学校の規律には絶対に逆らえない 体験版

第2話

「うぅっ……」
モジモジモジッ……

 生徒達の前で粗相をしでかした翌日、詩織は自宅のベッドで過ごしていた。
 体調を崩してしまったと理由をこじつけて、自分から休養を申し出ていたのだ……受話器越しに職員と話している間も、あまりに気まずくてたまらなかった。
 部屋の天井をぼんやりと見つめたまま、つい思い悩まずにいられない。
 どんなに気分を紛らわせようと試みても、なかなか憂鬱な気分が消え失せそうになかったのだ。

『高桐先生……生徒達の前で粗相をしてしまったって本当なんですか?』
『まだ介抱の途中なんですから、あまり騒がないでください……』
『それにしても一体どうしたものでしょう。このままでは、生徒達に示しがつきませんぞ……?』

 失禁をしでかした直後の出来事を、詩織はそっと振り返る。
 教室中が騒ぎになるうちに他の職員達がやってきて、気づいたら保健室まで連れられていたのだ。
 保健教師に付き添われながら下半身の後始末をしているうちに、自ら招いてしまった事態が学校中の噂として広まってしまい、職員室にも話が回ってくる始末だった。

(みんなの前でオシッコを漏らしちゃったことで、きっと今日も大騒ぎになっちゃってるはずだよね……先生達にも知られちゃって大変だったし、もう学校に行けそうにないかも……?)

 ベッドに寝転んだまま、詩織は思わず頭を抱えてしまう。
 教師として決して見せてはいけない姿を、寄りにも寄って顔見知りの生徒達がいる前で晒してしまったのだ。
 ほんの少し思い返すだけで、一気に恥ずかしさが込み上げてくる。
 口々にぶつけられた言葉の数々が脳裏に蘇ってきて、どうしても彼らと顔を合わせられそうになかったのだ……

(さすがに来週は学校に行かなくちゃいけないけど、もし何か言われても嫌だし。一体どうしたらいいんだろう……ん?)
ピピピピピピッ……

 憂鬱な気分に苛まれているうちに、詩織の耳元に何かが飛び込んでくる。
 いつまでも学校を休んでいるわけにはいかなかったので、しでかした失態をどう言い訳すれば良いかと悩んでいるうちに携帯電話が突然鳴り響いてきたのだ。
 言い表しようのない気だるさに苛まれる中、仕方なく携帯電話の方に手を伸ばす。
 携帯電話を引き寄せている間も、どんな相手なのか気にせずにいられない。

『高桐先生へ、あの件であまり騒がないようみんなに頼んでおいたので、来週こそ学校に来てください。増野より』

 携帯電話の画面を覗くと、詩織の目に思い掛けないものが飛び込んでくる。
 男子生徒の一人である増野から、慰めのメールが届いてきたのだ。
 他の生徒達にもなるべく周りが騒がないよう配慮するつもりなので、ちゃんと翌週に来て欲しいとわざわざ頼んできたらしい。

(まさか、増野くんがメールしてくるなんて思わなかったけど……来週こそ、ちゃんと学校に行かなくっちゃ!)

 増野が送ってきたメールを見つめるうちに、詩織は目頭が熱くなってくる。
 惨めな気分に苛まれていた矢先、まさか生徒の一人から慰めてもらえるなど思いもしなかった。
 不手際をしでかした自分を受け入れてくれる存在に、つい感激せずにいられない。
 彼に言われたとおり、翌週こそちゃんと学校へ向かおうと決意を固めていく……

      *      *      *      *      *      *

「おはようございます、高桐先生」
「み、みんな。おはよう……」
フラフラフラッ……

 月曜の朝、詩織は普段どおりに学校へと向かい出す。
 見慣れているはずの道を何度も振り返りながら、ついたどたどしい足取りを取らずにいられない。
 すれ違う生徒達の姿が気になる中、そっと挨拶を交わすだけで精一杯だった。
 たった一日学校を休んだだけなのに、言い表しようのない緊張へと苛まれていたのだ。

(教室でお漏らししちゃったこと、やっぱりみんな知っちゃってるはずだよね。学校にいる間に、変な噂とか立てられちゃったりしないかな……?)

