─ 煙草と俺と先生と・・・ ─
「おい、しょっと・・・」
そんな年寄り臭い掛け声と一緒に社会科教師の佐藤優子(さとう ゆうこ)はプールサイドから上がる。
「ほら・・先生、手。」
俺が手を差し伸べると先生は素直に俺の手を取った。
そのまま引き上げてやる。
「ふふ・・・ありがと。」
先生が礼を言ってくる。
「どういたしまして。あまりにもオバさん臭い掛け声してるからよ。つい手を差し伸べたんだ。」
俺が皮肉を言うと、先生は目をぱちくりさせて、
"んー?"といった具合に体をくねらせて、下から俺を覗き込む。
先生の・・・大きな乳房の谷間が目に入って・・・・俺は食い入るように見てしまう。
「あらあらー?・・・そのオバさん臭い女のおっぱいをジッと見つめてるのはどこのどちら様でしょうか?
・・・ちなみに今日プールに来てから君がチラチラおっぱい見てるの気づいてるわよ?」
ぐ・・・と、俺は言葉に詰まる。
「チッ・・・うっせーな、しょがねーだろ。」
生理反応だ。
そんなモノが近くにあったら男なら誰だって目が行く。
真っ白な肌。水を弾く張りと艶。
バストサイズは知らないがブラがHカップなのは知ってる。
そしてその乳房の持ち主はすっぴん状態でも思わず見とれてしまうほどの美人ときてる。
夜のナイトプールでそんなのがウロついてたら嫌でも目がいくだろう。
俺は悪態をつくが、先生はニコやかに微笑んでる。
俺と先生は少し歩いたところにある休憩用のマットで休むことにした。
俺が一人用のマットに座ろうとすると、先生が俺の手を取って、
「こっちにしよ?」
そう言って、二人用(恋人同士用)のマットに引っ張っていき・・・俺たちはそのマットの上に並んで横になった。
・・・・先生の肩と俺の肩が密着する。
「・・・見て。ほら空・・・・すごく綺麗。」
確かにホテルの最上階から見る夜空は、晴れ渡ってることもあってとても綺麗だった。
天空の黒に月が輝き、星が一面に広がっていた。
「まるでプラネタリウムみたいね。」
先生が隣で囁く。
「・・・俺がそんな洒落た場所に行った事あると思うか?」
俺は身も蓋もないような答えを返す。
「ふふふ・・・・なら今度は一緒にプラネタリウムに行きましょうね。」
すぐに優しい声音と答えが返ってくる。
それからしばらく無言で星空を二人で見ていた。
そっと・・・俺と先生は手の小指を絡め合わせる。
その結び目はまるで繋がってるみたいに熱を帯びていた。
── およそ二年前 ──
俺は学校の端にある弓道場の裏でたばこを吸っていた。
世間では高校生がヤニを吸う事にやたらと煩いが、俺の家はかなり寛容だった。
塗装工の実家で一般の従業員始め、父母兄姉・・・末っ子の俺。
全て喫煙者。
"ヤニ吸ったぐらいで人が死ぬかバカ"
が口癖の父。
"アンタたちは私がニコチン漬けで出産したからきっと頭が悪いのねぇ・・"
などと子供の前で豪語する母。
"ニコチンは栄養素"
の超理論を展開させる兄と姉。
"家族が注意しないから吸った。俺は悪くない。"
の俺。
お世辞にも良い環境とは言えない家庭ではあるが家族間の仲は、すこぶる良好だった。
父母がヘビースモーカーなので、わざわざ子供が買わなくても常にたばこの在庫が家にはあったし、
子供たちが吸う事も見越して多く買ったりもしていた。
ただ、父は・・・
『お前なぁ・・・ピアニってのは女が吸う箱だろうが!!男ならセッダンかピーズ吸えッ!』
などと言って、母のヤニ在庫からピアニッシナ メンソールという銘柄を取ろうとする俺に文句を言う。
『男女関係ねーだろッ!!俺はピアニが好きなんだよッ!!』
と反論する。
セッダンもピーズも重いのだ。
ピアニくらいが丁度良い。
そんなわけで昼休みにメシ食った後、離れの喫煙所?にやってきてスパスパやっていた。
この高校に入学して半年ほど。
ここは穴場で教師たちからも見つかりにくい。
・・・・はずだったのだが。
「・・・・・君、何してるの?」
俺はビクッ、っと体を震わせる。
(ヤッベ・・・・)
裏手に回る端の方から声を掛けられる。
モロに見つかってしまった。
(なんでこんな所に教師が来るんだ!?昼休みだぞチクショウ!!)
