翌日の朝、家族で朝食を取る。僕は受験で朝から勉強するし、お兄ちゃんは大学へ行く。両親は仕事に行く。だからみんな朝早く、朝食を一緒に食べる。
両親はいつもどおりだ。昨日のことが聞こえたりばれたりしていないかちょっと心配だったけれど大丈夫だ。両親は仕事で疲れているので夜はぐっすり寝ている。
お兄ちゃんもいつもどおりだった。昨日のことがまるで無かったかのようにいつもどおりすぎる。意識してしまっている僕に比べえらく余裕だ。
昨日は終わりの方はすっかりお兄ちゃんのペースだった。余裕ぶっているのがむかつく。僕はエッチ未経験でお兄ちゃんはたくさん経験している。内心笑われているようで腹が立った。
お兄ちゃんは僕より下なんだ。僕より頭がいいけど僕より気弱でおとなしい。お兄ちゃんが僕より上で余裕ぶってリードするなんて許せない。
昨日、泣いておびえる女を責めるのは楽しかった。ぞくぞくするほど快感だった。きれいな女を支配する。言葉で責めて身体で責めて泣かせる。そうしたいのだ。お兄ちゃんは僕より弱い、すぐに泣いてしまうか弱い女の子じゃないといけないんだ。
今日はもっと強気でいこう。お兄ちゃんを支配するんだ。心も身体も従属させていずれ彼氏と別れさせてやる。
お兄ちゃんは僕の怒りを知りもせず、いつものように両親と楽しく会話している。僕はその会話に合わせながら内心今夜はどうしようかとあれこれ考えていた。
お兄ちゃんは顔がきれいだ。こうして男の格好で男としてふるまっているとちゃんと男に見える。でも女として見ると、たしかにきれいな女の顔にも見える。今までは気付かなかったけれど、たしかに女っぽくなっていた。
恋をしたり、欲情したり、怒ったり。今まで無かった強い感情がごちゃごちゃに絡み合う。お兄ちゃんを支配し泣かせたいというのはお兄ちゃんを独占したいという嫉妬ゆえだった。お兄ちゃんが他の男を一番好きで、その男に仕込まれた女の魅力で僕を翻弄するのが許せなかった。好きになってしまったお兄ちゃんに、彼氏より劣ると思われているのがみじめなのだ。
僕はその日ずっと上の空だった。授業も勉強も身が入らない。今夜すっきりしないことにはおさまらない。
深夜、両親が寝静まった頃、昨日と同じようにお兄ちゃんの部屋を訪れた。
ノックすると、返事があった。僕だと答えるとドアが空いた。
「入って」
お兄ちゃんが女の声で招き入れる。その声だけでドキドキする。恋ってすごいな。声だけでこんなに幸せな気分になる。
もちろん僕がお兄ちゃんに恋をしているなんて言えない。今言ったところで恋人のいるお兄ちゃんにはふられるのがオチだ。僕に惚れさせないと。僕がいないと耐えられないように躾ないといけない。
お兄ちゃんの部屋へ入りドアの鍵を閉める。また二人きりだ。女のような、いや女のお兄ちゃんと二人きりになる。
お兄ちゃんはまた長い髪のウィッグをつけて、女装していた。短いスカートから見えるむっちりしたふとももがなまめかしい。僕は見とれてごくりとつばを飲み込んだ。
お兄ちゃんがほほえみながら手を広げる。僕は吸い寄せられるようにその胸に顔を埋め抱きついた。
やっぱり男だから胸が無い。なのにどうしてこんなにやわらかくて心地よいのだろう。それはきっと惹かれているからだ。抱きしめられると安心する。
抱き合っていると、お兄ちゃんのやわらかさで興奮してきた。股間がむくむくと膨らみ始める。
「うふふ。話をしにきたんじゃないの?」
「触りながらでも話は出来るよ」
今日はその余裕を無くしてやる。昨日みたいに泣き顔が見たい。あのぞくぞくする支配欲を満たしたい。でも同時に、このまま依存し身を委ねたい気持ちもわいてくる。美しいお兄ちゃんにリードされて何もかも教えてもらいたい。
揺れては駄目だ。気を強くもたないと。お兄ちゃんを支配している彼氏から奪い取るにはそれ以上に強く支配し従属させないといけない。
僕はお兄ちゃんに抱きついたまま押していく。ベッドに足がぶつかりお兄ちゃんがベッドに座る。そのまま押し倒すようにのしかかり、二人ともベッドに上がる。
「はあ。はあ」
