今日は家でひとりぼっちのお留守番。
お父さんとお母さんはふたりで旅行に行っちゃったんだ。
明日の夜まで帰って来ないって。
あーあ、家にひとりでいると寂しいな。
でも、大事な結婚記念日なんだもん。
たまにはふたりで恋人気分を味あわせてあげないとね。
ぐっとこらえて、我慢我慢。
明日の夜まで、優衣はひとりで頑張るんだ!
晩御飯だって、ちゃんと自分で出来たもんね。
まぁ正直、ひとりじゃ心細いけど…。
視線が自然と少し開いたドアに向かってしまう。
その奥は真っ暗。
出てこないよね??
幽霊とか出てきたりとかしないよね??
大丈夫。大丈夫。怖くない。
何かあったら、隣のお兄ちゃんのところへ駆け込めばいいんだから!
隣のお兄ちゃんはね、すごく優衣に優しいんだよ。
優衣が小さい頃、良く遊んでくれたんだ。
優衣がピンチの時には、いつも助けに来てくれるし。
優衣がどんなにわがまま言ったって、怒ったことなんて一回もないんだから。
どんな時もニッコリ笑って、「まったく仕方ないなぁ、優衣は。今回だけだぞ?」
って言ってくれるんだ。
いつだっておひさまみたいに優衣を見守ってくれる、とっても優しいお兄ちゃん。
優衣、結婚するなら絶対お兄ちゃんみたいな人がいいな!
実はちょっとお兄ちゃんのこと好きかも…えへへ、照れる。
ああん、もう!
そんなこと考えてたら、もうこんな時間になっちゃった。
早くお風呂に入らないと、明日学校に遅れちゃう!
はぁ。
明日は自分で起きなきゃいけないんだ…優衣、自信ないなぁ…。