(1)魔法世界の支配者
ここは、『アルーカヤ王宮』の火焔の間と呼ばれる広間。大理石の柱が立ち並び、磨き抜かれた純白の床には赤い色調の豪奢な絨毯が敷かれている。高い柱の上方には神々の顕現を写したとされる像が彫り込まれており、偶像たちの奇妙で尊い仮面は広間の中央を見据えている。
石の神々の視線の集まる場所には、妖艶にして気品溢るる美女が二人、羅紗張りの大きな長椅子の上に、脚を崩してしなだれるように座っている。二人は『アルーカヤ王国』に君臨する女王とその王女であり、この世界『アンフィビウム』を統べる、『天羽』と呼ばれる魔法種族の一員である。

彼女達の数メートル手前の段差の下、絨毯を踏まないぎりぎりの位置に、報告を奏上するために従者がかしずいていた。
「……反乱鎮圧が完了したとの報告が参っております。ただ、第二隊隊長のベルローズ様はいまだ行方が掴めておりません。叛徒との戦闘に不覚をとった、とも伝えられておりますが、何ぶん情報が錯綜しておりまして……」
従者から見て手前側の美女、王女メネットは微かに笑ったようだった。年の頃は二十代前半だろうか。身にまとった薄い白布のトーガを通し、豊かな胸の膨らみとくびれた腰が見て取れる。透き通るような白い肌は肌理細かく、身体は細すぎず太すぎず、年頃に合った絶妙な肉付きだ。緑がかった黄金色に輝く髪を後頭部でポニーテールにまとめ、前髪の生え際には王女の証である銀色の星をかたどったティアラが嵌っている。左右の尖った耳の上には、ティアラを支える細い銀条に繋がる三本の羽根状の飾りを飛び出させている。
その王女が、鈴の転がるような声で言う。
「……結構です。『狗鬼』の鎮圧、ご苦労でした。ベルローズの件は、引き続き捜索を」
『天羽』は両性具有の種族なので、厳密には『彼女』ではないのだが、そうと知らなければ妙齢の美女としか見えないだであろう彼女は、整った顔を従者から女王たる母へと向けた。前髪が一筋、整った貌の額にはらりと零れる。
「命令通り、主立った叛徒達は無傷で取り押さえていますか?」
王女の紫色の瞳を受けて、良く通る低い声で問いかけたのは三十後半くらいに見える美熟女、女王フロレット。娘と同じ白の薄絹で覆われた身体はほどよく脂が乗っており、均整のとれた見応えあるプロポーションである。ただし、天羽達は不老不死の魔法を使うため、外見からは本当の年齢は分からない。
大振りのメロンほどもある二つの乳房は王衣の前を大きく弛ませ、たっぷりと肉づいた豊尻と大理石の柱のような太腿が布の下からくっきりと浮かび上がっている。ややウェーブの掛かった、娘より緑の強い金髪は緩い三つ編みとなって肩から胸元へと垂らされていて、額には女王の証である月のティアラ。やはり左右の耳上で三本の羽根となる。
その下のやや垂れた目が、娘と同じ紫色の瞳で従者を見つめた。玉座からゆるりと見据えてくる主に、従者は深々と頭を垂れて肯定する。
「はい、陛下。反乱を起こした獣属は魔法で無力化し、拘束しました。現在ラ=ケレス寺院を臨時収容所として収容中とのことです」
二人はその返答に満足したかのように微笑むと、ゆるりと立ち上がった。身体を包む純白の薄絹がふわりと揺らめく。
「上出来です……それでは参りましょうか。反乱鎮圧のために働いてくれた、私たちの戦奴達の忠誠をねぎらって……そして新たな戦奴達を迎えねばなりませんから……」
女王が艶めく声で囁きながら手を差し出すと、王女はそっと取って笑みを返す。
「ええ……楽しみですわ、お母様」
立ち上がった彼女達は視線を上方にやり、柱の上部に立ち並ぶ神像達を眺める。『至高のグロウディナス』、『常若のサルーリア』、『清めのモリア』、『静寂のネーレフェ』……皆、彼女達天羽がその『愛』を独占している神々だ。すなわち、これらの神々のもたらす魔法は天羽にのみ許されているということであり、それが彼女達が他種族に対して優位に立ち続けている大きな理由である。
大国を統べる優雅で妖艶な二人の美女は、心の内で神々の一柱一柱に、そして、表立っては決して祀られることのない、もっとも重要にして偉大な隠匿される女神に祈りを捧げると、柔らかな絨毯の上をそっと歩き出した。
(2)獣人
この世界『アンフィビウム』で古くから栄えている国の一つ、『アルーカヤ王国』。温暖な気候に恵まれ、地理的に交易の利便性も高いため富める者達が集まり、そうでない者達も食い扶持を求めてやってくる国である。
うわべは豊かで文明的なアルーカヤ王国ではあるが、その体制は不平等な身分制社会であり、様々な種族が強力な魔法を独占する天羽達の傲慢な支配に膝を屈している。といっても、下はヒトとしての権利をほとんど認められない奴隷から、上は天羽に直接口をきく事を許される高級官僚まで、被支配者達の立場は様々である。おおまかな傾向としては、社会カーストの上部は魔法を得意とする種族が占めており、逆に魔法を使えない種族は下層民、といったところだ。中でも、各種の獣人達は魔法能力が完全に欠如していることから、ほとんどが奴隷や最下層民として扱われている。

アルーカヤに住む獣人種族達は、抑圧への抵抗としてしばしば暴動を起こしてはあえなく鎮圧される。
今回発生した獣人の一種族『狗鬼』の反乱も、三日を待たずに鎮圧された。屈強な肉体を備えるも魔法耐性に欠ける狗鬼達は、人間型種族である『地奴』や反乱に加担しなかった他の獣人達からなる通常戦力に対しては善戦したものの、天羽の魔法部隊の前には抵抗らしい抵抗もできなかった。
天羽達の展開した広域無力化魔法『悲しみの帷』が解けた時、反逆者達はほぼ全員が拘束されており、臨時収容所となったラ=ケレス寺院の広い庭につぎつぎと放り込まれていた。
広大な寺院の中庭で、反乱者達の中でも首謀者であった若者達が十名ばかり、人気のない長い回廊を奥へと引っ立てられている。前後左右を武装した兵士達に囲まれており、一番前には叛徒達よりも一回り大きな、隆々たる体躯の獣人兵士が堂々と歩いている。回廊の柱に彫り込まれている、いにしえの時代に神々の使徒として超越の力を得たという聖人達は、無言のまま石の瞳で一行を見守るばかりだ。
項垂れながら重い足取りを進める狗鬼の叛徒達は、後ろ手に鋼鉄の手枷を填められ、さらに首と手枷を鉄鎖で繋いでがっちりと拘束されていた。犬や狼のように大きく口吻の突き出た毛深い顔には、苦悩と不安、怒りと無力感、様々な敗北者の感情が浮かんでいる。
捕虜達は皆、粗末な腰布一つで灰色の体毛に深く覆われた逞しい裸体を晒している。体毛の薄い身体の前面、剥き出しの胸には一対の乳房が盛り上がっているが、単なる女性というわけではない。獣人『狗鬼』は支配者たる天羽と同じく両性具有種族なのだ。
(……なあヴェーナ、ここから何とか逃げる手はないのカ?)
捕虜達の一人が獣人以外には聞こえない低音で囁くと、一同の中でも背の高いリーダー格の獣人が小声で返した。
(まず無理だな。だいたい、オレ達の首と引き換えに他の連中や、家族を放免してもらう約束だ。アイツらが守るかどうかは分からないが、こっちから反故にする訳にはいかない)
絶望的な状況にも関わらず、ヴェーナと呼ばれたリーダーは、その黄金色の瞳にいまだ誇りと意思の光を輝かせていて、石の廊下を踏みしめる足取りも一歩一歩、しっかりとしている。声も落ち着いた、はっきりしたものだ。
(……だよナァ……ああ……糞みたいな人生だったゼ……)
別の捕虜の震え声に、ヴェーナは力強く返した。
(だけど、誇りを捨てるな。オレたちは仲間や家族の為に、誇りの為に戦って死ぬ。恐れるな。天羽のイヌどもに、本当の狗鬼の死に様を見せつけてやるんだ……)
その言葉が耳に届くと、捕虜達全員の胸の奥に炎が灯った。どうせ死ぬのなら、どのような武力にも、魔法にも、自分たちの誇りが決して折れないことを見せつけてやる。最下層の民として卑しまれてきた自分たちといえども、魂までは支配できないことを教えてやるのだ。そして、これから生きていく仲間達にもそれを見せることで、解放へのかがり火を絶やさず繋いでいくのだ。

と、皆が腹を決めた瞬間、叛徒一同を先導していた獣人兵士がくるりと振り返った。
「誰がイヌだっテ?」
毛深く口吻の突き出た顔は、捕虜達と同じく狗鬼である。言葉遣いも、叛徒達と同じように長過ぎる舌のせいで微妙に発音が悪い。しかしよく見れば戦いで薄汚れてはいるものの毛並みは艶よく、身につけている胸当てや剣を吊るした革ベルトはしっかりした作りで、腰布も刺繍の施された見栄えのする品だ。つまり、目の前のそいつは同じ狗鬼でありながら支配者である天羽の女王と王女に忠誠を誓い、反乱鎮圧にあたった獣戦奴隊の隊長なのだった。
ヴェーナ達叛徒がアルーカヤ王国政府に破れた直接の敗因は、確かに天羽の部隊による魔法攻撃だ。だが当初の目論みでは、天羽貴族の子弟からなる魔法部隊がおっとり刀で駆けつけてくる前に勝負をつける予定だったのだ。それが、この隊長率いる獣戦奴隊のせいで大きく目論みが狂ってしまった。
同じ狗鬼とはいえ権力に媚びるイヌの士気が高かろう筈はないから、勢いさえあれば蹴散らせるだろう、もしかしたら同志として反乱に加わってくれるかも知れない、と期待した彼らが甘かったと言えばそれまでだ。だが女王直属の戦奴達は数の上ではかなりの劣勢だったにも関わらず、死すら恐れぬ勇猛な戦い振りで魔法部隊の到着まで粘り続けたのだ。
その獣戦奴隊の隊長カルヴァの長くもつれた前髪の下から、嘲笑うような眼光が放たれて捕虜達と睨み合う。
「フン……お前達。潔く死ぬことを考えているようだが、だとしたら勘違いだナ」
支配者に魂を売った裏切り者は歩きながら、捕虜達を戸惑わせる言葉を吐いた。
