孤島でズブリ



今日はハルヒが待ちに待った合宿の日である。

はしゃぐ団長とは違い、俺は日頃の腰から来る疲労によって深く寝てしまっていた。

ハルヒの大声に起こされて寝ぼけた状態のままフェリーへ乗り込んだは良いが、居眠りをしていた罰として荷物番を任される。

甲板で風を楽しんでいるキョン達は今頃、この合宿に付いてアレコレ言っている頃だろう。

移動する船の上では、離れていく船着場に波打つ海と青空しか見る物が無い。

こんな状況では十分に睡眠を取っていても、欠伸も出そうになる。

ある程度探検を済ませたハルヒは、甲板から戻ってくるや否やバッグからトランプを取り出して配り始めた。



「皆、ババ抜きをするわよ!」



召集を受けた団員達とキョン妹は、円を描いて思い思いの場所に座っていく。

俺と言えば長門の隣に陣取った。

トランプを受け取り、自分の番が過ぎると手を隣にある胸へ伸ばす。



「……っ!?」



行き成り胸を触られて、身体をビクンと跳ねさせて驚く長門。

慎ましやかと言える大きさから、少しだけ成長した美乳の中心にある乳首を服の上から弄った。

カップが上がったブラの上からでは余り感触が無いものの、内布で擦られて落ち着きが無くなっていく。

例によって孤島に行く船の中で、例によってエロイ行為を認識されない俺はピクピクと反応している長門の白のチューブトップを下ろした。

然程、力を入れなくとも肩紐の無いブラごと脱げ、片胸だけを出している状態になってしまう。

更に引き下ろしたチューブトップの襟が、コルセットの様に下から押し上げている形になっており、小さな胸は卑猥に前方へ突き出される形になった。



「っ!」

「ゆっ、……きの番よ」

「分かった」



他人から見て何故か固まった長門に視線を送ったハルヒは、曝け出された綺麗な胸に驚いたが何事も無かった様に先を促す。

俺からトランプを取って2枚捨てると、隣へ差し出した。

身体の向きが変わっても、胸へ当てられている手は決して離さない。

初めて犯した日から揉み続けた結果なのか、触ればハッキリと分かる程度に大きくなっている白く透き通る美乳。

片手にトランプを持っている所為で片方しか触れないが、下から支え、人差し指と中指で産毛を撫でる様に上へ動かした。

触れるか触れないかの微妙な刺激で、早々に鳥肌を浮き立たせた肌に吊られてピンク色の乳首まで硬くなってくる。

指の間隔を少し開けたままで伸ばした状態の手を上下に振り、当たった衝撃で揺れる胸と頂点の尖った感触を楽しむ。



「うっ……」



弄ばれて腕の中でピクピクと体を震わせ始めた長門に、カードを取らせる間にも船は進む。

暫くしてキョンが最下位と言う結果でゲームも終わり、本を読み出した長門の後ろに回った俺は本格的な愛撫を始めた。



「っ、……うっ!」



既に尖っている乳首を摘み、乳輪の周りを軽く撫で回す。

浮き出た鳥肌を押さえ込む様に手を這わせ、胸全体を優しく揉んでいく。

後ろから小さな体を抱きしめていると、良い香りが漂ってきた。

髪の中に鼻を埋めて、シャンプーの中に漂う長門自身の体臭も嗅いだ。



「何?」

「いや、長門の髪は良い匂いがするなと思ってね」

「……そう」

「おや、そうなのですか?」

「小泉も嗅いでみるか?」

「いえ、後が怖そうなので遠慮しておきます」

「そうかい、残念だな」

「…………っ!」



目の前に後ろから抱きしめられ、曝け出された胸を揉まれている状態を見ても、注意どころか顔を赤くする事も無く声を掛けてくる古泉。

こいつ、やはりガチか……

それはともかく、自分の能力を知ってから限界が下がりっ放しの我慢はあっさりと消え去り、長門を押し倒す。