俺が内心で悪態をついてる内に、その人物はみるみる近づいてきて・・・
「・・・・・それは没収します。渡しなさい。」
俺は観念してタバコの箱を内ポケットから出して渡す。
「・・・・・男の人がピアニのメンソールなんて吸うの?・・・・めずらしい。」
箱の銘柄を見て父と同じような事を言う。
「・・・・・・それも渡しなさい。」
チッ・・・せめて今吸ってる分は吸いたかった。
俺は咥えてたそれも渡す。
そんなに厳しい学校ではないが、何かしらの注意はされるだろう。
(あーあ、ツイてねぇなぁ・・・)
そんな事を思っていると、その教師は俺の隣に腰かけて、俺から没収したヤニをそのまま咥えて吸い始めた。
「・・・・・・・・・」
俺は意外な展開に何も話せずにいると・・・・
「・・・・・フゥー・・・・・・・、あー・・・・生き返るぅー・・・・・ニコチンが肺に染み込んで頭スッキリするわぁ・・・」
そんな母のような事を口にし、
「やっぱりニコチンには発見されてない栄養素があって健康に良いのよ、そうに決まってるわ。」
兄と姉の口癖を一語一句違わず口にして、
「私がヤニ吸うのを止める人はもういないんだから私は悪くないわよね、うん。」
俺が喫煙する際に掲げる印籠を高らかに掲げる。
あっという間に一本吸い切って排水溝に吸いガラを落し、箱から二本目を取り出して咥え、
体中を探してライターを持ってない事に気づいて・・・俺の方を見る。
俺はなぜか慌ててポケットからライターを取り出して、先生の口元に近づけて火をつける。
先生はその火の中にたばこの先端を入れ、スゥー・・・と吸って、ジジジッ・・・と、火をつけて・・・
「・・・・プハァ・・・・」
それはそれは幸せそうに喫煙し始めた。
二本目もあっという間に吸い終わって三本目にいこうとしたところで、
「・・あの・・・・先生。・・・・い、良いんですか?」
俺はめずらしく敬語で聞く。
「んー・・・何がー?」
「そんな・・・・たばこなんか吸って。」
「別に二十歳越えてるから問題ないわよ。」
いや、まぁ・・・そうなんだが。
「ピアニって私の好きな銘柄なのよ。自分のも持ってるんだけど君から没収したのは私が吸わせてもらうわね。
それとここって穴場なのに・・・キミ、よく見つけたわねぇ。」
などと言い、昼休みは過ぎて行った。
ちなみに先生は俺を職員会議に掛けて断罪することなどはせず、黙っててくれた。
それからというもの・・・その先生とは昼休みに弓道場の裏手で会って、
その度に俺から煙草を取り上げて吸うという妙な関係になった。
そしてその先生こそが・・・佐藤優子だった。
先生の評判は"美人で真面目で清楚"だった。
しかし、その中で正解なのは"美人"だけであるのを俺は知っている。
「先生は何で俺の事チクらないんスか?」
「だってチクったら職員会議になって面倒じゃない。君の担任の宮橋先生にも迷惑が掛かるのよ」
喫煙者を出したクラスの担任は責任を取らなければならないらしく、多くは減給処分になるらしかった。
「現場の教師はその辺分かってるからヤニ吸ってる生徒が居てもスルーするのよ」
確かにトイレであからさまに吸ってる生徒がいても注意されなかったりする。
直接見なければスルーするのが暗黙の了解らしい。
「ただ・・・上のジジィとババァどもがうるさくてねぇ・・・」
「上のジジババって・・・?」
「あー・・・なんかPTAとか教育委員会のお偉いさんとかが煙草に親でも殺されたのかってくらいやかましいのよ」
「・・・・・」
「だから一応"仕事ヤッテマース"みたいなポーズしないといけないのよねぇ」