「首と引き換えというのは、処刑するという意味ではないゾ」
大きな口の端をにやりと歪めて牙を覗かせる。そのふてぶてしい表情を見た時、ふとヴェーナは身体に異変を感じた。いつの間にか、腹の奥でむずむずと熱い何かが蠢きだしていたのだ。発情期でもないのに。
その時、一行は寺院の奥にある大きな建物の前に到着していた。カルヴァはその扉に手をかけると囚われの若者達に振り返り、にやりと笑う。
「じきにお前達も……陛下と殿下のイヌになるのだ。私と同じにナ。ククッ……」
……ギギッ……
大きな石の扉がゆっくりと動く。その隙間から漏れ出す気配に、獣人達の全身の筋肉が毛皮の下で身悶える。次の瞬間、奥の堂の巨大な扉が開き、一行は濃厚な淫気に襲われた。
「……っ?!」
発情して性的に興奮した同胞の放つ、濃密な汗と粘液の匂い。そして嗅ぎ馴れぬ、狂おしく甘い切ない芳香が若者達を打ちのめした。体温が一気に上昇し、頭の中でぐるぐると世界が回転して、全身の血液が下半身に集中していく。
「あおおおっっ……いいっいいわっっ……抉ってっ、貫いてっ……素敵よっ皆っ……おおおっ……!」
「ハッ、ハッ、ハァッ……そらっ喰らエッッハッハッ……フゥオオッッ……!!」
「もっと、もっと頂戴っ皆っっもっと私にっ、逞しいのをっっおおおおおっっっ!」
「ウオオオォォッ、出るっ出るゾォォッ……オオォオオオッッ!!」
欲情に狂った同族達の雄叫びと、それにまぎれた絹を引き裂くような雌の媚声が、虜囚達の混乱した頭の中をわんわんと反響していく。
そして、奥の堂の暗闇の中から浮かび上がって来たのは、信じ難い光景だった。
「な……なんだこれは……っ……」
そこに居たのは、逞しい毛むくじゃらの狗鬼が十名ほど。首輪とベルト以外は身につけていないが、毛つやの良さからして、隊長カルヴァと同じく王権に飼われている獣戦奴だろう。皆、目に欲情の炎をぎらつかせ、半開きの唇から涎をこぼし、産毛に覆われた乳首と、逞しい生殖器をはちきれんばかりに屹立させている。
そして、最下層の卑民である筈の狗鬼達が群がり、陵辱している二つの白い裸体は。

「んむっ、っはっ……あっ、あぁああぁぁぁぁっっっ……いいっ、気持ちいいですわっっ……」
「ふあぁあ……堪らないわ……大きくて、熱くて、堅くて……私たち天羽のよりも、ずっと素敵……」
それはあろうことか、この世界の頂点に立つ支配者、天羽だった。獣人達にとっては手を触れただけで死刑にされるほどの高貴なる存在が、寝そべった狗鬼に跨がって、まろやかな太腿を大きく広げて醜茎を受け入れている。口を開いて舌を伸ばし、血管の浮かんだ雄器官をむしゃぶっている。白魚のような十本の指で、突きつけられた剛直を撫でさすっている。
「さあ来て、どんどん来て……欲しいの……一杯欲しいの……」
「もっと……もっと頂戴っ……太くて、逞しいのっ、んん、んんんんっっ……」
それも、無理矢理という風情ではない。二人の美しい顔には恐怖の強張りも拒絶の色もなく、ただうっとりと快楽に妖しく蕩けている。白い下腹部からは天羽のしるしである見事なペニスが隆々と立ち上がり、誇らしく笠を広げた亀頭の先端には透明な露を浮かべ、ピンクの薔薇のような肌合いの幹に何本もの血管を浮かび上がらせている。そしてその下に咲く妖花のごとき肉唇は、跨がった獣肉を一杯に呑み込んで、欲深く上下に動いては合わせ目から蜜を噴きこぼしていた。
彼女達が奉仕し、貪る度に二対の美しい、あるいは豊かな乳房がたわみ、そそり立った薔薇色の、もしくはダークピンクの乳首が揺れる。
二人の勃起した肉柱の付け根から臍下にかけて、紅潮した肌の上で銀色に輝いているのは避妊魔法だ。もしヴェーナ達に魔法の知識があったなら、その紋様から狗鬼の精液が避妊対象に設定されていることが分かっただろう。つまり彼女達は、最初から最下層の獣人を相手に交わる準備をしていた、ということだ。
暗く広い室内の、高い天井からは神聖なる彫像達が石の目で睨んでいるにも関わらず、二人の美しく気品溢れる顔は快感と喜びにだらしなく歪んでいた。その白い首筋には黒い鉄の首輪が嵌められていて、彼女達を犯している獣達の毛深くごつごつした手に鎖を握られている。
「おい、こっちだ……唇をくれヨ。柔らかくて、美味しい唇をサ……」
「オレのもしゃぶってヨ……天羽サマさあ」
鎖を握る狗鬼が、さも自分たちこそが主人であるとでも言わんばかりに鎖をじゃらじゃらと引っ張る。するとその度に、女達はまるで飼い主に媚びる犬のような所作で、引っ張った相手に向き直っては奉仕の唇を差し出す。
「はい……んんっっ、んるるるるっっ……んんんっっ……んちゅ、んちゅうっ……はあっ……」
「はああっ……大きくて、熱くて……すごい匂いですわ……れりゅっ、んんっ、れりゅりゅりゅ……」
卑しき獣人たちに囲まれた高貴なる二人は、浅ましい歓喜の叫びをあげて腰を淫らに振り、差し出される獣茎を愛撫し、牙の並ぶ顎が寄ってくれば情熱的にキスを返していた。最下層の狗鬼に性奴隷のように屈服する統治者、天羽。
それは叛徒達の誰もが、空想すらしたことのない光景だった。ごくりと唾を飲む音が響く。
「……ど、どういうことなんダ、これは……?」
「なんなんだ、なんなンダ……頭がおかしくなっちまったのか、オレ……? おおお……? は、発情しちまッタ!」
気づいた時には既に、発情期でもないのに若者達の生殖器官は皆、完全に勃起し切っていた。拘束された裸体の下腹部で、粗末な下布を跳ね上げて隆々と逞しい醜幹が、笠の張った赤紫色の肉頭が飛び出している。
「フフッ、もう少しだけ我慢しろ。すぐにお前らの順番になロ。やんごとなき王家の方々をたっぷりと嬲る、ナ」
そう言う隊長カルヴァも黄金色の目を欲情にぎらつかせ、腰布から極太の猛々しい器官を飛び出させている。
「ああっ、ああああっっっ……来なさいっみんな来てっっっ……私にっメネットにっっ気持ちいいのっ全部っ頂戴っっっ!」
「おおっ、素敵、素敵よっっ犯してっ、汚してっっ……あぉおおっっ私をっ、フロレットを皆の雌犬にして下さいな……!!」
卑しい獣人達に貫かれて歓喜し、唇と腰と乳房と手と全身で嬉しそうに奉仕しつづける、最低の淫売よりもなお淫らで浅ましい二人の裸女。しかし信じ難いことに、二人の緑がかった金髪の下の額にはそれぞれ、女王の証である月のティアラと王女の証である星のティアラが輝いているのだ。
「連れて参りましタ、陛下、殿下」
性奴隷にしか見えないその二人に向けて、獣戦奴隊の隊長は軽く頭を垂れた。
「んんっ、はっ、はあっ……ご苦労でしたね、カルヴァ……んはっ、その子達がそうなのね? ああ、みんな逞しくて、きっと凄く……メネットを……私達をっ……んぉおっ、おおおおおっっ……」
「カルヴァ……ああっ……貴方には今すぐご褒美を上げたいところだけれど……あっ、はあっ……でも、待っていて下さいな……まだ先に、仕上げないと……あぁあぁぁぁっ、貴方には後でっ……私、フロレットがんあっああっっ、たっぷりっ、あぉおっ……んはぁあっ……」
女王と王女は蕩け切った紫色の瞳で、入り口に立っている一行をぼんやりと眺めた。だがすぐに、彼女達に群がっている獣人兵士達がその視線の前に立ち塞がる。
「オオッ、オォオオォッッ、もう、もう出るウゥゥッッ……!」
「種付けだっ! そらそらっ、種付けしてやるゾッッ、オラッ……この雌めェエェッ!」
「アオォッ、アウォオオォッッ……いくぞっっっっっホラっアタシの子種汁、しっかり飲めヨっっ」
吠え立てながら爆発寸前のペニスを突きつけ、押し当て、突き上げる狗鬼達。
両性具有の毛深い腰が、粘液をはねとばしながら激しくグラインドする。背中に筋肉を浮かび上がらせて咆哮し、腕を、脚を痙攣させる。節くれ立った剛直をぶるぶると震わせる。そして。
びゅるっ……! びゅぶるるるっっ……!
ぶびゅっ、びゅびゅっっっ……!
びしゅ、びゅるるるるぅぅっっ……!
濃密な生命の匂いとともに、幾筋もの白い軌跡が聖堂の暗闇に次々と迸った。天井から見守る石像の神々に注ぎかけようとでも言うかのように。
びちゃっ、べしゃっ、びちゃあぁああっっ……!
次々と噴き出す獣の精液は、二人の王侯娼婦の白いからだを湯気を立てながらべっとりと染め上げていく。
「ああ……はあぁあああっ、来てるのっ……熱くて、気持ちいいのっいっぱい来てる……おお、おおおおっっ、私っ、私ももう……っ!」
王女は、浴びせかけられる粘液に、感極まったように表情を緩めると、乳房をぶるぶると揺さぶり背筋を強張らせて全身を震わせる。じゃらじゃらと音を立てて首輪の鎖が鳴る。透明な粘液を噴きこぼしていた彼女のペニスが、遠間からでも見えるほどぱっくりと鈴口を開いて。
「んはぁあぁっイイっ……霊泥っっ……イイですわっっ……おぉおおおぉっ、私、私っ……皆に注がれてっ、浴びせられてっ、中出しされてっっ……気持ちいいんですのぉおおおおぉっっ……!」
女王も脂の乗った柔らかな全身を波打たせ、恍惚の表情とともに浅ましく叫ぶ。髪を乱しながら頭を振ると、反動で巨大な乳房が形を変えながらたわむ。毛むくじゃらの手でしごき立てられているペニスが、グロテスクな血管を浮かび上がらせ、破裂せんばかりに膨張して。
「あああああっ、ああっお母様っっああ、もう、もう私っっあああぁあぁぁぁぁぁっっっ……!」
「んおおぉぉぉっっっ……メネットっ、私もっ私も……んぉっ、イきますわっっ……おおぉぉぉっっっっ!!」
精液まみれの女王と王女は、発情しきった声で恥知らずな言葉を叫びながら、獣人達に跨がったまま身体を弓のように仰け反らせ。
びゅぶっ、びゅううぅぅっっっっ……!
