序章 : [大きな穴をまっさかさま]
-夢から覚めて-
「きゃぁ!!」
「ひぁ!・・・アリスちゃん、ビックリするじゃない、大きな声なんて上げてっ」
怖い夢でも見たの?もう大丈夫よ、とアリスの小さな頭を優しく撫でてくれるおねえさん。
いつの間にか赤く染まった草原。
どうやらアリスはおねえさんの暖かいひざを枕にして、眠っていたようです。
「あれ、、、ここは、、、おねえさま!私、白いウサギさんを追いかけてね・・・」
アリスはようやく夢から覚めたことを知ると、おねえさんに、ウサギを追いかけて大きな井戸を世界の裏側まで落ちたことをお話しました。(もちろん恥ずかしいところは省いて)
するとおねえさんは少し物思いにふけった後、にっこりと笑顔をつくり「素敵なお話ね」と楽しそうに聴いてくれました。
アリスは白いウサギさんとお友達になれなかったことは残念でしたが、何マイルも落ちて、
二度とおねえさんに会えなかったり、ダイナを撫でてあげることができないと思うと、夢でよかったと思うのでした。