 学校の敷地内に脚を踏み入れている間も、詩織は背筋をこわばらせずにいられない。
 先週にしでかした粗相の事実を、いつ何かの拍子に問い詰められてしまうかも分からなかったのだ。
 おかしな気まずさに苛まれるあまり、段々と足取りが重たくなってくる。
 無事に今日一日を乗り切れるかどうか、つい思い悩まずにいられないのだ……

「お、おはようございます。すみません、金曜日は勝手に休んじゃって……」
「おはようございます、高桐先生。別に大したことじゃありませんから、そんなに気に病まなくても構いませんよ?」

 おぼつかない足取りのまま、詩織は職員室へと辿り着いていた。
 中にいた職員達へ挨拶を交わしながら、そそくさと頭を下げていく。
 未だに気が引けずにいられない中、せめて先週に突然休んでしまったことだけでも謝らなければいけなかったのだ。
 職員達も詩織の言葉に耳を傾けた後、気兼ねなく返事を返してくる。

コンコンッ。
「失礼します。高桐先生はいらっしゃいますか?」

 そそくさと身支度を調えていた矢先、いきなり誰かが職員室にやってくる。
 ちゃんと詩織が学校に来ているか気になって、増野がわざわざ職員室に顔を出してきたのだ。
 何度も周囲を振り返りながら、詩織の姿を捜し求めていく。

「増野くん、あの時はメールを送ってくれてありがとうね……おかげでちょっとだけ、学校に行く勇気が持てたかも?」

 職員室を飛び出した後、詩織は隣にいる増野にそっとお礼を口にする。
 不祥事のことで落ち込んでいた矢先に、まさか誰かから慰めのメールなどを送ってもらえるなど思いもしなかった。
 増野の返事を待っている間も、つい照れずにいられない。
 一緒に廊下を歩き続けるうちに、段々と落ち着きを失ってしまうのだ。

「もう、先生ってば心配性だなぁ……先生が恥をかかなくて済むよう、ちゃんと準備だって整えておいたんだから?」

 顔を赤くしている詩織の様子をじっと見つめながら、増野はさりげなく返事を返す。
 詩織だけが恥ずかしい思いをしないよう、金曜日のうちに手を回しておいたと言ってきたのだ。
 一緒に教室へ戻っている間も、これから詩織がどんな反応を見せてくれるのかと期待せずにいられない。

「えっ、増野くん。それって一体どう言う意味なの……?」

 増野が不意に洩らした言葉の内容に、詩織は思わず気を取られてしまう。
 自分がいない間に、どうやら増野が何かを仕掛けていたらしいのだ。
 不可解な発言の内容を何度も思い返しているはずなのに、どうしても真意を掴めそうになかった。
 そっと聞き返しているうちに、気づいたら見慣れた教室が視界に飛び込んでくる。

「ほら、先生。もう時間だからすぐホームルームを始めちゃおうよ?」
「え、えぇ。分かったわ……それじゃみんな、挨拶をよろしく」

 ついに教室へ辿り着いたので、増野はさりげなく詩織の手を引いていく。
 ずっと肩をこわばらせている様子に気づいて、少しでも緊張を和らげてもらおうと詩織を案内するつもりでいたのだ。
 詩織も増野に返事を返しながら教壇に向かって、普段どおりに朝のホームルームを繰り広げていく。

(とりあえず今の所は大丈夫みたいだけど……やっぱりあの時お漏らししちゃったこと、みんなも覚えちゃってるはずだよね……?)

