⇔BACK NEXT⇒

グルンと前座席が180度回転し、向かい合わせになった。


凛ちゃんは礼も何も言わず、当然のようにドスンとそこへ座る。
やれやれ、これまたおかしな子に関わってしまったな。
さっきも言ったが、この車両には僕と凛ちゃんしかいない。
言わば、僕ら二人の貸しきり状態だ。
これだけ席が空いてるのに、何も一箇所に固まって座る事もないだろう。
でも、このまま他の席に移るのも避けているようで気まずいし……。

「よっと」

色々考えた末、僕も凛ちゃんの向かいの席に腰を下ろす事にした。