体験版 第3話
「う、うぅんっ……ひぃっ!?」
ブルブルブルッ……
廊下に倒れ込んでから数時間後に、來花はようやく目を覚ました。
何とかして意識を保とうとした矢先、思わず呆気に取られてしまう。
気を失っている間に、気づいたらとんでもない状況へと陥ってしまったのだ。
(やだ、真っ暗で何も見えない……何か被せられているみたいだけど、もしかして目を何かで塞がれちゃってるの!?)
視界が塞がれている状況に、來花はすっかり怯えてしまう。
どんなに周囲の様子を確かめようとしても、真っ暗な空間が広がるばかりだった。
目の辺りを覆っている代物の存在に気づいて、つい慌てずにいられない。
意識を失っている間に、まさか目隠しなどを覆い被されてしまうなど思いもしなかった。
「んぅっ……このぉっ!」
ギチギチギチィッ。
目隠しを取り外そうとした矢先、來花はさらなる事態に気づかされる。
視界を奪われるだけでなく、どうやら身動きも封じられているらしいのだ。
身を捩らせるたびにしつこく食い込んでくる、金属性の鎖による硬さや冷たさにうろたえずにいられない。
何とかして周囲の様子を探らなければいけないのに、思うように身体が動かせそうにないのだ。
(何て頑丈なの……どうやら、硬い鎖で身体を縛られちゃってるみたい。すぐにここから抜け出さなきゃいけないのに、どうして手も足も動かせなくなっちゃってるの!?)
何度ももがき続けるうちに、來花は段々と疲れ切ってしまう。
どんなに力を込めても、胴体をしっかりと繋いでいる鎖を決して外せそうになかった。
様々な方向に身体を捻っている間も、おかしな違和感が脳裏をよぎってくる……何度も動かしているはずなのに、何故か手足の感覚が少しも感じられないのだ。
胴体のように鎖を巻きつけられているわけでもないのに、二の腕や太股から先の部分にどうして何も手応えを感じないのか、あまりに不可解でたまらない。
(そう言えば……さっきトイレに行こうとして、いきなり脚が動かなくなっちゃって……廊下でオシッコなんて漏らしちゃったんだっけ。みんなのいる前ですっごく恥ずかしかったのに、今度はいきなり両脚が取れちゃって……!)
手足が動かせない原因を思い悩むうちに、來花はある出来事を振り返る。
トイレに辿り着く寸前で失禁をしでかした後、身体を捻った拍子に胴体から両脚が離れてしまったのだ。
まるで機械みたいに両脚が切り離される瞬間など、思い返すだけで震え上がらずにいられない。
はしたない格好を人目に晒すだけでも耐えられないのに、自分が気づかぬうちにおかしな身体へと作り替えられている事実まで思い知らされてしまったのだ……
「お、お願いっ! 誰でもいいから助けてよぉ……!?」
ミシミシミシィッ。
言い表しようのない不安に苛まれるまま、來花は必死の思いで悲鳴を撒き散らす。
まともな身動きすら取れない上、視界まで塞がれているような事態にもう気持ちが耐えられそうになかったのだ。
耳を澄ましながら周囲の様子を窺う間も、さすがに焦らずにいられない。
何度も叫んでいるはずなのに、自分の声ばかりが周囲に響くばかりで誰も返事を返してくれそうにないのだ。
「やれやれ、もう起きてしまったのか? 本当に桃原は騒がしい奴だな……私がずっと傍にいるんだ。そんなに慌てなくても構わないだろう?」
激しく取り乱している來花の耳元に、いきなり誰かが話し掛けてくる。
椅子に腰掛けたままもがき続けている來花の様子を見かねて、少しでも落ち着きを取り戻してもらうつもりでいたのだ。
小さな身体を何度も揺らす様子など、傍から見ているだけで面白くてたまらない。
「や、やだっ! どうして、芦辺先生がこんな所にいるんですか!?」
フルフルフルッ……
聞き覚えのある声が耳に飛び込んできて、來花はすぐに背筋を凍りつかせてしまう。
いやらしい口調など、どう聞いても芦辺以外に考えられそうになかった。
傍にいるはずの芦辺に恐る恐る質問する間も、つい戸惑わずにいられない。
芦辺の存在を意識させられるだけで、身の毛がよだつような感覚が続々と押し寄せてくるのだ。
(もしかして……芦辺先生なの!? 私をこんな酷い目に遭わせた犯人って……!?)