どぶっ、ぶびゅっ……どびゅぶるるっっっ……!
断末魔とともに自らも恍惚の白濁を迸らせた。
「イくっ、イクぅぅうぅぅっっ……イイっイイのっ出るのぉおぉぉっっっっ……! 出されてっっぶっかけられてっっ……んあぁああぁぁぁっっっ……!!」
「私っ私も出ますっっっいいっ気持ちいいですわっっ……もうっ、気持ちいいのおおぉぉぉっっっっ……! 出るのっ熱いぃいいいいっっっっっ……!!」
びゅぶるるるっっ、びゅるるるるっっっっ……!
ぶびゅぶぶぶっっ、りゅっ、びゅうううううっっっ……!!
かくして、高貴なる二人の美女は、獣人達に恥辱を浴びせかけられながら、自らも屈服の証たる極太の白濁を次々と打ち上げたのだった。
しばらくして狂宴が収まると、射精を果たし終えた兵士達がふらふらと退く。毛皮の壁の向こうから、二人の貴人が紫色の瞳を半開きにして被虐の余韻に酔い痴れる姿が、捕虜達の前に曝け出された。
「……待たせたな。いよいよ貴様らの出番だぞ」
戦奴獣隊長は全裸の主君に向けて顎をしゃくる。その先では、精液まみれの母娘が息を荒げながらも、いまだはち切れんばかりに乳首とペニスをいきり立たせていた。
「やんごとなき天羽の女王と王女サマに、貴様らの今までの恨み、自慢のイチモツでたっぷりぶつけてやれヨ。見ただろう? あいつら、普段は澄ました顔をしちゃいるが、本当のところは俺たち狗鬼に犯されるのが大好きな雌犬なのサ」
叛徒達の勃起器官が、カルヴァの言葉が響いたかのようにずきずきと疼く。そして、今しがた所有する奴隷に侮辱された筈の二人は、狗鬼達に汚れた顔を向けて妖艶と微笑んだ。
「来なさい……遠慮せずに、力一杯犯しなさい……皆でメネットを可愛がって、種付けして頂戴……」
王女がまろやかな白尻を持ち上げて挑発的に揺らし、肉唇の中にたっぷり仕込まれている粘液を床に滴り落とさせる。愉悦に蕩けたままの瞳が囚われの若者達の剛直を、値踏みするかのようにねめ回していく。
「さ、いらして……今度は貴方達に……犯して欲しいの。ね……貴方達の、太くて、逞しいの……フロレットに、くださいな……」
女王が粘液塗れの大きな乳房をぶるんとたわませて、両腕を差し出す。朱色の唇から快楽を約束する舌を覗かせると、頬に垂れた白濁を舐めとって美味しそうに目を細める。
その姿に、声に、匂いに誘われるかのように、獣人達は拘束されたま、ふらふらと足を踏み出した。その目は狂気にぎらぎらと光り、興奮と熱情に全身がぶるぶると震えている。はあはあと荒い息を吐く口元からはだらだらと唾液が止まらない。皆、自制心を完全に喪失しており、明らかに異常な状態だった。
「すげえ……すげえよこんな、いやらしいの、初めてだ……頭がどうにかなりそウ……」
「もう我慢できねえヨ、何だか分からないけど、アア、アアア……でももうオレ、オレ……」
「フオ、オオオ……やるっ、やってやるっっ! どうなっても知るもンかっっ……オオオ……」
誘惑に興奮する叛徒達は腕を後ろ手に拘束されているものの、足は自由な状態にあった。
ダッ、ダダダダッ……!!
そして、欲情しきった獣形の若者達はいきりたったペニスを構えるや、宿敵たる天羽の媚肉へと突撃した。
(3)陥穽

「美味しいわっ……ふはあっ、ああっ……逞しくて、熱くて、獣臭くて……んむっ、んんんっっ……」
「んぶおぉおっっっ……んおっ、おおっ、んんんんっっ、そうよ、もっと擦り付けて下さいなっ……ぶつけて……嬲って……んふぁ……素敵ですわ、皆……荒々しくて、勇ましくて……」
背中合わせの格好でしゃがみ込んでいる貴人母娘は、全身に獣人達の毛深い肉根を突きつけられ、押しつけられ、擦られていた。
「オオオオッッしゃぶってくれヨオォッ……オオ、フオオオッッ?! すげえっ何だこれっっ……!!」
きゅっ、きゅちゅっ、ずちゅうるるるるるっっっっ……!
陶酔の息を漏らす女王の唇を征服せんとばかりに、荒々しくねじ込まれた醜茎は、柔らかくも筋肉質の舌に絡めとられ、強烈に吸い立てられた。極上の絹のごとき感触とともに流し込まれた快楽乱流に、その獣人は目を見開いて仰け反る。
「ウッ、おっぱいっ、オオッ、おっぱい……柔らかいっ、柔らかくてっ滑らかデッ……ッ!!」
むにゅむにゅ、きゅっ、ふにゅにゅ……
王女もまた別の獣人に髪を掴まれて、口唇奉仕を強いられていたが、その乳房にも別の、獣毛の密生した肉幹が押しつけられた。すると彼女は上半身を積極的に動かして、谷間に挟み込むようにして迎え撃った。柔らかく暖かい圧力に包み込まれる至福に、反逆者は歓喜の叫びを上げる。
獣人達は二人の美女を陵辱しつつも、逆に鮮烈な歓喜を流し込まれて身悶える。
「ハゥウゥッッ……こっちもすげえ!すげえよっ姫様ぁっ!! なんて動きっ……くねくね絡み付いて、締めつけて、オオオッッ……吸い込んでっ、まるで、まるでヘビの巣穴みたいダァッ……!!」
「アオォオォォッ……! こんなの初めてッッッ……!!」
とはいえ、身体の大きな狗鬼達である。全員が快楽にありつけている訳ではなかった。運悪く口や胸からあぶれた若者がうなり声を上げ、ごつごつと肩をぶつけ合う。すると。
「おい、代われ、代わってくれよ、早く終われヨ……? フォッ……?!」
「ウウッ、ウチのも何とか、ナア……オオッ?!」
きゅっ、さすさす……しゅしゅ、しゅっ……
苛立ちのうなり声は途中で喜悦の悲鳴に変わる。奉仕中の母娘が空いた両手を伸ばし、お預け状態で涎を垂れ流していた獣ペニスを捉えたのだ。
血管の浮かび上がった剛幹をしなやかな指関節がこりこりとしごく。親指と人差し指の輪が、はち切れんばかりに張り出した亀頭冠を弾くように擦る。良く手入れされた半透明な爪が裏筋をかりりと引っ掻く。たおやかな掌の滑肉が肉頭の発情薄皮を包み込んで揉みしだく。
「ンオオオオオッッ、オオッッ……なんて、いいっいい、これが天羽の手かヨ……ッッッ!」
「フオッ、……こんな、こんな指がっ……ウオオオ……き、効くゥゥッ……!!」
細指は楽器を演奏するかのように優雅に蠢き、抗い難い快楽電流を注ぎ込む。獣達は背中の毛を逆立てて身震いした。
「んんっ、んふっ……んっんんっっ……おお、おいひっ……匂いもキツくて、くらくらしちゃいそうよ……っんんんっっ」
「ぷは……可愛いわ、皆……もっと、もっと夢中になって下さいな……んむ、んんんっっ……私達を、好きなだけ貪っていいのよ……」
透き通るほど白い肌に粘液と汗を浮かべて、天女のごとき優美な母娘は最低の淫売もかくやという恥知らずな行為に耽溺していた。両手を巧妙に動かし、銜え込んだ頭を大きくグラインドさせ、乳房を上下左右にねじり揺さぶる。
奉仕の動きにあわせて、彼女達の下腹部でもバラ色の肉柱がゆらゆらと振り回される。既に何度も射精している筈にも関わらず、それは未だに衰えを見せずに臍まで届く完全勃起を呈していた。それどころか、更なる刺激を欲するかのように、半開きになった鈴口からとろとろと透明の粘液を垂れ流し、心臓の鼓動に合わせてびくびくと脈打つ。
その様子は、責め手の叛徒達の目にもとまった。異常な興奮状態で大きく見開かれた眼が二組ほど、ぎょろりと二人の下腹部をねめつける。
「フッ、フゥ、フハッ……オレ達ばっかりでも悪いから、女王様も気持ちよくしてやる。ソラ……」
「それならウチは姫様だ。楽しませてあげるヨ……お、なかなか立派なシロモノじゃないカ……」
と言いながら、毛深い裸足を伸ばす。
っずっ……ぎゅぐ……ぎゅちゅっ……!
「……んぉっっんんっっっ、らっらめっそんな足でなんてっっんんぃおんんんっっっ……!」
「ひうっ、ああああっっ、射精したばかりなのにっっんっんんんん……?!」
女王と王女は獣肉に塞がれた口でくぐもった悲鳴を上げる。獣人達が、器用にも足指で彼女達の愚直を把握したのだ。分厚く角質化した皮膚とごつごつした関節が、高貴なる肉器官を無遠慮にはさみつけると、無慈悲にも石床に擦り立てる。
ぐりゅっ、ぐりゅぐりゅっ、ぎゅるっ、しゅぎゅっ……!
