭い室内が見えた。

曇りガラスの窓を開けて換気をする為、先に入った少年の後に続く美紗緒は備え付けの家具へ視線を向ける。

粗末なベッドの近くには小さな棚があり、中央には丸いテーブルと椅子が一組と、最低限の家具しかない。

そのどれもが建物に負けず劣らず古く、少なくとも使う分には問題ないと思われる程度。



「随分、古臭いね」

「もう、殆ど掃除しかしてない部屋だよ」

「他の人は居ないの?」

「うん。ここに住んでるのは神父様と僕だけ」

「へぇ~」



この世界はファンタジーらしく魔物も出現するが、頻度は圧倒的に低い。

それこそ一生に一度遭遇すれば奇跡とも言える程。

他には現実世界と同じように猪や熊なども存在はしていても、美沙緒が降り立った地域では被害も殆ど無い。

と言う、設定を受けたこの世界は、とにかく平和極まりないのだ。

少し離れた所に小さな村があり、教会はその村を見下ろせる小高い丘の上にある広場に立てられている。

立地の関係で、少年が開けた窓からは山々が連なる雄大な景色が見えた。



「はぁ、良い景色ね~」

「そう?」

「そうよ」

「ふ~ん……」



少年にとっては毎日見ている景色で、隣に来た美沙緒の感動する理由がいまいち理解できない。

しかし視線は横から見える胸に行っているので、満更現状に不満は無かった。



「でも、寝るにはちょっと部屋が汚いわね。流石に拭き掃除ぐらいはしないといけないかな」

「僕、水と雑巾持ってくるけど?」

「お願いできる?」

「うん、任せて!」



美人に頼られた事が嬉しい少年は足取り軽く、目的の物を取りに行った。

その間に美沙緒はシーツをベッドから剥ぎ取り、窓の縁へ掛けて干していく。

見えない埃を手で払って皺を伸ばしていれば、慌しい足音と共に少年が帰ってくる。



「はい! 持って来たよ!」

「有難う。そこに置いといて」

「うん!」



元気な返事を返し、言われた場所に桶と雑巾を置いた少年は美沙緒の掃除の手伝いを始めた。

張り切って動く姿に微笑を向け、二人で埃臭い部屋の中を掃除していく。

最初こそ少年も雑巾を掛ける動作で大きく揺れる巨乳へ視線を向けていたものの、やはり拭き掃除は大変なのですぐに床へ視線を落として真剣に動き始めた。

所詮はゲーム世界と認識している美沙緒であっても埃臭い部屋を拠点とする気は無く、隅々まで現実と同じように汚れを排除する。

結局、終わったのは日が傾き始めた頃で、この世界で言えば夕食を取り始める時間。

額に軽くかいた汗を拭っていると、神父がやって来た。



「そ、そろそろ、夕食の時間ですよ」

「あっ、は~い!」

「済みません。すぐに行きます」



軽く後片付けをした後に手を洗い、少年に案内されて食堂へ向かう。

長い食卓の端には神父が座っており、美沙緒達が来るのを待っていた。



「済みません。私の分まで用意して頂いて……」

「い、いえ、貴女は、ここの新たな住居人となったのです。え、遠慮する事は無いですよ」

「有難うございます」



美沙緒の巨乳は軽く動くだけでも大きく揺れてしまい、必死に平静を装うとしている神父は言葉を乱れさせる。

明らかに挙動不審だったが、フィルターの掛かった意識は気にせずに用意されていた椅子へ座った。

そしてこの世界特有の祈りを捧げ、美沙緒にとっては初の食事を取った。

神父と少年の視線は頻繁に麻の布を持ち上げている乳首へ行っていたものの、気が付かない美沙緒は笑顔を浮かべながら食べ進める。

淫靡な空気が僅かながらも漂うが、基本的に和やかな雰囲気の中で会話を続け、田舎の教会らしい質素な食事を終えると風呂を勧められた。



「きょ、今日は動いてお疲れでしょう、風呂があるので、ぜ、是非使って下さい」

「え!? お風呂があるんですか?」

「えぇ、こ、ここら辺りは水源が豊富でしてな。燃料の薪も山へ入れば、う、売る程あるのですよ」



この世界がファンタジーと言うイメージを持っているのに加えて、建物の古臭さで風呂も無いだろうと美紗緒は何処と無く予想していた。

しかし、実際には清潔を保つ意味合いで入る習慣があり、資源に困らない教会を含む村では毎日風呂を使用している。

幾らゲームの中とは言え、現実でも寝る前には風呂に入っている美沙緒にとっては嬉しい事だった。



「じゃぁ、お言葉に甘えさせて頂きます」

「ゆ、ゆっくり疲れを解して下さい」

「はい」



その遣り取りを見ていた少年は、これ幸いと美沙緒に抱き付く。



「ねぇ、僕も一緒に入っていい?」

「あら、良いわよ」

「ホント!?」

「えぇ」



見た目的には甘えん坊な弟の願いをあっさりと承諾した美沙緒。

まるで本当に存在しているかのように行動する少年に対し、心の中では科学の進化に感心していた。

神父が教会に来たばかりの美沙緒に迷惑を掛けるなと叱る間もなく、浴室がある部屋へ引っ張られる。



「ちょっと、待って! 片付けをしないと!」

「い、いえいえ、そ、それは私がやりますので」

「えっ、でも……」

「そ、その子も楽しみにしている様子なので、せ、世話をお願いします」

「あぁ、はい。分かりました」



片付けをする代わりに少年の世話を頼まれたと察した美沙緒は、手を引っ張られるままに食堂を出て行く。

神父も性欲の影には気が付かず、いつも通りのやんちゃな少年の行動として受け取っていた。

そもそも美沙緒の胸を凝視して、枯れた筈の欲求が蘇って来た事に戸惑いを覚えていたので、そこまで認識が行かなかったとも言える。

外はすっかり暗くなって室内も歩くのも苦労しそうだが、教会の中は明かりを灯す魔道具的な物が辺りを照らしていた。

夕暮れよりも少しマシな程度であっても、躓く危険は十分に廃除出来ている。

廊下を足早に進む少年と美紗緒は途中で質の悪いタオルを取りに行き、脱衣所へと入った。



「お風呂はここだよ!」

「……狭いね~」