「……?」



四つん這いなった当の本人は、後ろを向いて疑問を目で訴え掛けて来た。

それに気が付かない振りをしてズボンに手をかけ、細い腰を締め付けていたハーフパンツをショーツと共に引き下ろす。



「っ…………」



下半身を外気に触れさせた長門は、心許無さに身を震わせた。

何度も外で犯していても、この反応は脱がせれば必ず返してくる。

陰茎を咥え込まされ続けた秘裂は今でも処女の綺麗さを保っており、ぷっくりとした大陰唇には小陰唇の端すら食み出ていない。



「うっ!?」



皮に守られているとは言えども、性感の塊である淫核を摘まれては声が漏れてしまう。

クニクニと指で軽く捏ねると、過去に何度も犯された長門の腰は小刻みに跳ね上げ始める。

何たらインターフェイスでも、完璧に人間の体を再現している所為で開発された性感は研ぎ澄まされていくばかり。

過去の実績に満足しつつ、愛液を流し始める秘裂へ指を差し込んでGスポットを刺激する。



「んっ!」



元来、無口な長門は性感帯を弄り倒しても喘ぎ声は出さない。

しかし、身体はシッカリと反応しており、悦を含んだ吐息も我慢し切れずに漏れ出して来る。

後ろから見える首筋は、性的な興奮でピンク色に染まっていた。

太股にまで愛液の川が出来始めたのを見た俺はズボンから陰茎を取り出し、解されて少し開いた膣口へ押し付ける。



「うっ」



調教された秘裂は接触した物が何であるかを即座に察知して亀頭へ吸い付き、抵抗など忘れたかの様に陰茎を迎え入れた。

膣口に亀頭を咥え込み、カリを過ぎ去ればヒダが絡みつく。



「はっ、うっ」



子宮口を感じるまで深く突き入れたままで動かさなくても膣壁は蠢き、呼吸で圧力が変化する快感を送ってくる。

四つん這いで差し出される体勢になっていた小さな尻を掴んで、ゆっくりと前後に動かしていく。

抜く時は僅かに外へ食み出るヒダを再び胎内へ押し込み、腰を一定のスピードで打ち付ける。



「うっ、うっ、んっ」



人の会話と波を掻き分ける音に紛れて、パンパンと尻を打つ音が響く。

周りの乗客は当然の事ながら此方に気が付いており、チラチラと視線を向けては顔を赤くして見ない振りをしている。

その中には親子連れの姿もあり、一家全員が顔を赤くしていても此方を注意する人物は一切居ない。

両親に挟まれた少年は、目を剥いて此方を見ていた。

凝視していても認識出来ていないとは信じられない光景だが、あの調子なら将来はエロくなりそうだ。

周りに目を向けても、今の時代なら携帯で写真でも撮りそうな光景であるが、そんな事も全く無かった。

見えて聞こえていても認識は出来ず、しかし身体は性交の光景と音で恥ずかしがっている。

俺も人前で美少女を犯している状況は、興奮を後押ししているのは事実。



「ふっ、んっ、んぁ」



本を読むどころでは無くなった長門は両手を肘まで床へ付き、腰だけで突き入れの動きに翻弄されるがままになっていた。

愛液の増加と共に粘着音も大きくなり、陰茎に感じる快楽は大きくなっていく。

ヌルヌルと滑る膣内が細かな痙攣を始め、長門の尻はピクピク上下に揺れ始めた。

細い腰を少しだけ持ち上げ、下から斜めに突き上げる。



「あぅっ、んっ、うぅっ!」



近くなってきた絶頂を目指して力強く打ち付け、膣壁を削る勢いで腰を振る。

受け入れる姿勢を崩さないヒダを掻き分け、形すら覚える程に挿入された陰茎を何度も出し入れを繰り返していく。

激しさを増した突き入れに長門は手を握り締めて絶頂へ達し、快楽が高まっていた俺も釣られてしまい射精してしまった。



「ひぃん!」