 教壇に立ち尽くしたまま、詩織はこっそりと教室の中を振り返る。
 尿意に屈するまま、先週の放課後に失禁をしでかした出来事を周りにいる生徒達がどう感じているのかずっと気になっていたのだ。
 ホームルームを進行している間も、つい背筋をこわばらせずにいられない。
 もしかしたら目の前にいる彼らから、何かの拍子にはしたない事実を突きつけられてしまうかもしれないのだ……

「それではこの辺で朝のホームルームを終わりにしたいんだけど……他に何か、連絡事項はないかしら?」

 なかなか思うように緊張が解れない中、詩織は着々と朝のホームルームをやり過ごす。
 ずっと身構えていたはずなのに、どうやら生徒達が何もおかしなことを言ってこないようなのだ。
 ひととおり今日の予定を告げ終わったので、さりげなく生徒達に言葉を交わしていく。
 何も連絡事項がなければ、ひとまず無事に教室から出られるはずなのだ。

「あの、先生。大切なお知らせがあるので、ちょっと待ってもらえませんか?」
ガチャガチャガチャッ。

 詩織の言葉に気づいて、一人の女生徒が席から立ち上がる。
 保健委員を務めていた森山もりやま 潔乃きよのが、いきなり手を挙げてきてきたのだ。
 あらかじめ持ち込んでいたバケツを携えたまま、黒板の前へと向かい出す。

「も、森山さん。バケツなんて持ってきて、これから何をするつもりなの?」

 いきなり近づいてきた潔乃の姿に、詩織は呆気に取られてしまう。
 すぐにでもホームルームを締め括るつもりでいたのに、いきなり潔乃が立ち上がってくるなど思いもしなかった。
 潔乃の様子をそっと窺っている間も、つい戸惑わずにいられない。
 わざわざバケツを持ち込んでまで潔乃がこれから何をするつもりなのか、どんなに考えても理由を掴めそうになかったのだ。

「今週は防災週間があるので、トイレに困らないよう今のうちに訓練を積んでおく必要があります。それで……これから一週間、女子達は全員はトイレではなく、バケツで用を足すようにしてください」
ゴトンッ。

 詩織の質問を受けて、潔乃はそっと言葉を切り出す。
 今週に控えている防災週間の一環として、非常時にどこでも用を足せる訓練を積む必要があると踏まえた上で、とんでもない言いつけを口にする。
 何とこれから女子トイレの使用を禁止する代わりに、当分はバケツで用を足すよう伝えてきたのだ。
 用件を言い終わると、握り締めていたバケツをそっと床に下ろしていく。

「も、森山さん……? どうして急に、そんなおかしなことなんて言ってきちゃうの……!?」

 潔乃が不意に口走ってきた言葉の内容に、詩織は思わず耳を疑ってしまう。
 たかが防災訓練の特訓ごときで女子トイレの使用を禁じてしまうなど、あまりに考えられない事態だった。
 恐る恐る潔乃に質問している間も、つい頭を捻らずにいられない。
 未だに教壇へ佇んだままも席に戻ろうとしない潔乃の様子を見ているうちに、嫌な予感が段々と脳裏をよぎってくるのだ。

「す、すぐ済ませますからちょっとだけ待っててください……こ、これからお手本を見せたいと思うので、バケツでどんな風に用を足せば良いのか、今のうちにしっかり見ておいてください……くうぅっ!」
プチプチッ、スルスルスルッ……

 遠慮がちに詩織へ返事を返しながら、潔乃はとんでもない行動を引き起こす。
 周囲の様子を気にしながら、いきなり腰に手を掛けてスカートのホックを外し始めていたのだ。
 ひとりでに震え上がる手元を堪えながらスカートから手を離すと、露わになった純白のパンツも一緒に下ろしていく。
 さらけ出した部分を空気が撫でつけるたびに、腰をくねらせずにいられない。

「や、やだっ! 森山さんってば、男の子達もいる前なのに、どうしてお股なんて見せてきちゃうの……!?」

 あまりに破廉恥な潔乃の格好に、詩織は度肝を抜かれてしまう。
 男子達もいる教室の中で、いきなり下半身をさらけ出してしまうなど思いもしなかった……とっさに周囲を振り返っている間も、つい慌てずにいられない。
 はしたない格好を平然と人目に晒してしまう潔乃の素振りをどう受け止めれば良いのか、どんなに考えても理解できそうになかった。
 すぐに下半身を取り繕うよう潔乃に言っても、広がっているスカートをなかなか本人が床に拾おうとしないのだ。

