この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
登場人物は、法律により成人と定められた年齢に達しています。
加害者の醜悪さを強調するため、作品内で暴力的、犯罪的行為が描かれますが、本作品には、これらの醜悪な行為を助長又は賛美する意図は断じてありません。
作者は現実世界におけるあらゆる暴力・犯罪に反対します。

###呼び出し

　起床合図のラッパが鳴ると、訓練兵たちが寝床から起き上がり、身支度を始める。ケントも顔を洗い、歯を磨く。訓練兵たちが洗面所を慌ただしく行き来していると、チャイムの後に館内放送が流れた。
「特別任務担当兵は、大至急イ号棟ゲストルームに来い。繰り返す、特別任務担当兵は、大至急イ号棟ゲストルームに来い」
　特別任務担当兵とは、ケントのことである。比類なき美貌の持ち主であるケントには、『特別任務』が与えられている。男ばかりの訓練所では、誰もが性欲を持て余す。上官たちの部屋を回り、上官たちを慰めることがケントの任務とされている。特別任務は、通常は夕食後に設定されているが、このように朝から呼び出されることもある。訓練所を訪れる来客の『接待』もケントの任務なのだ。
　ケントの同期の訓練兵たちは皆、ケントの任務を知っている。つまり、ケントが上官や来客に肉体を捧げていることを知っている。この美しい同期の若者を眺めながら、その尻や口が不潔な接待の道具として使用される様を想像するだけで、訓練兵たちは奇妙な興奮を覚える。特別任務に駆り出されるケントをからかって弄ぶことは、単調で退屈な訓練生活の中で、数少ない楽しみの一つになっていた。
　ケントが日中に接待する相手は、政治家や官僚などが多い。所長らがケントを差し出しているわけだが、当然、所長らは見返りも求めている。所長らは、有力者たちにケントで遊ばせる代わりに、訓練所の予算を増やしたり、私腹を肥やしたり、出世の予約をしたりしているわけだ。
　ケントの『頑張り』のお陰で、この訓練所の予算は倍増している。新しい冷暖房設備が入り、食堂の食事も旨くなった。訓練兵たちは、本来ならば、感謝すべきケントを皆で虐めているのである。酷い話だ。
　呼び出しの放送を聞いて、ケントの周りを意地悪な訓練兵たちが早速取り囲んだ。
「ケントちゃーん。朝からお呼び出しだぜ？　ケッケ」
「ご接待だろねぇ。しっかりお仕事してこいよ。ヒヒ」
「お客様に丁寧にご奉仕してこいよ。イヒヒ」
　小太りの同僚がケントの方に厭らしい視線を向けながら、アイスキャンディーを舐めるような仕草をして見せた。
　訓練兵の一人がケントの背後からケントに抱き着き、ケントの尻に股間を当てながら腰を振った。
「ホレ……お尻も………気持ちよく……してもらえよ！　ケッケ」
　一同がケントを眺めて嘲笑する中、ケントは、腰に回された腕を振りほどき、ため息をついた。なぜ自分がここまで虐められるのか……。ケントには理解できない。
　しかし、この虐めにも当然理由はある。凡人たちは、自分たちより『上』の人間が不幸になる様を見て喜ぶ。権力者の転落、富豪家族の離散、有名人のスキャンダル……凡人たちは、そんなコンテンツを消費することでしか、自分たちの幸福を確認できないのだ。天使のように美しい容姿、誰もが振り向くほどの美貌を持って生まれたケント。そのケントが、醜い中年男たちの劣情の餌食となり、体を休める間もなく犯され、人目を忍んで泣いている。それだけで、底意地の悪い訓練兵たちは喜んだ。そして、ケントを虐めるのだ。絶望の沼に溺れて藻掻くケントに石を投げるのだ。ケントが苦しむほど、彼らは自分たちが幸福になったと錯覚する。
「ホレ。急いで行けよ！」
　訓練兵がケントの尻を叩く。ケントがその場を去ろうとすると、別の訓練兵が背後からケントの腰に手を伸ばし、パンツを掴んで引っ張った。ケントのジャージパンツのゴムが伸び、ケントの美尻が半分ほど露出した。
「ヒヒ、皆様に大人気のお尻が丸見えだぜ」
　訓練兵たちの厭らしい視線がケントの尻に集中する。
「放して……ください……」
　ケントには、ここでこの連中と揉み合っている時間などないのだ。意地悪な訓練兵がようやく手を離すと、パンツのゴムがパチンと音を立ててケントの腰に当たった。
　ケントは、その場を離れようと歩きだす。
「しっかりケツを振れよー、ヒヒ」
「頑張ってペロペロしてこいよー、ケッケ」
「ちゃんとゴックンしないとお仕置きだぜー、イヒヒ」
　ケントの背中に向けて、訓練兵たちの嘲りと、笑い声が飛ぶ。ケントは拳を握りしめて嘲笑に耐えた。

