「私のターン!ドロー!!」
大歓声の中、女はカードを弾く。
(これは・・・きたわ・・・)
女はニヤリと微笑んだ。
「ハン!何だってんだい!?もう降参しちまいな!!
こっちの場には四天王カード、電マの伊藤、スメルマスター拓、ビッグフットゴリ、
攻撃力3500の3代目痴漢王の四天王カードが3枚も揃っているんだ。
アンタに勝ち目は無いわ!!この舞様の前にひれ伏すが良い!!」
SMの女王様のようなコスチュームに身を包み、安藤舞は高らかに笑った。
「そうね、確かに・・・四天王のカードが3枚揃っている・・・。
私の増殖したクリボーも、2体しか残っていない・・・」
「そう、だから次のターンでアンタは・・・何・・・そのカードは」
女が取り出したカードを見て、舞の勝ち誇った顔が一気に青ざめていく。
「分かったようね・・・。このカードは相手の場であろうと自分の場で
あろうと、四天王3人がいる場合に召喚できる特殊カード。
ま、更に2体以上の生贄が必要だから中々召喚できないんだけどね・・・。
行くわよ、召喚!!3代目痴漢王、寺田武!!」
ウォォォォ!!!!!!!
会場のスクリーンに痴漢王が映し出されると、会場が一気にヒートアップした。
攻撃力、守備力、共に5000。
「あ・・・・あ・・・そ・・・そんな・あ・・」
「更に、効果発動!!痴漢王は生贄に捧げたカードを百鬼夜行として、
召喚したターンに限り、引き連れ、同じ攻撃力を与えることができる。
つまり・・・、2体のクリボーはこのターンのみ・・・」
「攻撃力5000!!」
「さぁ、行くわ。痴漢王の攻撃!!セックスプロージョン!!」
四天王のカードは攻撃力3500、つまり5000の攻撃力で攻撃すると、
プレイヤーに与えるダメージは1500、それが3体分となると・・・。
「そ・・・そんな・・・全く、無傷のライフ4000が・・・一気に」
「そうね。ジ・・・エンドってことね。昇天しちまいな!!」
「アァァアア・・・・・イクゥゥオゥッゥゥゥ!!!」
時は23世紀、痴漢王たちが活躍した時代より2世紀が経った。
裏社会では見世物として、21世紀に流行した遊技王と痴漢王を併せたカードゲームを作り上げた。
基本は遊戯王のルールであるが、攻撃や魔法、罠を受けるたびに
繋がれた媚薬の塗りこまれている機械から、プレイヤーは快楽を受けるゲームである。
プレイヤーは、ライフポイントが0になるか、途中でイクと負けとなる。
セックスキングダム、ファイトマネーだけでもかなりの額となり、
参加する女性たちも次々と増えていった。
そんな中で全戦全勝、日本のセックスキングダムの女王に君臨する女性こそ、
かつての痴漢王、寺田武の血を引く一族最後の生き残り、寺田サクヤであった。
「よう、サクヤ、また勝ったのかよ」
「サキ、ええ・・・どうやらツキが回ってきてるようね」
サキと呼ばれた女性は、セックスキングダムで5本の指に入るデュエリストだ。
剣闘士のような格好をしていて露出が激しい。
身長は170cmを越え、巨乳、パーマがかったロングヘアーも美しい。
ショートヘアーで貧乳、身長も150cm台のサクヤとは言葉遣いを含め、
全てが対照的だ。
「それにしても全勝とは・・・流石は伝説の痴漢王の血を引くってだけあるわ」
「フフッ、確かにそうかもね。そういえば、次のサキの対戦相手って
あの・・・例のルーキーでしょ?」
「ああ、わざわざそうなるようにカードを組んでもらったのさ。
彼女もまだ無敗、出る杭は打っとかないと」
「そっか。がんばって」
サキは親指を立て、会場へと足を進めた。
セックスキングダムは弱肉強食、負けが続けばファイトマネーも少なく、
ただイキ恥を晒すだけの負け犬になってしまうのである。