芦辺の返事を待ち構えている間も、來花はなかなか落ち着きを取り戻せそうになかった。
気づかぬうちに身動きを封じられている中、見ず知らずの場所へ芦辺が存在している原因など一つしか考えられそうになかった……どうやら傍にいる芦辺が、自分をおかしな目に遭わせてきた張本人らしいのだ。
少しも相手の様子が窺えない中、つい焦らずにいられない。
身動きや視界まで封じられた後、來花の手によってどんな目に遭わされてしまうかも分からないのだ……
「私がここにいるのがそんなに不思議か? 私の授業を勝手に遮ったり、目上の者に対する態度が本当になってないようだから、これから桃原をたっぷり躾けてやろうと思ってここまで連れてきたんだ。もう下準備も済ませた後だから、今さら逃げられるなんて思うなよ?」
小刻みに震え上がっている來花の頬をじっくりと見つめながら、芦辺が平然と返事を返す
少しも事情を理解できずにいる來花の様子を見かねて、どんな状態に陥っているのかを説明するつもりでいたのだ。
授業中に都合の悪い意見を挟んだり、反抗的な態度があまりに目につくので、これから來花を『再教育』するつもりだと言い放つ。
すでに身体へ特別な処置を身体に施した後なので、決して自分からは逃げられないとまで付け加えてくるのだ。
「そ、それって一体……どう言う意味なんですか!?」
ヒクヒクヒクッ……
芦辺の不可解な言葉に耳を傾けるうちに、來花はさらに不安を掻き立てられてしまう。
おかしな身体へと変わり果ててしまった原因を、どうやら芦辺は何もかも知り尽くしているようなのだ。
さらに質問をぶつける間も、つい声を震わせずにいられない。
ずっと気になっていた疑問を何としても確かめたい反面、嫌な予感が次々と脳裏をよぎってくるのだ。
「おや、桃原はまだ気づいてなかったのか? さっきも廊下で粗相をして、大勢の前でたっぷり恥をかいたばかりじゃないか……?」
弱り果てている來花の表情をじっくりと見つめながら、芦辺は平然と言葉を続ける。
いちいち口で説明しなくても、すでに自分の身体で体験したはずだと言い放つ。
どうやら本人も相当参っているようだと気づいて、つい興味をそそられずにいられない。
「そ、それは……くうぅっ!?」
モジモジモジッ。
芦辺から突きつけられた言葉によって、來花はあっけなく喉を詰まらせてしまう。
自分の身体がどんな風に変わり果ててしまったのか、つい先ほどまで嫌と言うほど思い知らされていたのだ。
どう芦辺に言い返せば良いのか、どんなに考えを巡らせても思いつきそうになかった。
傍にいる芦辺の視線を肌で感じて、さすがに縮み上がらずにいられない。
(やっぱり、幻なんかじゃなかったんだ……いきなり脚が持ち上がらなくなったり、脚が突然身体から離れちゃったり……いくら芦辺先生の仕業だとしても、一体何が起こっちゃってるの!?)
廊下で引き起こされた数々の出来事が、記憶の奥底から一気に湧き上がってくる。
いきなり脚の動きが止まって、大勢の前で粗相をしでかした後もなかなか動かせずに困っていたら、いきなり身体から分離してしまったのだ。
どうやら芦辺の仕業によって、身体をおかしな風に作り替えられてしまったらしい。
悪い夢でも見ていただけだと未だに思いたい反面、すべてが紛れもない現実だったと思い知らされて、すっかり茫然とさせられていたのだ……
「言葉で説明するよりも、実物を見てもらった方が良いかもしれんな……桃原もさすがに受け入れ難いことかもしれんが、今のうちに覚悟を決めておくんだな?」
コツッ、コツッ、コツッ……
言葉を失っている來花を相手に、芦辺は自慢げに言葉を交わす。
どうやら本人も気になってたまらないようなので、どんな身体に変わり果ててしまったのかをしっかりとお披露目するつもりでいたのだ。
さりげなく周囲を歩き回るたびに、ずっと顔を向けてくる様子があまりに滑稽でたまらなかった。
來花がどれだけ怯え切っているのか、眉をひそめている様子から面白いほど伝わってくるのだ。
「や、やだっ! こっちに来ないでってば……きゃんっ!?」
シュルルッ。
徐々に距離を詰めてくる芦辺の様子に、來花はますます怖じ気づいてしまう。
ただでさえ身動きを封じられているのに、いたずらにおかしな行為など迫られたくなかったのだ。
怪しげな芦辺の素振りに戸惑っていた矢先、あっけなく悲鳴を撒き散らしてしまう。
顔の辺りに指先が触れたかと思えば、いきなり目隠しを取り外されていたのだ。
「そ、そんな……これって一体、どうなっちゃってるの!?」
ギシギシギシィッ。
恐る恐る芦辺に言葉をぶつけようとした矢先、來花は別のことに気を取られてしまう。
周囲の様子を振り返った途端、とんでもない状況が目に飛び込んできたのだ。
とっさに身を仰け反らせた後も、つい目を疑わずにいられない。
意識を失っている間に、考えられない格好がものの見事に出来上がっていたのだ。
(どうして腕から、鎖なんかが生えちゃってるの……もしかして私の腕、眠ってる間に切られちゃったの!?)
