ほとんど暗闇の中で、地面に這いつくばってみても見つからない。
あきらめて先生が探している側へ行ってみる。


「・・・・きゃ」

紀子先生のちいさな声が聞こえたような気がした。
声のした方向、道から少し外れた場所へ行ってみると先生がしゃがんでいる。
茂みに顔を近づけていたからイヤリングが見つかったのだと思ったのだけれど・・・。

「もぉ・・・ダメぇ・・・・」

また声がする。さっきとは違う声だ。
先生のそばまで行くと、また声が。
「そんなっ、こんなとこで・・・っ」
切羽詰ったような若い女性の声は先生が覗き込んでいる茂みの向こう側からしているようだった。

紀子先生のすぐ隣まで来る。
一緒にしゃがんで横を向くと、薄明かりの中に恥らってるような先生の顔が浮かんだ。





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