STAGE 1
「も、もう……駄目ぇっ!?」
カクカクカクッ、プシャアアアァァァ!
激しい尿意の波に屈するまま、瑠美子はとんでもない行為を引き起こしてしまった。
触手に締め上げられるうちにお腹が苦しくなってきて、膀胱に溜まっていたオシッコを垂れ流し始めていたのだ……股間の周辺を駆け巡ってくる、生温かい液体の感触にあっけなく気を取られてしまう。
体内からひとりでに溢れ出した液体が、ついには太股の方まで垂れ落ちてくる。
はしたない液体を零すたびに、ひとりでに全身が火照ってくる。
「や、やだっ! もうそれ以上は出ないでってば……はうぅんっ!?」
パタパタパタッ、チョボチョボチョボッ。
おかしな拍子にしでかした粗相のせいで、瑠美子はさらに焦ってしまう。
いくら尿意を我慢するのが苦しかったとしても、まさか戦闘中に排尿する羽目になるなど思いもしなかった。
胸の奥底が揺さぶられるまま、つい泣き言を洩らさずにいられない。
何度も身を捩らせているはずなのに、オシッコの勢いを少しも止められそうにないのだ。
「う、うごぉっ……!?」
グニュルグニュルグニュルッ……
戦闘中に引き起こした粗相を恥じらっていた矢先、思い掛けない転機が舞い込んでくる。
オシッコを浴びせられた途端、触手があっけなくひるんでしまったのだ。
重苦しい呻き声を地面から響かせながら全身を激しくくねらせて、段々と地面に埋もれていく。
「……きゃんっ!?」
ドサッ。
尻餅をついたまま、瑠美子は思わず悲鳴を洩らしてしまう。
ずっと全身に絡みついていた触手が突然外れたかと思えば、いきなり地面に下ろされてしまったのだ。
お尻全体に激しい衝撃が走ってきて、さすがに痛くてたまらない。
そっと腰を持ち上げながらお尻を抱えている間も、触手がもがき苦しんでいる様子をありありと思い知らされる。
「反撃できない今のうちに、ちゃんとやっつけておかなくっちゃ……えいっ!」
ザシュッ!
「ブヂュルブヂュルブヂュルッ……!」
触手がひるんでいる隙を狙って、瑠美子は攻撃を繰り出すことにした。
どんな理由なのかは未だに分からないものの、どうやらオシッコを浴びたのが原因で弱ってしまっているらしい。
剣をしっかりと握り締めると一気に距離を詰めて、触手の根本へ目掛けて思いっ切り振り下ろす。
切り離された触手は地面に横たわったまま、金切り声を響かせながら段々と消え失せていく。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……どうやら倒せたみたいだけど。こんな格好のままじゃ、街の中になんて入れそうにないよぉ!?」
モジモジモジッ、ポタポタポタッ……
やっとの思いで触手を退治した後も、瑠美子はなかなか街の入り口に脚を向けられそうになかった。
はしたない格好を恥じらうあまり、その場で踏み止まっていたのだ。
ビキニを奪われるまま下半身を丸出しにさせられた上、先ほどしでかした粗相によって両脚の内側に無数の滴まで浮かべている始末だった。
決して誰にも見せられそうにない下半身の格好などを抱えたまま、人目につくような場所になど到底向かえそうになかったのだ。
『いつまでグズグズしておる、さっさと街に行かんか……さすがに、そんな格好じゃ大騒ぎになってしまうな。別の衣装を用意してやるから、ちょっと待っておれ』
なかなか街に入ろうとしない瑠美子を見兼ねて、天の声がそっと言葉を交わす。
さすがに下半身を丸出しにしたまま冒険を続けさせるのも偲びないと感じて、代わりの衣類を与えることにしたのだ。
「……きゃんっ! 何なのよ、このパンツの柄は!?」
天の声の言葉に耳を傾けるうちに、瑠美子はおかしな呆気に取られていた。
いきなり周囲が光輝き始めたかと思えば、先ほどとは別の下着を穿かされていたのだ。
お尻全体を包み込む真っ白い生地が気になって後ろを振り向いた途端、お尻の方に描かれた苺柄の模様にすぐ視線を奪われる。
まるで子供が穿くような女児パンツに脚を通す羽目になるなど、さすがに思いもしなかったのだ。
『本当にワガママな小娘じゃな。何も穿いてないよりマシじゃろう。今度こそ、さっさと冒険に向かってもらうからな……?』
「も、もう分かったから。あまり急かさないでってば……!?」
ヨタヨタヨタッ……
おかしな格好を恥じらっている瑠美子をよそに、天の声が言葉を続けてくる。
代わりの衣類を穿かせてあげた引き替えに、再び冒険を続けるよう言い張るのだ。
天の声に言われるまま街の入り口に向かう間も、つい困惑せずにいられない。
お尻に苺柄まで刻まれているパンツなどを穿いたまま、本当に街の中を歩き回らなければいけないと思うだけで段々と憂鬱になってくる……