おかしな格好のまま括りつけられている身体に、來花は言葉を失ってしまう。
本来あるべき腕がなくなっている代わりに、何故か無機質な鎖などが二の腕から生えていたのだ……しなやかだった指先や腕とは明らかに異質な代物に、つい気が引けずにいられない。
思わず視線を逸らした途端、腕だけでなく脚も同様に太股の真ん中から切断させられていた事実にも気づかされる。
眠っている間にどうして手足を失う羽目になってしまったのか、どんなに考えても気持ちが受け入れられそうになかったのだ……
「お、お願いですっ! 私の身体、すぐ元に戻してくださいっ……!?」
ブルブルブルッ……
あまりに考えられない状態に戸惑うあまり、來花は恐る恐る頼みごとを始める。
失った手足を返してほしいと、目の前にいる芦辺に訴えていたのだ。
芦辺の返事を待つ間も、さすがに焦らずにいられない。
身動きを封じられるどころか、四肢さえ平然と奪ってしまうような相手によってこれからどんな目に遭わされてしまうのか、考えるだけで気懸かりでたまらないのだ。
「ふん、そんなに切り離した部分が気になるのか。ちゃんと取っておいてあるから、じっくり見ておけよ……?」
うろたえている様子をじっくりと見据えながら、芦辺は來花へ言葉を切り出す。
どうやら切断した手足が気になっているようなので、本人に返してやるつもりでいたのだ。
身体から切り離した腕を用意する間も、來花がこれからどんな表情を浮かべてしまうかが楽しみでたまらない。
「……ひぃっ!?」
ビクビクビクッ、チョボチョボチョボッ……
いきなり目の前に突きつけられた代物に、來花は視線を奪われてしまう。
本来なら腕から生えていなければならない部分が、芦辺の手元に握られていたのだ……金属の蓋を根本に取り付けられたまま垂れ下がっている腕を目の当たりにさせられて、つい驚かずにいられない。
決して認めたくなかった現実を思い知らされるうちに、ついには失禁まで引き起こしてしまった。
ひとりでに緩んだ股間から生温かい液体が徐々に溢れ出してきて、レオタードの内側を続々と駆け巡ってくる。
ジュワジュワジュワッ、グシュグシュグシュッ。
(ど、どうして……私の手が、まるで人形みたいに離れちゃってるの!?)
延々とオシッコを垂れ流しながら、來花は全身を小刻みに震わせる。
大事な身体を強引に切り離されるまま、他人の手によって握られてしまうなど、どうしても気持ちが受け入れられそうになかった。
二の腕や太股の付け根と遠くでぶら下がっている自分の腕を何度も見比べるうちに、胸の奥底が激しく揺さぶられてしまう。
おかしな拍子に弛んだ膀胱を引き締める余裕すら、少しも抱けそうになかったのだ……
チョロチョロチョロッ、ピチャピチャピチャッ。
「ふふっ、さすがに桃原も驚いているようだな。だが、まさか私の実験室で粗相をしてしまうなんて。本当に桃原は礼儀がなってないようだな……それとも、いくら頭が良くてもまだ身体は未熟なままなのか?」
あまりに不様な來花の姿を、芦辺はわざとらしく囃し立ててくる。
まさか廊下だけでは飽き足らず、実験室の中でも失禁をしでかすなど考えられない失態だと言い放つ。
飛び級で学園に入学するほどの天才少女でも、たかが身体を作り替えた程度でここまで動揺してしまうなどあまりに意外な反応だった。
どうやらオシッコを漏らさずにいられないほど気が動転しているようだと思うだけで、あまりに面白くてたまらない。
「い、嫌ぁっ! お願いだから、こんな格好なんて見ないでぇっ……くうぅっ!」
ショワショワショワッ、ジュクジュクジュクッ。
芦辺から浴びせられた視線に、來花はあっけなくひるんでしまう。
両手を切り離された事実に驚くあまり、またしても人前で失禁を引き起こしてしまうなど思いもしなかった。
はしたない液体によって浸された下半身を見つめながら、つい戸惑わずにいられない。
みっともない格好など何としても誤魔化さなければいけないはずなのに、どんなに身を捩らせてもオシッコの勢いをなかなか止められないばかりか、緩んだ膀胱すら引き締められそうにないのだ。
ヒクヒクヒクッ、ポチャポチャポチャッ……
(どうしてなの……こんな恥ずかしい格好、誰にも見せられないはずなのに。全然身体が言うことを聞かなくなっちゃってる……!)
