瑠美子のおもらしサーガ〜聖塊の乙女〜 体験版 体験版

STAGE 1

「すぐ街に行かなきゃ行けないんだから……てぃっ!」
ザシュッ!
「ブヂュルブヂュルブヂュルッ……!」



 しっかりと剣を握り締めたまま、瑠美子は群がる触手へと飛び込む。
 抱えている尿意を堪えられるうちに、すぐにでも触手をやっつけるつもりでいたのだ。
 一気に触手との距離を詰めて、根元の部分へと目掛けて剣を振り下ろすと、ものの見事の胴体部分を切り裂いていく。
 切り離された触手が地面へと横たわると、まるでもがき苦しんでいるかのように全身を激しくくねらせながら段々と目の前から消え失せる。

「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……何とか倒せたみたいだけど。こんな格好なんて、絶対に誰にも見せられないよ……」
モジモジモジッ。

 無事に触手を退治し終えた後も、瑠美子はなかなか街の中に脚を踏み入れられそうになかった。
 もし街に入ってしまえば、丸出しになっている下半身を人目に晒す羽目になるかもしれないのだ。
 その場に立ち尽くしたまま、つい縮み上がらずにいられない。
 どんなに頭を捻っても、片手だけで下半身を取り繕う術が少しも思いつきそうになかったのだ。

『まったく、本当に世話の焼けるヤツじゃ。すぐ着替えさせてやるから、そこで待っておれ……』

 なかなか街の中に向かおうとしない瑠美子に、天の声が話し掛けてくる。
 どうやら丸出しになった下半身を恥ずかしがっているようだと気づいて、代わりの衣類を与えることにしたのだ。

「……きゃんっ! 何なのよ、この格好は!?」
クシュクシュクシュッ。



 天の声に言われるままじっとしていると、瑠美子は茫然とせずにいられなかった。
 周囲がいきなり光輝いたかと思えば、さらけ出していた下半身に別の代物を穿かされていたのだ。
 眩い光が収まった直後、あまりに目を疑わずにいられない。
 お尻全体を包み込む真っ白い生地や前部分を留めているテープなど、どう見ても紙オムツ以外に考えられそうになかった。
 腰をくねらせるたびに紙製の生地による感触が伝わってきて、あまりに気恥ずかしくてたまらない。

『これ、あまり贅沢を言うな。これで大事な部分を見られずに済むはずじゃから、今度こそ街の中に入ってもらうからな?』

 怖じ気づいている瑠美子に、天の声はさらに言葉を続ける。
 下半身の衣類を用意してあげたので、何としても街に向かってもらうつもりでいたのだ。

「そ、そんなこと言われたって困っちゃうのに……はうぅっ」
フリッ、フリッ、フリッ……

 天の声に文句をぶつつけられるまま、瑠美子は街の方へと脚を進めるしかなかった。
 おかしな格好のまま、これから人がいる場所へ向かわなければいけないようなのだ……はしたなく膨らみ切った下半身をどう周りに見られてしまうのか、考えるだけで気まずくてたまらない。
 おぼつかない足取りで街の入り口へ向かう間も、ひとりでに膝が震え上がってしまう。
 ただでさえ肌に擦れて歩きづらいのに、紙オムツなどを穿かされたまま本当に冒険を続けなければいけないのか、未だに思い悩まずにいられないのだ……