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1章 : [魔獣の森]

〜 素材集め 〜



「ミント、ここはどこじゃ?[修練の森]とは違う雰囲気のようじゃが、、、おかしいのぉ」

そう言うと、小さなドワーフのアルメリアは首を傾げて辺りを見回した。
三人がアカデミーの転移装置、、、人を特定の場所へ運ぶ魔法装置、、、から転移したのは、見たことも無い暗く深い森であった。

濃い霧が深々と森を覆い、木々の間から漏れる陽光も、まるで月明かりのように弱弱しい。
それはアルメリアが言った、比較的弱い魔獣が住まう[修練の森]と呼ばれる森とは似ても似つかなかった。


「はぁ、アルメリアさん。貴方が飛び込んだのはよりにもよって入ることを禁じられていた[魔獣の森]ですわ」
行き先を間違えて転送装置に飛び込んだアルメリアを放っておけずに追ってきたハーフエルフのミントが、溜息混じりに言った。

「・・・うん、魔獣の森。どこまで続いているのかも分からない未開の森。戻りの転送装置を設置できないほどの凶暴で高度な魔獣が棲息する最悪のダンジョンだよ。」
それに追い討ちをかけるように、現在地がいかに危険を孕んでいるかを説明する妖狐のアイリス。
彼女はヒトの生活にはまだ慣れていないようだが教科書に載っていることは完璧だった。

「(じーーー)」

「・・・す、すまぬ。」

二人の無言の圧力に負けて振り向くと、観念したアイリスは自分の行動を反省して、素直に謝罪をした。

「しかし、逆を突けば、レア素材の宝庫! 皆が驚くような未知の素材を手に入れれば、火竜なぞ倒さんでも卒業できるぞっ! ほらっ、アイリスはクモが嫌なのじゃろ?戦わなくてすむんじゃぞ」

「クモと戦わなくてもいいの!?」

必死に味方を増やそうと説得するアルメリアの言葉に、クモ嫌いのアイリスが早速食いついた。

「おぉ、もちろんじゃ!その素材にわしらの名前が付くかもしれんぞ![アルメリア鋼]に[アイリス結晶]、[ミント草]も夢ではないぞ」
「(Σ(・ω・)私だけ草!?)」

さりげなくショックを受けるミントを華麗にスルーすると、
まるで立ち止まった主婦を放さない包丁売りのように、旨みを並べ立てて懐柔を試みるアルメリア。
そんな彼女の一言一言に頷いて潤んだ瞳で見つめるアイリスはもうアルメリアの側だった。

「アイリス結晶、、、クモとも戦わなくてもいいんだよね、、、うん、見つけようよ! アル、ミーたんっ!」


アルメリアをアルと呼んでコロ っと寝返ったアイリスにミントは頭が痛くなった。
彼女は眉間に手を当てて目を瞑ると、これからどうやって二人を説得し、無事に森から抜け出せるかを考え始めた。
「はぁ、、、アイリスはまだヒトに化けるようになって間もないんですから変なこと吹き込まないで下さい、、、って二人とも、どこっ!?」

先程までそこにいた元凶とその子分の姿は影も形も無かった。

「おーい、、、、ミント、、、こっちじゃ、、、ぉ、、、」

おろおろと辺りを見回すミントに、森の奥から彼女を呼ぶ声が聞こえた。
早速最悪の森で素材集めを始める二人に呆れると、ミントは重い足を引き摺るように、声のした方角へと歩き出すのだった。。。




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