僕はズボンとパンツを一緒にずらして勃起ペニスを露出させる。お兄ちゃんの手を取ってそれを握らせる。
「ああ。今日もすごく硬い」
「お兄ちゃんのせいだよ。お兄ちゃんが僕を誘惑するからこんなになっちゃったんだ」
「駄目。ちゃんと話をしないと」
僕はお兄ちゃんの唇を奪う。お兄ちゃんは顔を背ける。その横顔にちゅっちゅとキスをする。
「強く吸っちゃ駄目。痕が残っちゃう」
「親にばれるから? それとも彼氏にばれるから?」
「どっちもよ」
「彼氏を裏切って、弟と浮気するなんて悪いお兄ちゃんだね。わかっているの? お兄ちゃんがどれだけ悪いことしているか」
「あなたが勝手にしているんでしょ」
お兄ちゃんの手がやわやわとペニスをしごく。すごく軽く握りゆっくり動かすだけで全身がふるえて腰が引けるほど強い快感がほとばしる。
「お兄ちゃん、昨日部屋に鍵をかけていなかったのわざとだよね。女装して背を向けてオナニーしていたのわざとだよね。いつものように、返事が無ければ僕はドアを開ける。それがわかっていてあんなことしたんでしょ」
「違うわ。昨日は彼氏としていなかったから、彼氏に抱かれるときのように女装してオナニーしていただけよ」
「うそだ。僕が受験勉強で、夜中でもよくわからないところを聞きに行く。それがわかっていて鍵もかけずに女装オナニーするわけがない」
お兄ちゃんの身体をまさぐる。どこもかしこも何でこんなにやわらかいんだ。胸なんか平らなはずなのにもみ心地がすごくいい。服の上から手のひらでなでまわすと乳首が尖っているのがわかる。興奮しているんだ。とりすましているけど興奮している。
「どうして私の部屋へこっそり入ったの」
「昨日言ったでしょ。お兄ちゃんの彼女だと思った。お兄ちゃんが彼女をこっそり連れ込んで、自分は出かけて、一人で部屋の鍵もかけずにオナニーさせている。そういうプレイだと思ったんだ。僕にのぞかれてしまうかもしれないと興奮するプレイ。そしてもし見つかったら口止めに抜いてくれると思ったんだ」
「飛躍しすぎよ。そんなことあるわけないじゃない」
「でも、実際はそれ以上にとんでもないことだったよ。まさかお兄ちゃんに女装趣味があったなんて。男と付き合って女にされていたなんて」
「知られたくなかったのに」
「うそだ。知られたかったんでしょ。だから部屋の鍵をかけなかった。僕にのぞかれ知られたかったんだ」
「だって私女の子だもん。きれいな女の子なのを他の男にも見て欲しい。でも彼氏が許してくれないの。俺以外の誰にも見せるなって強く言われているの。だから家で、自分一人で女装オナニーするくらいが精一杯。彼氏に会えないときだって女の子でいたいのに」
「こんなの、親が知ったら悲しむよ。お父さんもお母さんも理解してくれない。きっと泣かれちゃう。親不孝をしているんだ。お兄ちゃんは」
「いつか、わかってもらえる日が来るわ」
「来ないよ。一生来ない。言ったら駄目だよ。ずっと我慢するんだ」
お兄ちゃんの顔がくしゃりと歪む。涙が浮かぶ。これこれ。これが見たかった。
「そんなに、女の子になりたいんだ」
「だって。女の子でいるってすごく幸せなの。今まで男だけだった。人の中には男の部分と女の部分があるの。女の部分を押し込めて見ない、気付かない。それがとても不幸なことだとわかったの。自分の半身が鎖につながれているようなものよ。私は女になってようやく自分の全てが満たされたの」
「彼氏にそう言われたの? 本気でそんなことを信じているの? 違うよね。ただの女装好きの淫乱だ。男のくせに男のペニスが欲しい変態だ」
「変なことじゃないわ。世間では偏見がひどいけど、男が男とセックスしたがるのは変ではなくて普通なのよ」
「そんなわけないじゃないか」
「だってあなたも、私とセックスしたがっている。男なのに、男とセックスしたがっている」
かっとなる。僕はお兄ちゃんの顔に跨ってペニスを唇に押しつけた。
「黙れよ。お兄ちゃんが悪いんだ。そんなきれいな女の人になって、僕を誘惑して。僕は男なんかとセックスしたくないのに。もうお兄ちゃんを見ているとたまらないよ。どうしてくれるんだよ。責任取ってよ」