「お姉ちゃんの所のお風呂は広いの?」

「う~ん、広いって言う程でもないけど、少なくともこんなに狭くは無いわよ?」

「へぇ、お金持ちなんだね」

「そうでもないけどね~」



中は狭く、美沙緒と少年だけであっても、互いに肌が触れてしまう程度の広さしかない。



「…………!」



何とか少年と当たらないように気を付けながら服を脱いでいく美沙緒。

身体を少し動かすだけでもブラに支えられていない巨乳は大きく、柔らかく揺れる。

その光景を待っていた少年は当然の如く凝視していた。

背中を向けていても胸自体は隠す事が出来ず、白い脇腹の向こうに横乳が見える。

腕を動かせば反動を吸収して波打つ光景に、少年の陰茎は固くなるばかり。

上半身は麻の服しか着ていないのですぐに脱ぎ終わり、今度は下へ手を伸ばす。

ウェスト部分へ指を掛けると上半身を曲げながらスルスルと下して行き、少年にとっては未知の領域が目の前に突き出された。



「っ!?」



腰を曲げた事で安産型の尻は少年へ近付けられ、ズボンを脱いだ所為で隠すべき肛門と大陰唇が露出する。

周辺には陰毛が一切無く、綺麗な肌は瑞々しい。

初めて見る女の性器を直視した少年は硬直してしまった。

足を上げれば柔らかな大陰唇が形を歪め、秘裂が僅かに開いて中にあった小陰唇を食み出させる。

時間にして数秒の目撃であっても、少年の脳裏にはハッキリと焼き付いた。



「さっ、……あれ、まだ脱いでなかったの?」

「えっ!? あっ、うん」

「しょうがないわね……」

「あっ!」



美沙緒は手の掛かる弟の世話をするように自分の身体を隠す事無く、少年の服を脱がせていく。

一挙手一投足で至近距離にある胸は震え、先端にあるピンクの乳首は正面を向いて少年へ突き付けられた。

本能的に咥えたい欲求が出た少年は躊躇無く乳首を口に含でしまう。



「あむっ」

「ひゃん!?」



行き成り生暖かい口内の感触を受けた美沙緒だったが、驚きの声を上げた以上の反応は返さなかった。

服の裾を持ち上げ、そのまま少年の両腕を上げさせ、一気に脱がせる。

乳首を咥えていた顔は布によって遮られ、自然と口内から引き出された。



「んぷっ!」

「ぁん!!」



吸い付いたままだった所為で、少年の唇で乳首を扱かれた形になった美沙緒は悦を含んだ声を漏らす。

しかし本人へはフィルターが情報を遮断し、何も喋っていないと認識していた。

朝からの行動で好き勝手に触っても拒否しないと理解している少年は、唇だけではなく手も動かす。

大きく揺れている胸を支える形で下乳を持ち上げ、柔らかくも暖かい重さを改めて味わう。



「…………」

「ふぁ……」



上半身の服を脱がし切った美沙緒は、ズボンへ手を掛けて引き下した。

硬くなった少年の陰茎は勢い良く跳ね上がり、少年自身の下腹部へ当たる程に反り立っている。

美沙緒は確かに性欲の象徴を視界の中へ収めているが、性的なフィルターの効果で認識していない。

陰茎が鼻先を掠めても、羞恥心どころか顔を背ける事すらしなかった。

皮から顔を出す鈴口にはカウパー液が滲み出し、興奮の大きさを示している。

唾液で光る乳首を立たせたままに、美沙緒は少年の手を取って浴室へと入った。



「……ちょっと狭いかな?」

「……」



横乳に少年の熱い視線を受けながら、脱衣所と同程度の狭さに若干困った顔を浮かべた。

木の風呂桶は現実の田舎の風呂を思い出させ、床には隙間の少ないスノコが敷いてあり、壁も暖かい雰囲気が漂う木の壁で、魔道具の明かりを優しく受け止める。

風呂桶の大きさは大人が二人も入れば満杯になりそうだった。

しかし二人と言っても今回は少年と一緒に入るので美紗緒は気にしないで一先ず身体を軽く流そうと屈み、手近にあった手桶でお湯を浴び始めた。



「あぁ……、良い湯加減ね」



一通り身体を流した後は、すっかり大人しくなった少年にも掛け湯をしてやった。



「随分と静かになっちゃったけど、どうかした?」

「えっ!? うぅん! なんとも無いよ!」

「そう?」

「そうそう!」



形を変える秘裂を見た時から性欲に思考を支配されていた少年は、声を掛けられて正気を取り戻した。

未だに何処か余所余所しい態度であっても、元に戻ったらしいので美沙緒は質素なタオルを持って石鹸を泡立て始める。



「ここにも石鹸はあるのね」

「お、大きな街の教会から村に届けられるんだよ」

「へぇ、そうなの」

「だから、この村は他と違って少しだけ清潔な村とか神父様が言ってた」

「そうなんだ」



辛うじて会話を続けるも、少年の目は石鹸をタオルに擦り付ける動きで、左右に重く揺れる美沙緒の巨乳を凝視したままで動かない。

身体を洗うのは十分な泡立ちを確認すると、美紗緒は少年に向き合った。



「さ、身体を洗ってあげるから背中を向けて」

「あっ! うん」



子供らしい少年の小さな背中は成長の兆しが見え、雰囲気からして少し筋肉質になりつつある。

美沙緒に負けない綺麗な肌を労わりながら肩から腰、尻まで洗える範囲を洗ってやった。



「さ、背中は終わったわよ」

「うん、有難う!」

「前は自分で出来るよね?」

「うっ……、ま、前もやって……?」

「……うぅ~ん、まぁ、仕方が無いか」



神父から少年の世話を頼まれたのを思い出し、弟のように甘える少年の願いを特に深い意味も無く聞いてやる。

本当なら前は自分で洗えると美沙緒も察しているが、今まで家族が居なかった寂しさを埋めたいのだろうと思っていた。

苦笑しながらも要望通りに前を向かせ、泡立つタオルを擦り付けていく。

細い首筋から肩と腕、薄い胸板を過ぎて腹へと手を動かす美沙緒。

少年は視線を揺れる巨乳に視線を送り、その下にある男とは違う形状をしている股間へも目を移した。



「…………」

「ふ~ん、ふふ~ん」



