プロローグ


お嬢様GP?


「エリカ、あなたは出ないの?」
お父様の開いた優雅なパーティの席、高圧的な態度で私(わたくし)にそう尋ね てきたのは、お父様のライバル社の娘、才河愛美(さいかわえみ)。悲しいこと だけけれど、この私の幼馴染ということになる。私に対してこんな態度を取る者 は他にはいないもの。
「・・・何によ?」
不躾な質問で意味が分からない。人に者を尋ねるのならしっかりと意味の伝わる 話し方をしてもらいたいものですわ。
「何にって、今年のお嬢様GP(グランプリ)に決まってるじゃない」
F−○GP、K○1GP、M−○GPなら聞いたことがあるけれど、お嬢様GP ?何よそれ・・・聞いたことがないわ。
「何?知らないの?・・・」
「・・・だから何なのよ」
いつもいつも人をイライラさせるわねこの女は。
「私のライバルだから、堂々と宣戦布告をして差し上げようと思ったのに、まさ か知らないなんて。そうですか、そうですか?知らないのならあなたなんかに用 はないわ、オホホホホホホ!」
ピキピキ・・・高笑いを浮かべて去っていく愛美を苛立たしく見送る。まったく 何なのよ、あの女は!私に喧嘩を売りたいの?だったらそうはっきり言いなさい よ!いくらでも買ってさしあげますわ!
世界を股にかけるミラー家の娘であるこのエリカ・ミラーが相手になって差し上 げるわ!お嬢様GPだか何だか知らないけど、分かりましたわ、私も参戦します わ!

・・・
・・


「お嬢様GP2009淑女日本一決定戦!名のある名家より○5歳から2○歳ま でのお嬢様たちが、プライドと名誉を賭けて競い合う!」
「ふむふむ、面白そうですわね。続けて」
「社長の座に着くであろう夫をサポートする能力を競い合う、言わば女性力が試 される勝負となります。いくつかの審査演目を行い、公式審判委員により付けら れる得点の合計で優勝が決まります。賞金はありませんが、令嬢史上に残る名誉 を得ることになります。ちなみに過去の優勝者は今も各方面で世界的に活躍され ている方々が殆どです・・・しかしお嬢様、本当に出場なさるおつもりですか? 」
我がミラー家の、有能なる執事野田慎三(のだしんぞう)は不安げな視線を私に 送ってくる。
「ええ、GPの内容を知って今まさに出場に確固たる決意を持ちましたわ」
何処をとっても私に相応しい称号だと理解した。もはやどこぞのライバルのこと なんて関係がない。自らの意思で選択しましたわ。
「しかし・・・出場するだけならさしたることはありませんが、優勝を目指すと なりますと・・・」
紳士然とした風貌の野田ではあるが、白髪交じりの頭から年が伺える。年齢的に も心配症になりやすいのだと思う。
「私に出来ないことなんてありませんわ。それとも野田は私が負けると?」
「そ、そんなことはございません。私もお嬢様を応援いたしておりますし、お嬢 様の自信も分かります・・・しかし」
野田の心配を拭って差し上げようと、強気な発言をしてみたが、野田の表情は芳 しくない。
「いったい何がそんなに不安だというの?」
いいかげん要領を得ないので聞いてみる。
「それが、その・・・審査演目のほうが・・・」
いったん言葉を切って唾を飲み込む野田。いったいなんですの?
「一つお聞きしたいのですが、お嬢様は・・・処女でございますよね?」
「・・・・・・・・・・・・へ?」
質問の意味を理解して、顔の温度が上昇してしまった。
「な、ななな何よ!そ、それが・・・ど、どどどどうしたっていうのよ?」
た、確かにそうよ?私は清廉潔白にして純粋無垢で、微塵の穢れもない美しい身 体の持ち主よ!そしてそれを別名処女と表現する無粋な方もいらっしゃることで しょうよ。で、でででもそれがどうだというの?どうだというの!?
「お、落ち着いて下さいませお嬢様」
「お、おおおお落ち着いていいいるわよ!」
い、いったい何だというのよ!
「お嬢様GPの審査演目のほうがですね・・・ごにょごにょ」
野田も口にするのが恥ずかしいのか、耳打ちで聞かされる。
「ふむふむ、それで・・・そ、それで・・・そ、そんなこと!?・・・な、なん ですって!?・・・・・・」
「ど、どうでございますか?出場をお辞めしますか?」
・・・う。正直にいうと少ししり込みしてしまった。まさかそんなにアクティブ な審査演目の数々だったなんて・・・。
「正直に申しまして、お嬢様には少々お早いかと・・・。お嬢様は今年で○5歳 になられたばかり、もう少し大人になられてからでも・・・」
大人・・・か。確かに今の私の人生経験では並み居る出場者たちに勝てるかどう か確証がもてない。対抗できて愛美くらいのもの・・・・・・愛美?
ちょっとまってくださる?あの子も私と同い年よ?なのにあの子は出場する。な のに私は取りやめる。
『私のライバルだから、堂々と宣戦布告をして差し上げようと思ったのに、まさ か知らないなんて。そうですか、そうですか?知らないのならあなたなんかに用 はないわ、オホホホホホホ!』
パーティの席での愛美の言葉が蘇る。む・・・ムカつきますわ!
「出ますわ!」
「それではご辞退のむね伝えてまいりま・・・え?今なんと・・・?」
「私は出ますわ!そして愛美を退けて、優勝しますわ!」
ポカーンとしたまま動かない野田に激を飛ばす。
「野田!エントリー用紙をこれに!私の証明写真も用意して頂戴!」
「お、お嬢様、私はやはり反対でございますっ」
私にすがりついてくる野田を振り払って、私は覚悟を決めた宣言を、
「優勝はこの私、エリカ・ミラーがもらいますわ!GPまで1ヶ月・・・そうと 決めたら、明日から特訓ですわ!」