そう言って、あっはっはっは、と笑う。
・・・・この人、間違っても"真面目"じゃねーな、と思う。
ある日、先生の家で勉強する事になった。
俺が家だと家族がうるさくて(騒音的な意味で)勉強できないんスよ、と赤点だった言い訳をしたら、
私の部屋にきて追試の勉強をしなさい、という事になった。
先生の部屋はとても綺麗な女性らしい部屋だった・・・などという事はなく、率直に言って汚部屋だった。
ビール缶やら弁当のパックやらが無造作にビニール袋に詰められ、溢れて散乱していた。
洗濯物がカゴに積まれて山になっていて、その中にはブラやショーツもあって男子高校生にとっては、
ドキドキの展開になるはずなのに部屋が汚な過ぎてそんな気分になれない。
「おい、しょっとぉ・・・」
そんな掛け声と一緒にゴミの山を部屋の隅に追いやって、
「ほらここ座って。追試は一週間後よ。みっちり教えてあげるからね」
などと言うが、こんな環境で集中できるわけがない。
「その前に部屋の掃除だッッ!!、馬鹿野郎ッ!!」
俺が怒鳴って部屋の掃除が始まり、勉強を開始したのは三日後だった。
ちなみにその時にブラのサイズがHカップだと聞いた。
あまりにデカかったから聞くと、ついウッカリ口にしてしまったようだった。
・・・・・"清楚"とは色んな意味で真逆だ。
佐藤優子という女性は素材が一級品なおかげで大変お得な思いをしている女性だった。
最低限度の身だしなみを整え、表面上だけでも社会性のある言動を慎めば素晴らしい女性だと周りの人間は勝手に勘違いする。
美人でプロポーションが抜群だから、さぞや男からモテることだろう。
・・・ただし、中身を知ったらどうなるかは知らん。
そんなこんなで俺と先生は妙な関係性を保ったまま一年が過ぎた頃・・・
俺は後輩の女生徒から告白された。
そんなに親しい仲ではなく、体育祭の時に実行委員をやった・・・というかクジ引きで負けてやらされた時に少し行動を共にした程度の仲だった。
だが・・・
『先輩の事が・・・好きです。私と付き合ってください。』
と、率直にコクられた。
俺は生まれて初めての経験に頭が混乱して、
「し、しばらく返事はまってくれ・・・」
と返すのに精いっぱいだった。
そして、それを"喫煙所"で先生に相談した。
「・・・そっか・・・・君って、モテるんだね。・・・ふーん・・。」
そう言ったきり、先生は黙ってしまう。
「・・・いや、どうすればいいか聞いてるんだが?」
「別に・・・好きなら付き合えば良いんじゃない?」
どことなく機嫌が悪い反応だった。
「ほとんど話したこともないのに好きもクソもあるかよ・・・」
だから困っているのだ。
「なら、断れば?」
「・・・・どう断れば良いのか分からねぇ・・。」
触れれば折れてしまいそうな女の子だった。
「・・・・・・・・・ヘタレ。」
・・・言われても仕方ないよな・・・と、思う。
俺が沈黙していると、
「・・・もうここで君とこんな風にお話出来なくなるわね。」
「・・・え?」
俺が間抜けな声を出すと、
「そりゃそうでしょう。昼休みはその彼女さんとお弁当でも囲って一緒に食べてあげなきゃ。」
などと言ってきた。
「・・・なら・・・・綺麗サッパリ振る事にする。その娘がどんなに傷ついてもだ。」
「・・・え?」
今度は先生が間抜けな声を出す。
「先生とこうやってダベれなくなるのは嫌だからさ。」
俺がそう言うと、しばらくポカンとした後に先生は顔がみるみる赤くなって・・・・
「ふ、ふーん・・・・そんなに私とお話がしたいんだぁ?」
と、何故か挑発的な事を言ってくる。