肉幹への硬い圧迫感。裏筋への冷たく強い摩擦。
そして、奴隷階級の賤民達に誇り高き部位を足蹴にされるという恥辱。
「っあっっ、足でだなんてっ……この私がっ狗鬼にっ、足なんかでっ、ほのわふぁぁあああっ、んむううっっ、んはっ……んあうううっっぐりぐりっっおおおおっっ……ごりごりされてっっっんあああっっっっ……わはっんはっんんんっっ」
「んぉふんんんんっっっ……! ふぉ、ほんなっ、おぉおおっ私、私っっ、熱いっ熱くてへっおおっ、んむむむむんんんっっっ……!」
度重なる射精ですっかり充血し過敏になった愚直への、粗暴で屈辱的な快楽。二人は熱心に奉仕し続けながらもまろやかな腰をくねらせ、白い柔肌を震わせた。しごかれ震えるペニスの先端からびゅるびゅると先走りが噴き出して、責め足の毛皮を濡らし始める。
「フハッ、ハッ、随分感じてるじゃねえか、女王サマ……オレの足、そんなにいいか? ハハッ、先走りがびゅるびゅる掛かってくるゼ」
「チンポを床に擦り付けられてるのに、気持ちよがってるなんて……全く、とんだ淫乱姫様だヨ……」
女王と王女が虐悦に震える様に興奮を一層掻き立てられて、狗鬼達は口々に辱めの言葉を吐きかける。彼女達の目に輝く狂おしい光は、圧政者への憎悪や報復などではなかった。社会的、人間的な制約をすっかりはぎ取られ、純粋な、例えるならば捕らえた獲物をいたぶる肉食獣のような、本能的な嗜虐性が剥き出しになっていた。
やがて踏みつける足の圧力も強まり、一段と激しい随喜が海綿体に流し込まれる。肉厚の笠は更に広がり、色の薄かった勃起幹の皮膚も、すっかり朱色に染まり上がっては血管を浮かべ、ぴくぴくと震えている。母娘は眦から苦痛とも興奮ともつかぬ涙を流し、獣剛直に貫かれた口と踏みつけられたペニスを支点に身体をくねらせて悲鳴を上げた。
「やあぁあああっっ、駄目っ駄目ぇええぇえっっっ……足でなんてっっおおおおっっ踏まれてっっ擦られてっっっっっ……駄目っこんなっっっんおおおおおっっっっ……んんんおおっっ駄目ぇっ、感じるっ感じちゃいますぅうぅぅっっっっっっ!!」
「んひうううっっっ、おいぃいぃぃっっ……私っ私っっチンポっっ、おぉおおっっ足でっ床っっこんなっああっっ気持ちいいっっ、ぐりぐりっ痛いのにっ気持ちいいですのっっ……んぶっ、っもっとっ、んんんんんっっもっと踏んづけ下さいなぁあぁぁっっっっっ!!」
二人は与えられる快楽と苦痛を受け入れ、さらに貪ろうとばかりに甘い声色の悲鳴を漏らす。最下層民による足での屈辱に加え、投げかけられる侮蔑の言葉によって、選民の中の選民である天羽母娘の虐悦は嫌が応にも高まっていった。頭の中で、子宮の奥で、熱く狂おしい塊が際限なく膨らんでいくが、そうしながらも手も、口も、乳房も愛撫奉仕を休む事はなかった。
ぢゅぱっぢゅぱっ、ぢゅううううううっっ……!!
むにゅる、むにゅっ、にゅううぅううっ……!!
しゅっしゅるっ、しゅしゅしゅっ、つつつつ……!!
「ハッ、ハアッ、ううっ、もう、もうオレ、頭がっ……チンポがっっ……あおおっ、溶けそうダっ……おお、おおお、フオオオオォォ……ッ」
「イイッ……ンンンッッ、すげえ気持ちいいっ、こんな……女王なのに、天羽なのに、敵なのにっっ……イイっ……なんて、なんていやらしい雌だヨォオォォォッッ……!」
群がる獣たちも全身を戦慄かせ、牙の並んだ顎を外れそうなほどに開いて、狂乱の言葉を叫ぶ。うち震える幾本もの剛直は、今にも破裂しそうなほど膨張して血管を浮かばせながら、高貴なる二人の美女の身体めがけて透明な粘液を遠慮なく吐出し続けていた。
そして懸命な奉仕への報酬とだとでも言うかのように足指による屈辱的な責めは一気に加速する。
ぎゅっぎゅりゅっ、ごきゅっぎゅちゅっ……!!
ごっ、ごりゅっ、ごりゅごりゅごりゅっ……!!
あっという間に、女王と王女の責め立てられるペニスの中で膨れ上がった熱く凶暴な肉悦が、下腹部を痺れさせ、背筋を灼き焦がしながら駆け上がった。体内でぐるぐると渦巻く嵐のごときエネルギーが一気に限界を超え、脳髄を吹き飛ばし子宮を灼き焦がす。気高い母娘は香ばしい汗だくの背中を押しつけ合うように仰け反って戦慄くと。
「イくっ私っイきますっっお母様ぁぁっっ……んんんんっっんああっああああああっっっ射精っっ……すごいのっっしゃぶりながらっ……踏まれてっ擦られてっっ霊泥っすごいっ弾けるっぁああぁぁぁっ私っ弾けちゃうぅっっっ!!」
びゅ、びゅるっ……ぶびゅるるるるっっっっ……!!
「んんんっっっ……んはっ、ぶはあっああぁああぁぁぁぁっっ出るっ私もぉっっ足でっ踏まれて出ちゃうっっっ……! メネットっ素敵っっあぁああっメネット素敵なのぉぉっっ……! 熱くて気持ちいいのっっおおおおっっ激しいのっ足コキ射精しますうぅううっっっ……!!」
びゅるるるるるっっ、ぶびゅうぅうぅぅっっっ……!!
女王と王女は惑乱の悲鳴とともに、再び太い精液の弾丸を勢いよく解き放った。暗灰色の石畳に白い飛沫が飛び散っていく。
それとほぼ同時に、二人を取り巻く陵辱者達も狂おしい咆哮を上げた。
「オオオオオオオッッッ、出るっ出るぞっっオレのっ子種っっオオ、飲んでくれよっお姫様っっっオオオオオオッッッ……!」
「すげえっ、すげえよっっアアッ、アオオオオオッッ……もうイくっオオっイくウウゥゥッッっっ……!!」
「アッアアッアアアアァァアァァァッッッ……! 来てるっウチのっチンポビンビンに来てルッアアァアアアッッッ!」
薄暗い聖堂に叫びがこだまして、焼けつくほど熱い白濁が一斉に弾ける。
びゅっ……ずびゅぶぶぶぶぶっっっ……!!
びゅっ、びゅう、びゅうぅううぅぅ……!
ぶしゃっ、ぶりゅ……びゅるるるるるるっっっ……!
獣人達は圧倒的な絶頂快楽に身をよじり毛を逆立てて、全身の筋肉を力ませ、逞しい足で床を踏みしめて射精し続ける。節くれ立った勃起器官を二人の美女に突きつけて、夥しい粘液を迸らせ続ける。
「んんんはあぁああぁああぁぁっっ……汚されてるっ私っまた……汚されてますっっ……生命の霊泥っ……精液っっ私もっっ射精っぁあぁあぁっ持ちいいっっっ……! 沢山っミルクっっ……熱くて……美味しいっっ……嬉しいっ……んんんっっ……感謝……します……」
「おほおおぉぉっっっっ……すごい、皆っ素敵ですぅっっ……あああっ熱いっっんんんっなんて匂いっ……おお、んぉおぉぉっっ、止まらないっ私も気持ちいいのっ、痛くて気持ちいいのっ止まりませんのぉぉぉっっっ……! ……んんっ、んおぉっ、素敵ですわ……感じますっ、祝福……慈悲深き女神っ……奈落の女神っ……っ……」
母娘は、髪と言わず顔といわず、湯気を立てて降り注ぐ白濁に恍惚として、被虐射精の快楽に酔い痴れているかのようだった。しかし、いつの間にか彼女達の口調が変化していたことに、ただの発情雌から、誘惑する魔女へと変わっていることには誰も気づかなかった。
「あぁ、これで貴方達は……私達と、繋がれたのよ……はあ、はあっ……永遠に解けぬ魂の鎖で……私達は、貴方達と……」
「んおぉぉ……おぉ……さあ、皆……肉の悦びで……契りを結びましょう……おぉ……大いなる闇、『奈落のラーナベルディ』の……慈愛のもと……」
貴牝達の欲情に蕩けていた紫色の瞳が、暗い深淵へと変化して、取り巻く両性具有の若者達の姿を写す。すると、快楽に打ち震えながら精液を噴き出し続けている狗鬼達に奇妙な変化が現れた。
「アア……ハァァァ……そうします……一緒に……繋がれます……」
「ウチは、女王サマと姫サマのモノになります……フウ……ウウウ……」
「オオオ……だから……オオ……女王サマと王女サマは……オレ達のモノ……だ……」
汚濁塗れの統治者達に呼応する言葉が、叛徒達の牙の間から次々と零れて来たのだ。つい半刻ほど前なら、たとえ殺されようと口にする筈のない服従の言葉が。
そして、獣人達の瞳に宿る狂気を秘めた欲望の輝きは、奇妙な歓喜の色へと変わっていく。
「オレ達の命は、魂はアンタ達のものだ……だからアンタ達の肉は、快楽は、オレ達のものダ……」
「何でも従うよ、何でもやるよ……だから、女王サマ、王女サマも……」
単純な洗脳や催眠術などではなかった。自らの確固たる意思をもって、彼女達は宿敵である筈の天羽に忠誠の言葉を述べているのだ。その言葉とともに、魔法仕掛けの錠前が動作して、叛徒達を後ろ手に拘束していた手錠と鎖ががちゃがちゃと外れていく。
「ふふっ……そう、そうですよ、皆……私たちはもう……お互いの奴隷なのです……はあっ……互いの、供物なのですよ……」
「んっ、んんっ……いと深き暗黒の女神……『奈落のラーナベルディ』よ……私たちに、逞しき下僕を遣わして下さったこと……無上の悦びを垂れたもうたこと……感謝します……」
枷を外され自由になった両手で、狗鬼たちは目の前の無抵抗な宿敵を荒々しくも愛おしげに愛撫し始めていた。非力な天羽など簡単に絞め殺せる、強力な武器である筈のその腕で。
「ンンンンンッッ、そうだ、オオ……俺達はお前たちの、女王サマ、王女サマの奴隷ダ……」
「お前達は、女王サマ、王女サマは……ウウ、ウオオオ……俺達の雌犬だ……!!」
†
「ぐ、くうっ……みんなっ、しっかりしろっ……どうしてこんな……!? ま、まさか……魔法なのか?! オレ達狗鬼に……魔法で、天羽に忠誠を誓わせてる……のか……?!」
そう叫んだのはヴェーナだった。絡み合う肉のかたまりからただ一人離れて残ったヴェーナは、両膝を戦慄かせ、足指で石の床を握りしめるようにして、最初の場所から動くことなく立っている。
がちがちにペニスを勃起させ、脳内と胎内に強烈な情動を煮えたぎらせてはいるものの、強靭な精神力をもっていままで誘惑と欲情を耐えていたのだ。叛徒達のリーダーは誇り高い同胞達が邪な誘惑に堕落していく様を、頬を強張らせ、ぎりぎりと牙を噛み締め、掌を皮膚が破れそうなほど握りしめて睨んでいた。その黄金色の瞳には、狂気の光と意思の輝きが渦巻きながらせめぎあっている。
その声に、お預け状態のまま狂宴を見守っていた隊長カルヴァが向き直った。
「ん? お前、まだ魔法に逆らっているのか? 信じられない奴ダ……同じ狗鬼なのに、オレのように命令を受けたわけでもないのに、自分の意思だけでこんなに抵抗できるなんてナ……」
そう言う隊長も見開いた目をぎらめく欲望で憔悴させて、見事な勃起で腰帯を跳ね上げていた。はあはあと息が荒く、手足の指をぎゅっと握りしめては肩をわななかせており、見るからに辛そうな状態だ。時折がちがちと歯噛みしては唇の端からよだれを滴らせる。カルヴァは先ほど主人達から待機を命じられたために、苦しみながらも欲望を我慢できているらしい。
「お前の言うとおりだ。これがあの二人に、私達が忠誠を誓っている原因だヨ。私達はあの性愛魔法『魂の縛鎖』で絶対の忠誠心を流し込まれて、戦奴にされてるって寸法サ。……ま、見ての通り、フフフッ……どっちが奴隷だか分からない状態だがナ」
どうやらこの魔法は忠誠を強制しつつも精神の自由度はある程度残すらしく、戦奴隊長は自分の置かれている状況を客観視できていた。
「ッ……く、糞……おのれ……っ」
魔法の正体は明らかになったものの、ヴェーナにはどうすることもできない。ただぎりぎりと歯ぎしりするばかりだ。
「それはそうと反乱者……お前、随分辛そうじゃないか……ククっ……よし、同じ狗鬼のよしみだ、助けてやるヨ」
興奮状態のカルヴァはにやりと笑うと、仁王立ちのヴェーナの背後に回り込んで、ぶ厚い掌ではち切れそうな勃起を握りしめた。
ぎゅちゅっ……っ!
