STAGE 1
ヌニュルニュルニュルッ……
(あんなに気持ち悪い奴……一体、どうやって倒せば良いのよ!?)
剣をしっかりと握り締めたまま、瑠美子は神経を擦り減らしていた。
地面から不気味に生え伸びている触手がいつ攻撃を仕掛けてくるかも分からないので、ひたすら警戒していたのだ。
相手の出方を待ち構えている間も、つい背筋をこわばらせずにいられない。
下手に飛び込んでしまえば、群がる触手に絡まれてしまうかもしれないのだ……
ズニュズニュズニュッ、ギチチッ!
「し、しまったっ……!?」
少し離れた場所から触手の様子を窺っていた矢先、瑠美子はあっけなくひるんでしまう。
地面がいきなり盛り上がってきたかと思えば、足下から別の触手が伸びてきたのだ。
足首をきつく縛りつけてくる感触に、ついうろたえずにいられない。
ちゃんと距離を離していたはずなのに、ここまであっけなく触手に掴まってしまうなど思いもしなかったのだ。
「お、お願いだから離してってば……ひうぅんっ!?」
ギュルギュルギュルッ、ミシミシミシィッ!
足首に絡みつく触手を追い払う間もなく、瑠美子はさらなる窮地へと立たされる。
気づかぬうちに両脚を引っ張られて、ついには宙吊りにさせられてしまったのだ。
何としても触手から抜け出そうともがき続けているはずなのに、なかなか上手く振り解けそうになかった。
不安定な体勢のまま身を捩らせても、なかなか思うように力を込められそうにないのだ。
ゾクゾクゾクッ……
(どうして、こんな時に……急にオシッコがしたくなっちゃうのよ!?)
触手に絡まれるまま地面から吊り上げられていた矢先、瑠美子は身震いまで引き起こしてしまう。
無理な方向に身体を動かしていたせいか、尿意を引き起こしてしまったのだ……下半身から着々とおかしな感覚が押し寄せてきて、少しも収まりそうになかったのだ。
とっさに縮み上がった後も、つい焦らずにいられなない。
まともに体勢も立て直せそうにない中、はしたない欲求を堪えることにも神経を削がれてしまう。
群がる触手から抜け出す術すら思いつかない中、どんなに尿意を我慢したくても下半身をくねらせるだけで精一杯だったのだ……