「……やってみろや、クソガキ。どんなことされても、ウチの心は折れへんで。そのニヤケ面、必ず泣かしたるからな」
と、鼻で笑う。
若きフェレスティアは知らなかった。悪の創造性に限りはないことに。
「どんなことされても……ね♥ ほんとかなぁ? これ見ても、同じこと言えるといいけど♥」
含み笑いを漏らすイミリは、顎をしゃくって正面のコピー人形に合図する。そいつは仰向けになったショコラの身体を跨ぎ、なぜか自身のスカートの中に手を突っ込んだ。
純白のショーツがズラされると――
ぶるんっっっ!
太くて長い影が股間から飛び出し、スカートを勢いよく持ち上げた。
「……ひっ!?」
影の正体を認識したショコラは、思わず〝普通の少女らしい悲鳴〟を上げてしまう。正義の味方らしくない反応に気づき、慌てて声を飲み込むも、頬が引き攣るのは止められない。
本物の肉体には存在しないモノが、存在すべきモノを塞いで反り返っていた。
男性器である。無数のイボが生えた幹といい、エラの高い亀頭といい、女哭かせの形状をしていた。鈴口からは得体の知れない液体が滴っており、ペニス全体を濡らすだけでなく、その下のショコラの腹にもポタポタと落ちた。
「いつもはさ、お友だちのオークとかゴブリンにマワさせるんだぁ♥ でもね、おねーちゃんは特別♥」
イミリが膝を曲げて、ショコラの顔を覗き込む。

「おねーちゃんの相手は、この子たち♥ おちんちん生やした自分自身におマンコをイジメられるなんて、普通じゃ経験できないよ? よかったね♥」
そう言って、幼女は引き攣った少女の頬をペチペチと叩いた。
何もよくはない。経験と言えば、ショコラは処女だった。乙女の大切な〝初めて〟が、無理やりに……それも自分に奪われるなんて、これぞ悪夢だ。
「ふっ、ふざけんなやっっ! 離せっ! 離せぇえええっっ!」
ショコラは歯を剥いて喚き散らし、拘束された身体を暴れさせる。ところが、どんなに力を籠めようとも、コピー人形の両手という枷はびくともしない。そうこうしているうちに、正面の人形がショコラのスカートを捲くり上げ、もう片方の手でショーツをズラした。
「やめぇやぁあ゙あ゙あ゙っっ! やめろっ! やめろぉお゙お゙お゙お゙っっ!」
必死の絶叫も虚しく、一本筋のような女性器にペニスの先端が宛がわれる。
「あ゙っ……あ゙ぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ!?」
ぶちぶちぶちぶちぶちぶちっ!
容赦もなければ、前戯もなく、聖なる躯体の中心が無慈悲に貫かれた。貞操を守る城門はあっけなく破られ、流血でもって開城されてしまう。
「アンタらぁあ゙あ゙あ゙っ! うぎっ……!? ゆっ、許さへんっ! ぜったい許さんからなっっっ! ぐっ……あ゙ぁあ゙っっ!」
最低な貫通式を果たしたショコラは、阿修羅の如き表情で叫んだ。屈辱と怒りもあるが、股間からズキズキと響き渡る痛みが、顔のパーツを歪ませる。
「あれれ? おねーちゃん、処女だったんだぁ♥ エッチいコスチュームを着てるから、夜な夜な男の子たちと遊んでると思ったんだけど……んくくっ♥」
股より垂れる血を見咎め、イミリが喉を鳴らした。
「そっか、そっか♥ 初めて戦いで負けて、こっちのハジメテも奪われちゃったんだねぇ♥」
ショコラの顔がこれ以上なく真っ赤になる。
処女を失ったうえに、正義の誇りにして、愛すべきフェレスティアの衣装を「卑猥だ」と馬鹿にされたのだ。
「こんのクソ外道のガキがっっ! さっさとウチを解放せぇ! もっぺん勝負したるっ! アンタなんか、卑怯な手を使わんと誰にも――ぎぃぃっ!?」
少女の罵倒は、途中で鋭い悲鳴に変わった。
コピー人形がこのタイミングで腰を振り始めたのである。
ずっ! ずっ! ずずっ! ずぢっ!
破瓜の証以外に湿り気が皆無の膣道を、太い幹が我が物顔で侵攻と退却を繰り返した。
「い゙いぃっ! あぎっ! くそっ……あがっ! やめっ! やめぇっ……んぎっ! このっ……ぐぎっ!」
熱した鉄の棒で傷口を摩擦するような激痛に、ショコラは鼻水と涎を垂らして苦しむ。夜空を映していた視界が真っ赤に染まり、両目が勝手に涙を流した。
「ぶちめのしたるっ! アンタら全員、蹴りと……うぎぃぃっ! ぎっ! ぎっ! あ゙ぁあ゙あ゙っっ!」
苦悶に歪む顔と、暴れ狂う全身に脂汗が浮く。コスチュームのあちこちに黒い染みができ、それはだんだんと領域を広げていった。コピー人形が膣奥にペニスを叩き込めば、ショコラの頭が仰け反り、額や首筋から汗の粒が飛び散る。
「いっ、いだいっ! あ゙ぁっ、裂けるっ! ウチのアソコっ、裂けてまうぅぅっっっ!」
フェレスティアの肉体が頑丈とはいえ、体内までは鍛えられない。
実際、膣穴が縦だか横だかに裂けているような気がした。
「ん゙んっ!? ふんっ!? あぁ……ゔぅっ!? ん゙っ! ん゙っ! ん゙っ!」
その感覚に変化が現れたのは、唐突だった。
ガシガシと擦られ続ける膣壁が、別種の熱を帯びていく。これまでの神経を火炙りにされるのとは異なる、心地よい熱だ。痛みが少しずつ引き、ペニスの形状がわかるようになった。
「んふっ……なっ、なんや……? あふっ……!? こっ、これ……ん゙ん゙ぅ……!」
コピー人形の男性器が蠢いている。
高い硬度を保ちながらも、竿の表面が流動していた。まさに泥のように。
さらにショコラは、まだ痛みのある膣壁へ液体を塗り付けられていることに気づいた。鈴口から出ていた、あの得体の知れない粘液だ。
「ふんんんっ!? クソ……ガキっ……! アンタ……ん゙んっ! ウチになにしたんっ……!? あひっ……!」
身体の奇妙な変化に、ショコラは戸惑う。
膣内で高まる熱の温度は上昇していき、全身へと広がった。血流が加速し、美身やコスチュームを濡らす汗の量が増える。けれど、これは脂汗ではなく、雌の強いフェロモンが含まれていた。
どくんっ! どくんっ! どくんっ!
子を宿し、魔力の源でもある子宮が、第2の心臓になったかの如く脈動を開始する。
それが意味するところは、繁殖の欲求。
快感を得て獣欲を満たしたい。強い雄の精を受けたい。
フェレスティアの肉体が発情していた。