そして俺はその言葉に気づかされる。
(そうだ・・・俺は・・先生と話をするのが楽しみで・・・・毎日ここに来ていた。)
先生が来なかった日はガックリして、職員室に先生の顔を見に行った事もあった。
俺が来たことに気づいて近づいてきて、
『今日はゴメンね。ちょっと忙しくて。』
と、そっと耳打ちしてきたのを覚えている。
そしてその日に俺と先生は連絡先を交換した。
教師と連絡先を交換するのなんて初めてだった。
さらに半年後・・・
その日は休日でどしゃ降りの大雨だった。
俺はどこかに出かけるでもなく、自室でスマホを弄っていた。
すると・・・
「ん?誰だ?」
メッセージアプリの通知欄が反応していた。
開いて確認してみると先生からだった。
『会いたい』
たった一言そう綴られていた。
先生がこんな風に短絡的に連絡することなんて一度もなかった。
もしも会いたかったなら必ず理由を話してから、待ち合わせの場所などを一緒に記して連絡する。
先生はそういう律義なところがあった。
それなのに・・・これは直感で只事ではないと感じた。
俺はベットから飛び起きて、どしゃ降りの雨の中・・・先生の住むマンションに駆けて行った。
チャイムを鳴らすと静かにドアが開いた。
泣き腫らした涙の後があった。
「・・・返信が無かったから・・・無視されてるのかと思ったわ」
「・・・・俺が先生にそんな事するわけねぇだろ。」
先生はどこかホッとした顔をして、
「入って。」
と、俺を部屋に入れた。
つい先日、また一緒に部屋の掃除をしたはずなのにもう散らかっていた。
でも・・・今はそれを指摘する気にはなれなかった。
「・・・電気つけないのかよ」
今も激しい雨が降り注いでいて、時刻は昼過ぎでも部屋の中は薄暗かった。
「・・・・みっともない顔・・・見られたくないし」
「・・・先生の顔が・・・・みっともないわけないだろうが。」
俺がそう言うと先生は俺の胸に飛び込んできた。
「・・・お、おい・・・・」
「・・・ヒッ、ぅ、・・・グス、・・ぅ、・・・・」
先生が泣いていた。
俺はそのまま先生を抱きしめてその場に座り込んだ。
先生は一年半ほど前まで・・・俺と"喫煙所"で出会う前日まで、数学教師の田中雄一という教師と付き合っていたらしい。
俺はそれを聞いて驚いた。
そしてそれと同時にモヤモヤした感情が起こった。
この容姿なんだからモテて当たり前だろうし・・・・今までで一度も男と・・・そういう事をしたことが無いなんてのはあり得ないだろうと思っていた。
でもやっぱり・・・直接そんな話を聞くと・・・・・・
「・・・・・・ごめんね。」
先生が謝ってくる。
「・・・なんで謝るんだよ。先生は悪い事なんて何もしてないだろうが。」
「・・・君が女の子から告白されたって聞いた時・・・私はそれが嫌だったから・・・・あんな突き放すような態度をしたのに。」
今は自分が俺の気分が嫌になるような話をしている・・・ということらしかった。
「・・・別に気にしてねぇよ」
「ふふ・・・ありがと。・・・・優しいんだ?」
俺はその言葉には返事をせずに、先生の話の続きを待った。
「田中先生・・・・・雄一さんとはね、君が入学してくる三年くらい前からお付き合いしていたの。」
ポツリポツリと・・・先生は語り始めた。
「付き合い始めた時に私は年齢が23で、雄一さんは28だったから・・・・結婚を視野に入れたお付き合いだったわ。」
外の雨音がやたらと耳に響いていた。
「だからってのもあるけど・・・雄一さんは私のズボラなところをよく注意してたわ。
