その2


翌日、通学路である坂をヒィヒィ上っていると見覚えのある後姿を発見した。

声を掛けようとしたが、考えてみれば朝倉の方は俺の事は知らないんじゃないだろうか。

隣のクラスだし、委員会や何かの役員をしている訳でもないので何の繋がりも無い。

長門の親玉経由で知ってはいるだろうけど表面的には赤の他人だ。

さも知り合いの様な感じで声を掛けるのも違うし、通学路でナンパする様に声を掛けるのもどうかと思う。

とりあえず近付いて向こうから声を掛けられるのを待つか?

そう考えて早めに歩いて近付くと、イキナリ朝倉が振り返った。


「おはよう」

「お、……おはよう」


突然の事に動揺している俺を尻目に、輝く笑顔で挨拶をしてくる。

これが仮面かどうかは分からないが、どこかの誰かが『AA+』と評価を下していた事に納得がいくほどの可愛い笑顔を向けてくる。

というか、この笑顔のままナイフで殺しに掛かってくるなんて恐ろしい!

キョン、ご愁傷様……


「そういえば、キョン君と同じ部活に入ったんだって?」

「部活……と言うのかあれは?」

「部活でしょ?ちゃんと許可も貰えたみたいだし」

「そうなのか、どういう嘘を書いて許可を貰ったんだかな……」

「うふふ、手厳しいわね」


今の俺は一般人だから、これから先に起こる未来に関する事と過去に起こった俺が知らないはずの事柄を喋らない様に気をつけながら世間話を続ける。

それよりも青春真っ只中の様な会話をする為に近寄った分けではない。

目的を遂げねばならないのだ。

SOS団の詳しい内部情報を聞き出そうとしているのか知らないが、会話を続ける朝倉を尻目に俺は手をそろそろと尻に移動させていく。


「でね、涼宮さんたら――ひくっ!?」


しゃっくりの様な声を上げて言葉が止まる。

全身を硬直させ、機械なら<ギギギ>と音がしそうな動作で首を回して自分の臀部に当たる感触の正体を確認すると、そこを揉み続けている俺の顔を見て、また正面を向いた。


「――おかしな事を言い出してね」


揉まれている事に対して通常の女の子がするべき反応をしないで、止まっていた足を動かして世間話を続ける。

それを良い事に昨日触った長門よりも柔らかく、朝比奈さんと同じぐらい柔らかな尻をスカートの上から存分に感触を楽しむ。

通常、手は性感帯ではないが、確かに俺の手は性的な快楽を感じている。

まさに揉むだけで気持ち良い魔性の尻だ。

この分だと胸も期待出来そうだが登校途中なので後ろから抱き着いて揉んだら、歩みが止まってしまって遅刻してしまう危険性があるし、横からでは禄に揉めやしないので、素直に諦めて丈がそれ程長くないスカートを捲り、更なる快楽を求めて中へ侵入させていく。

裾が手首に引っかかって優等生らしい白のショーツが半分ぐらい丸見えになってしまった。

美少女を嬲れる事にカナリの優越感を感じるが、認識出来ないと言って周りにサービスする必要は無いのでなるべく隠れる様に手を移動させていく。

スカートの中は温かく手触りの良いショーツが迎えてくれた。

薄いショーツから朝倉の体温を感じながら片尻を下から持ち上げる様に揉んで離すと、スカートで遮られていてもプリッと音がするかの様に形が戻るのを感じる。

程好い弾力を堪能しながら縁に指を引っ掛けて尻を半分だけ露出させた。


「っ!? ……その時にキョン君が――」


丁度片方だけTバックの様になってしまっているが、一瞬だけ反応を見せた後は何事も無かったかのように、尻に夢中になっていて、なぁなぁにしか返事を返さない俺へ世間話を続けている。

サラサラの肌を好き勝手に撫で回してから次はアナルへ。


「――放課後にっ!!?」


指先が触れた瞬間、身体を振るわせて会話が三度止まる。

入れた時に切れては困るので括約筋を解そうと頑張ってみるが、そもそも湿り気が無いのでこのまま入れたとしても切れてしまう事は明白だ。

破瓜の血ならともかく痔になってしまっては興奮も冷めてしまう。

なので、水分を求めて更に股間の奥へと手を入り込ませていった。

胸と違って乳首の様な性感のスイッチは無く、感度も比較的低い尻で喘がせる事は出来ないが、それでも性器を軽く湿らせる事は出来る様だ。


「ぅんっ、はぁっ――」


歩く早さも遅くなり最早会話をしている余裕も無くなってしまった朝倉を横目に、アナルを触った指とは別の指で間違って膣口に入り処女膜を傷つけない様に気を付けながら、淫核を中心に刺激を与えて未開拓の秘裂の入り口を蹂躙していく。