ぐいぐいと押しつける。お兄ちゃんは涙をこぼしていやがる。
「女装オナニーじゃ満足出来ないからって僕を誘惑して。童貞なのに、もう男のお兄ちゃんとセックスせずにはいられない。どうしてくれるんだよ。僕絶対お兄ちゃんとセックスするからね。僕の童貞を男で喪失させる責任取らせるからね」
「んん、そんなの、あなたが勝手にしているだけじゃない。しなければいいじゃない」
お兄ちゃんの美しい顔にペニスを押しつける。こぼれる涙をペニスに塗り付けそれをやわらかいほほに塗り広げる。
「ふざけるなよ。こんなきれいで、やわらかくて、いやらしい女がそばにいたら我慢できるわけないだろ。僕今日勉強に身が入らなかった。受験生なのに。受験に失敗したらどうするんだよ。お兄ちゃんのせいだよ。僕が勉強に集中できるようにすっきりさせるのはお兄ちゃんの義務だよ。それが責任を取るってことだろ。違う?」
「違うわ。やめて。こんな」
「ああ? うそばっかり。お兄ちゃんはうそが上手いね。恋人が出来たのに隠していた。女装して女になったのに隠していた。全然気付かなかった。そぶりも見せないなんてすごいよ。そしてその涙。いやがり方。うそ泣き上手いね。彼氏に仕込まれたんだ。わかるよ。すごくそそる。もっとひどいこと言って泣かせたくなる。男にひどいことされるとうれしいんだ。この淫乱が」
「違う、違うの」
ぼろぼろと涙をこぼすお兄ちゃんはとても美しかった。泣き顔がこんなに魅力的な女が他にいるだろうか。
泣き顔がすごく素敵だ。魅了される。きっと男をその気にさせるのに効果的なことを自分でわかっているんだ。だから泣くんだ。内心悦んで舌を出しているに違いない。僕を上手く誘導出来てほくそ笑んでいるに違いない。
馬鹿にしやがって。そっちがその気ならこっちもわざとのってやる。こんな楽しくて興奮することが他にあるか。ののしり泣かせて犯してやる。
「何が違うんだ。僕を誘惑して、オナニー代わりにする気だろ。彼氏に会えないときに女になりたい欲求を満たす為に僕を利用しやがって。ひどい奴だ。兄が女装で弟を誘惑する変態だなんて悲しいよ。こっちが泣きたいくらいだ」
「私、そんなつもり全然無い。今日だって、話だけのつもりで」
「うそつけ。じゃあこれは何だ」
僕はお兄ちゃんに跨ったまま後ろ手にまさぐる。案の定、そこには勃起したペニスがあった。スカートをはだけ女のパンツを引き延ばしてそそり勃つペニスを僕はぎゅっと握った。
「ああん、そこはあ」
「こんなに大きくして。変態が。ののしられて顔にペニスを押しつけられて興奮したんだ。泣いているふりして悦んでいたんだ。泣いていればもっとののしってくれる。ひどいことをしてくれる。さすが初めてがレイプな奴は違うね。ひどいほど興奮するんだ」
「違うわ。彼との初めては愛し合ったの。レイプじゃないの。絶対違うの」
「認めたくないだけだろ。初めてがレイプだなんて悲惨だもんな。でもそれを認めたくないからってその相手と付き合ってセックスし続けるってどれだけおかしいことかわかっているの」
「おかしくない。彼は今とってもやさしいし、とっても気持ちいいセックスしてくれるの」
「でも、セックスばかりなんだろ。ちゃんとしたデートしているの」
お兄ちゃんの顔がひきつる。あきらかに動揺している。
「し、してないけど。でもそれは、女の私が好きだからよ。他のだれにも私の女装を見せたくない。だから彼の部屋とかみんなが帰ったあとの部室とかで女装してみせる。他のどこへも行けないんだからすることなんてあまりないじゃない。セックスするのは仕方ないわ」
「本当は自分でもわかっているんだろ。でも認めたくないんだろ。自分が恋人でなく都合のいい女だって。ただの肉奴隷にされているって」
「違う違う、いやあああ。どうしてそんなひどいこと言うの」
「声が大きいよ」
僕はお兄ちゃんのペニスをパンツごとしごいてやる。お兄ちゃんは甘い声を出して仰け反った。
「下でお父さんたち寝ているんだから。静かにしなよ」