・・・
・・


お嬢様GPに向けての特訓開始を明日に控えた夜11時。場所は私の自室のベッ トの上。

身体が上気するのは不安かしら?それとも武者震い?正直なところ両方だと思う 。
それはそうと私には今日のうちにしておきたい事があった。これは明日からの特 訓のためにもきっと繋がること。
今まで単語として知ってはいたけど、その意味する行為は一切したことがなかっ た。だけど一つ言っておきたいのは、それは別に怖かったからとか、清いままで 初めての男性にこの身体を捧げたかったからなんて理由ではないって言うこと。 そう、決してそんな理由じゃない・・・。・・・うう、あんまり意固地になると 言い訳みたいだわ・・・。それよりも始めましょう。
最初で・・・最後の・・・初・・・オ、オオオオオナニーを―

〜

「・・・んんっ」

お風呂とトイレと生理のとき以外では初めて触る場所を軽く撫でてみた。それほ ど強く刺激したつもりはないのに、声が漏れそうになる。
不思議な感覚だけど、何だか似た感覚を味わったことがある。あれはマッサージ のとき。週2回、マッサージ師を呼んで、全身エステをしてもらうときのあの心 地よさと・・・快感。その後者のほうの感覚を今感じている。やだ・・・わた、 くしってば・・・初めてなのに・・・。
「ん・・・ううんっ」
顔が熱くなって、恥ずかしさがあるのに指は止まらない。縦に擦ったり、横に揺 らしたり・・・。もっと刺激が欲しくなってきて・・・中に、
「んああっ!」

中に・・・指を入れた瞬間、
「はあ、はあ・・・」
わ、私・・・イ、イッてしまった?初めて感覚で確証はなかったけど、身体の中 で気持ちよさが爆発するようなこの感じは・・・多分。・・・というよりも、も う一回すれば・・・分かるんじゃ、
未知の感覚の正体をつきとめるためにもう一度、指を中に入れて、今度はかき回 す要領で、

〜

「くっ、うう〜!」

今度はさっきよりも少し大きな爆発が・・・。こ、これはやっぱり・・・凄く・ ・・気持ちいい。っていうことはつまり、これが絶頂・・・。・・・・・・これ てこれからの特訓においては凄く大事な感覚よね?だとした・・・もう一回、も う一回だけして確かな確証を得たほうがいいと思うの。・・・そうですわ、あや ふやなままではスッキリしませんもの。決して、不埒な考えからではありません わ。だから・・・もう一回だけ、

・・・
・・


「うっう〜〜!・・・はあ、はあ」

あ、あれから10回ほどしましたけど・・・こ、困りましたわ。あと一回で分か ると思ってましたのに、すれば、するほどに、はあ、はあ・・・謎が深まります わ、はあ、はあ。
わ、私ともあろうものが、問題を未解決のまま放置するわけにはいきませんわ・ ・・。そうよ、そのために・・・もう一回だけして、しっかりと確かめましょう 。そうね・・・そうするわ。

・・・
・・


〜

〜

〜

「あっ、あぁぇへ〜〜!」

に20?30・・・かしら?何回らか・・・お、覚えれらいわ。・・・れも、も う分かっらわ・・・これ・・・これが・・・イクってことらのよ!
ようやく謎も解けたし、せっかくらわ・・・も、もイ一回らけ、もう一回らけ、
「あう、ううっ、うっ、うひょっ!」

「はあ、はあ・・・」
ど、どうせなら・・・明日のために、あ、あろ10回らけイクっていうのはろう かしら?・・・わ、我ながら名案らわ!そうよ、神様もそう仰ってるわ・・・え ?13回?・・・らにらに?お釈迦様もそう仰ってる?15回?・・・じ、じゃ あ、あいらを取って20回ってころれどうでしょうか?神様とお釈迦様が仰るな ら、私に異論なんてありませんわ・・・。
そ、それでは、
プチッ
「・・・?」
何かアソコから聞こえたような・・・?ま、まあいいわ気にしないということで ・・・、
「い、いいっ・・・いひぃ〜〜!!」


こうして特訓前夜は更けてゆく。私がいつまで起きていたのか?・・・・・・・・・・・・ご、ご想像にお任せしますわっ。
それでは本編でまたお会いしましょう。

次へ
トップページ