鬼畜専科-第11期-オヤジの逆襲

(序章の文は前期・中期・後期、共通になっています。)

 

HP 担当者
企画・監修 日本電画専門学校 Dr.P

シナリオ

賽龍影様

原画

由美様

<序章>

【謙一】「今月の依頼は、三件か……」

 元締めがアングラ系サイトの掲示板に張り出した仕事募集のスレッドから、今月もまた復讐の依頼が転送されてきた。

 その昔、江戸の世で晴らせぬ恨みを晴らす闇の復讐人を生業としていたご先祖様と幕府御用命の拷問吏を受け継いできたご先祖様。ひょんなことから夫婦となったその二人の血が、俺の一族には流れている。

 そう、俺こと――八巻謙一(やまきけんいち)にも、その宿業は当然受け継がれているわけだ。
 もっとも、昔話代わりに聞かされた限りじゃ、仕事のやり方は、随分と変わってきている。

 昔は、廃れた神社の絵馬に依頼を書かせたり、闇の元締めに仕事の割振りを願いに行ったり、という面倒な手順を踏んだらしい。

 だが今じゃ、元締めが用意した専用の掲示板から、それぞれの復讐人に合った仕事が割り振られてくるようになっている。これは、かなり楽になったといえるだろう。

 そしてもう一つ、顕著に変わってきている点がある。

 そう、依頼人に男の姿があるのに変わりはないが、その依頼対象に女が増えてきている点だ。これも時代の世相というやつなのか、それとも単に女が図太くなったということなのかは分からない。

 ただ、薄幸の少女の敵討ちのために、という時代が遠くなっている辺り、お約束がウリの時代劇が好きな俺としては、何というか感慨深いものがある。

 もっとも、ご先祖様達の復讐のやり方を受け継ぎ、どこか歪んでいる俺個人としては、悪いことばかりなじゃない部分もある。

 一思いに殺してしまうのではなく、じわじわと嬲るように壊す。それが、一族の――俺のやり方である以上、中年男を拷問に掛けるよりは、女を拷問に掛けるほうが、個人的には嬉しい特典となるわけだ。

 要は、復讐にかこつけて歪んだ趣味を満足させているようなものだが、復讐の対象により深い絶望を与えるスパイスにもなっているんだから、結果的には問題がないだろう。

 もちろん、誰彼構わずに壊すなら、掟破りとして俺自身が粛清されることになる。だが、それが復讐の対象である限り、問題はない。

 そう、俺は俺として生きるためにも、この稼業を続ける必要があった。

 決して仕損じることなく、絶えず新たな贄を供給してもらうためにも、仕事を完璧にこなす必要が、俺にはあるのだった。


【謙一】「援交で釣り上げたカモから金を脅し取る美人局(つつもたせ)の笹川絵美(ささがわえみ)、痴漢をでっち上げて結果的に他人の人生を壊した木村佳子(きむらよしこ)」

【謙一】「陰湿ないじめで知人を自殺に追い込んだ四堂亜佐美(しどうあさみ)の三人か……、どいつも綺麗な顔をして中々に阿漕(あこぎ)な真似をしているもんだ。だが、だからこそ、壊しがいもある」

 俺は復讐対象を隠し撮りした三枚の写真データを前に、獲物とするべき女を選んでいった。

 

【亜佐美の依頼を受ける】

 

【絵美の依頼を受ける】


【佳子の依頼を受ける】