強い圧迫刺激に、ヴェーナの勃起器官から下腹部へと、ずきりと熱い愉悦が流れ込んでくる。
「ゥアァァッッ! や、やめろっっ……っ……う、ウウウウウッッ」
待望の歓喜に全身の体毛を逆立てながらも、反逆者は歯を食いしばって理性をかき集め、堪えようとした。そんなヴェーナの耳元をカルヴァの淫らな囁き声がくすぐる。焼け付くような勃起剛獣が、獣毛の薄い尻に背後からぐいぐいと押しつけられているのを感じる。
「ホウ、随分と立派なシロモノだナ。これなら、あの雌犬どももきっと大喜びでむしゃぶりつくゾ……じゃあ、準備運動といこう……」
そう言うと、両性具有の隊長は捕虜の怒張を手慣れた様子で摩擦し始めた。
ぎゅしゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅるっ……
節くれ立った指関節が充血海綿体越しに的確に尿道を捉えてしごき、張り出した肉傘の周縁を指の腹が絶妙な強さで擦り上げる。同族の特性を知り尽くした技巧によって、たちまちのうちに目もくらむような快感の濁流が下半身から脳内へと溢れ、両性具有の反乱者は悲鳴を上げて仰け反った。
「クアッ……ァアァァッ……! よ、止せっあぁああっ……!!」
しかし、隊長のもう片方の手が伸びて、容赦なくヴェーナの乳房を揉みしだく。産毛に覆われた柔肉に太い指が沈み込み、そそり立った乳首が掌に転がされる。力強い愛撫とともに、上半身に荒波のような歓喜が押し寄せてきた。
「いいおっぱいだナ……乳首も勃ちっぷりいいし、揉みごたえもある……クククッ」
ぐりっぐりぐりっっ……
責めているカルヴァのほうも欲情を堪えきれないのか、虜囚の震える尾てい骨に熱く固いペニスをぐりぐりと擦り付けていた。そのたびにヴェーナの子宮は交尾を欲して激しく収縮する。発情魔法に冒された上、充血部位を荒っぽく愛撫されるものの、反逆者は必死で快楽の奔流に抗った。
「クッ……クウウウッッ……や、やめっ……はあっ……ウウッ……?」
と、責め指が緩んで、夢中で抵抗していた彼女にも、周囲に注意を払う余裕が戻ってきた。視線を戻すと、その時には目の前で繰り広げられていた筈の淫宴はほとんど終結していたのだった。
(4)最後の抵抗者
仲間達はあらかた、精魂尽き果てた様子で床に倒れ伏していた。
「オオオオッッ、女王ッ、王女ッッ……オオオオッッ俺っアアアァアァァッッッ誓うっ、アンタ達にっ忠誠誓ウゥウゥッッ……だから交尾っっ射精っ種付けオオォオオオオオッッッッ…………!!」
びゅぶっ、どびゅるっ、びゅぶるるるるっっっ………!
最後の一人も、浅ましい誓いの叫びとともに憎むべき支配者達へと白濁を迸らせ終えると、そのままがくりと仲間の上に折り重なるようにして崩れ落ちる。
「な……なんてことだ、皆……っ、くっ……ううっっ……」
今や固い絆で結ばれていた仲間たちはヴェーナ一人を残して、全員が天羽の洗脳魔法の前に倒れ伏していた。
「騒ぐナ、気絶しただけだ……それにしてもお前、ここまで持ちこたえるなんて大した奴だガ……ま、ここまでだ。次はいよいよお前の番なんだからナ……そら、やんごとなき方々が見てるゾ」
「……っ!」
言われて目を向けたそこには、髪といわず頬といわず粘つく白蜜でべっとりと汚したままの二つの美貌が、こちらを見つめていた。妖しく輝く二対の紫瞳は、獲物を狙う狩人のごとく、あるいはまた心狂わす奸婦のようでもあった。
「驚いたわ……貴方、まだ耐えられているの? 狗鬼なのに……ねえお母様、初めてですわね、こんな子」
快楽に必死で堪えるヴェーナの四肢とひきつった顔を、王女メネットが面白がるような目つきで観察する。
「なんて素敵なのかしら……こんなに強い意思力の持ち主がいるなんて……いえ、確かに女神の『愛』は、魔法的手段では対抗不可能ですから、抵抗するには意思力しかないのだけれど、それにしても……ああ、素晴らしいわ……」
「この子を救って、御前に差し出したなら……我らが主もさぞかしお喜びになることでしょうね……これほどの心の持ち主ですもの、きっと俗世でおおいにもがき苦しんできたのでしょうからね……」
破裂寸前のペニスを、膨れ切った乳首を、がくがくと震える足腰を、女王フロレットの淫らな視線が射抜いていく。そして高貴なる淫売母娘は、気絶した獣人達の中から立ち上がると、白濁まみれの上気した裸体でゆっくりと近づいてきた。
「く……来るな……っっ」
ヴェーナは未知の脅威を身にまとった妖女達を拒絶しようとしたが、背後から獣戦奴隊長に抱きすくめられていて身動きは出来ない。毛深く筋肉質の身体に、熱く芳しい肢体が左右からすり寄って来る。
「さあ、案ずる事はないのよ。貴方はただ……全てを委ねて……欲望のままに貪ればいいだけなんだから……我慢することも、頑張ることも、もう要らないのよ……」
たおやかな二十本の指が顎を、肩を、腿を、腕をそっと撫でる。
「そうすればすぐに私たちの女神が、貴方の魂に『愛』を……世俗の苦しみから解き放って、堕落の祝福と安らぎを下さいますのよ。さあ……歓喜と安楽の救い主、『奈落のラーナベルディ』の奴隷になりましょう。私たちと同じに……」
耳元と首筋の産毛をくすぐる艶かしい吐息にまぎれたおぞましい言葉に、ヴェーナは耳を疑った。それは、触れる者をことごとく堕落させ、周囲の人間ともども快楽の深淵に引きずり込んでは破滅させる最悪の神の名前だった。無秩序かつ無分別な『愛』によって、あまたの国家を、文明を、種族を滅亡させてきたことで知られる、狂った女神の名前だった。
アルーカヤ王国、いやアンフィビウム全土で忌避されるおぞましい女神の名が、あろうことか、社会国家の道徳と秩序の頂点に立つ筈の二人の口から出たのだ。

「っ! き、貴様ら……まさか邪神に魂を売り渡してっ……ぁふぁっ……?!」
地上を統べる者達の欺瞞ぶり、堕落ぶりに愕然とするヴェーナの身体を新たな戦慄が駆け抜けた。
きゅちゅっ……
いつの間にか、彼女のペニスはカルヴァの節くれ立った厚指から解放されていて、その代わりに二本の滑らかで熱く脈打つ海綿体が押しつけられていたのだった。
きゅっ、ごりゅっ、ぎちゅるっ、ぐりっ……
「くあっ……な、何を……ああっ、ああ……うああぁああっっっ」
毛むくじゃらの獣人に寄り添う二つの裸体は、白い尻をゆっくり揺らすようにして交互にペニスを押しつけ始めた。先ほどとはまた違った滑らかで硬質な愉悦が、ヴェーナを脅かしはじめる。
「素敵よ、貴方……はぁっ……こんなに大きくて、熱くて……この逞しいので力一杯種付けされたら……ふぅ……どんなに素敵な心地になるのかしら……堪らないわ……」
「さあ……言って下さいな……私たちを、天羽の女王フロレットを……王女メネットを……犯したいって……組み敷いて、陵辱して、汚して、射精して……孕ませたいって、口に出して下さいな。それだけでいいの……そうしたら、その通りのこと……為させて、差し上げますのよ……」
勃起を、乳房を、腹を、太腿を摩り寄せて、全身を使って愛撫を加えながら、二人の王侯娼婦は誘惑の言葉を紡ぐ。うっとりと陶酔した表情で、発情に瞳を潤ませて、朱唇を淫らに開きながら。
と、背後のカルヴァがやにわにヴェーナの腰の両側を掴み、力強く押し引きし始めた。
「オラァ……天羽ごとき相手に、受け身に回ってるんじゃないゾ。お前も荒ぶる狗鬼の端くれだろ……しっかり腰使って、犯しに行くんだヨ、この……淫売どもをヨ……ソラッ」
ごりっ、ぐりぐりっ……ぎゅちゅっ、ぐりゅっ……
「クッ、や、やめろっっっっ……! オオオオっっっ……っっ……グウウゥゥッッ……!!」
カルヴァが押すせいで鉄のように硬い肉柱同士がぶつかり合い、擦れ合って、火花の飛び散るような高電圧の快楽がヴェーナの脳内を、二人の妖婦の胎内を走り抜けた。
「おっおおっ、んふぉおぉっっ……犯されてますっ、フロレットの宝殿がごりごりっ犯されてますのぉっごりごりっ……! おお……いいですわっ……もっと、もっとっぶつけてっ……犯して下さいなっっ……!!」
擦れ合う勃起海綿体三本。それらの裏側にあるくびれや段差が、まるで奇妙な機械部品のように軋みながら互いに噛み合い、嵌り合って、熱いエネルギーを伝達する。浮かび上がった太い血管が、ぶつかり合う肉軸の響きにアクセントを添える。火花を散らして全身を駆け抜ける刺激に、ヴェーナと天羽母娘は身体を強張らせて歓喜の悲鳴を上げ始めた。
ぐりっ、ぐりゅぐりゅっ、ごぎっ……
「アクアァアアッッ……クウッ……これしきっ……く、屈するものかっ……!!」
「膨らんでますわっ、ああっあああっっ私のっお母様のっ……! あああっっ来るっ、中からっっびりびり来てるのっっっ身体じゅうびりびりっっっ……おおっ射精っ私また射精っっもうっ来るっ来ちゃってるぅぅっっ……!!」
限界すれすれを必死に耐えてきたヴェーナはもとより、先ほどから絶頂し続けて過敏になっている女王と王女も、あっという間に快楽の頂点に押し上げられつつあった。
びゅるっ、びゅっ、びゅしゃっ……
三本の擦れ合う剛直は笠をひと際大きく広げ、ぷるぷると震えながら鈴口を開閉しはじめる。天羽の色白な肉幹が紅潮し、ひと際大きく膨れ上がる。射精の予兆たる透明な粘液が次から次へと噴出し、三人の下半身に飛び散っていく。
「クオォ、オオッッ……そろそろっ、オウッ……もう我慢できないっ……オ、オオッ……私もイかせてもらウゥッ……!」
ごりゅっ……
背後のカルヴァもまた一声吠えると、限界勃起をヴェーナの尻に強く押しつけて、ぐいぐいと早いピッチで腰を使って擦り付け始めた。
じゅっ、しゅっ、ぎゅゆっ、ごりゅりゅりゅっ……!