機嫌良く鼻歌すら歌いだした美沙緒とは逆に、嫌と言うほど押し寄せてくる性欲に支配される少年は、目の前の光景にゴクリと生唾を飲み込む。

胸を散々触っても拒否されないと思っている所為で、半ば無意識に手が股間へと伸びてしまうが、その前に反り立っていた陰茎がタオルに包み込まれた。



「はぅっ!?」

「ん~、んん~」



性的なフィルターは少年の声を完璧に無意識外へと送り、タオル越しに掴んだ陰茎すら普通に肩や腕を触っている程度にしか認識していない。

その所為で小さな陰茎は荒い生地で擦られ、半ば乱暴にあっけなく精通を果たしてしまう。

しかし美沙緒は手の中で痙攣を繰り返しながら、どれだけ精液を吐き出されてもごく平然と洗っていく。



「あっ! あうっ!?」

「後は足ね」



人生で始めての射精を経験した少年は強すぎる快感で思考を白く染め、秘裂を見ていた眼は何処か遠くへ視線を飛ばした。

美沙緒の棒を洗う動きで上下に扱かれてしまい、腰をガクガクと震えさせながら精通を果たした睾丸から全てを吐き出す。

触った時間は少なく布越しと言えども、幼い陰茎を美人の女性に初めて触られた快感は凄まじい物だった。

茫然自失となった少年だったが、フィルター越しでは変化にも気付けず、鼻歌を歌う美沙緒は何事も無く少年の足を洗い始める。



「あ、あぁ……、気持ち良かった……」

「身体洗って貰うのは初めてなの?」

「う……うん……、洗って貰うのは始めて」

「そうなの。やっぱり家族が居ないからかしらね」



二人の間に交わされた言葉の意味が大きく違う。

少年が言うのは精通を果たした性的な意味での気持ち良さであっても、美沙緒は単純に身体を洗って貰えた気持ち良さと受け取っていた。

そして精液が混じる泡で足を洗い終わった後、風呂桶を使ってお湯を掛けていく。

泡だらけになっていた少年の身体は綺麗になり、美沙緒も満足そうに頷いた。



「うん、これで良しっと。さ、お風呂に入りましょ」

「う、うん、分かった」



手を引かれて立ち上がった少年は言われるままに湯船へと身体を入れる。

後に続いた美沙緒は小さな身体を横から抱くように入り、互いの肌を接触させた。



「やっぱり、ちょっと狭いわね……」

「でも、お姉ちゃんと入れて楽しい」

「うふふ、可愛いわねぇ」



笑顔で見上げてきた幼い顔へ笑顔を返す美沙緒。

湯の中では射精したばかりの筈の陰茎は既に回復しており、小さくも男らしく反り立っている。

絶頂の余韻から思考が戻ってきた少年の小さな手は、美沙緒の胸へ忍び寄った。



「ぁん」

「お姉ちゃん、これからも一緒に入っても良い?」

「ちゃんと一人では入れるようにならないと駄目よ?」

「それも分かってるけど……」



拒否されたと思った少年は、胸を揉みながら見るからに落ち込んだ。

少年が肩を落として暗い雰囲気を出すのを見た美沙緒は、甘えたい家族が居ない事に同情をしてしまい、結局は承諾してしまう。



「まぁ、暫くは一緒に入ってあげるからね」

「本当! 有難う! お姉ちゃん!!」

「きゃっ!? ……もう、仕方ないわね」



裸の胸に顔を押し付けて喜ぶ少年に苦笑を返す美沙緒。

身体をピッタリと密着させた所為で自分の腰に陰茎を擦り付けられている状況でも、優しげな笑顔は失われない。

そして少年の欲望を纏わせた手は留まる事を知らず、胸だけではなく最大の興味を持った股間へと忍び寄った。



「んっ……」



下腹部から下へ向かって這わされた手は、何も生えていない大陰唇へ触れられる。

認識出来ないとは言え、性器を触られては流石に美紗緒も声を漏らした。

細い指が淫核を守っている包皮へ接触すると、今まで余り反応を返さなかった美沙緒の腰がピクンと跳ねる。

しかし少年は初めて触った性器の感触に夢中になってしまい、身体が動かされた事に意識が向かわなかった。

下手をすれば胸以上に柔らかな感触を指に受け、陰茎に直結する気持ち良さを味わっていると、不意に秘裂へ指が入り込んだ。

腰に擦り付けていた陰茎も無意識に腰が動いてしまい、精通を果たした直後でも、既にカウパー液すら湯に滲ませていた。



「あっ……」

「ん? どうしたの?」

「うぅん! なんでもない!」



包皮越しとは言え、陰核を触られた感覚は美沙緒の身体に性的な興奮をジワリと沸き上がらせる。

初めて触る女性器の感触は少年に圧倒的な快感を送り、小さかった陰茎すら硬さと大きさを一段と増やす要因となった。

幼い指でも簡単に形を変える大陰唇で左右から包み込み、中にあった小陰唇が迎える。

普通なら肌が突っ張る感触を受けるものの、湯のお陰で抵抗は少ない。

秘裂の中で前後に動き出した指は、自然と近くにあった膣口へ指先を食い込ませてしまう。



「ぁ、入っちゃった……?」



微かに漏れた驚く声は、風呂に入れた事で上機嫌な美沙緒には届かなかった。

処女の膣口は小さな指先であっても強く締め付け、痛みを感じるどころか快感を受け取る少年。

男の本能が、触った事が無くとも気持ちの良い所を知っていると言わんばかりに、指が膣口の向こうへと差し込まれていく。

処女膜は辛うじて破られずに済んだが、何物も進入を許さなかった膣内に異物の進入を許してしまった。

幾ら指が小さくとも、肉厚の膣壁は受け止めつつギュッと抱き締めるように締め付ける。

少し動くだけでもヒダが滑って、不規則な動きを返していた。

少年はまさしく今まで触った事の無い感触に本能が刺激され、更に快感を得る為、揉んでいた胸にも吸い付く。



「あむっ!!」

「ひゃっ!?」



突然顔を近付けてきた少年に驚くが、美沙緒にとっては単に水着で入っている状況と同じ心境を持っており、身体を弄られても可愛くじゃれ付いてきている程度と感じていた。

口の中で舌を這わせられる乳首は生理的な反射で硬さを増し、コリコリと甘噛みをされれば快感を送られる。

