キャンプの思い出
息子の友達から聞いた話。
八歳児が話すことをまとめたので不明瞭なことがあっても許してほしい。
学校でキャンプがあった。
土日を利用して希望者のみのキャンプで、保護者も参加できるものだ。
私と息子は参加しなかったが、息子の友人の修一君は参加したそうだ。
学校のキャンプといえば恒例の肝試しがある。
教室を父兄が改造した簡単なもので、低学年は保護者一人を含めた三人一組でいくつかのポイントを回って帰ってくる。
ルールとして蛍光灯の明かりはつけない。
懐中電灯だけを頼りに進むのだ。
修一君は、最後から二番目の組だった。
いくつかの教室を回り、最後に家庭科室で父兄手作りのお札を机の上から一枚もらって帰ってくる。
その帰り道のこと。
お札がおかれた机は家庭科室の突き当たりにあって、行きも帰りも同じルートを通らなければならない。
誰から隠れられるスペースはあったかもしれないが、区切っているのが暗幕なので誰かいれば揺らめいてすぐにわかる。
暗幕で区切られて作られた狭い通路で、修一君は何かをコツンと蹴飛ばした。
行きは床には何もなかったはずなのに。
驚いて懐中電灯で照らすと
血にまみれた生首が転がっていた。
後で考えれば、絶対に人形(マネキン)の首だったんだと修一君は言っていた。
けれど、児童二人を引きずるように逃げ帰った保護者は言っていた。
「そんな生首、用意した覚えないのよ。私、家庭科室の担当だったんだから!」
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