同じタイミングで絶頂に達した膣内は痙攣を繰り返し、息を吸った時に出た悦声の所為で引き上げられた膣壁はカリ諸共精液を奥へと飲み込んでいく。

子宮口に直接振り掛けられる他人の体液を感じて、声を高く上げる長門。

腕の力が抜けて腰だけを高く上げた体勢で、上を向いた膣内へ精液を流し込んでいく。

射精で痙攣を繰り返していた陰茎を数回出し入れし、尿道に残った物すら締め付けの強い膣内で扱いて最後まで出し切った。

降りて少しだけ開いた子宮口からは、精子を大量に含んだ精液が侵入していく。

腰を引いて身体を離しても長門の体勢は変わらず、膣口を広げたままで内股がピクピクと震えていた。



「はっ、はぁ、はっ、はぁっ!」



秘裂が上を向いている所為で精液は漏れてこないが、流れて出ていた愛液は太股を通り、床の畳で黒いシミになっている。

汚れた陰茎を綺麗にした俺は、長門の膝まで下ろされていたショーツで足を拭いてやり、ハーフパンツごと履かせた。

今は精液が漏れてこなくとも、普通に立てば重力に従って降りてくるかもしれない。

しかし、スカートと違い、股間を覆う物が2枚もあるので外には出てこないだろう。



「皆、もうすぐ着くわよ!」



甲板に出ていた我等が団長の踊る様な声を聞いた長門は、開かれたままだった本に栞を挟んで座り直した。



「どうしたの、有希?」

「?」



性的な興奮で赤くなっていた事を気にしたハルヒだが、聞かれた本人は何の事か分からない様子。

首を傾げた反応に気の所為かと考えを改めて団員達とその妹へ、降りる準備をする様に言った。

眠そうなキョンと共に荷物を持った俺達は、いの一番で降りる為に出口が開く場所で待機している。

先頭に立っているハルヒの後姿を見て、少し悪戯心が沸いてしまった。

鞄を背負い直し、素早く真後ろへ回り込む。

そして、ハルヒが履いている殆ど尻を隠すだけの短いミニスカートを、両手で一気に引き上げた。



「ひぅ!?」



本来隠すべき白く眩しいショーツが公共の場で曝け出されて短い悲鳴を上げるが、出口が開かれれば進む足は止めない。

薄い布を晒したままで歩く光景に、擦れ違う人達は股間を見てハッとした後に何事も無く歩き去っていく。

ハルヒの身体は見られている事で顔を赤くさせながらも、通路を進んで行った。

先頭を歩いている所為で張りのある尻が、足を踏み進めて揺れる光景が嫌でも目に入ってくる。

暫く鑑賞してから、次はショーツを脱がした。





「あっ!」



スルリと足の付け根まで下ろし、透き通る白い肌の触り心地の良さそうな尻が出て来た。

いつも揉んでいるが、何度見ても綺麗で触りたい欲求が湧き上がって来る。

そのままの格好で古泉を除くキョン達や通行人に尻や、前からは陰毛の生えていない綺麗な秘裂の先端を見せ付けながら、使用人達が待つ船着場に到着した。

スカートを捲られた上にショーツすら下ろされた美少女を先頭に近寄ってくる光景に、執事とメイドは驚きの表情を浮かべる。

しかし、即座にポーカーフェイスへ移行して、使用人らしい受け答えをしてきた。

ハルヒはボートに乗る際、下がっていたショーツを引き上げてスカートもしっかりと履いてしまう。

少々残念に思った俺は、館に付いての聞き取りをメイドの森さんから執事の新川さんへ移動した後ろに付いて行き、もう一度ショーツを下ろす。



「館のしゅっ、……人が仮面を被っているとか――」



下ろした瞬間には少し言葉を詰まらせたが、そのままマシンガンの如く言葉を続けた。

肘を伸ばした両手を運転席に付いている後ろ姿は、腰を突き出す後背位の体勢になっている。

更にはショーツを下ろされて姿を現した秘裂は、揃えられた両足の付け根に挟まれて大陰唇を強調していた。