少年は自分の口内で変化を見せた感触に自覚しない興奮が湧き上がり、膣口を弄る指にも力が入った。

揉んでいる胸も激しく揉み解し、咥えた乳首を貪欲に吸う。

幼い指に摘まれ、片方は乳輪すら咥え込んで甘噛みを繰り返し、窄められた唇で扱かれる。

秘裂を弄る手は明らかな性欲を感じさせる動きで、膣口を僅かに拡張しながら膣内でも届く範囲でヒダを解していった。

陰茎は美紗緒の腰へ擦り付ける摩擦で皮が剥かれてしまい、初々しいピンク色の亀頭を露出させる。



「んむぅっ!?」



快感を多大に含ませた少年の声は誰にも聞かれず、初めてカリで自分以外の体温を感じ取った瞬間に、お湯の中で二度目の射精を行ってしまう。

透明で底まで見える浴槽の中、美沙緒の腰辺りで白く濁る塊が増えていく。

熱い湯の所為で固まった体液は綺麗な肌に張り付き、性欲の証を付着させられた。



「あっ……あぅ……」

「んん~、そろそろ出る?」

「……う、うん」



性的な事を認識出来ないフィルターが掛かっている状態で、絶頂の余韻で身体を震わせている少年を見た美沙緒は、のぼせ始めていると認識して上がろうと声を掛ける。

思考が回復していない状態であっても、問い掛けられれば取りあえず頷く少年は素直に従った。



「大丈夫?」

「うん……、だ、大丈夫」



短時間で精通と二度目の射精をした所為で少年の足はフラフラと頼りない。

長湯をしてしまったかと思った美沙緒は、塗れた身体を拭いてやった。

流石に力が抜けてしまった陰茎は下を向き、鈴口からは精液の名残を滴らせている。

しかし美沙緒は全く意識しないで上から下まで、吸収率が悪いタオルで少年の身体を拭いていった。



「はい、終わったわよ。服は自分で着てね」

「うん……」



一先ず少年を拭き終わり、今度は自分の番と同じくタオルで身体を拭く。

当然ながら胸は揺れ、秘裂もチラチラと見えていたが、未だに絶頂の余韻から戻って来ていない少年は鈍い動きで服を着ていく。

美紗緒は本当なら同じ服は着たくなかったものの、そもそも一着しかない所為で着替えもままならない。



「う~ん、これ一着しかないけど、洗濯どうしようかなぁ……」

「ふぁ……」



一日来た服は汚れていると感じる美沙緒の横で、少年は眠たそうに欠伸を出した。



「あっ、眠い?」

「うん……」



少年ぐらいの年齢では体力は有り余っているものだが、二度の射精をしてしまっては疲労を隠せない。

今にも瞼を落としそうな様子を見た美紗緒は微笑ましい姿に笑みを浮かべた。

そして一着しかないので仕方がないと着ていた服を再び着ると、フラフラと足取りの覚束ない少年の手を引いて、自室へと向かう。

今日一日、事在る毎に寂しいと言って甘えてきた事を思い出し、せめて今日ぐらいは同じベッドで寝てやろうと思ったのだ。



「さっ、もう、寝ようね」

「うぅん……」



安物のベッドに寝転がった少年は、同じようにベッドへ入って来た美沙緒の暖かい胸に抱き付き、早々に寝息を立てる。

ギュッと抱き締める手は単純に温もりを求め、性的な色は一切無かった。

そんな少年の頭を優しく撫でながら、美沙緒もこの世界で始めての睡眠へ意識を沈ませていく。

ゲームの世界でも眠りの気持ち良さは変わらない。

癒しを求めて始めた事もあり、美沙緒は抵抗も疑問も感じる事無く、少年と一緒に眠りに付いた。







現実においては、それこそ0.1秒にも満たない時間であっても、少年達の世界では何時間も経過している。

日が落ちて夜行性のあらゆる生物、非生物が弱肉強食を繰り広げ、その中には人間の存在も確かにあった。

教会がある村付近では危険な存在が居ないので、家で大人しくしていれば何の問題も無い。

美沙緒と一緒に寝た少年も、一人寂しく欲求を抱えながら悶々と眠りに付いた神父も、実に平和な夜を過ごした。

夜も早くに就寝した所為で、現代社会で目覚ましの手を借りていた人間でも、日が差して入ってくる光を瞼の向こうから受ければ自然と起きる事が出来る。



「ん…………」



雀とは違う小鳥の囀りを聞きながら目を擦って身を起こす美沙緒は、いつもなら寝起きで鈍い筈の思考をすぐにはっきりとさせて現状を認識した。



「あぁ、そう言えばゲームの中だったんだっけ」



ふと、胸から何かが落ちた感触で視線を向けると、昨日と同じ位置に少年が眠っている。

美沙緒の身体を抱き締めていた腕が解かれ、ベッドの上に放り出されていた。



「そろそろ起こさないといけないかしら?」



教会に来たばかりであるので美沙緒の仕事は無いものの、やはりいつまでも寝ていては駄目だろうと思い、少年を起こそうと肩を揺さ振る。

カクカクと動かされる子供らしい身体と不機嫌そうに眉を顰める表情を見て、妹を思い出した美沙緒は小さな笑いが込み上げてきた。



「うふふ……、ほら、朝よ。起きて」

「う……う゛ぅ゛~ん……」



眉間に大きな皺を刻んで身体を起こす少年は、ドサクサに美沙緒の腰へ抱き付いて再び眠ろうとする。

しかし肩を持って突き放してベッドから降ろし、寝ぼけ眼の少年から教えられた水場へ二人一緒に向かった。



「あら、神父様。おはようございま――」

「ど、どうかしましたか?」



一足先に起きて水場に居た神父は、突然言葉を止めてしまった美沙緒に戸惑いながら聞き返す。

視線の先には自身が魔法で洗っている衣服があり、この世界の価値観では何の異変も無い光景だった。



「あ、あの、それって……?」

「えっ、み、見た事はありませんか? これは、い、一般的な洗濯魔法ですが……」

「洗濯魔法……!」



プロポーションの良い美人を目の前にすると、相変わらず緊張を滲ませる神父の言葉に感動を示す美沙緒。

何気にこの世界へ来て初めて目にする魔法と言う存在を目撃し、人が空中に浮かせた水の中で衣服を洗う非現実的な光景で、改めて自分が現実と違う法則の世界に居ると実感した。



