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しっかし……随分と短いスカートだな。 こうやって身を屈んだら見えてしまいそうだ。 ……って何をやってんだよ、僕は!? これじゃあ、さっき新聞で読んだ痴漢男と一緒じゃないか! そっ、そうだ、窓の外の景色でも見て気を紛らわそう。 景色は都心を離れ、やがて住宅街を映し出した。 「…………ちらり」 だっ、駄目だ、どうしても視線がスカートにいってしまう! ……いや、違う。 僕は悪くない、決して悪くないぞ! あの短いスカートから伸びた白いニーソックスが全ていけないんだ! ついでにニーとスカートの間の、あのムチムチとした太もももなぁー! 「んぐぐぅ……あのスカートの中がどうなってるか……みっ、見てみたいっ!」 ……はっ!? 思わず声に出して力説してしまった! やはり、これは三日もオナニーしなかったのが原因なのかっ!? こんな事になるなら、『出張先まで来てオナニーは……』なんて格好つけずに素直に抜いておけば良かった! さっきの言葉……だ、誰にも聞かれてなかったよな? 車内を見渡すが、相変わらずこの車両には僕達二人きりしかいない。 えっ……ふ、二人きりだって!? 二人きり……二人きり……ぬおぉぉーー! 「だっ、駄目だ、駄目だっ!」 脳裏に浮かんだ淫らな妄想を、ブンブンと頭を激しく振って掻き消した。 いいか、これは罠だっ! 二十八年間、真面目に、実直に、堅実に生きてきた僕を誰かがハメようとしているんだっ! そうだ、きっとそうに違いないっ! だが、僕は引っ掛からない、絶対に引っ掛からないぞ〜! 「………………ちょっと待てよ」 ふと気付いたんだけどさ……。 要はさ……何をしたって、結局はバレなきゃいいんじゃね? そっ、そうだよな! 新聞の痴漢男はさ、後先考えないから捕まったんであって……。 もしも……もしもだよ? もしも僕だったら、それはもう綿密に計画を立てて慎重に行動するね。 うんうん、絶対に捕まらない自信がある。 っていうかさ、世の中にはレ○プまがいな事をしても、平然と生きてる輩が実は結構いたりするんじゃないか? ネットとかのエロ動画を見ても、好き放題して投稿してるクズも一杯いるしさ。 そう考えると、今迄の人生をただひたすら真面目に生きてきた自分は何だったんだって話になるな。 ま……まさか!? あっちにもこっちにも美味しい果実が実っていたのに、自らスルーしてきたのか? だとしたら、こんな馬鹿らしい事はない! くっそう……やってやる、僕だってやってやるぞっ! だっ……大丈夫。 もし騒がれてもこの車両には誰もいないし、このお嬢さんは僕がどこの誰かだか分かっちゃいないんだ。 よし、最後にもう一度だけ確認をしよう。 「……凛ちゃん?」 |