「はい、コーヒー」

美咲と一緒の朝を
迎えるのは
これが最初だった。
そして最後になってしまう。
半年近く交際していたのに
奥手な二人は
いつもキス止まりだった。


「私のバージンは、
大好きなあなたに
もらって欲しいの…」


明日別の男のもとへ
嫁いでいってしまう
彼女の願いだった。
二人とも初めてだったので
ぎこちないまま
終わってしまった。
どこかしょっぱい…
でも、愛情に満ちた
やさしい時間だった。