続々とオシッコを漏らしながら、來花はさらに弱り果ててしまう。
改造させられた身体に驚くあまり、とんでもない失態をまたしても人前で演じてしまうなど考えられない事態だった。
腰を何度も捩らせながら、あまりに気が引けずにいられない。
レオタード越しに透けている股間やお尻、表面がオシッコによって浸った椅子など、どうしても自分一人だけでは取り繕えそうになかったのだ……
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
フルフルフルッ……
すべてのオシッコを出し尽くした後、來花はあっけなく項垂れてしまう。
決して誰にも見せられないような格好を、寄りにも寄って芦辺のいる前でさらけ出してしまったのだ。
顔を逸らしたまま、つい縮み上がらずにいられない。
どんなに嫌でたまらなくても、はしたない液体によって下半身を浸している姿を目の前にいる相手にずっと見られ続けているのだ。
ピチャピチャピチャッ、ポタタッ。
(どうしよう……こんなにオシッコなんて漏らしちゃうなんて。こんな恥ずかしい格好、どうやって隠せばいいのよ!?)
水音が耳元に飛び込むたびに、來花はひとりでに縮み上がってしまう。
濡れ尽くした下半身をどんなに取り繕いたくても、胴体を鎖で括られている上に両手まで奪われた後、どう頑張っても手の施しようがなかったのだ。
胴体をくねらせるたびに、椅子の表面に溜まっているオシッコが垂れ落ちるのに気づいて、つい身をこわばらせずにいられない。
とっさに目を瞑った後も、レオタードの内側をしつこくオシッコが這い回ってきて、とにかく気持ち悪くてたまらないのだ……
「も、もうお願いだから。乱暴な目になんて遭わせないで……ひうぅっ!?」
ワナワナワナッ……
思わぬ拍子にしでかした粗相を嘆きながら、來花は恐る恐る質問をぶつける。
身体から手足を取り上げてまで、芦辺が何を企んでいるのか気になってたまらなかった。
芦辺の返事を待ち構える間も、ついうろたえずにいられない。
下半身から鼻を突くような臭いが湧き上がってきて、さらに恥じらいを掻き立てられてしまうのだ。
「ふん、どうやらやっと観念してくれたみたいだな。大体、桃原は私から言わせればまだ『お子様』なんだ。どんなに背伸びしたって大人には適わないんだよ。改造したばかりの身体に、たっぷり色んなことを教えてやらんとな……」
今にも泣き出しそうな表情を浮かべている來花へと、芦辺は平然と言葉をぶつける。
身の程をわきまえない態度が前々から鼻に突いていたので、改めて來花に『再教育』を施すつもりでいたのだ。
たとえ頭が他人より優れていても精神は未熟そのものなので、これから時間を掛けて躾けてしまおうと言い放つ。
白かったレオタードの生地がみるみるうちに薄黄色く染まってしまうほど、派手にオシッコを撒き散らしてしまった失態を持て囃さずにいられない。
「そ、そんな……あ、あうぅっ!?」
フルフルフルッ……
あまりに理不尽な芦辺の言い分に、來花は思わず耳を疑ってしまう。
身体をおかしな風に改造されるだけでも考えられないのに、どうやら今後も芦辺の手によっておかしな目に遭わされてしまうらしいのだ。
目の前にいる芦辺から視線を逸らした後も、つい焦らずにいられない。
はしたない液体によって濡れ尽くした身体へと、まるで舐め回すような眼差しなどを送ってくるのだ。
(眠ってる間におかしな身体に改造されちゃうだけでも考えられないのに……もしかして私、ずっと芦屋先生の言いなりにならなきゃいけないの!?)
クネクネクネッ、ジュクジュクッ。
芦辺のとんでもない思惑に、來花は困惑せずにいられなかった。
思わぬ形で手足を奪われた後、オシッコで浸された下半身を少しも自分だけでは取り繕えない事実を否応なく思い知らされる……四肢を切断させられた自分自身の無力さを、とんでもない形で痛感させられていたのだ。
どんなに考えを巡らせても、芦辺の元から抜け出す術が少しも思いつきそうになかった。
これから芦辺の手によってどんな扱いを強いられてしまうのか、考えることすら恐ろしくてたまらないのだ……
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