「あれ~? お姉ちゃん初めて見たの?」

「えぇ、初めて……!」

「そ、そうなのですか……?」



寝ぼけ眼から思考を回復させた少年に応える美沙緒だが、視線は洗濯を続ける神父の手先に向かったまま。

余りにも熱心に見る姿に二人は困惑を隠せない。



「あの、それって私でも使えますか?」

「えっ!? え、えぇ、誰でも……」



言い掛けた神父は一つの欲望渦巻く案を思い付いた。

美沙緒と出会って復活してしまった性欲を発散させる為に、嘘ではないが本当でもない事を教える事にする。



「神父様?」

「えぁっ!? だ、誰でも習得出来ますよ」

「本当ですか!? やった!」

「で、ですが、そ、その、じょ、条件がありまして……」

「条件ですか?」

「は、はい」



とりあえず魔法と言う現象を習得したい美沙緒は、不思議そうに首を傾げて言葉の続きに耳を傾ける。

神父に至っては緊張で汗を流しながら生唾を飲み込み、まさに一大決心で、クリアしなくても良い条件を教えた。



「じ、実は、この魔法は、こ、香を焚いた部屋で、い、祈る必要があるのです」

「へぇ~、そうなんですか。難しいですか?」

「い、いえ! す、少しの時間ジッとして目的の魔法を使いたいと、か、神に祈れば大丈夫です」

「それなら大丈夫そうですね」

「この、きょ、教会にもその為の部屋があるので、良ければ、わ、私が監督をしますが……」



緊張の余り俯きながら、美沙緒の顔を上目遣いで見上げるように提案してみると、あっさりと受けられてしまう。



「あ、お願いして良いですか?」

「っ!? え、えぇ、任せて下さい!!」

「お世話をお掛けます」



腰を曲げて礼をする美沙緒の胸は大きく縦に揺れ、神父の蘇った性欲を刺激して止まない。

ただでさえ女気とは無縁の生活を送ってきた事もあり、昨日から続いて興奮しっぱなしだった。

蚊帳の外だった少年は初めて聞く魔法の習得方法に、目をキラキラとさせて神父に掛け合う。

やはり身体の大きさが足りない上に成長途中である為、たまに行う狩りの最低限の知識だけを受けていたので初耳だったのだ。



「神父様!! 僕も! 僕も魔法使いたい!!」

「えぁっ!? だ、駄目です! こ、この儀式は神父役と希望者が二人だけで行わないと駄目なのです!」

「えぇ!」



緊張の中で最後まで一気に話し切った神父に、不満そうな声を出す少年。

余りにも不服そうな雰囲気を出すので、美沙緒は苦笑しながらも他の方法を聞く。



「他に魔法を取得する方法とかは無いんですか?」

「こ、香を焚いて祈るのは洗濯魔法や生活に使う、ま、魔法を習得する時に使うのです」

「じゃ、戦ったり、怪我を治したりする魔法は違ったりするんですか?」



純粋に疑問を感じて聞いてくる質問へ、必死に思考を回して嘘ではない知識を教えていく神父。

この世界で手っ取り早く魔法やスキルを取得する際、当然ながら系統ごとに行う行動が違う。

生活に関する魔法なら場所は何処でも神に祈り、戦闘に使うのならギルドなどに併設されている施設で受けられる訓練。

回復や治療ならば回復を目的とした病院のような場所での研修、と言った感じで比較的手軽に習得する方法があった。

その他の方法として、総じて同じなのは実地で経験を積み、必要に迫られて習得する場合。

ギルドの無い地方で魔物相手に剣で戦っていれば、施設で訓練を積まなくとも剣のスキルは所得出来る事が多かった。

魔法に関してはそのものが特殊な為、最初に師匠役をする存在が居なければ難しいが、全く無い訳でもない。

神父が魔法を使いたいのなら神に祈れと言っている事も、あながち間違いでもないのだ。

もっとも、性欲が先に来てしまった所為で、必要の無い『香を焚く』と余計な手順も含まれていが……。



「せ、戦闘や治療の魔法は、違う所で習得できます」

「あっ、そうなんですか」

「こ、ここは平和なので、主に生活魔法だけが、必要とされているのです」

「あぁ、分かります。ここら辺は平和ですもんね~」



辺りを軽く見回した美沙緒は、ゲームの舞台設定が書かれた説明書の内容を思い出す。

元々が『異世界での癒し寛ぎ空間』を主としている所に、危険な魔物や世界の危機等があっては安らがないだろうなと思っていた。



「この辺りでは私の管轄なので、こ、この後、習得の儀を、し、してみませんか?」

「はい、分かりました。よろしくお願いします」

「い、いえ、これが私の、し、仕事なので……」



にっこりと笑顔を返してくる美沙緒に、顔を真っ赤にしながら視線を逸らした神父。

恥ずかしさと緊張は未だに健在である上、この後の行為を思い浮かべた所為で更に言葉がスラスラと出てこなかった。

それでも何とか目的を伝え終えたお陰で、内心は小躍りしたい程に上機嫌になっている。



「で、では、この洗濯物も後は干すだけなので、すぐに、ま、参りましょう」

「はい」

「神父様。僕はどうしたら良い?」



話題から外れていた少年が詰まらなそうに聞くも、神父はいつも通りの事しか言わない。



「き、君は特に遣る事も無いので、森に行かない所なら何処でも遊んでいて良いですよ」

「まだ、お仕事をさせてくれないんですか?」