ぎゅちゅっ、ぐりゅっ、ぎゅっ、ぐりゅりゅっ……!
ごぎっ、ごりっ、ぐりぐりっ……ぎゅちゅっ……!
にゅちゅっ、ぎゅちゅっ、ぐりっ、ぐりゅぐりゅっ……!
「クアァアァァッッ……くそ、クソっ……駄目だ、負けては駄目だぁっ……っっ!!」
「ああっあああああっっイイっ気持ちいいのっっっ……狗鬼とっ、ぐりぐりしてっ……んはっはあっあぁあああっっ……!」
「はあおぉおぉぉおおおっっっ……! もう、もう私っ……来てますっ、熱いのがもう、そこまでっっ宝殿のっ根元までっおお、おおぉおおおっっっ……!!」
淫気に満ちた聖堂の暗闇の中、奇妙な四重奏が響き渡る。
最初に達したのは、先の淫宴で散々射精してきた筈の母娘だった。粘液と汗に塗れた裸体をぶるぶると震わせ、白い背筋を仰け反らせて。
「あっあっあっあああああっっっ私もっっっっイくっ、イく、イっちゃうぅぅっっっっ……!! ごりごりっっおおお気持ちよくてっっぐりぐりっ擦りっこでイっいいぃいぃいっっっっっっ……!!」
「もう、もう出るっ……私もっもうっ出ますっ……おぉおおおっっっっ、フロレット射精しますぅうぅぅっ……!! 体中でっおおおっ……熱いのがっ……どくどくしてっっ……!! 私、私っっおおおおおおっっっっ……!!」
びゅるっ、ぶびゅるるるるるっっ……!!
どくっどくっっ、どぶるるるっっっ……!!
浅ましい叫びとともに、女王フロレットと王女メネットは芳しい二筋の粘液を迸らせた。噴出する熱液に、貴牝たちの滑らかな桃肌とヴェーナの灰色の毛皮が白く汚れていく。
「ウッ、ウオォオォォォッッッ……!! ヤるっっ……オオッ……ぶちまけてヤるゾッッ」
ごつんっっっっ……!
続いてカルヴァが思い切りペニスをヴェーナの腰椎に打ちつけて。
びくっ、びくびくっ……びゅるっ、びゅ、ぶびゅぶぶぶぶっっっっ……!!
吠え立てながら、ぶるぶると逞しい肢体を戦慄かせて射精した。噴出する夥しい量の樹液が、若者の獣尻と背中にぶちまけられる。
びゅしゃっ、びゅぶっっ……びゅるるるるっっっ……!
どびゅるっ、びゅるるるるっっ……!!
ばちゅ、べちゅっ、びゅぶぶっっ……!!
そして、全身に浴びせかけられる精液の熱と芳香に、ついにヴェーナの気高き精神も陥落した。
「も、もう……もう駄目だぁアアァァアアァッッ……! 皆ッ……オレは、オレはっ……ンオオオォオオンンッッッ!!」
喉も張り裂けよとばかりに絶叫する。ようやく訪れた歓喜に全身の筋肉が膨れ上がり、拘束している枷を引き千切らんばかりにぎりぎりと軋ませる。仰け反った腰をがくがくと震わせ、獣器官を破裂寸前にまで勃起させて。
っっ……っびゅ……ぶびゅっ、びゅびゅうううぅぅうううぅぅぅっっっ……!!
押しつけられている二本のペニスを跳ね跳ばす程の勢いで、強烈な匂いとともに、耐えに耐えた衝動を解き放った。噴火する火山のごとき熱濁流が、目前の貴人達の裸体をみるみるうちに白く染めていく。
「んあぁぁっ……はぁあぁぁっっ……凄いっ、何て勢いなのっ……?! ぺろっ、ぴちゃっ……んはぁっ、素敵だわ……」
「熱くて、匂いが……んんっ、ちゅるっ、ごくっっ……んはぁっ……ああ……獣の霊泥が脳みそまで……染み込んできて……蕩けてしまいそうですわ……」
べちゃべちゃと浴びせかけられる獣濁に、高貴なる母娘は酔い痴れたかのような恍惚の声を上げる。
「オオオオッッッ、まだっまだまだっっ……ウオオオォオオオッッ……!!」
背後から擦り付けるカルヴァも吠え続け、射精し続ける。
ぶびゅるるるっ、びゅぶるるるるるるるっっ……!!
びゅぐっ、びゅぐぐぐっっ、びゅるるるるっっっ……!!
今まで散々我慢を重ねて来たため、二匹の獣人の味わう射精の快楽はかつてなく激しいものとなっていた。逞しい全身を硬直させ、牙並ぶ顎を大きく開いて喘ぎ、頭を振り乱して狂ったように咆哮する。
「ッゥオオォォォ……ォオオオオオオンンッッッッ……!!」
「グハァッ、ハアッ、もっと、もっとだっ、オオオオッッ……!!」
と、そのとき。
「さあ、貴方……魂の縛鎖で、繋がるのです……ああ……はああ……私たちと一緒に……供物に……」
「おお、おおお……今こそ……我らが主、慈悲深き深淵……奈落のラーナベルディよ……捧げますわ……」
淫悦に酔い痴れていた女王と王女の紫色の瞳が、深淵と化してヴェーナを取り込む。
五体がばらばらになるような快楽の奔流に魂を吹き飛ばされていた彼女だったが、自分の中に何かが入り込んでくるのを、禍々しくも抗い難い何かが入り込んで来るのを感じ、激しく恐怖した。
「アアッ……アオオォオオッッッ……?! こ、これっ……オオオッッ、く、来るなっ……!! ま、魔法がっアアアッッッ、アアッッ……! 嫌だっっアアッッ気持ちいいのにっっっ……嫌だっ、天羽に忠誠などっっ……! 止めろっ止めてくれっっオオオッッ……オレのっ……オレのこころがぁあぁぁっっ!!」
最後まで抵抗していた彼女の意識が飛んだ瞬間を狙い、性愛魔法がその魂を浸食し始めたのだ。自分の精神が変容しつつあることを察知した反逆者は、なんとか運命を拒絶しようと足掻く。しかし一度折れてしまった心では、もはや魔法への抵抗は不可能だった。
心の中に、めりめりと音を立てて入り込んで来たそれが、自分という存在を勝手に書き換えていく。
「ウゥアアアァッッッ……やめろっ、やめてくれっっっ……オレを、オレのままでっっ……クソっ、いっそ殺せ! 殺してくれぇっっっ……! んっ?! んぶっんんっっ……!!」
「んむっ……」
精神浸食のおぞましさに絶叫するヴェーナだったが、その声は女王の柔らかく厚みある唇で塞がれてしまった。のみならず、淫らに動き回る舌が入り込んで、牙の生えた歯肉や、口蓋、舌の裏側、口内の至る所に愛撫を加えてくる。背後から同族のカルヴァに抱きとめられ、さらに二人の天羽の腕が首筋に巻き付いていては、もはや憎むべき敵の口づけから逃れることはできなかった。
「んっんんっっ……ちゅるっれるれるっっ……んんっ……んふっ、恐がらなくてもいいですのよ。全部私たちに委ねて……そうすれば、慈悲深き奈落……女神が、ラーナベルディが……俗世の全てを忘れさせて下さるわ……苦しみも、悩みも……不安も、恐怖も……怒りも……誇りも……んんっっ……」
入れ替わりに王女も、甘く芳しい口舌でヴェーナの牙並ぶ口に吸い付き、喉を鳴らして唾液を呑み込んでいく。
「ちゅうっ、ちゅるるるっっ、れるれるれるっっ……んっ……はっ……さあ、ほんの少しだけよ……気高さと引き換えに、女神様の下さる愛を受け入れて……はあっ……そうしたら、欲望のままに、したいように……私たちを組み敷いて、犯して、貪りなさい……それが私たちの悦びでもあるのだから……」
その女神は、人間を無力で愚かな赤子として愛する。人間が気高くあろう、強くあろうと努力すればするほど、彼女はそれを空しく哀れな足掻きと認識し、より強く深い愛を生み出し、破滅に向かうだけの『救済』を差し伸べる。絡めとる。抱擁する。
全ての神々に忌み嫌われ、全ての人々に恐れられ、はるかな太古の時代に奈落へと封じられた、暗黒の女神ラーナベルディ。しかし彼女の愛は今も封印から漏れ出しており、この母娘のような『使徒』を通じて人々を底なし沼のような安寧へと、何も考える事無くただ快楽を貪るだけの深淵へと引きずり込み続けているのだ。
「さあ、オレと一緒に来るんだ……余計なものは全部捨ててしまエ。ここはいいところだゾ……ここでは、女神の膝元では……天羽も、俺達獣人も皆同じサ。同じ虫けら……同じ畜生なのサ……」
激しい快楽の波に削られるかのように、誇り高き獣人の心から、狗鬼の意地と、天羽の支配するこの世界への怒りが消えていく。代わりに刻み込まれていくのは、目の前の二人への攻撃の禁止と自発的な忠誠。そして、快楽と欲望の積極的な肯定。
「ウオ、オオオ……こ、こんな……オレは……オレは……天羽に……天羽にっ……! ウウ、クッ……もう、俺……こころ……みんな……済まない……ッ……」
喪われていく心の有り様を惜しむかのように、ヴェーナのきつく瞑った眦から一筋の涙が零れた。そして、最後の抵抗者は閉ざされた寺院の石床に、がっくりと膝を突いたのだった。
(5)隷属
数ヶ月後。
神々の見守る火焔の間にて、長椅子にしどけなく腰掛ける女王と王女は、その足下の二つの大きな毛むくじゃらの塊に声を掛けた。
「そなた達狗鬼の……獣戦奴の忠勇により、蛮愚の国がまた一つ、我ら天羽の翼下に身を寄せることとなりました」
「誠にご苦労でした。後ほど褒美を取らせましょう。カルヴァ、ヴェーナ」
女王の足下から伸びる敷物の手前で、大きな身体を床上に丸めるようにしてかしづいているのは隊長カルヴァと、かつての反乱軍のリーダー、ヴェーナだ。彼女が身につけているのはもはやボロ布ではなく、カルヴァのものと同様の質素だが立派な武具である。大きな背中には以前には無かったいくさ傷が幾条か刻み付けられており、それらは女王の命によって他国への侵略戦争に加担した証だった。忠誠の魔法に膝を屈したヴェーナは、今やカルヴァに次ぐ獣戦奴のナンバー2となっていたのだった。
しかし、女王直属とはいえ、所詮は身分卑しき獣人である。
(……あのような者どもを、聖なる王宮の、それも火焔の間に上げるとは、陛下は何をお考えなのか……)
(ここまで獣臭いのが漂って来そうですわ。せめて香水くらいつけさせるべきだと思いませんこと……?)