　イ号棟では副所長がケントを待っていた。
「何をしておる。大至急と言っただろ！　遅いぞ」
「……申し訳ありません」
「まあよい。オマエに説教をしている暇はない。朝一でルイス士官から連絡があった。もうこちらに向かっているようだ」
「……はい」
　ルイス士官――同盟国のこの士官は、近頃、ケントにご執心である。士官は、忙しい時間の合間を縫うようにケントに『会いに』来る。
　我が国は某国を同盟国と呼ぶが、両国は、本来、激しい戦火を交わした敵国同士だった。我が国は歴史的敗北を喫し、某国に占領された。その占領軍が兵を引かぬまま、国内に基地を残しているのである。平和条約を結んで以降、我が国は、その残留軍を同盟国の友軍と呼んでいるが、彼らの側は、未だに、戦勝国として優越的な地位にあると考えている。
　さて、先に、所長らはケントを使って見返りを得ていると書いたが、友軍の実力者たちは別だった。所長らは、友軍からは特別な見返りを期待できない。しかし、断れないのだ。そこには、目に見えない、戦勝国と敗戦国の間の不文律のようなものが歴然と存在しているのである。
「ルイス士官は、ご友人をお連れになるそうだ。オマエ一人で二人の客人を楽しませるのだぞ。わかったな？」
「……はい」
「大事な同盟国の実力者だ。ご機嫌を損ねられたら困る。粗相のないよう接待しろ。いいか？」
「……はい」
　副所長は腕時計を見ながら椅子から立ち上がった。
「さ、時間がないぞ。早く体を洗え。体を洗ったら、この部屋で、裸のまま、土下座して待て。早くシャワーをしろ」
「……はい」
「ケツもしっかり洗えよ」
　副所長はケントの尻を叩くと、慌ただしくゲストルームを出ていった。

　ケントは、シャワールームでルイス士官を楽しませるための『準備』を始めた。黒人のルイス士官は、身長２ｍもある大男だ。噂では、元ヘビー級のボクサーらしい。体のあちこちに趣味の悪い刺青を入れ、髪型はスキンヘッドである。
　ルイス士官は、黒人らしい大きなペニスの持ち主で、ケントは、そのペニスに苦しめられていた。訓練所で、ケントは、多くの男性の性器を受け入れ、慰めているが、ルイス士官のそれは、他のどれよりも大きいのだ。敏感な部分の皮膚が引き裂かれるような痛み。ケントは、毎回涙を流しながら受け入れていた。
　準備を終えたケントは、全裸のまま、暗い気持ちで、ベッドルームに戻る。ケントは、入り口の扉を向いて、正座をした。土下座でのお出迎えは、最初は副所長の提案だった。ルイス士官は、そのスタイルを大いに気に入ったらしい。

###おもてなし
　入り口のドアがガチャリと開くと同時に、ケントは、床に手を揃え、頭を下げた。料亭の女将のような挨拶姿勢である。ケントは、土下座のまま、二人の男が部屋に入った気配を感じ取る。
「Thank you for your coming, Sir. I'm glad to see you again, Sir. （お越し下さりありがとうございます。再びお会いできて嬉しく思います）」
　ケントは、頭を下げたまま教えられている通りの挨拶を述べる。
「Fucking awesome!（スゲー！）」
「This is the Japanese style, you know? hehe（これがこの国のスタイルらしいぜ。ヒヒ）」
　ルイス士官と、もう一人の客人がケントの頭の上で言葉を交わしている。ケントには、彼らの靴しか見えない。
「Hi, honey. What's up?（ようハニー。調子はどうだい？）」
　ルイス士官は、しゃがみ込み、ケントの髪の毛を掴んで引っ張った。後ろ髪を引っ張られてケントの顔が上がる。ケントと、もう一人の客人の目が合った。もう一人の客人もルイス士官と同様のガタイのいい黒人だった。パンチパーマをあてたような癖毛の髪が金色に染められている。目と目の間が大きく離れ、爬虫類を思わせるような不気味な容姿である。
「Holy shit! So cute!（スゲー。超イケてるじゃん）」
　客人がケントの顔を覗き込んで嬉しそうに呟いた。ケントの容姿を褒めているのであろうことは、ケントにも理解できる。それは、ケントにとって喜ばしいことではなかった。ケントが気に入られるということは、ケントに性欲の刃が向けられるということである。この大きな黒人二人の性欲を受け止めるのか……と、ケントは、今更ながら不安になる。
「Snake. This boy is mine. You know?（スネーク。こいつは俺の物だ。わかってるな？）」
　ルイス士官は、ケントの後ろ髪を掴んだまま、ケントに顔を近付け、ケントの唇を奪った。ルイス士官の舌がケントの口の中に差し込まれる。ケントは受け入れるしかない。
「Goddamn!（スゲー！）」
　スネークと呼ばれた客人が羨ましそうにルイス士官を眺めている。スネークというのは、この男の本名だろうか？　ニックネームだろうか？　ルイス士官の舌に口内を犯されながら、ケントはぼんやりと考えていた。
「All fours on the bed! Show your ass!（ベッドで四つ這いになれ！　ケツを見せろ！）」
　キスを終えたルイス士官がベッドを指さして何やら指示を出している。早口で訛りの強いルイス士官の英語は聞き取りづらい。ケントがよくわからないといった表情で首を振ると、ルイス士官は、ベッドを叩き、「Show your ass!（ケツを見せろ！）」と叫んだ。

（続きは本編で）