「先生、驚かせちゃってごめんなさい。でも私、保健委員としてこれからちゃんと手本を見せなくちゃいけないから……」
ヒクヒクヒクッ……

 落ち着きを失っている詩織に返事を返しながら、潔乃は恐る恐る用件を切り出す。
 女子達が恥ずかしがらないよう、これから手本を見せるつもりだと明かしながら床に置いたバケツを跨いでいく。
 はしたなく両脚を広げている間も、身を捩らせずにいられない。
 露わになっている部分に続々と視線を浴びせられるうちに、ひとりでに全身を火照らせてしまうのだ。

「うわぁ……見てみろよ。森山ってば、オレ達の前で股なんて見せてきちゃってるぞ?」
「パンツは真っ白なんだな……あっ、まだお股の毛も生えてないみたいだな。お股の形が丸見えじゃん」
「しっ、あまり騒いじゃ可哀想だろ。これから森山がどんな風にオシッコしちゃうのか、たっぷり見せてもらおうぜ……?」

 思わぬ拍子に垣間見ることになった潔乃の下半身に、男子達は続々と群がってくる。
 いきなり下半身をさらけ出すだけでも考えられないのに、どうやら自分達のいる前でとんでもない瞬間まで拝ませてくれるらしいのだ。
 まだ陰毛すら生え揃っていない股間に、つい視線を吸い寄せられずにいられない。
 普段なら決して見ることが許されない、異性が用を足す瞬間を心待ちにしていたのだ。

(こんな破廉恥なこと、絶対に許されるはずないじゃない……大体、森山さんもどうして、みんなのいる前なのに制服を脱いじゃってるの……!?)

 続々と身を乗り出してくる男子達の様子に、詩織は呆気に取られてしまう。
 どうやら下半身をさらけ出すだけでなく、さらにとんでもない姿をこれからお披露目してしまうようなのだ……バケツに下半身を突き出したまま腰をくねらせている潔乃の様子など、見ているだけで気懸かりでたまらない。
 未だに状況を飲み込めない中、教壇に集まってくる彼らをどうしても追い払えそうになかった。
 戸惑っている女子達を尻目に、教室の中が異様な空気に包まれていく……

「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……んんっ!」
カクカクカクッ、プシャアアアァァァ!

 続々と浴びせられる注目に悩みながら、潔乃はとんでもない行為を引き起こしてしまう。
 下半身をさらけ出したまま身震いを引き起こして、平然と尿意を解き放っていたのだ。
 大事な部分から続々と飛び出してくる、はしたない液体の勢いについ気を取られずにいられない……朝からずっと我慢し続けていたオシッコが、際限なく股間から飛び出してくる。
 未だにためらわずにいられない中、続々と押し寄せてくる尿意の波を当分は抑え切れそうになかったのだ。

パタパタパタッ、ピチャピチャピチャッ。
「おい、ついに始まったみたいだぞ……女子達ってこんな風にオシッコしちゃってるんだな?」
「オレ達もいる前だって言うのに。こんな恥ずかしい格好、よく平気で出来ちゃうもんだよなぁ……?」
「それにしても森山のオシッコ、どんどん出てきちゃってる。もしかして朝からずっと我慢しちゃってたのかな?」

 潔乃が排尿する様子を、男子達は食い入るように見つめていた。
 腰をくねらせたかと思えば、溝の部分から薄黄色い液体が一気に飛び出してきて、足元に置いてあるバケツに続々と溜まっていく。
 耳元に飛び込んでくる小気味良い水音に、つい意識を吸い寄せられずにいられない。
 鼻をくすぐるような臭いまで周囲に漂ってきて、ますます興味をそそられてしまうのだ。

ジトトトトトッ、モワッ……
(やだ、森山さんってば本当に……みんなのいる前でオシッコしちゃってる。男の子達もどんどん集まってきてるのに、どうして女の子達も庇おうとしないの?)