『煙草を吸うのはやめてくれ』って言われて・・・それで私・・・禁煙してたのよ。」
それは意外だった。
禁煙するのは絶対無理だろうなというくらいに先生はプカプカ吸っていたから。
「雄一さんが部屋に来る前は、きっちり掃除して・・・汚いなんて思われないように努力して・・・・」
そこで先生は、ギュッと俺の服を握りしめた。
「でも、ね・・・・私・・フラれちゃった・・・・」
「・・・なんで・・振ったんだ・・?」
純粋に・・・俺はそれが疑問だった。
「・・・無理してるから・・・・なんだって。」
俺は頭に"?"を浮かべる。
「『僕は結婚して生涯を共に生きていける女性と付き合いたいと思ってる。
優子・・・君は・・・とても良い人だと思う。でも君の本質はとてもだらしがない。今も僕に合わせて相当無理をさせてしまってる。
一緒にいるのにそんな無理をしなければならないなら・・・・きっと夫婦生活は長く続かない。結婚してもお互いに辛い思いをするだけだ。』
・・・・ってね・・・言われちゃったの。」
田中雄一という男は・・・決していい加減な気持ちで先生と付き合っていたわけではないみたいだった。
むしろお互いの将来を真面目に考えて、先生とは別れた方が良いと判断したようで・・・。
だが・・・
「わ、私・・・・頑張ったんだけど、なぁッ・・・!!・・ぅ、ヒック・・・雄一さんと、上手く・・・やっていけるように、自分の悪いところ・・・ちゃんと直そうって・・・」
先生はとても悲しかったに違いない。
努力している事が認められなかった。
というよりも努力している事自体が駄目だと判断された。
田中雄一が求めていたのは自然体で"真面目"で"清楚"な女性だったのだ。
「さっきね・・・教員の連絡網で・・・・雄一さんが・・・新島晴美・・先生と結婚するって連絡があったの・・」
新島晴美と言えば・・・俺でも知ってるくらいの有名な音楽教諭だった。
佐藤優子と並んで"美人で真面目で清楚"な女教師。
確か先生と同期で同い年だったはずだ。
物腰は柔らかく、男子生徒だけでなく女子生徒からも絶大な人気の先生だった。
人間性の本質を見極めようとしている田中雄一が認めたなら、きっと評判通りに"真面目"で"清楚"な女性なのだろう。
「私、ね・・・雄一さんの事は・・・・もう・・吹っ切ってるつもり、だったの・・・・でも、でも・・・・ぅ、・・・ひどい、よ、・・・・くやしい、よぉ・・・・ぅあぁぁぁ・・・」
俺はただ先生を優しく抱きしめて、先生が泣き止むのを待った。
やがて雨音が止み始めるころにようやく先生は泣き止んだ。
「・・・俺は・・・先生がズボラでも・・・・良いと思う。」
「・・・・・・・」
「俺だってヤニ吸うし。ていうか家族全員ヘビースモーカーだしさ・・・」
「・・・・」
「部屋が汚く散らかったら・・・・一緒に掃除すれば良いだけじゃんか。・・・・・今まで、俺と先生はそうやってきたじゃないか。」
外の雨音が・・・完全に止んだようだった。
しばらく俺と先生は抱き合ったままだったが・・・やがて先生が口を開いた。
「・・・ねぇ・・・・・シよっか?・・・・君と、シたいな。」
目がトロン、となって、頬も上気していて・・・・その色っぽさが俺の脳髄を揺さぶった。
でも俺は初めてのその感覚に戸惑って・・・・
「あ、あぁ・・・・しようぜ、掃除。ついこの間、片づけたばかりだってのに、こんなに散らかしてよぉ。
しょ、しょうがねぇ先生だなぁ、まったくよぉ・・・・」
そんな事を口にする。
先生を見ると・・・むぅ・・・と口を膨らませていた。
そして、俺の首筋に顔を埋めて・・・・