「もう少し大きくなってからじゃないと危なくて心配なのですよ」

「む~……」



流石に少年相手ならば緊張で言葉を詰まらせる事も無く会話を続けられる神父は、不貞腐れて頬を膨らませる表情に苦笑を浮かべる。

隣で遣り取りを見ていた美沙緒も、同じように微笑ましく思う。

癒し空間の面目躍如と言った感じで、美紗緒へ和やかな気持ちを届けていた。



「で、では、美沙緒さん。い、行きましょうか」

「はい」



そして、少年を置いて向かう先は締め切った狭い一室。

中に入った神父に部屋の中央で膝を付けて座るように言われ、美紗緒は疑いもせずに追加された指示通りに両手を胸の前で組んだ。

二の腕は巨乳を左右から押して麻の服に大きな皺を作り、襟元からは魅力的な谷間が大きく見えた。

その姿を正面で見下ろす立ち位置は絶対的な権力を思わせ、教会に所属している者には禁忌とも取れそうな興奮が神父を襲う。

質素なローブで隠されている下半身では陰茎が、長い人生の中で一番の猛りを見せた。



「で、では、香を焚くので、目を閉じて、い、祈り始めてください」

「分かりました」



美沙緒の近くにあった棚へ小さな香炉を置き、火を付けると甘い香りが部屋の中へ充満していく。

緊張で引き攣った笑みを浮かべた神父は、自分の胸元に精神操作を無効にする十字架があるのを確認した。

そして、再び美沙緒の正面へ回り、香の効果が出るのを待つ。

目を閉じて祈る表情はキュッと口元を締めて熱心な雰囲気を漂わせていたが、甘い匂いが濃くなるに連れで徐々に緩んでくる。

神父が使った香は吸った者の意識を奪い、操り人形とする恐ろしい禁断のアイテム。

モンスターにも効くので自衛の為に使うのが主だったが、勿論人間にも効くので犯罪に使われるようになった物だった。

昔、王都に居た頃、犯罪者から取り上げた証拠品でもある。

少量であれば相手を落ち着かせる効果もあり、何気に高価なので村へ配属される際に困った時の資金源の一つとして、上司に当たる人物から渡されていた。

平和で魔物の危険も全く無い地だった所為で埃を被っていた所に、美沙緒と言う美人が現れた事で、ある意味本来の使い方をされる。



「か、神に祈るのです」

「……はい」



呼び掛けに平坦な声で返事をした美沙緒は明らかに意識が薄れ、精神操作の防止もしていないのでシッカリと香の効果に囚われた。

体勢は全く変わっていないので外見では表情の僅かな変化でしか認識できず、慎重な神父は確かな確証を求めて動き出す。

周りを歩きながら前後左右から美沙緒の身体をじろじろと、視姦するように視線を舐めさせた。

横へ回れば二の腕に乗っている巨乳の食み出し具合に目を見張り、健康的に伸びる足にも興奮を覚える。

後ろに行くと大きめの安産型な尻が麻のズボンを引き伸ばして、ピッチリと形を浮き上がらせていた。

そして再び正面へ回ると、やはり視線は左右から寄せられたままの巨乳へ向かう。

大きく見えている胸の谷間の誘惑には耐えられそうも無い。

神父は震える手はゆっくりと伸ばされていき、指先が少しだけ巨乳の肌に接触した途端、瞬間的に手を戻した。



「っ!?」

「…………」



しかし祈る姿勢を維持し続ける美沙緒は、精神を操る香と性的なフィルターの効果が合わさって、胸を触られても一切反応を返さない。

神父には例え指先だけであっても初めて触った女の胸の感触は凄まじい快感となり、昨日まで枯れ果てたと思っていた陰茎へ更に力を送る。

香の効果が浅く、意識をハッキリさせた時の逃げ道として一瞬だけ触ったものの、何も反応を返さないのならば行動に戸惑いは無くなっていく。



「わ、私が何をしようとも、い、祈るのは止めてはいけませんよ」

「……分かりました」

「そ、それで、少し、肘を伸ばしなさい」

「……はい」



念の為に指示を重ねて掛けた神父は、胸の前に立ちはだかっていた美沙緒自身の腕を前へ伸ばすように指示を出した。

遮る物が無くなった巨乳は二の腕に左右から圧迫されている所為で、前方へ突き出る形に歪められている。

今度は指ではなく、掌を近付けて正面から大胆に胸を鷲掴みにした神父。



「ふぉ!?」

「んっ…………」



細く骨ばった指が美沙緒の胸に食い込んだ途端に、神父の口から驚きと快感を含んだ声が吐き出された。

人生で初めて触った感触に自然と指を動かしてしまい、更なる柔らかな刺激を求めて貪欲に揉み解し始める。

グニグニと揉まれる胸は、傍から見ても柔らかさを知らしめた。

神父の鼻息は荒くなり、もはや我慢できぬとローブを捲り上げて固定すると片手で質素なズボンを脱いだ。

美人の前で陰茎を丸出しにする興奮は、更に陰茎の角度を上げる。

反り立つ力の反発を受けながらも、胸を揉んでいない方の手で根元を押さえ、何とか美紗緒の口へ向けると性欲に塗れた指示を出した。



「こ、この聖棒を、く、口に咥えるのです!」

「……はい」



細くも血管が疼く陰茎に、意思を封じられて操られるままに顔を近付ける美沙緒。

普通ならば悲鳴を上げて逃げる状況にあっても、香で操り人形にされ、それ以前にフィルターで性的な情報の遮断をされてしまっている所為で、嫌悪感で意思が復活する事は無い。