圧力で少し食み出ている小陰唇は、何度犯しても黒ずむ事は無くピンク色を保っている。

吸い寄せられる誘惑に逆らわず、指を這わせた。



「んふっ!」



館の情報を聞いてハルヒが満足げに息を付いたと同時に触ったので、どっちとも取れる吐息が漏れた。

陰毛の気配が無いサラサラとして柔らかな大陰唇を、クニクニと好き勝手に弄っていれば島が見えてくる。

桟橋へ立っている人物が見る程に近付いても指の動きは止めない。

愛液がグチュグチュと鳴り響く中で後ろにやって来た古泉やキョンと同じく、アンカーロープを繋ぐ館主人の弟の背中を見ていた。

目的地に到着すると、猫を被っていたハルヒがあっさりと正体を現して出迎えた主人にSOS団を代表して挨拶をする。

その後ろにピッタリと張り付いたままの俺は、相変わらず股間に手を突っ込んで弄んでいた。

姿勢良く立っているので股間の中央に移動した秘裂を触るには手を更に奥へ入れる必要があるが、ついでに手首へ尻の重みも感じられ、結果的には満足する。

部屋へ案内されている途中は絶頂に達しない程度に手加減をして、ゆっくりとした指使いに変える。

尻の付け根まで下ろされているショーツは、吸収し切れなかった愛液が滴り落ちていた。

そして部屋割りを適当に決めた後に集合した全員の前で、淫核を抓る。



「んいぃ!?」

「ハ、ハルヒ!?」

「だ、大丈夫ですか!?」



ベッドに座ろうとした瞬間に崩れ落ちたのを見て、心配する団員達と妹。

絶頂に達しない程度の緩い刺激を、船からずっと与えられて溜め込んだ快楽が爆発し、膝が震えて思う様に立てていない。

上半身だけをベッドに預ける体勢で倒れた為、愛液を噴出す秘裂が真後ろに居る俺へ晒される。

立ち上がって座り直した所為で、自然と手は抜けてしまった。



「んふぁ、だ、大丈夫よ」

「……船酔いでもしたのか?」

「うるさいわね、船の揺れに慣れちゃったから、揺れない陸にバランスを崩しただけよ!」

「んふっ、そうですね、一度船に慣れてしまうと陸に上がっても揺れている様に感じますからね」



キョンの言葉を受けたハルヒは真っ赤になって反論した。

古泉は胡散臭い笑顔で、桟橋から今まで平然と歩いてきた事をスルーして援護に回る。

朝比奈さんやキョン妹は相変わらず心配をしている様子だったが、本人が大丈夫と言っているのを信じて何も言わない。

少し休憩した後に、ハルヒが何も起こっていない状況で犯人が分かったとか叫んでいたのは適当に流す。

その時に再び立ち上がったのだが、ベッドのシーツには愛液が浸み込んで色が変わっており、一瞬だけ秘裂と染みを結んで体液の橋が出来ていた。

崩れ落ちる原因を作った犯人は、性器を弄っていた俺である。

しかし、その答えへは誰にも行きつかない。

世界を書き換える神の如き力を持つハルヒでさえ欺く能力様々だ。

イライラし始めたキョンを余所に、海で遊ぶ事に意識が向いたハルヒに従い、全員で浜辺に下りた。

流石に着替えは別々の部屋で行われ、俺達は突き抜ける様なの青空の下で半裸になる。

オレンジビキニの水着を着たハルヒに、ピンク地に赤い水玉のワンピースを着た朝比奈さん。

起伏の少ない体を覆っている濃いピンク地のワンピースを着たキョン妹。

中央に黄緑の太いラインが入った緑のワンピース姿の長門。

キョン妹以外は全裸を何度も見た上に、弄ったり舐めたり揉んだり吸ったりしている。

挙句に精液を膣内に出すという暴挙までやったが、改めて見ても全員が魅力的な身体をしていた。

とりあえず浜辺で座っていると、ハルヒが退屈するなら娯楽を提供するまでと言う、これから起こる事を知っていればフラグである古泉の言葉が聞こえてきた。