「・・・・・・・・・・ヘタレ」
と、呟くのだった。
その日以来、俺と先生のやり取りはどことなく変化した。
『お弁当作ってきてあげるから学食に行かずに喫煙所に来て』
などというメッセージが朝起きたら届いていて、昼飯を一緒に食べたりし始めた。
『明日の休みさ、暇だから一緒に遊びに行こうぜ』
などと言って俺の方から遊びに誘ったりもした。
普通にデートだった。
そんなある日のこと・・・
「ねぇ・・・駅前のグランドホテルの屋上プールのペアチケットが手に入ったから一緒にいきましょうよ」
と、プールデートに誘われた。
「あぁ、いいぜ。でもホテルのプールって初めてなんだが。」
「別に気負わなくても良いわよ。普通にしてれば良いだけよ。」
先生の作ってきてくれた卵焼きを頬張りながら、そんなやり取りをする。
「でもナイター枠のチケットで、宿泊も込みのやつだからご両親には泊まるって言っとかないと駄目よ」
「そうなのか?あぁ、分かったよ。親にはケンジの家に泊まるって言っとくわ。」
俺はどことなく、"今のやり取りなんか変じゃね?"と思いながらも、先生の作ったから揚げが美味くてスルーした。
冷静に考えて、男と女がナイトプールデートしてそのまま泊まるって恋人同士のやることじゃねーか!!と、気づいたのは家に帰って就寝する間際だった。
そしてナイトプールデート当日。
俺と先生は近くの公園で待ち合わせしてホテルに向かった。
・・・・俺はこのデートが泊まりである事をついに指摘しなかった。
俺と先生が休憩用のマットで並んで横になりプラネタリウムの話をして・・・しばらくが経った。
お互いに沈黙していたけれど、それは気まずいモノではなくて・・・・心地よい沈黙だった。
(もう・・・誤魔化し切れないな)
俺はそう思った。
先生だって気づかずに宿泊チケットで俺を誘ったわけじゃない。
俺と・・・そういう関係になる事を望んでる。
俺だって・・・先生とそうなりたいと思ってる。
(それなら・・・・)
横で先生が息を飲むのが分かった。
今まで小指とだけで繋がっていたのを解いて・・・・先生の手を握った。
指を絡めて・・・・恋人繋ぎにする。
それに対して・・・先生は優しく握り返してくれて・・・・
先生の方を見ると、先生は優しく微笑んでいた。
「・・・そろそろ冷えてきたわね」
「・・・・あぁ」
「・・・部屋に・・・行きましょうか。」
俺は先生の誘いに頷く。
月と星が・・・俺と先生を、ただ静かに照らしていた。
「・・ん、チュ・・・・レル、ちゅ・・・・・」
部屋についてベットの脇まできて先生が俺に抱き着いて・・・キスしてきた。
「・・・ごめんね。もう我慢できな・・・・んゥ、、チュ・・・」
それは俺も同じだった。
「・・・・・チュル、レル・・・チュパ、、ン、ぅ・・・ちゅ、チュ・・・」
二人で夢中になって舌を絡ませ合う。
「・・・チュ、チュ・・・ん、ぁ・・・・・はぁはぁ・・・・」
一旦、唇が離れてお互いに息をつく。
「・・本当は・・・あの時にこうなりたかったのよ?」
「あの時って・・・?」
「どしゃ降りの雨の中・・・・来てくれて・・・」
元カレの話をした時か・・・
「悪い・・・どうすれば良いのか分からなかったんだ。」
「あそこまで来たら、普通はヤッちゃうと思うんだけどなー?私・・・魅力ないのかな、とか思っちゃったわ。」
「そんなわけ・・・ないだろ」
俺はそう言って先生の胸に手をやる。
「・・・ん、ぁ・・・・」
俺が揉むと先生は甘い声を出した。
「柔らけぇ・・・」
初めて触るソレ。
「ふふ・・・・もっと・・触って・・・」