薄目を開ける表情は憂いに満ちているようで、何処と無く色気を感じる神父。

息が間近に感じられる距離まで美沙緒の顔が近付くと、それだけで精液を吐き出しそうになってしまった。



「はぅっ!? うくぅ~……」

「……ぁむ」

「はっ!!?」



何とか股間に力を入れて精液を我慢していた神父は、鈴口を口内に咥え込まれた瞬間に頭を振り上げて精液を暴発させてしまう。

ビクビクと痙攣を繰り返す陰茎は、白く染まった神父の意思を通り越して本能のままに美沙緒の口内へ射精を繰り返す。

今まで神に仕える事に殉じ、性的な事には一切縁が無く、この歳まで生きてきた神父は過去を取り戻す勢いで精液を吐き出した。

鈴口だけしか咥えていないので体液だけが美沙緒の口内を急速に満たし、頬が僅かに膨らむ程度まで出せば神父の思考は絶頂から帰ってくる。

人生で初めて味わった性的な快感は精神的な衝撃が強く、半ば呆然と顔を美沙緒へ向けた。



「はっ、ぉふぅ……」

「…………」



咥えるだけしか指示されていない美沙緒は、薄っすらと開けられた意思を感じさせない目で陰茎の根元を見たままで止まっている。

神父から見ても亀頭の三分の一程が口の中へ入れられており、頬も精液で膨らんでいるのが確認できた。

自分が出した体液を溜め込んでいる光景を見て、背筋をゾクゾクさせる精神的な快感をもたらす。

その興奮は一度精液を吐き出した筈の陰茎へ力を送り、未だに硬さを誇示していた。



「く、口の中に出された物は、身体に良い物なので、そのまま、飲んでしまいなさい」

「……んっ」



頬の膨らみが消えると同時に、細い喉が動いてコクコクと精液を胃の中へ流し込んだ。

舌が飲み込む動作をした所為で舌先が鈴口をちろちろと舐め回し、更なる快感を受ける神父。

そして美沙緒の口の中に何も無くなると、神父はおもむろに腰を突き出した。



「おっ! おふぉ!?」

「…………」



閉じられた唇が開かれながら陰茎で一番敏感な亀頭の表面を撫で、神父は実際に動いて感じる快感の大きさに無意識に声を漏らす。

少し痛いとも思える歯の硬い感触すら性的な刺激として受け、無防備な美沙緒の頭を押さえ、反り立つ陰茎を更に差し込んでいく。



「おぉ……、神よ……」



上顎に張り付いていた舌を亀頭で下へ抉じ開けた所為で、横に広がったザラザラとした感触の舌の腹に擦られる。

生暖かい唾液を塗りたくられれば挿入は難なく行え、一先ず咽ない程度に、陰茎の根元が僅かに残るまで入れた。



「くぅ……!!」

「…………」



口内の奥では、盛り上がった舌の付け根で鈴口が上へ圧迫され、カウパー液が美沙緒の喉へ流れてしまう。

幾ら意識を封じられていても生理的な反射が働いているので、液体が気管へ入らないように身体が勝手に飲み込んだ。



「んくっ……」

「おふぁ!?」



飲み込む動きは口内にあった陰茎への密着も高め、舌は更に薄く広がって竿の左右にまで張り付く。

同時に舌の奥へ引き込む動きで圧力が増してしまい、まるでストローとして使われている感覚が神父に送られた。

快感に耐えても睾丸から直接吸い上げられる刺激は童貞の神父には刺激が強すぎ、一度精液を出したにも拘らず、再び絶頂へ達してしまう。



「あぁ!! 美沙緒さん!!」

「……んぐっ……んくっ」



頭を掴んでいる腕が無意識に根元まで差し込もうとする動きを何とか阻止しながら、美紗緒の喉元へ二度目の射精を流し込んでいく。

再び精液を流し込まれても、美紗緒は何の拒否も示さずに飲み込み続ける。

動く舌は陰茎と亀頭を纏めて擦り、絶頂途中の快感を更に高めさせた。

頭を振り上げた神父は、口元から唾液が垂れるのすら自覚出来ない程に思考を白く染める。



「おっ……おぅ……」

「…………んくっ…………んっ」



睾丸から吸い取られた精液は全て美沙緒の胃の中に流し込まれ、初めての射精を二回連続で終えた神父。

既に美紗緒の口内には唾液と陰茎しか残っておらず、微妙に蠢く舌で刺激を送られ続けても、陰茎からは力が抜けていく。

神父の思考が絶頂から帰ってくると、振り上げていた頭も降りてくる。

未だに陰茎を咥えている美沙緒の頭頂部では、神父が無意識にサラサラの髪を撫でていた。



「んふぅ……」

「…………」



美沙緒の口内へ思う存分精液を吐き出した神父は満足気に溜息を付きながら、緩やかに腰を動かして尿道に残っていた精液まで吸われるままに飲ませる。

しかし、そんな光景を窓の角から覗いている視線が在った。



「し、神父様……。何でお姉ちゃんに……?」



一人放置された形になっていた少年は好奇心を発揮して、美沙緒が受ける儀式を見てみようと思い立っていたのだ。

その思いは神父達が教会に入った時点で行動を開始し、少し高い窓へ何とか張り付くと覗き見を始めた。

自分が見た事の無い事が始まるとワクワクしながら見ていたが、香を焚いた神父が美沙緒の胸を揉み、陰茎を咥え込ませた事で困惑が沸き起こる。

更には口内で軽く抜き差しを繰り返す様子は気持ち良さそうで、少年にも思い当たる節があった。



「やっぱり、アレをすると気持ち良いんだ……」



過去に美沙緒と一緒に風呂へ入った時に、陰茎を太股で擦った快感を思い出して股間をもじもじとさせる少年。

神父の快感に緩んだ表情を見て、半ば本能的に陰茎を女の身体の中へ入れる事が気持ち良い事であると認識した。

そう考えれば、異様に見えた行為も納得出来る。

少年は更に、口以外にも陰茎を入れられそうな箇所を思い浮かべた。



