メニュー  次ページ
ほほう、オッパイ大きいねぇ



「ちょっと変わった治療だけど、効果てきめんよ」

女子大の友人によると、「なめかわ女性クリニック」はこの辺りで有名な病院らしいのです。

訊いてもどう変わっているのか教えてくれず、意味ありげに笑っていたのが気になりましたけど。

「ま、他人に言えないくらい、いい体験が出来るから。あたしも最初は驚いたけどね」



診察室に入ると、中年の頭が禿げたお医者さんの姿が見えました。

見た目はごく普通の中年男性です。

「……」

部屋の真ん中には、婦人科のあの診察台が据え付けてありました。

思わず引いてしまいそうな存在感です。

―― 女性クリニックなのだから、そういう患者さんも診るんだわ。

私は気にしないことにしました。

「ここしばらく、肩こりがひどくて頭が重いんですけど」

症状を話すと、先生は聴診器を用意して「胸を出して下さい」と言いました。

「ええと……肩こりなんです。熱があるわけじゃなくて……」

「胸を出して下さい」

お医者さんは当たり前のような顔で、私が胸をはだけるのを待っていました。

「……」

何だか納得いかなかったけど、そういう必要があるのかもしれないと思い直して、私はブラウスのボタンを外して開きました。

「ブラジャーをずらして下さい」

「……」

聴診器を当てるにしても、普通はこれで十分ではないでしょうか。

乳房を見られるとは、思っていませんでした。

「はい、オッパイ出しましょうね〜」






ためらっていると、後ろから女の人の手が伸びてきて、あっという間に私のブラジャーを持ち上げました。

「ひぇっ!」

私の乳房は支えを外されて、ゆさっと揺れながらこぼれ出てしまいました。

失礼なと思ってちらっと振り返ると、ナースが私の乳房を品定めするように観察していました。

むっとしたけど、ここは我慢です。

「いずみさん……女子大の三年生ですか。オッパイ大きいねぇ」

お医者さんも、私の乳房に注目していました。

『大きなお世話です』 ―― 私は喉まで出かけた言葉を飲み込みました。

メニュー  次ページ