(先の反乱の時、入り込んだ咒寇どもにベルローズ殿がやられたと聞くけれど、もしやあのケダモノどもが手引きしたのでは……)
磨き抜かれた大理石の床にかしづく獣人達の背後には、天羽の王侯貴族達が居並んでおり、ひそひそと不満を囁き合っていたのだ。狗鬼達の鋭敏な耳には、それらの声がはっきりと聞き取れていた。自分たち狗鬼を見下し続ける天羽貴族達への憤りと侮蔑が胸の中にわだかまるが、拝跪の姿勢は毛一筋ほども乱れない。ヴェーナ達最下層の存在は、公の場にあっては、貴人達全員が立ち去るまで姿勢を崩すことはおろか、物音一つ立てることも許されないのだ。と、その時。
(忌々しいケダモノどもめ。あの汚らわしい連中さえ居らなんだら、フロレットごとき……)
侮辱的な囁きにまぎれた、不穏なつぶやきを獣の聴覚が拾い上げた。ヴェーナは頭を動かさずに、その言葉の主の位置を探る。どうやら女王の血縁筋の、高位継承権者の一人のようだ。あとで叛意ありと報告しようと心に刻む。
女王と王女がその身体とひきかえに隷属させている獣戦奴隊は、表向きこそ単なる前衛戦力だが、その裏には権力を巡る骨肉の争いに備えた、切り札の側面をも秘めているのだ。さらに、ヴェーナの鼓膜には別の、聞き慣れた囁き声が忍び込んできた。
(チ、お高くとまりやがって、天羽どもめガ。魔法のことさえ無かったら、思いっきり殴りつけて、犯してヒイヒイ言わせて、自分たちがどれほどいやらしい雌豚なのか思い知らせてやるのにナ……そうだろ、ヴェーナ)
獣人以外には聞こえない超低音で呟いているのは隣のカルヴァだった。
(……ご褒美下さるって言ってるんだ。オレ達が不愉快なのは、同じ天羽の陛下と殿下に、後でたっぷり償ってもらおうぜ)
(ククッ、お前もすっかりサマになってきたじゃないカ。そうだな、しっかり償って頂くとしようゼ。奴らの分まで……私達の可愛いフロレットとメネットに、な……クハ、ハハハッ)
†
女王の寝室の床には毛足の長い絨毯が敷き詰められ、中央には羽毛の詰まったふかふかの大寝台が置かれている。そして寝台を囲っている薄布の帷には、月光にも似た冷たく白い魔法照明によって、四つの絡み合う影が映し出されていた。
ちゅるるっ……ずちゅっ、じゅるっ、ちゅううう………っっ……
豪奢な寝台に毛深い腰で座り込んでいるのは、下賎の獣人カルヴァとヴェーナだった。逞しい身体に首輪だけをつけて、羽毛マットの上にあぐらをかくようにして座っている。そして二人の腿に腰を下し、手足を絡ませるようにして情熱的に接吻しているのは女王フロレットと王女メネット。母娘とも、額のティアラと首のチョーカーだけを残して全裸の姿だ。
「はあ……ああ……んむむっ、んっ……あんっ、ヴェーナ……んっ……」
かき抱いた手足で獣人の毛深い首と腰を愛撫し、踊るように身体をくねらせて乳房やペニスを押しつける。陶酔した表情で、狗鬼の長い舌を吸い、ゴムのような唇を貪っている。灰色の獣毛の上で雪白の柔肌がくねり、艶やかな長髪が流れる。
「んふっ、んんっ……カルヴァ、ちゅぷっ、ちゅくっ……れるっ、れるれる……っっ」
狗鬼の逞しい腕が背中を撫でるたびに、柔らかな乳房どうしがぶつかりあうたびに、嬉しそうに微笑み、喜びの吐息を漏らす。王族と奴隷の、種族違いで身分違いのキスは、まるで彼女達が恋人同士であるかのように長く濃く続いた。
やがて、王女と女王の唇を塞いでいた獣顎がゆっくりと離れる。
「んんっ、ヴェーナ……お願い……もう、私……キスしてるだけで、我慢できなくなっちゃった……」
「ふは……はあ、はあ……ねえ、カルヴァ……私も、欲しいですわ……下さいな……生命の、霊泥……」
ふたりの貴牝は唾液に濡れた唇から、せつなげな囁きを漏らした。瞳はすっかり欲情に潤んで目元も弛み、頬はほんのりと紅潮している。
「ん? 欲しい? 何が欲しいんだ、メネット?」
ヴェーナの口調は、愛奴をいたぶる主人のそれだった。本来主人の筈の王女は、呼び捨てにされることに全く抵抗を示さず、恥ずかしそうに目を伏せ、嬉しそうに頬を輝かせて答える。
「ああ、意地悪ですわ、ヴェーナったら……貴方の、逞しい……その、宝殿で……霊泥を、私の……聖杯に注いで欲しいの……」
姫君のぼそぼそと恥じらう言葉は、カルヴァに遮られた。
「ホーデン? レイデイ? セイハイ? 何だ? おいおい、そんなお上品な言葉なんて分かるわけないだろ。ククッ……無知な俺達狗鬼にも分かるように言えってくれヨ、なあフロレット」
「えっ……それは、そのっ……ひ、酷いですわ、カルヴァ……そんなことを、言わなくてはいけませんの?
「嫌ならいいんだぜ。何が欲しいのか分からないから、今日はこれでお終いにしよう」
獣人はにやりと笑うと、自分の抱いている女王の顎を指先で掴んで持ち上げ、その顔を覗き込む。蕩け切った表情の熟雌は、卑語を口にすることをしばしためらいつつも、結局その厚唇を開いて。
「そんな、恥ずかしいっ……で、でも……その、おお、お……欲しいのは、その……おチンポ……おチンポ、ですわっ……!! チンポッ……チンポ汁っ! カルヴァの大きくて素敵なおチンポで、私の……天羽の女王フロレットの……おお……欲深なおまんこに、たっぷりと……せ、精液のっ……お仕置き下さいな……っ! ああ、はぁあぁ……言ってしまいましたわ、私……」
歓喜の熱い吐息とともに淫らな言葉を吐き出した。そして、母に釣られるように、娘メネットも。
「ああ、あああぁっ……お母様ぁ……んんっ、それなら私も……私にもっ頂戴っっ……っ……お、おチンポっ!! ヴェーナっ……貴方の、逞しいおチンポでっ……私を、王女メネットを一杯っ……めちゃくちゃにっ犯して欲しいのっっ……とろとろの子種汁を一杯注いでっ……雌にして欲しいのぉぉっっ……!!」
「クク、クハハッ……! 聞いたか? まったくいやらしい雌犬どもだよな。チンポに子種汁だとサ……! ハハハッ……こいつらに比べたら、『牴角』の淫売奴隷だってもう少し慎みがあるよナ」
「フフフ……アア、俺達のいたスラムでだって、こんな浅ましいのはいなかったぜ」
高貴な唇から紡ぎ出された卑語に、下層民の狗鬼二人は牙を剥き出し、興奮して笑った。
「おおお……私、私……お願いですから、カルヴァ……」
「ああ……言ってしまったわ、私……恥ずかしくて、死んでしまいそう……」
一方、辱めの言葉を強制された挙げ句、なじられ、蔑まれた女王と王女は、恥辱に肩を戦慄かせて感じ入っていた。柔肌にじんわりと汗を浮かべ、獣腿の上で切なげに身体をよじる。と、カルヴァが。
「ヨシ……それならまずは奉仕してくれヨ、フロレット。お前が欲しがってるこのチンポに……ナ」
そう言って熟女王の脂の乗った肢体をベッドに下ろすと自身は立ち上がり、彼女の目の前に傲然と屹立器官を突きつけた。毛深い獣性器を目の当たりにして、女王はあろうことか喜々と頬をほころばせて顔と胸を肉樹に近づける。

「ああっ、カルヴァ……はい……んふんっ」
ちゅっ……にゅむっ……!!