お言葉通りに、俺は夢中で先生のHカップのおっぱいを堪能する。
「なぁ・・・先生。バストサイズってどのくらいなんだ?」
ブラのカップは聞いたけどサイズの大きさは教えてくれなかった。
「・・・先生、の・・・ンッ・・・・知りたいん・・・・だ?」
「あぁ・・・知りたい。」
先生が耳元に口を寄せてきて・・・
「上から98・57・83」
「抜群のプロポーションだな。・・・・・体重は?」
先生が俺の耳たぶに甘噛みしてきて、ペロペロと舐める。
「・・・・それは聞いちゃダメ。」
「なんでだよ。良いじゃん教えろよ」
俺は先生のシャツに手をかけてたくし上げる。
胸がつっかえて脱がしにくいが、それでも上に引き上げて脱がす。
「・・・・でっか・・」
服越しでもデカいと分かっていたが、直接見るとそれがより分かる。
その辺のグラビアアイドルなんて目じゃない。
「ブラも君に外してほしいな」
先生が両手を上げる。
俺は先生の後ろに手を回してホックに手をかけるけど・・・
「・・・ふふふ・・ほらほら、早く。」
どうも俺が手こずって外せないだろうと見越していたらしい。
その様子を楽しんでいるようだった。
ようやく、どうにか外す。
その瞬間・・・ズシン・・・と先生の乳房が下に落ちる。
「・・・えっろ・・」
「男の人ってブラを外した時におっぱいが落ちるところ・・・食い入るように見るわよねぇ・・」
クスクスと先生が笑う。
ブラを取ると・・・乳房が丸見えになった。
大きい乳房に相応しいデカイ乳輪。薄いピンク色。
「AV女優みたいだ」
「こらこら、そういう感想は言わないの。・・・・・よく言われるけど。」
俺は先生のおっぱいを下から持ち上げながら、
「・・・なんだよ。誰から言われたんだよ」
と聞く。
「フフ・・・・あらあら・・・・嫉妬かしら?・・・・・・んッ、ぅ・・・チュ・・・」
その通りだったので唇を塞いだ。
「・・もう俺以外の男に見せるんじゃねーぞ」
「・・・・うん。」
先生は素直に頷いた。
ベットに押し倒して首筋を舌でなぞって吸い付く。
「・・・ぁ、や・・キス痕が、ついちゃう、、、ン、ぁあ・・・」
「あぁ・・・いっぱいつけてやる」
俺は鎖骨の辺り・・・シャツで隠せないところに思いっきり吸い付く。
「・・も、ぉ・・・セックス、したって・・・・バレ、ちゃう・・・わ・・・・」
「男が見たらエロいこと想像するだろうな」
「ウフフ・・・・いいの?・・・男子生徒や男の教師が私でセンズリしても。」
もう一つ派手にキスマークを付けようとしてる俺の体に先生は手を回す。
もっとしてほしいと言ってるようなものだった。
「ああ、いいぜ。先生に触れられるのは俺だけなんだからよ。シコシコやらせてりゃいい。」
首筋の見えやすいところに吸い付いて、
「・・・ン、ぅ・・・・ヤ・・・・あ、ぁ・・・・」
赤い点の痣を真っ白な肌に残す。
「ちゃんと田中のヤロウにも見せてやれよ。」
「こーら。ちゃんと田中"先生"って呼びなさい。」
自分をフッた元カレの事だっていうのに・・・律義だなぁ、と思う。
だが・・・
「見せる事は否定しないんだな?」
「こんな目立つところにキスマークつけておいてよく言うわね。」
先生はそう言って微笑んでる。
きっとこれ見よがしに見せつけるつもりなんだろう。
俺は舌を這わせて屹立している乳首に吸いつく。
「・・・あッ、・・は、ぁ・・・ンぅ、・・・ッ・・・・」
舌先でコリコリと・・・・・
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