 目の前で繰り広げられている状況に、詩織は茫然とさせられる。
 生真面目な性格なはずの潔乃が、まさか男子達の前で放尿の瞬間までさらけ出してしまうなど考えられない事態だった。
 どうやら本人も恥ずかしがっているのか、ずっと俯いたままバケツに腰を落としたまま尿意を解き放っているらしい……教室の中にはしたない水音が響き渡るたびに、つい顔を火照らせずにいられない。
 恐る恐る周囲を振り返るうちに、とんでもない事実に気づかされる。
 明らかに異様な光景にもかかわらず、教室にいる女子達が少しも止めに入ろうとしなかったのだ……

「あ、あうぅっ……」
クシュクシュクシュッ、スルスルスルッ。

 戸惑っている詩織をよそに、潔乃はしっかりと排尿をやり遂げる。
 延々と尿意を解き放つうちに、やっと下腹部が落ち着きを取り戻してくれたのだ。
 取り出したティッシュで股間を拭っている間も、ついうろたえずにいられない。
 足元に置いてあるバケツにたっぷりと溜まっている薄黄色い液体の量を、今になって思い知らされていたのだ。
 激しい恥じらいに苛まれる中、そそくさと股間から滴を取り払って、ずっと下ろしていたパンツを穿き戻すだけで精一杯だった。

「ば、バケツは授業が始まる前に私が片づけておくので、これから一週間の間はバケツを使うようにしてください……」
チャプンッ。

 下半身を取り繕った後、潔乃はそそくさと女子達に言葉を告げていく。
 もし学校で過ごしている間に用を足したくなったら、先ほど演じたようにバケツを使うよう口にする。
 大慌てで後始末に取り掛かっている間も、つい戸惑わずにいられない。
 オシッコの溜まったバケツを持ち上げた途端、ずっしりとした重みが伝わってくるのだ。

「も、森山さん。ちょっと待って……いきなり教室で裸になっちゃったり、バケツにオシッコなんてしちゃって平気なの……?」

 朝のホームルームを切り上げた後、詩織は急いで潔乃の後を追いかける。
 クラスメート達がいない隙に、ずっと調べたかった疑問を潔乃自身から聞き出すつもりでいたのだ。
 どうして男子達もいる前で下半身をさらけ出したり、さらには排尿の瞬間まで明かしてしまったのかと尋ねていく。
 防災週間の間だけバケツでの用足しを迫ったり、ついにはお手本と称してオシッコまで垂れ流してしまった潔乃の様子があまりに気懸かりでたまらない。

「わ、私も本当は恥ずかしくって……でも、学校の規律で決まっていることだから逆らえなくって……そ、それじゃ失礼します」
チャプンッ、チャプンッ、チャプンッ…

 詩織が口にした質問に、潔乃はこっそりと答えていく。
 ひとりでに火照ってくる顔を堪えながら、とんでもない事実を口走る。
 どれだけ理不尽な内容でも『学校の規律』で決まったことなので、決して逆らえそうにないはずだと言い放つ。
 何とか事情を明かした後、バケツに溜まったオシッコを処分するためにそそくさとトイレへ駆け込んでいく。

(森山さんってば、一体どう言うつもりなの? いくら学校の規律だって言われても、こんな破廉恥な真似、絶対に許されるわけないじゃない!?)

 段々と遠ざかっていく潔乃の後ろ姿を見つめながら、詩織は思わず頭を捻ってしまう。
 どうやら潔乃が言うには、学校の決まりごとに従ってはしたない行為などを演じてしまったらしいのだ。
 あまりに理不尽な内容を嫌々ながらこなしてしまう潔乃の行動など、どんなに考えても納得できそうになかった。
 彼女が去り際に残した言葉の内容が、妙に胸の奥底に突き刺さってくるのだ……

学校の規律には
絶対に逆らえない 体験版
第1話
学校の規律には
絶対に逆らえない 体験版
目次
学校の規律には
絶対に逆らえない 体験版
第3話