フロレットはそれがさも当然であるかのように、赤紫色の肉笠先端に厚ぼったい唇をつける。さらに、手で両の乳房を持ち上げて野太い獣幹を包み込んだ。そのまま鈴口を吸い立て、絹のように滑らかで柔らかい媚乳でもみほぐす。
ちゅるっちゅうっ、ちゅうううっっ……
にゅむっにゅっ、にゅっにゅんっ、むにゅっにゅっ……
カルヴァの尿道に鋭い刺激が流れ込み、体毛を逆立てながら背筋を駆け上がっていった。
「オウッ、いい、そうだっいいゾっフロレット……このっ、発情雌めガっ……私の、オオオッッ……」
「んっんんっっ、いいんですか、カルヴァ? ああ、嬉しい……んちゅるるるるっっっっ……」
その様子に、もう一人の高貴な両性具有者も身分卑しき獣人におねだりする。
「ヴェーナ……私も……私もご奉仕……させて……」
さながら、餌を前に主人の許可を待ちわびる飼い犬の表情だった。
「お前もしゃぶりたいのか、メネット?」
「はい……ああ、ヴェーナ、ヴェーナ……させて下さい……メネットに……ヴェーナの逞しい、おチンポ……おしゃぶりさせて下さいっ……!!」
「仕方のない奴だな……そら」
その言葉を聞いて、ヴェーナも王女メネットの前にペニスを突きつけるようにして仁王立ちになる。すると彼女は、飛びつくようにしてむしゃぶりついて来た。清楚な筈の唇を大きく開けて、喉まで届けとばかりに荒幹を銜え込む。
「はうっ、んんんんっっっ……!! チンポっ、ヴェーナのチンポっ、んむっんちゅっずちゅるるるるっっっ……!!」
「ンッ、ンウッ……クッ……」
暖かいぬかるみに吸い付かれて、ぎしぎしと鋭い快感が獣人の下腹部に響き渡る。
ぢゅるっ、ぢゅうっ、ぢゅるるるるるっっっっ……
頬をへこませ、唇を尖らせて淫らな吸引音を立て続ける。そこに隣の母親がやんわりと注意した。
「んはっ……はあっ……ふふっ、メネットったら夢中になって……でも、お乳がお留守ですよ。ちゃんとお胸でもご奉仕して差し上げないと……っんぐっ!!」
「オイオイ、喋ってるんじゃねえヨ女王様。誰が止めていいって言っタ?」
助言していた女王フロレットの唇はカルヴァの剛直で塞がれてしまう。だが、その言葉はちゃんと王女メネットの耳に届いており、彼女もまた乳房を持ち上げるとヴェーナの獣肉をそっと挟み込んだ。
むにゅむにゅ……にゅむむむむ……
ぢゅううううううっ、れるれるれるっっっ……ぢゅるるるるるっっっっ……
「ウウッ……オオ……そうだ、気持ちイイぞ、メネット、ンフゥ……」
最下層の賤民としてスラムに居たころには想像すらしなかった柔らかな極上快楽に、ヴェーナは牙をむき出して熱い吐息を漏らす。薄毛に覆われた乳房を揺らして感じ入る。
ちゅううっ、ちゅっ、ちゅっ……んちゅるるるるるっっっっ……
むにゅにゅにゅ、にゅむっにゅっ、にゅっにゅんっ、むにゅっにゅっ……
豪奢な寝台の上、仁王立ちの獣戦奴達の前で、高貴なる天羽の母娘フロレットとメネットは、両手で持ち上げた乳房でやわやわとしごき、こすり、揉み立てる。うっとりと瞼を閉じ、唇をすぼめて懸命に首を振る。口の中で舌をくねらせ、絡め、なぞる。熟練娼婦もかくやという奉仕ぶりであった。
女王と王女のこの痴態。事情を知らない第三者が見れば、獣の主人に仕える淫らな性奴隷にしか見えないだろう。しかしこれは、最初の時と同様、忠誠魔法を掛け直す儀式なのだ。彼女達の『魂の縛鎖』は自然に解けることはないのだが、しかし王宮内に潜む政敵達もまた同じ天羽であるからには、同様の魔法により別の忠誠心を上書きされてしまう危険がある。それを防止するために、定期的に二人はこうして獣戦奴達と交わっているのだった。とはいえ。
「美味しい……もう私、貴方達なしでは……あぁ……んんっっ……我慢できないわ……」
「んんっ、素敵……逞しくて、んちゅるるるるっっっ……ふぁ……私、天羽同士じゃ……狗鬼とじゃないと、物足りないですの……」
二人は、唇の隙間から下品な啜音が漏れるのも構わずに、すっかり陶酔し切った表情で奴隷達の怒張に一心不乱の奉仕を続けている。熱心に、丁寧に舌先で舐め上げ、なぞり、乳房で優しく揉みしだく。もはや彼女達の目的は儀式ではなく、それのもたらす快楽なのは明らかだった。
悦楽の奴隷と成り果てた母娘は、玉の汗を絹のような肌にうっすらと浮かばせ、芳しい髪を揺らしながら頭を振る。
頬をすぼめて吸い、しごき立て、潤んだ瞳で仁王立ちの獣人達をちらちらと見上げる。
磨くように、包むように愛撫し続ける柔らかく滑らかな乳房に、溢れた唾液が零れて光る。
やがて。
「オゥ、いいぞフロレット……ウウッ……もう、もうそろそろだ……! 私の精液っ、飲ませてやるゾッ……」
「オレも、ウッ……オオオ……」
獣人達も情熱的で巧みな愛撫の前に限界を迎えつつあった。ぶるりと足腰を震わせると、軽く仰け反るように背中を強張らせる。
奉仕対象が射精に向けてぷくりと膨らむのを感じ取って、女王と王女はくぐもった歓喜の声を上げた。
「嬉しいっ……んんっ、ヴェーナ……感じてくれて……んむっ、ちゅるるるるっっっ……」
「ああっ、膨らんだ……んんんっっ……飲ませて、飲ませて下さいっ、カルヴァの霊泥っ……んんんんっっっ」
二人揃って口を大きく開いて亀頭を飲み込むと、一刻も早く精液を欲しいとばかりに、吸引運動のピッチを加速する。滴る汗が魔法の照明にきらきらと光り、芳しい香気とともに飛び散る。
じゅぷっじゅぽっ、じゅるるるるっっっ……
ぐぽっ、ぢゅっ、ぢゅっ、ぐぽっぐぷっ……
「オオッオオオオオッ、いい、いいゾッこの淫売どもっ……! そうだっ吸えっ吸えっっ……飲ませてやるゾッオウウウッッ……!」
「そっそれっ……ンッンンッ……オウッ、出そうだっ……! 出る、出るぞっメネットっ……イくぞっっ……!!」
破局に向けて激流のごとく強まっていく快楽に、しゃぶらせている狗鬼達も堪らず咆哮した。全身を戦慄かせ、汗で濡れた毛皮の下から尻や背中の筋肉が隆々と盛り上がるのが見て取れる。そして。
「「ウッ、ウオッ、オオオオオォォオオオオォォォッッッッ……!」」
吠え声を上げると大きく腰を突き出し、淫らな雌女王と雌王女の喉奥に深々と限界怒張を突き立てると、
ぐぶぶぶっっっ……! ぐぱっ……!!
一気に解放した。
ぶっ……ぶびゅっ……びゅっぶびゅるるるるるっっっっっ……!!
どくっ、どくっどくっ……どぶぶぶびゅびゅびゅっっっ……!!
獣人達の尿道を、焼け付きそうなほどの灼熱が駆け抜けていく。そして。
「「んむんんっっ、んんんんんっっっっっっ……!!」」
母娘の口腔に、強烈な香気とともに濃厚な粘熱液が噴出して悲鳴を塞ぐ。
「オオッッオオオオオオオオッッッッ、飲めっ全部飲めっフロレットオォォォォッッッ!!」
「そうだっ、オオッ……ウウウウッッ……出てるぞっ最高だっっ……メネットっそうだっっオオオオッッ……!!」
「「んはっ、んんんっっんはひっ……っ……」」
従順な二人は暴君達の怒声に頷きながら、間断なく打ち込まれる狂奔流体を必死で嚥下していく。
びゅるるるるっっ、びゅるっ、びゅううぅぅぅっっっ……!!
がくっ、がくがくがくっ……!
「んふっ、んんっ……! 動かなひれ……んくっんむっ、あんっ……んぐっんんんっっ……!!」
狗鬼達が歓喜に足腰を揺する。そのせいで蹂躙器官が暴れ回るのを二人は懸命に追いかけ、唇から離すまじとばかりに食らいつく。
「ウオッ、オオッ、アオオオオ……ッッ!」
っぐぶっぶぶぷぶっっっ……!!
「んぶっ! んむっっ、んんんんっっっ…」
噴精し続ける剛直を喉奥まで押し込まれて、咽せかけるのを目を白黒させながらも酸欠を堪える。
どびゅるっ、びゅるるるっ、びゅぶぶぶぶっっ……!!
「オオオオ……オオオッッ……!!」
「んっ、んくっ……んほおっ……おいひっ……ごくんっ、じゅちゅっ、んむんんっっ……」
びゅばっ、ばびゅっ、どびゅるるるるっっ……!!
「まだっ、まだまだっっ、アオオ、アアアァアアッッ……!!」
「ふああぁっ、んっ、んくんっっ……飲まへてっ……んおおっ……もっとぉっっ……!」
獣人達の射精は延々と続き、淫売母娘は喜々としてそれを嚥下しつづける。
びゅっ、びゅるるるっ、びゅうっっ……
「じゅちゅるっっ……んは、はあぁあぁぁ……ああ……んくっ、んんっっ……」
やがて女王と王女の口内に放たれる精液も徐々に量が減り、勢いも弱まって来た。
……びゅるっ、ぴゅく……びゅっ……どくっ……ぶるるっっ……!!
「ごくんっ、ごくっ……じゅっ……ちゅうううぅううっっ……」
そして、鈴口から最後のひと雫を吐き出して、狗鬼達の射精はようやく終わった。
「ハッ、ハアッ、ハッ……ウウ、そうだ、全部飲めよ……そう、中に残ってるのも吸うんだ……フオオ……」
カルヴァは仕上げとばかり、軽く腰を突き出して命じた。
「んはふっ、んんっ……はいっ……んちゅうるるうるるる……んんんっっ……」
命令どおり、母娘は極太剛直をそのまま舌と唇で愛おしげに奉仕しつつ、中に残った粘液を最後の一滴まで吸い取るために頬をへこませて陰圧を掛けた。
ぢゅううぅうううううっっっっ……!!
「オウッ……ンンッ、いいぞ、いいぞこの雌ども……そう、そう……オオオ……ッッッ」
射精直後の過敏尿道から体液を吸い出されていく鮮烈な刺激に、ヴェーナは背筋の毛を逆立てて唸った。こうして、狗鬼カルヴァとヴェーナへの上書きの儀式は完了した。
しかし、術者である女王フロレットと王女メネットには、彼女達にこの魔法を授けた女神『奈落のラーナベルディ』に捧げるための、更なる供物が必要なのであった。
<つづく>