その美しい瞳に俺の姿が映ると、彼は不機嫌に眼を細めた。
あからさまに「名士の集まるパーティーになぜこんな奴が……?」と言っている表情だ。
だがそんな顔ですら愛しいと思えてしまう俺はおかしいだろうか。
家柄などなくともコネを作る金には困らない俺は一目惚れを意識した出会いの時からずっと、彼と顔を合わせられる機会を作り続けてきた。
だが、会う度に身分の低さを見下され、ロクに話もできないでいるのに我慢がきかなくなってゆく自分に気づいてもいた。身分主義に凝り固まった彼は俺という個人がどれ程の価値を持っているか気にしようともしない。
それならと、彼が視界に入れたくないと思うほど馬鹿にしている下衆に何が出来るか思い知ってもらう事にした。欲しい物は必ず手に入れる。俺にはその力があるのだから。