私たち家族はこどもの成長にいいだろうと数日前に都会から田舎に引っ越しをしました。
週末、明日は田舎暮らし最初の休み。
ちょっと歩くけど近所にないものを買いに初めて街に出ました。
「ママ。いっぱい買い物したねぇ〜」
買い物袋を両手で持って息子が先を歩きます。
ときおりクルクルと回って田んぼに落ちそうになったりして危なっかしいですが。
『マークン。荷物もってくれてありがとうね』
他愛もない会話をしながら街から随分と歩いてきました。
もう周りは田舎の風景になってきています。
「ママ、こっちから行ってみようよ綺麗な道だよ」
『まぁ、本当』
すこし暗いけど夕日が当たって幻想的。
行きには気が付かなかったけど方角的には近道かもしれないわ。
行ってみようかしら…
わたしが迷っているとママ置いてっちゃうよ〜と言って
後ろ歩きにスキップをしながら行ってしまいました。
仕方なくわたしは後につづきます。
『マークン。待って…』
会話に夢中になり注意書きの看板を見落としていたのに気が付きませんでした。
知らずに私たち親子は危険な場所に足を踏み入れてしまっていました。
・・・・・
気が付いた時にはスライムが蠢く巣で動けなくなっていました。
あの時、行きに来た道を帰っていれば…
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