つい先程、性欲を発散させた俺は賢者モードに入っている。

水着姿を見ても魅力的な身体と感じるが、犯したいとは……、徐々に思ってきた。



「こらー、あんた等も来なさ~い!」



今更ながら自身の性欲に限界を感じないで居ると、ハルヒが俺達を誘ってくる。

ビーチボールを打つ朝比奈さんの揺れる胸を視姦しつつ、後ろから近付いた。



「そりゃ!」

「うひゃー!」



掛け声と共に水着を下ろせば、開放される巨乳。

ピンク色の乳首が戒めを無くして、踊り出る胸の頂点で大きく揺れる。

古泉以外の全員が思わず朝比奈さんへ注目している隙に、ハルヒの後ろに回り上のビキニを擦り上げた。



「んあぁ!?」



大きさは朝比奈さん程ではなくとも、負けず劣らず綺麗な美乳は上げられた水着から開放された反動で柔らかく揺れ動く。

今度は驚きの声を上げたハルヒに視線が集中したのを見て、素早くキョン妹の後ろへ回り込む。



「ひゃぁん!?」



ワンピースを下ろして出てきた背中は、白く華奢で小さい。

前に回り覗き込めば、色素の薄い乳首が乳輪の辺りから膨らみ始めて成長の兆しを見えた。



「変な声を上げて、どうした?」

「ん、何でもないよ?」



珍しく兄らしい言葉を掛けたキョンに、妹は水着を半分脱がされたままで答える。



「何かあったらちゃんと言いなさいよ、妹ちゃん!」

「うん!」



同じく水着を脱がされたままのハルヒが面倒見の良さそうな事を言っていた。

元気良く返事をした姿に、本当に異変がないと分かった、俺を除く参加者達は再びボールで遊び始める。



「それ~!」

「あわわ!」

「あははは!」



肩紐は腕に引っ掛かって、前の部分は胸の付け根までしか脱がされていない朝比奈さんはトスで腕を上げる度に、水着に巨乳が押し上げられる。

いつもより激しく跳ね上がった胸は、受け取りをミスしたボールと一緒に顔へ当たってしまった。



「はぷっ!?」

「あはは!」



鼻を押さえた姿に笑いが沸き起こるも、皆の視線は揺れる巨乳に行っている。

ハルヒはハルヒで、波に足を取られながらも元気良く駆け回り、開放された美乳を存分に揺らす。

キョン妹は初めて野外で乳首を晒した所為か、発育途中の乳首が立っていた。

そんな光景を視姦していれば、短パンの水着に入っている陰茎も大きくなって来るという物。

しかし、全員がボールを追いかけて動き回り、欲求は果たせそうに無い。

ちらりと長門に視線を送るも、既に船の中で犯しているので今は見送った。

どうしても犯したい訳でも無いのと、低くなった我慢の限界を超えている訳でも無い今は、性欲の発散を後の楽しみに取っておく事にする。

全開ではなくとも陰茎の大きさで前屈みになりつつ、海辺をエンジョイしていれば、あっと言う間に日は暮れていく。

館に戻った俺達は服に着替えて、夕食を取った。

料理に舌鼓を打ち、ハルヒが褒め称えている。

特に言葉を発しなくとも、同意してしまう味だ。

食事もほぼ食べ終わる頃に、森さんが持ってきたのはワイン。

いくら未成年でも、ハルヒを筆頭に未知の物には好奇心は刺激される者達。

流石にキョン妹へは飲ませられないが、過去に飲んだ事のない酒に、同じく好奇心を出した俺も飲んでみた。

そして、暗転してしまう意識。

淀んだ視界と聴覚にハルヒの情けないわねとの言葉を聴きながら、意外にあっさりとした初日の終りを告げる眠りに落ちてしまった。











2日目



嵐の音で眼が覚めると、眼に入ってきたのは自分に割り当てられた部屋の天井。

酒を飲んで潰れた割には、頭痛を感じない事に疑問を感じながら部屋を出る。