指に愛液が十分に絡まり、スカートの中に篭る体温が上がった頃に再度アナルの攻略を開始。

滑りがある為か先程よりも動かし易くなったのを感じながら解していく。

しばらくそうしていると触った当初の何者をも通さないという締りが緩くなり、指先のほんの少しだけ潜り込ませる事が出来る様になってきた。

そしてその勢いを殺さずに一気に差し込む。


「ひぎぃ!?」


心成しか蟹股になって、ノロノロと進んでいた足は完全に止まった。

本来なら出す方向でしか使用しないはずの器官を逆流された衝撃が原因か、腰から下が小刻みに震えている。

根元まで入っていた指をゆっくり抜いていくと、思春期の美少女が決して人前で出してはいけないオットセイの様な声を出す。




「ぉっ……おぉっ、ぉぁ…………」


第一関節まで引き抜き、もう一度差し込んでいくというのを何度か繰り返して徐々に早くしていく。


「ぃぎっ、おぁっ、いぁっ、おほっ、あぐっ――」


直立しているが蟹股だった姿勢から、刺激を逃がそうとして段々と尻を突き出す格好になってきた。

しかし上半身は相変わらず姿勢が真っ直ぐなので、とても厭らしい体勢になってしまっている。

このままアナルの弄り倒してみたいが本当に遅刻をしてしまうので仕方なく、再度根元まで押し込んで朝倉の体を押してやる。


「ひぐっ!」

「ほら、このままだと遅刻してしまうぞ?」

「そ、そうね、急がないと、ぁくっ………」


押し込む時に微妙に上方へ動かしたので爪先立ちになり尻を支点に、軽い海老反りの体制で歩き出す。

進んでいる途中でも世間話を続けようとする朝倉だが、入れている指を微妙に動かすので言葉を最後まで綺麗に言い切る事が出来なかった。

その調子で学校の正門に到着すると、肛門から指を一気に引き抜く。


「おぁぅ!」


今迄で一番の奇声を発した。












(ここまで本編です、以下は体験版のみの展開になります)





何か拭く物が無いかと、ポケットを探っていると朝倉が気持ち悪い動きでグルリと俺の方を向いた。


「ぶるるあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


突如、野太い奇声を発し荒ぶる鷹のポーズで空中へ飛び立つ朝倉。

急変した朝倉の声とキャラクターに戸惑う俺を他所に空中へ止まる。


「このまま先の物語に行きたければ製品版を買うが良い!」

「な、何の事だ!?」

「くくくっ、愚かなる体験版主人公よ、周りを見ろ」

「!? 何だこれは!」


言われて回りに目をやると、そこには確かにあった筈の物や人が0と1の数字として崩れていく光景だった。

見回しても全ての物が動きを止め、色を失い、そして数字になって崩れていく。

問い詰めようと空中に居る朝倉に目を遣ると周りと同じ様に崩れていく朝倉が居た。

この世界に在る物全てが例外無く消えていく様を見て、慌てて自分の身体を確かめてみるが、俺自身には何の変化も無いようだった。

その事に安堵していると、キャラクターが違う朝倉が声を掛けてきた。


「お前はどんなに頑張っても製品版主人公にはなれんのだ」

「どう言う事だ!」

「言っただろう、お前は体験版主人公だ、最早この世界と、この世界でのお前の役目は終わったのだよ」

「役目だと……」

「そうだ、そして役目が終わった世界は消え行くのみ……」


愉快そうに、しかし何所か寂しそうに言う朝倉。

周りを見る限り、この世界が消えていくのはどうやら本当の様だ。

だとしても1つ理解出来ない事がある。


「体験版主人公とやらは何の事だ!」

「お前はある一定の期間だけを生きる為に生み出された存在よ」

「なん……だと!?」

「期間が過ぎた今、この世界は消えてお前は一部の記憶を忘れて次の世界へと飛ばされるのだ」


朝倉と思われる人物が言い切った瞬間、周りで崩れていた数字の流れは速くなり、渦となって襲い掛かってくる。


「くぅ……」


圧力に何とか耐えていると寂しさを交えた、男とも女とも分からぬ声が響いてくる。


「心配するな、お前が忘れても私は覚えている」

「何の……こ………」


濁流によって姿すら碌に確認出来ない朝倉を探して質問しようとしても最後まで言葉を続ける事は出来なかった。

そして浮遊感が襲って来て、自分が落ちていると理解する。

何とか目を開け様と努力しても薄目程度しか明けられず、『涼宮ハルヒの憂鬱』の世界で最後に見たのは悲しい雰囲気を発している様に見える、髪の長い女のシルエットだった。








声を掛けられる気配がして目を覚ました。

何かを思い出さないといけない様な感じがするが今は現状に確認だ。

目を開けて回りを確認する。

なぜここに居るか分からないが、目の前に居るのは確実に―――――





体験版終わり