お兄ちゃんの口を手で塞ぐ。そしてペニスをしごき続ける。うめくお兄ちゃんはじっと耐えている。ぞくぞくする。これだよこれ。泣いている女を押さえつけ一方的に責める。なんて激しい悦びなんだ。今までしたどんな遊びよりも楽しいぞ。
「大きな声出さないって約束できる?」
お兄ちゃんがこくこくとうなずくと、僕は口を塞いでいた手を離した。
「お兄ちゃんは女装して女な自分を男に見て欲しいんだ。男に欲情して欲しいんだ。男にセックスして欲しいんだ。それもののしられ犯され泣かされたいマゾだなんて。変態が。僕を利用して、許さない。もう我慢出来ない。はあ。しゃぶってよ。彼氏に鍛えられた口で僕をイかせてよ」
お兄ちゃんは涙目で僕をじっと見つめる。その潤んだ瞳には確かに欲情の火が灯っていた。
どうせ思い通りに上手くいったと思っているのだろう。いいさ。利用されてやる。そのかわりさんざん気持ちよくさせてもらう。そして気持ちよくして僕無しではいられなくしてやる。彼氏とするより僕とばかりしたがる肉奴隷に変えてやる。
お兄ちゃんのふっくらした唇に亀頭を押しつける。唇が割れてにゅるりと亀頭を飲み込んだ。
「ううう、うっ、ふうう」
全身に悪寒にも似た快感が走る。亀頭から脳天まで突き抜け全身をふるわせる。
「う、はあ。何だこれ、すごい、ぬるっときて」
あまりの快感におどろいていると、お兄ちゃんが頭を上げて僕の竿まで飲み込んだ。
「ううううううううう」
ひざががくがくする。気持ちよすぎる。何だこれ。口の中は熱くてぬるぬるで、粘膜の感触は肌とはまるで違う。別次元のとんでもない快感が僕を襲う。
「う、は、あ、はあ」
お兄ちゃんの顔に跨る僕をお兄ちゃんは下から責める。頭を上下に振って僕の竿を飲み込んでは引き出す。亀頭は口の中に入りっぱなしだ。カリ首から根本までをぐいぐい唇でしごいていく。口の中では舌が踊り翻弄してくる。
「す、すごい、うあ、すごすぎ、うう、ま、待って、待って」
お兄ちゃんが僕の尻を両手でつかむ。僕を逃がさないようにして、激しくしゃぶりたてる。
「あ、ああ、出ちゃう、出ちゃうから」
楽しむ間も無い。あっと言う間に射精感がこみあげてくる。
お兄ちゃんは頭を激しく振る。こんなのかなりしんどいはずだ。相当仕込まれていなければこんなこと出来ない。どれだけエッチなことをされているんだ。美しい顔してとんでもない淫乱だ。
「あ、ふうううううううううう」
こらえても引きずり出される。僕はとうとうお兄ちゃんの口の中に射精した。
どぐう、どびゅぐぐぐ、びゅるるるる、びゅうううう。
大量に噴き出す。たくさん出るから射精が長い。強烈な快感が長く何度も僕を襲う。
「うああ、はああ、あああ、あぐああ」
がくがくふるえる。口を閉じられない。僕はお兄ちゃんの頭を抱えてうずくまりベッドに涎を垂らす。
どぐ、どぐ、びぐ、びぐ。
射精が終わっても快感が引かない。もう精液が出ないのに射精するときの快感が脈動するたび襲ってくる。すごい。オナニーとはまるで違う。こんなに気持ちいい瞬間が、こんなに何度も味わえるんだ。
こんなの知ったらもうオナニーなんか出来ない。毎日絶対お兄ちゃんにさせる。
僕は快感に包まれながら、こんないい女と毎日やれることに狂喜していた。
お兄ちゃんはこくこくとのどをかわいく鳴らして飲み込んでいく。精液をまるで甘いジュースのようにおいしそうに飲んでいく。
顔が真っ赤で汗と涙に濡れている。艶があり色っぽい。淫靡すぎる。僕は射精したばかりだというのに、ギンと硬くした。
お兄ちゃんは頭をゆっくり振って、口をすぼめて強く吸う。舌で裏筋を強く押し、一滴残らず絞り出そうとする。
「うあああ、あああ」
射精後のお掃除フェラまでこんなに気持ちいいなんて。僕のペニスはすっかり元気を取り戻した。
お兄ちゃんがちゅるりとペニスを口から出した。最後に唇が離れるとき、亀頭に強く吸いつき鈴口を刺激する。
「これで、いいでしょ」
お兄ちゃんが欲情したまなざしでじっとりと見つめる。
もちろんいいわけがない。僕もお兄ちゃんもこれっぽっちで終われるわけがない。僕はお兄ちゃんから離れベッドを下りると、急いで服を脱ぎ捨てた。