「うぉ!?」

「…………」



扉の前には何故か長門が直立不動で立っていた。



「……大丈夫?」

「えっ、あ、あぁ、大丈夫だ」

「あなたの体内にあったアルコールは除去しておいた」

「はぁ……、有難う?」



しかし、キョンではなく俺の体調を心配してくれるとは、正直意外だ。

てっきりハルヒとキョン以外には、比較的冷たいと思っていた。



「でも、何でそんな事を?」

「昨日、ワインで潰れた貴方の世話を私と古泉一樹に頼んだのは涼宮ハルヒ」

「そうか、情けないとか言われたみたいだけど……」

「その際に二日酔いを防ぐ飲み物を頼んでいたので、私がアルコールを分解しておいた」



確か俺は一般人の設定で長門の正体も知らない筈だが、アルコールを分解しておいたって言うのは可笑しくなかろうか?

過去に何者と怪しまれた事はあるが、その時は朝比奈さんの乱入でなかった事になっている。

ここは一般人として何も知らない風に返しておくのが正解か?



「そ、そうか、有難う」









(ここから先は体験版のみの展開です)









「せっかくだから私はこの赤い改造を選んでおいた」

「はっ?」



大真面目な顔をしつつ、更に可笑しな事を言い出した。

そもそも『どれ?』と聞きたい。



「具体的には『変身!』と叫ぶと、全身が光に包まて魔法少女ばりに衣装チェンジをする」

「ちょっ、ちょっと長門さん?」

「そして変身した貴方は、光の勇者として闇の勇者である私と戦う事になっている」

「えっ、だから――」

「叫んでみて」

「話を――」

「叫んでみて」



全く同じ言葉を無表情のままで言われると、少々怖い。

このままでは話も進まないと考え、仕方が無く言う事を聞いて叫んでみた。



「変身!」



そして長門の言う通りに俺の全身から光が放たれる。

今まで着ていた私服は弾け飛び、嵐の風で揺れていた窓が室内からの風でもガタガタと音を出す。

重力が身体を解き放ち、宙に浮いている事を認識できる。

自分の中から溢れ出る光と、何かの力の濁流が収まる頃には服装が全く違う物になっていた。



「な、なんじゃこりゃ~!」

「成功」



無表情ながら何処か満足げな雰囲気を発している長門を放って置いて、今度は違う言葉を叫ぶ俺。

それもその筈。

全身に蛍光の赤い鎧を着て、挙句の果てには肌まで赤い。



「準備は整った」

「これで?」

「さぁ、私と戦って」



そう言って構える長門。

赤い俺と違い、白いオーラを出して姿は光の勇者っぽい。



「では、行く」

「へぁ!?」



その一言と共に突き出される拳。

乗っていたオーラの激流を受けた俺は木の葉の如く吹き飛んでしまった。

ただ痛みは無く、飛んで行く感覚のみが身体を支配する。

変身をしている最中はともかく、今は全く力を感じないのは本当に衣装をチェンジしただけとも感じた。

そんな事を考えながら後ろへ流されて行く。



「……痛っ!?」



浮遊する感覚を受けたと思ったら、突然感じた背中の痛みで眼が覚めた。

視界には、俺に割り当てられた部屋の天井が見えている。



「夢か……?」



随分、突拍子も無い物を見たものだ。

そもそも、あんなのは長門のキャラではない。



「起きてる?」



ノックと共に、件の長門の声が聞こえた。

頭を横に振って馬鹿げた考えを消して、ドアを開ける。

相変わらず無表情な顔を見て、ある意味安心をしてしまった気持ちは、次に聞こえてきた言葉で一瞬にして吹き飛んでしまった。



「せっかくだから私はこの赤い改造を選んでおいた」

「なん……だと!?」







体験版終り