「もしかしたら、あそこにも入れられるのかな……?」



美紗緒の股間へ手を入れ、大陰唇を触った感触を思い出した少年。

硬くなっていく陰茎による股間の違和感に足を動かした途端、足場にしていた場所から大きな音を立ててしまった。



「あっ!?」

「誰です!?」

「…………」



崩れ落ちると同時に窓から姿を消したお陰で、振り向いた神父には見られずに済んだ少年は、慌てて別れた場所に戻って一人遊びを始める。

しかし神父がすぐにやってくると言う事は無く、結局姿を現したのは少し時間が経った後だった。

意識を回復させて洗濯魔法を習得したと喜ぶ美沙緒の後ろからは、皺が目立っていた顔に心成しか艶が戻った神父が付いてくる。

少年は自分が姉と呼ぶ女にフェラチオをさせていた意味をイマイチ正確に認識していないので、二人と接する態度は変わらなかった。

多少は覗いていた事が知られていないのかとドキドキしていたが、神父の満足気な様子をチラリと見て大丈夫だと確信する。

そして、さも今までここに居たと言わんばかりの態度で美沙緒を迎えた。



「あっ、お帰り」

「ねぇねぇ、聞いて! 私も洗濯する魔法を使えるようになったよ!」

「えぇ……、おめでとう」

「あれ、何かあんまり驚いてないのね?」

「だって、皆普通に使ってるし」



初めて魔法を取得して喜ぶ自分とは対照的に、余り変化の無い少年の態度に不満げな顔を浮かべる美沙緒。

少年には洗濯魔法自体は見慣れたもので、誰でも使えると言う認識を持っている所為で特に何かを感じる事はなかった。



「じゃ、早速使ってみたいけど……」



身近な洗濯物として自分が今着ている麻の服を指で引っ張って見る美沙緒。

これを使ってしまえば上半身が裸になってしまうと言う考えが過ぎるも、どうせここはゲームの世界なのに加え、最低限の下着も付けている気になっているので戸惑いなく使用する事にした。



「神父様。ちょっと、水場に行ってきます」

「え、えぇ……、私は昼食を作っておきますので、は、早めの食堂へお越し下さい」

「分かりました」

「僕も行く!」

「じゃ、一緒に行こうか」

「うん!」



美沙緒の言葉を受けた神父は、香を焚いていた時の態度とは打って変わって、再び緊張した言葉を詰まらせながら答える。

若い異性に対して慣れていないので、意識をハッキリさせた状態には潜在的な恐怖心があった。

挙動不審な神父に背を向け、少年の手を取った美沙緒は水場へ向かう。

裏手にある一角は教会の正面から見えない位置にあり、生活観がありすぎる景色で、来訪者が教会に持つ神聖なイメージを壊さない配慮がしてある。

風通しは良く、洗濯には十分な環境だ。

神父が食事を作る台所は専用の水道が引かれ、態々裏手の水辺に来なくても良いようになっていた。



「さてと……」

「…………」



今朝、神父が洗濯魔法を使っていた箇所へ辿り着いた美沙緒は、早速上着を脱いだ。

当然ながら下着は付けていないので、綺麗な巨乳は大胆に揺れて少年の性欲を再度刺激する。

性的なフィルターを介している美沙緒は、自分が上半身裸になっている意識は無い。

露出した巨乳を震わせながら両手の人差し指を立て、習得したばかりの呪文を唱え、魔法を使った。

身体の中から魔力が抜けていく感覚を受けたと思えば、目の前でイメージ通りに魔法が発動する。

脱ぎたてで美沙緒の体温が残る上着は宙に浮き、浮いた水球の中へ飲まれて揉まれるように動く。

正しく洗濯機へ入れた様子を忠実に再現した魔法は、殆ど付いていない汚れを洗い流していった。



「わっ! 本当に使えた!」

「凄いね~」



嬉しそうに身体を小さく動かす所為で、小刻みに震える巨乳は柔らかさを存分に少年へ見せ付ける。

宙に浮く洗濯物を思い通りに動かそうと腰を捻れば、一瞬送れて胸が付いてきた。

昼間の明るい日差しの中で美女が上半身裸で嬉しそうにしている光景は、教会と言う場所もあって何処か神聖さを感じそうだ。

しかしすぐ近くでは性欲を浮かび上がらせる視線が、大きく柔らかく揺れる巨乳に張り付いたまま。

欲望を抑えきれなくなった少年は美沙緒に近付くと、横から抱き付いて胸を掴んだ。



「んっ、どうしたの?」

「お姉ちゃんばっかり楽しそうでつまんない」

「あら、ごめんね」



自分の脇腹に張り付いてきた少年の頭を撫でて慰める美沙緒だが、小さな手は巨乳に食い込んで乳首を摘んでいる。

指がコリコリと動かされれば生理的な反射を返して徐々に硬さを増し、厭らしく尖ってきた。

摘み易くなった事で、少年は乳首の感触と手首まで食い込む胸の感触を楽しむ。

ズボンの中で小さな陰茎が大きくなり、昨夜に風呂で感じた性的な快感を求めて、無意識に美沙緒に太股へ股間を擦り付けていた。

目覚めたばかりの性欲を向けられる胸は良いように揉まれ、拙い手付きながらも二日続けて刺激された巨乳は、本人が知らないうちに興奮を溜め込んで張りを増す。

乳首を弄る少年も胸の変化に気付き、力が篭った手は益々厭らしく動いた。



「んっ……、じゃぁ、ちゃっちゃと乾燥させてお昼を食べに行きましょうか」

「うん!」



元気良く返事を返す少年の顔は、とても性的な行動をしているとは思えない程に純粋そうな雰囲気を出す。

そして、胸を揉まれながら洗濯を終えた美沙緒は、神父が呼びに来る前に食堂へ戻った。



体験版終わり

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